ラノベの感想) 公女殿下の家庭教師 11 歴史の幻影 (富士見ファンタジア文庫)

- 9月 10, 2025

概略：
水都と連絡が取れなくなってしまい南都のリンスター家は焦っています。
一刻も早くアトラス侯国を攻略する必要がでてきました。
リンジーの命令でケレブリンが単身で水都に向かう事になります。
三日月に負けたアレンとリディヤはニッティ家が用意してくれた隠れ家に身を寄せています。
そこは古い書庫で温泉が併設されていました。
アレンは温泉を楽しみつつニコロに手伝って貰い礎石について調べています。
書庫の場所は一部の者しか知らない筈なんですが襲撃を受けてしまいます。
南都に到着したケレブリンと水都に常駐しているメイド隊がアレンと一緒に交戦します。

レーベル	ファンタジア文庫
発行日	2022/3/19
著者	七野りく
イラスト	cura
ISBN
雰囲気	分断、隠れ家、温泉、強襲、激闘、掌の上、混乱

水都の分断を目論んでいる聖霊教が通信魔法を阻害してきました。
南都のリンスター家は水都と連絡が取れなくなり焦りを覚えています。
南都から直接グリフォンで飛んで行く事は距離的にできません。
一刻も早くアトラス侯国を屈服させる必要がありました。
南都にやってきたティナとエリーが兵站業務を手伝い活躍していました。
リィネは二人の貢献度の高さに嫉妬心を抱いています。
自信を失い欠けていると察したカレンがリィネを敵情視察に誘います。
カレン、リィネ、リリー、ケレブリンの四人で偵察に向かう事になりました。

アトラス侯国には七塔要塞と呼ばれる要塞が存在します。
そこを突破しないと勝利は望めません。
グリフォンに乗って空中から敵情視察を行ったリィネ達は撃退されてしまいます。
リィネが火焔鳥を撃ち込み要塞の防御力を計っています。
力押しでの突破を目指すのは戦力を大幅に削がれる事が判明しました。
作戦を練り直す事になります。
ステラが中心となり攻略作戦を練っていますね。
リンジー・リンスター前公爵夫人は連絡が取れなくなっている水都にケレブリンを派遣する事にします。
アレンとリディヤに接触してお互いの状況を確認するのが目的です。

三日月を名乗る吸血鬼と戦い破れたアレンとリディヤは英気を養っています。
ニケ・ニッティが提供してくれたニッティ家の蔵書が保管されている旧市街にある書庫に隠れています。
アレンはニコロと協力しながら「礎石」について調べています。
アレンはリディヤの誕生日までに水都の争いを終息させたいと考えていました。
それを知りリディヤが嬉しそうにしてますね。
書庫には温泉が作られていました。
男湯と女湯は別れているんですがリディヤが甘えてきますね。
女湯から男湯に入っているアレンに声をかけてきて石鹸よこせとかシャンプーを貸してとか要求してきました。
アレンは慣れた様子でリディヤのリクエストに応えています。
二人のラブラブぶりにニコロが照れていますね。

水都の意思決定を行う十三人委員会が紛糾しています。
アレンと密会したピサーニ統領は単独で南都に赴いてリンスターと交渉すると決めてたんですが通信妨害が発生しているので南都行きが無くなりました。
委員会終了後に経戦派のカーニエン猴カーライルに停戦派のロンドイロ猴の孫娘ロアが声をかけます。
ロアは聖霊教と手を組んでいる事の危うさを訴えるけど聞いてはくれません。
去り際にカーライルは聖霊教には関わるな、一刻も早く次の光曜日までに水都を脱出しろ。
ロンドイロ侯国に戻るなよ、死ぬぞ、と言い残しました？
二人は学生時代の知り合いのようですね、だから恩情を示したようですよ。
ロンドイロ侯国に戻るなとは・・・南部は危険って事なのか？

ケレブリンが水都に到着しました。
アトラは始めている見た彼女はその可愛らしさに震えています。
リンスター家のメイドは可愛いモノに弱い過ぎるよなー
幼い頃のリサ、リリー、リディヤ、リィネと比べてどちらが可愛いのかって大問題に悶えています。
アレンは南都の状況を聞き七塔要塞の攻略案を考えています。
ステラと作戦案が被ったら彼女の作戦を優先して欲しいと伝えています。
ステラは信頼されているなー
ティナとカレンに与える新たな魔法式も開発していますね。
リディヤがティナに過保護過ぎると言って魔法式内に安全弁を増やせと求めてきました。
アレンがティナなら大丈夫と評価しているのが悔しいみたいです。
対してカレンの魔法式に関しては安全弁の除去を求めてきました。
信頼が厚いなーリディヤの中ではカレンは義妹になると決まっています。

ニッティの書庫は一部の人間にしか場所が明かされていません。
知っているのはニケと父親のニッティ猴とパオロと物資を運んでくれている獣人族だけです。
襲撃される恐れは極めて薄かったんですが襲撃を受けます。
襲撃前にニコロのメイドであるトゥーナが青い顔で義父のトニ・ソレビノが裏切ったと教えてくれました。
トニは先の戦争でケレブリンに右腕を斬り落とされた借りがありました。
リンスターを相手にしていると事から聖霊教に味方する道を選んだようです。
事前に襲撃が分かっていたのでアレンは逃走計画を練れました。

襲撃者が予想以上に手練れだったので水都に常駐するリンスターメイド隊第六席のシンディが殿を務める事になりました。
シンディは表向きはリンスター家が支援している孤児院（アレンが自分への報償を提供しているようです）の出身者です。
孤児院に引き取られる前は連邦軍の非道な実験の被験者でした。
人間らしい心を与えてくれたリンスター家に感謝の念を抱いています。
仲間を守る為に犠牲になる事を決めたようですね。
連邦軍機密番号「降魔兵」第１０１３番と呼ばれていたと言っています。
シンディが能力を解放すると短い乳白髪が黒髪の長髪に変化しました。
シンディは死ぬ覚悟を決めてたんですがアレンとケレブリンが助けに来てくれます。
三人で共闘してトニと戦う事になります。
トニは失た右腕に聖霊教から与えられた義手を付けていました。
ケレブリンの登場に宿敵と戦えると大喜びしていますねー
対してケレブリンの方はトニを覚えていませんでした・・・憤慨していますよ。
彼女にとってトニは倒した多くの敵の一人に過ぎませんでした。
更に怪しい魔導具で力を得ているのも気に入らないようですよ。
アレン達はトニの扱う義手だけを破壊しました。
トニは殺せと言ってきますが捨て置く事にしました。
トニは可愛い義理の娘トゥーナを巻き込みたくなくて事前に逃げろと命じていました。
ニッティへの忠誠心も高いようですが戦士として再起不能にされた恨みが上回った結果裏切ったようですね。
捨て置くのは恩情とも思えますね。

経戦派のカーニエンは病床にある妻を助けたくて聖霊教に協力しているようですね。
アレン達は取り逃がしましたが書庫を焼けたので満足しています。
アレン達がこれ以上知識を得られなくなったから良しとすると言っています。
ニコロも書庫から外に出せたので攫う機会ができると思っているようです。
アレンとリディヤは三日月が南方から戻ってくれば問題無く対処できると考えています。
同じく経戦派のホッシ・ホロントはカーニエンの状況を知っていて協力しているようですよ。

ケレブリンには急いで南都に戻ってもらう事になります。
大活躍ですねー
リディヤは消耗した魔力が戻ってないので今回は戦えませんでした・・・不満そうです。
ケレブリンを送り出しアレン達は獣人族が住んでいる「猫の小路」で匿われる事になります。
水都で知り合った獺族のスズが水都の獣人族はアレンさんに御味方しますと言ってくれました。
この辺りにアレンの愛され体質が出ているよなー

南都にケレブリンが戻ってきました。
アレンの作戦案を開示します。
それはステラが建てた作戦と似ていました。
ティナが七塔要塞攻略の糸口を見つけていました。
ティナは潮位が最大になる時期を予想してありました。
それを利用して攻略戦を実施する事になります。
最初にティナが氷雪狼で海を凍らせて行軍する道を作ります。
次に雷神化したカレンが正面の壁を破壊します。
リィネ、リリー、ケレブリンが防御結界を発生させている七本の尖塔を破壊します。
それから本隊が雪崩れ込んで砦を占拠する計画でした。

王都からアレンがリィネに託した炎麟の短剣が届きました。
カレンが双天の短剣をリィネの持つ炎麟の短剣に押し当てました。
抑え込まれていた膨大な魔力が解放されます。
リィネは制御しきれるのか不安に思っています。
ティナがリィネを挑発してくるね。
リィネに短剣を託したアレンを信じられないのか？と言われてリィネは奮起します。

ティナが双天の魔法を取り入れ改良された氷雪狼を放ちます。
闇属性が強くなり過ぎて制御が危うくなっていますね。
リリーが転移の魔法でティナの元に移動します。
エリーと一緒にティナの制御を助けているなー
リリーはアレンの魔法を手直し無しで扱えるので上手くサポートできています。
氷雪狼が放たれて氷の道を作り出しました。
ティナは「先生に、アレンにっ！！絶対追いつくんですっ！！！！！」と叫んでいます。
気合が入っているなー
カレンが雷神化して雷を纏い正門目掛けて突撃します。
リィネの番になりますね。
メイド隊副隊長のロミーと前副隊長のケレブリンがリィネと共に尖塔を破壊する役目を担っています。
リィネが炎麟の短剣を引き抜き尖塔を斬りつけると手応えなくスパッと斬れてしまいました！！
リィネは余りの切れ味の鋭さに驚いています。
手分けして残りの尖塔も破壊しました。
リンスター家の本隊が要塞内雪崩れ込みます。

要塞の攻略は成ったと思われたんですが聖霊教側が助っ人を送り込んできました。
大規模転移魔法を使って魔道兵を送り込んできました。
更に植物を操る大規模な魔法を使ってきました。
リィネ、リリー、カレンが急行して敵の本営で対峙します。
敵総大将のロブソン・アトラスが短剣で胸を貫かれています。
助っ人は敵味方の隔てなく攻撃しているようですね？
混乱しているリィネ達が一体何をしているんです？と問います。
敵は掃除をしているだけだ、南方の方が面白かったかもしれない、と不満そうに答えてきます。
リィネ、リリー、カレンを見た敵は、リンスターの公女が二人に、雷狼が一頭、悪くないと言っています。
使徒次席のイオ・ロックフィールドの役に立つ機会を与えると言ってるなー
愚かな末席イーディスでなかった幸運を喜ぶがいい。
貴様等を回収すれば上席面している吸血姫の打倒も視野に入るとも言ってたよ。
三日月を快く思ってないみたいだね。
聖女一派は聖女の事は信奉しているけど仲間同士は不仲なのかもな。

イオが強敵であると察してリリーが挑発しながら先制攻撃を行います。
防がれてしまいますね。
三人で同時攻撃を行います。
カレンの持っている短剣が流星の短剣だと気付いたイオが焦りを見せます。
派手な爆発が起こりますがイオは上空に逃げて無事でした。
無駄な抵抗は終わりと思っていいか？イオが余裕を見せてくるね。
リィネ達は揃って終わりですねーと答えます？
イオが不審に思っていると助っ人が登場しました。
リサ・リンスター、レティシア・ルブフェーラ、リンジー・リンスター、ケレブリン・ケイノスが登場します。
「血塗れ姫」「彗星」「緋天」「首狩り」の登場にイオを不利を悟ります。
貴様らの顔、忘れぬ、次は必ず殺してやろう。
それまで生を永らえさせよ、聖女と共に世界を変える、イオ・ロック・フィールドの命である。
偉そうに宣言して撤退していきました。

ティナが上空から降って来てリィネの胸に抱き着きます。
エリーが浮遊魔法を使って衝撃を抑えてくれています。
ティナがリィネが無事だった事に安堵して泣いています。
エリーも飛び込んできて三人で抱き合って無事を喜び合っています。
リィネは確かな戦果を挙げられた事で自信を付けたようですよ。
アトラス侯国が単独で休戦を申し込んできました。

スズの操るゴンドラで「猫の小路」に移動中のアレンの元に小鳥が飛んできました。
足にリンスターからの報告書が付けられていました。
アトラス侯国が連合を脱退して単独で休戦を申し入れたと知ります。
もう一羽小鳥が飛んできました。
そちらには講和派の南部四侯が会談中に襲われた、レジーナ・ロンドイロ猴に至っては生死不明とありました。
襲撃者は三日月と従者の剣士のようです。
講和派は劣勢に立たされました。
この事からアトラス侯国の七塔要塞は取らされた。
聖霊教はリンスターの動きを封じる為にアトラス侯国を切り離したと予想します。
講和を希求していた南部四侯は潰されました。
水都中枢が数日間、交戦派に牛耳られる事は避けられません。
アレンは差配している聖女は怪物だと感じています。
未だに敵の最終目標が見えていないのも不味い点ですねー
アレンは南都と連絡し易くなったので一泡吹かせられるさと言っています。
リディヤはアレンと一緒なら怖いものなんてないわよ、と答えます。
不利な状況なんですが反撃できるのかー？

成分表