ラノベの感想) 公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます (富士見ファンタジア文庫)
概略:
優秀な成績で大学校を卒業して合格間違い無し思われていたアレンが王宮魔法士試験に落ちました。
本人は納得の結果みたいですが不合格の理由を語りたがりません。
何か仕事を始めなければならないのでアレンはお世話になっている教授に相談します。
教授から公爵令嬢の家庭教師の職を紹介されました。
アレンにはリディヤという腐れ縁の友人が居ます。
リディヤは教授とも親しいみたいです。
実家に帰省している彼女に置手紙を残してアレンはハワード公爵家がある北に向かいます。
最寄り駅にハワード公爵家の執事グラハムとメイドのエリーが迎えにきてくれました。
高級車でハワード公爵邸に向かう事になるんですが車は狭くエリーはアレンの膝に乗っています。
ハワード公爵家の当主ワルターから思わぬ仕事内容を説明されます。
娘のティナに王立学校の入学を諦めさせて欲しいと頼まれます?
レーベル | ファンタジア文庫 |
発行日 | 2018/12/20 |
著者 | 七野りく |
イラスト | cura |
ISBN | |
雰囲気 | 不合格、家庭教師、変わった依頼、生徒、授業、謎、克服、最終試験、嫉妬、雇用継続 |
王立大学校を次席で卒業したアレンが王宮魔法士試験に落ちました。
お世話になっている教授に朝から呼び出されて不合格を知らされます。
アレンはあまり気落ちしていないように見えますね?
アレンは故郷に戻ろうにも旅費が足りないので何か仕事はないですか?と相談します。
教授は懇意にしているハワード公爵家の次女の家庭教師の職を紹介してくれました。
この国を建国するのに貢献した四つの家が公爵家になっています。
アレンは公爵家の一つリンスター公爵家の長女リディヤと親しくしているようです。
教授はリディヤくんには当面内緒にしておくよと言っています?
アレンとリディヤは普通の友人関係では無さそうね?
リディヤとアレンは優秀過ぎて既定の年数よりも早く卒業させられています。
リディヤは能力は高いようですが色々と問題のある子みたいです。
リンスター家の領地はアレンの居る王都から見て南に位置しています、暖かい地方のようです。
これから向かうハワード公爵家は王都から見て北に位置していて寒いそうです。
アレンは詳しい仕事内容を説明される事なくハワード公爵家に向かう事になりました。
また教授が厄介事を押し付けてきたのでは?と疑っています。
アレンと教授の関係性も普通の師弟関係では無さそうです・・・
寒い!ハワード公爵領に到着したアレンの感想です。
駅に迎えが来ていました。
ハワード公爵家の執事グラハムとエリーというメイドが迎えに来てくれました。
高級車で屋敷に向かう事になるんですが何故か狭い?
アレンとグラハムとエリーが並んで座る事ができませんでした。
エリ―はアレンの膝の上に座っていく事になります。
エリーが嫌がるんじゃないか?とアレンは不安になりますがそうでもないね。
最初から好感度が高めのようなのは何でかな?
アレンには妹が居るので年下の女の子の頭をナデナデする癖があります。
無意識でエリーの頭をナデナデしていますね。
エリーは顔を赤くしてテレテレしています。
エリーはメイド服を着ているんですが着慣れていないように見えました。
装飾品も高級感が溢れているのでアレンは彼女が公女殿下ではないか?と疑います。
車内が寒かったのでアレンはちょっとした魔法を使って車内の温度を快適な温度に上げました。
グラハムとエリーは驚いています。
アレンとしては簡単な魔法を使っただけのようですが驚かれています。
アレンの魔法の使い方は一般的な使い方から外れているようですね。
屋敷に到着するとアレンが送迎のお礼を述べます。
その時に公女殿下も申し訳ありませんでした、と伝えます。
公女殿下は素直な性格しているようで、いえ此方こそありがとう、と言ってしまいます。
何時から気付いていたのか聞かれてアレンは最初に駅で会った時から気付いていたと答えます。
グラハムはアレンの観察眼の高さに驚いています。
公女殿下がどうしても一緒に行きたいと言うので連れてきたと教えてくれました。
アレンの荷物を部屋まで運ぶために本物のエリーが出てきました。
彼女はおっちょこちょいみたいです。
駆け寄ろうとして転びかけアレンに抱き留められました。
アレンは無意識にエリーの頭をナデナデしてしまうね。
エリーは驚いて真っ赤になっています、可愛い。
グラハムから鋭い視線を送られる事になりました。
アレン様は噂通りの方でございますね、決して好意的な台詞ではないね。
教授が色々と言っていましたが「天性の年下殺し」とも仰っていました、と告げられます。
アレンは人聞きが悪いです、年下の扱いに慣れているだけです、と反論しています。
エリーはグラハムの孫娘なので警戒心を与えたね。
ハワード公爵家の当主ワルターを紹介されます。
気さくな人で教授とは友人関係にありました。
公女殿下の家庭教師としてアレンを強く推薦されたそうです。
アレンは出発前に教授からティナ公女殿下の家庭教師を王立学校入学まで務めるとしか聞いていません。
ワルターから詳しい仕事内容が説明されます。
仕事内容はティナに王立学校入学を諦めさせる事でした!!
ティナには魔法の才能が無いそうです・・・
これは難題だとアレンは感じています。
これまでも教授に面倒事を押し付けられてきたんですがこれは斜め上過ぎると感じています。
ティナは学問は秀でているそうですが魔法が使えません。
魔力量は膨大だそうですがいつ使えるようになるかも分からない者の入学を許すほど王立学校は生ぬるくない。
アレンとリディヤ以降は規格外な存在を恐れても居る。
アレンは何か凄いことを在学中にしてしまったようですね?
リディヤも入学時に魔法が使えませんでした。
しかしアレンが教えた事により強大な魔法を簡単に連発できるようになりました。
二人は規格外の能力を示してしまい飛び級で卒業させられる事になったみたいです。
ティナは責任感の強い子なので王立学校への入学は責務だと思っているそうです。
それをワルターは不憫に思っているみたいね。
ワルターに連れられてティナが使っている温室を見に行きます。
そこでは見事な研究が行われていました。
全てティナが独学で学び植物を育てているそうです。
ワルターはティナには植物の研究を続けて欲しいと考えていました。
ワルターの意向は分かったのでアレンはティナの意思を尊重したいと伝えます。
ティナが魔法を扱えるようになり王立学校入学に十分な水準になった場合は入学を望むなら許可して頂きたいとお願いします。
ワルターはその時は後押しする、亡き妻に誓おう、と言ってくれました。
夕食の時間になりました。
ハワード公爵家では使用人も一緒に全員で食事をとる事になっていました。
和気藹々とした食事風景にアレンは良い習慣だと感じています。
そこで正式にティナ公女殿下を紹介される事になりました。
ティナはアレンが公女殿下と呼ぶのを嫌がりました、ティナと呼んで欲しとお願いされてしまいます。
その席でエリーが自分もアレンの指導を受けたいとお願いしてきました。
ワルターが認めたので彼女も一緒に教える事になりました。
王立学校の入学試験は、筆記、面接、実技、に分かれています。
面接は庶民のアレンでも通過できたので問題にはならないと考えます。
筆記試験は多方面の内容が出題されるんですがアレンは試験全体を通して何が問われているのかを理解していました。
問われているのは将来どんな魔法士になりたいか何を目指すのかです。
二人の実力を見る為にアレンの作った試験問題を解かせてみる事にします。
驚いた事にティナは既に王立学校に入学できるそれも主席で入学を許されるだけの知識を身に着けていました。
問題となるのは実技ですね。
エリーの方は簡単な魔法は使える状態で知識も少しの学習で合格できそうでした。
二人とも優秀なようですね。
アレンは二人に魔法の使い方から教える事にします。
アレンは独自の魔法理論を持っているようで二人を驚かせています。
現在の魔法理論では発動したい魔法が属している属性の力だけをコントロールするのが一般的みたいです。
精霊的な何かに力を借りて魔法を具現化していると考えられています。
アレンは毎回同じお願いばかりしたら精霊もヤル気を無くすと考えました。
魔法を発動する魔法式に余白部分を多めに残す事で魔法発動を強化する術を考案したようです。
エリーは少し教えると勝手に自習してメキメキ実力を伸ばしていきます。
対してティナは結果が出ませんでした。
アレンは現象を細かく観察して一歩ずつ進んでいくしかないとティナを励まします。
ティナが膨大な魔力を保有しているのは分かっているんですが魔法が発動しない理由が分かりません。
アレンはハワード家が保有している古文書にヒントを得ようと考えます。
ワルターに頼んで図書室に入る許可を貰い夜中に読み込む事にします。
ティナが13歳でエリーが14歳です。
エリーの方が年上なんですがドジっ子なのでティナの方がお姉ちゃんに見えますね。
二人がじゃれ合う姿を眺めてアレンは和んでいます。
授業で上手くできたら褒めてあげると喜んでくれます。
エリーは頭を撫でられるのが嬉しいみたいですね。
ティナはエリーの方を撫でる回数が多いと苦情を申し立ててきます。
アレンは表情豊かに怒るティナを可愛いと感じていて揶揄って楽しんでいます。
授業を始めるとエリーが引っ込み思案であると分かりました。
彼女の家庭環境に問題があるんだと分かります。
彼女の両親は亡くなっていて祖父母に育てられていると分かりました。
祖父のグラハムはハワード家で執事をしています。
祖母のシェリーはハワード家のメイド長していました。
二人ともエリーを大切にしているんですが言葉でそれを伝えていませんでした。
アレンはシェリーに言葉で伝える事を提案してみます。
シェリーがそれを実践したようでエリーが積極的になりました。
シェリーはエリーがアレンを好いていると分かると攻略方法の伝授まで始めたようです。
しかしアレンがエリーに手を出す事までは許しません。
エリーに手を出したければ私たちを倒してみなさいと言ってきます。
グラハムとシェリーは接近戦の達人でアレンは攻撃をかわすのに苦労しています。
二人はハワード家の護衛役も兼ねているのか?
積極性を増したエリーが大胆な行動に出てきました。
アレンの腕に抱き着いてくるようになります。
それを見たティナが対抗心を燃やして反対の腕に抱き着いてきます。
エリーの方がお姉さんなので柔らかいようですね・・・ティナはまだ固いみたいです。
アレンは男性使用人の敵意を買う事になってしまいます。
二人とも屋敷の人達から愛されているようですね。
アレンはリディヤへの置手紙を残してハワード公爵家にやってきました。
その返事が届きました。
リディヤはアレンが勝手にティナの家庭教師を始めた事にご立腹です。
アレンと会えなくて寂しいみたいですが素直にそうとは言えない様子です。
ティナが魔法を使えないと聞いたリディヤは私に使った方法は絶対に使うなと厳命してきます。
使ったら切り殺すとまで脅してきます。
リディヤが魔法を使えるようになったのも特殊な方法だったようです。
アレンがティナにそれを行うと魔法が使えるようになるみたいです?
返事を早く受け取りたいリディヤは小切手を同封してありました。
費用は自分が出すから高額な輸送手段を使えって事ですね・・・
授業を続けていくとティナに氷属性の魔法発動の兆候が見られました。
魔法式は完璧で魔力量も十分なんですが発動の直前で消えてしまいます。
アレンは何らかの阻害要因があると考えます。
ハワード公爵家が所有している古文書を読み漁っているアレンが一つの気付きを得ました。
亡きティナの母でワルターの妻であるローザの署名が入っていました。
ワルターからローザが一級の魔法士でティナを妊娠中に魔法が使えなくなったと教えられます。
ローザは氷属性関係のページに栞を挟んでありました。
ティナが魔法が使えなくなると予見して研究をしていたのかも知れませんね。
原因を特定する前に亡くなったしまったようです。
エリーはどんどん上達するのに自分は一向に上達しない事にティナは焦ります。
精神的に追い詰められていたようで魔法を暴発させる事となりました。
ティナから強大な魔力が溢れだして猛威を振るい始めます。
使っているのが氷系統魔法なので屋敷の全てが氷漬けになりそうです。
緊急事態だったのでアレンはリディヤに使ったのと同じ方法をティナに使う事にします。
二人の魔力を繋げることでアレンが制御を行います。
アレンは他人の魔力を制御できるのね・・・これは特異な才能のようです。
アレンが制御を行う事で暴走を止める事ができました。
アレンは「オオ-ツイニワレ、鍵トアエリ」との声を聞きましたがティナには聞こえませんでした。
声の主が彼女の魔法発動を阻害していた要因かも知れませんね。
公にされると不味い技術なので口止めをしておきます。
二人だけの秘密ですと伝えるとティナは嬉しそうに快諾してくれました、チョロいです。
ティナが魔法を使えるようになったと分かると屋敷中の人が大喜びしてくれます。
ただワルターだけがあんまり喜んでいません。
エリーは使える魔法を増やす事、ティナは魔力を抑える事を重点に授業をする事になります。
ティナが魔法を使えるようになったのでアレンの仕事は終わったも同然です。
少し余裕ができたので普段よりも早い時間に入浴する事にしました。
ハワード公爵家の屋敷には誰でも使える大浴場があります。
しかも温泉ですよ、初代が温泉を気に入り、此処に屋敷を建てたんだそうです。
アレンも温泉を気に入りました。
入浴後に冷えた牛乳を飲んで楽しんでいると風呂上がりのエリーがやって来ました。
勿論大浴場は男湯と女湯に分かれていますよ、決して混浴したわけではありません。
アレンはエリーの髪を乾かし梳かしてあげる事にします。
アレンは魔法を使って髪に温風をあてて乾かしているようですね・・・エリーはその巧みさに驚いています。
妹で慣れているので習慣としてやってあげる事にしたようです。
エリーはとても嬉しそうにしていますね、顔が赤いのは風呂上りだからってだけではないよな。
こういうところだよねグラハムから天然の年下殺しと警戒されるのは。
少し遅れてティナが風呂から出てきました・・・エリーとアレンの姿を見咎めるとズルイと主張してきます。
自分にもヤッテと命じてきます。
アレンが髪を乾かしてあげるとエリーが髪を梳かすと言ってきます。
エリーの独占欲が炸裂しているように見えるけどね。
普段はエリーがティナの髪の手入れをしているようですがね。
アレンがティナの百面相が面白くて揶揄ったと伝えると怒って大股で歩き出します。
エリーが慌てて後を追います。
廊下の角を曲がったところで二人でヒソヒソ話しています。
ティナが聞きようによっては際どい事を言ってますなー。
エリーはいいわよね、最後までしてもらって、私はしてもらってないのに、ズルいわ、私だって、先生にもっともっと・・・
エロ妄想が捗るようなことを言ってくれるティナはイイ子だねー
アレンが顔を出して、もっとどうしてほしいんですか?と尋ねると二人は手を取り合い逃げ出しました。
仲良しですねー
ティナが魔法を使えるようになったので実戦形式の授業に変化します。
ティナとエリーの二人でアレンと戦う事になっています。
上手く連携できているんですが当然アレンには勝てません。
意欲的な二人はアレンに勝利するのを目指しています。
アレンがワルターの呼び出されます。
ワルターはティナとエリーの王立学校受験を取りやめると言い出しました。
ワルターは最初からティナが魔法を使えるようになるとは考えていませんでした。
ティナに王立学校に進む夢を諦めさせる為にアレンを雇ったようです。
アレンがワルターに「ふざけないでください」と言って殺意を向けます。
彼の向こう見ずな性格が現れているなー
アレンはワルターが考え違いをしていると指摘します。
アレンは書庫の文献にローザの書き置きが残っていた事を教えます。
ティナが魔法を使えるようになったら後押しする。
亡き妻の名前を持ちだし誓ったのに約束を破るのか。
自分は父から死者の名前を持ち出してまで誓った約束を守れぬ男は屑以下、語る価値すらなく、死んだ方がマシ、と教わった。
どうかお願いします試験を受けさせてあげてと懇願します。
ワルターはアレンを優し過ぎると評します。
アレンがティナとエリーの願いを叶える為に行動していると理解はしてくれますが条件を出されました。
ワルターが指定した相手と戦い勝利する事が受験を認める条件となりました。
最終試験の前夜、アレンは温室の図書室で古文書を読んでいました。
ティナの魔法制御のヒントを得ようとしているようです。
そこに眠れないティナがやってきて母親の記憶を語ります。
ティナを生んだ直後からローザは寝たきりになったそうですよ。
ベッドに大量の文献を持ち込んで研究を行っていたそうです。
ティナはローザに絵本や本を読み聞かせてもらうのが好きだったそうです。
そこで聞いた英雄たちが使う大魔法の話が大好きになったそうです。
魔法が使えないと分かっても王立学校の入学を目指して努力を続けられたのは大魔法を使えるようになりたいと思ったからだそうです。
ティナは大魔法は存在すると考えています。
だから王立学校に行きたいんだそうですよ。
ローザが残してくれた物語だから、大魔法の存在を証明したいんだそうです。
アレンはローザが凄い人だったと再認識しています。
ティナを自室に送っていく途中でエリーと遭遇します。
嫉妬に駆られた彼女が魔法で攻撃してこようとしたのでアレンは慌てて宥めますがティナが煽ったので魔法は放たれたようです。
アレンはティナとエリーをリディヤのように魔法で攻撃してこないように育てようとしたんですが見事に失敗しました。
何故かなーと疑問に感じてますが魔法の使い方を鍛えているので二人とも簡単に発動できるようになっています。
手軽に使えるならそりゃ使うよなー
あと事あるごとに頭を撫でるのもよろしくないよ、あれは二人に勘違いさせるには十分な要因となっているぞ。
最終試験の日がやって来ました。
シェリーがティナにローザが愛用していた魔法の杖を手渡してきました。
ティナが感激しています。
ティナとエリーの相手はワルターが用意した人物なんですが、これって仮面を被って変声機で声を変えているワルターだよね。
アレンは気付いてますがティナとエリーは気付いていません。
未来がかかっているので相手を気にしている余裕はないのか?ワルターの変装が上手いのか?
ワルターは二人の攻撃を受ける構えを見せてきました。
ティナとエリーが攻撃を始めます。
グラハムとシェリーから接近戦の手解きを受けているエリーが前衛でティナが後衛を務める布陣を取っています。
エリーは魔法発動を相手に気付かれないで行う事ができます。
その特性を活かして接近しながら魔法による砲撃を行っています。
基本的に公爵家の人間は戦闘能力が高いみたいですね、ワルターは軽々とエリーの攻撃を受け止めています。
ティナによる氷属性の魔法砲撃が放たれますがこちらも効きません。
ワルターは氷でできている巨大な狼を作り出しました。
ハワード公爵家が誇る極致魔法「氷雪狼」です。
ワルターはティナに見えるように起動式をゆっくり構築してくれたみたいです。
極致魔法は極致魔法でしか防げないそうなんですがアレンは通常の魔法で防いでいますね。
エリーが感動しています。
ティナとエリーが勝利を掴むには同じ極致魔法で対抗する必要がありました。
二人はまだアレンの域まで到達してないのでそうなるね。
アレンはティナに氷雪狼を使うように助言します。
優秀なティナは一度見ただけで氷雪狼を発動させました。
同じ魔法でも威力はワルターの方に分がありました。
押し切られそうになりますがティナは秘策を用意してありました。
ティナが自分の髪を縛っていた白いリボンをローザの杖に巻き付けると魔法の威力が増していきます。
そして声が聞こえてきました。
今度はティナにも聞こえました。
「ツカエ、ワレノチカラヲ。鍵ハナンジノテニアリ」
使えと言ってるのでアレンは問題無いと判断しティナに力を使う事を指示します。
ティナが可愛いですね、アレンが隣に居てくれるなら何も怖くありませんと言って力を使います。
どうも声は「氷鶴(ひょうかく)」という大魔法に関係している精霊の声のように思えますね。
ティナの魔法の威力が跳ね上がり勝利を掴みました。
最終試験に合格したのでワルターは二人の受験を許可してくれました。
受験の為に王都に行く事になるんですがワルターとグラハムは仕事が忙しくて一緒に行く事ができません。
シェリーは王都の屋敷を管理する為に一緒に行く事になります。
ティナとエリーがアレンに懐いてしまったので直ぐに腕に抱き着いてきます。
ワルターとグラハムはそれが不満なようで二人に注意するんですが、黙ってて、と冷たく言い返されて沈黙しています。
弱い、お父さんとお爺ちゃんヨワヨワだよー
シェリーはエリーの恋を応援する気ですね。
男性を攻略するには胃袋を掴むのが一番とエリーに教えています。
エリーは料理ができるようですね、それがティナに対してアドバンテージになる事を期待しているようです。
焦ったティナがシェリーに料理を教えてと頼んできます。
エリーを応援したいシェリーは忙しいと言って逃げていきました。
アレンの周囲にいる女の子は料理のできない子ばかりなので料理スキルをアレンは重要視していないと分かりティナは安心しています。
受験当日、アレンは王都にあるリンスター家の屋敷に向かいます。
王都に戻った報告をするのが目的でした。
会って早々にリディヤはリンスター家の極致魔法を放ってきました。
アレンはそれを無効化しています。
リディヤもアレンに効果があるとは思っていません。
リディヤが帰省して王都を離れていたのは彼女の妹も王立学校を受験するからでした。
妹の指導を行っていたそうです。
自分が指導したので主席合格は間違いないと言ってますがアレンがティナの存在を知らせます。
魔法を教えた翌日に上級魔法を使えるようになった人間を二人しか知らないと伝えるとリディヤは負けを認めます。
アレンの言ってる二人とはティナとリディヤの事だよな。
リディヤが話の方向性を変えてきます。
もうすぐ試験を終えた妹が帰って来るので着替えてと要求してきました。
アレンが難色を示すと冴えない恰好で迎える義兄が何処にいるのかしら?と言われます。
義兄?リディヤは将来的にアレンを婿として迎える気みたいですね。
待ち構えていたリンスター家のメイド達がアレンを着替えさせる事になりました。
メイドたちはリディヤの事が大好きで彼女を可愛がっています。
アレンからの手紙に一喜一憂する姿がとても可愛らしかったと言ってアレンにお礼を言ってきました。
リンスター家には何故かアレンの体型にピッタリな衣装が用意されていました。
着替えたアレンにリディヤが抱き着いてきました・・・彼女腕力も強いらしく背骨が折れるかと思ったと言っています。
試験を終えたリディヤの妹が帰ってきましたが、何故かティナとエリーが付いてきてるね?
二人もアレンに飛びついてきました。
三人は些細な口喧嘩から中庭でじゃれ合いを始めます。
中級魔法、上級魔法、極致魔法が飛んでいます。
アレンは三人が試験を通過したと確信しますが試験場が大丈夫だったかなぁ?との不安が過ります。
ティナとエリーの王立学校入学が決まりました。
アレンはワルターに呼び出されてお礼を言われます。
ティナは主席でエリーも上位での合格を果たしました。
ワルターから請け負った仕事は受験までの間の家庭教師なので仕事は終わりです。
アレンは別れの挨拶をするつもりだったようですがワルターは引き続き二人の家庭教師をして欲しいとお願いしてきました。
必要な物は何でも揃えてくれる破格の条件が提示されます。
アレンは断る事にしますね。
ワルターから理由を問われるんですが口ごもっています。
言い難い理由がありそうですね・・・ワルターが原因を知っていました。
王宮魔法士試験に原因がありました。
アレンはそこで実技試験の相手だった第二王子に家族とリディヤを貶されたんだそうです。
言われた直後は何もしなかったそうですが実技試験で仕返しをしました。
王子の魔法を全て打ち消し魔力を奪い取り、剣技でも圧倒したそうです。
面子を潰された王子は「不敬」だと騒ぎ立てました・・・うゎ小物っぽい。
馬鹿王子みたいですが王位継承権第二位なので捨て置く事もできません。
試験管達はアレンの実技試験は評点しないと決めました。
それで合格点に足りなくなって不合格になったのね。
アレンは自分の過去を少しだけ語る事にします、ワルターは公爵なので色々と知られていると思ったからです。
アレンは孤児で両親と妹との血縁関係はありません。
これは爆弾と言ってもいい事実だね、アレンは義妹持ちだったぞ。
リディヤが激しく警戒しているのかも?
両親と妹は自分を愛してくれていますし、リディヤも少しは自分を気にかけてくれているので許せなかったんです。
同時に第二王子との一件が原因でお世話になった方々に迷惑も掛けたくないのでワルターの誘いを断るんですと告げます。
ワルターはアレンの考えに理解を示してくれます。
覚えておいて欲しいハワード家は君の味方だ。
しかしティナは納得してくれませんでした・・・惚れてる相手が居なくなってしまうのに耐えられないようだ。
泣きながら部屋を飛び出していきました。
入れ替わる形で部屋に入って来た教授に追いかけるように助言されます。
教授が謎の笑顔を浮かべていてワルターは険しい顔になっています?何で?
中庭でティナを見つける事ができました。
まだ寒いので薄着で飛び出したティナを心配してたんですが彼女はアレンが貸したマフラーを巻いていました。
アレンは説得を開始します。
故郷に引き籠りはしません、王都で仕事を見つけるつもりです。
辞めても貴女達の先生です、何かあれば、すぐに飛んできますよ。
納得したみたい、ティナはマフラーを返すと言ってきますね。
最後ですから結ばせてくださいとオネダリしてきました。
ティナがマフラーを外してアレンの首に結んでくれましたが握った先を放してくれません?
俯きっぱなしなのでアレンは泣いているのかな?と考えます。
声を掛けようと思った瞬間に突然前方へ引っ張られます!!
刹那、ティナに唇を奪われました!!ひゅーティナ積極的ー
二人の唇が離れたときに教授の声が聞こえてきました。
「見ちゃったよ。ワルター、君も見たろう?」
「うむ」
後ろを振り向くと心底楽しそうな教授と複雑な面持ちのワルターが立っていました。
アレンは教授たちに嵌められたと気が付きます。
教授が煽ってくるね、麗しき乙女からキスされて放り出すなんて、そんな情けない真似はしないよねぇ?
教授に対して殺意を滾らせるアレンの袖をティナが引いてきます。
「先生が言われたんですよ?『我慢と遠慮はしなくていい』って」
不安そうに上目遣いで見てきますね。
アレンは確かにティナにそう伝えていた、僕は自分の言葉を守る男だ、アレンは覚悟を決めました。
ティナの頭を乱暴に撫でて、額にキスをして、片膝をつき頭を垂れます。
「ティナ・ハワード公女殿下、僕にもう一度、貴女を教える機会を与えていただけないでしょうか」
キザです。
呆気に取られてティナが返事ができないでいるとエリーに向けて頼みます。
「駄目でしょうか?なら、そこで隠れているエリー・ウォーカー嬢に」
エリーが飛び出してきてアレンの左腕に抱き着いてきました。
私で良ければ喜んで、私も今のお願いします!ティナお嬢様だけなんてズルいですっ!
これってキスして欲しいって事だよね。
ティナは慌ててアレンが家庭教師を続ける許可をだしています。
エリー、ダ、ダメよっ!!
二度と勝手に離れていかないでくださいね?行く時は私も一緒です。何処までも、ですっ!
これってプロポーズの言葉みたいだよね。
後日リディヤにも王宮魔法士試験の真相がバレていた事が発覚してアレンは羞恥に悶える嵌めになります。
アレンはティナに最初から自分を信じてくれた理由を聞いてみます。
笑うのは禁止ですと告げてからティナが理由を話してくれます。
ティナは教授とリディヤからアレンの話を聞いていたそうです。
それを聞いてローザが読んでくれた御伽噺の中に出てくる王子様みたいだなって思い憧れていたんだそうです。
でも実際の先生は何倍もカッコよくて、凄くて、素敵で、優しくて、だからです、と言われました。
意外過ぎてアレンは「えーっと・・・ありがとう?」と疑問形で感想を述べています。
ティナは、どうして疑問形、喜ぶところですよ!?もうっ!と憤慨していますね。
これからもどうぞよろしくお願いしますね、ティナ公女殿下。
ティナは、先生の意地悪!と言いつつ、末永くよろしくお願いします、と答えました。
アレンはティナを揶揄って行く事になりそうですね。
彼女はリディヤに負けない才を持っているので強くなりそうだよ。
家庭教師を続ける事は決まりましたがアレンはどこで暮らす事にするんだろう?
王都のハワード邸で一緒に暮らす事になるのか?
そんな事はリディヤが許してくれそうもないよな。
ハワード家とリンスター家でアレンの取り合いになるんだろうか?
成分表
成分 | 含有量(5:多い、1:少ない) |
美少女 | 5 |
魔法 | 5 |
剣技 | 2 |
恋愛 | 3 |
教師 | 5 |
ラッキースケベ | 1 |
AmazonLink: 公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます (富士見ファンタジア文庫)
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