ラノベの感想) 86―エイティシックス―Ep.14―ペイント・イット・ブラック― (電撃文庫)
概略:
ギアーテ連邦は崩壊の危機に瀕しています。
あれ程唾棄していた共和国と同じ手法を取ってしまいました。
市民は安全な防壁内に逃げ込み前線との間に脱走防止の地雷原を作りました。
エイティシックスは化物と認定してレギオンの対処を任せています。
共和国人への反感も高まっているのでレーナとアネットは壁の中に隔離されています。
酷い扱いを受けてるんですがシンもレーナも希望を失っていません。
<大君主>作作戦を実行に移す為に戦力の調達を考えレギオンを追い払っていました。
レギオンを率いるノゥ・フェイスが非道だけど非常に有効な戦術を実施してきました。
エイティシックスの心的外傷を抉る電磁波を使ってきます。
| レーベル | 電撃文庫 |
| 発行日 | 2025/9/10 |
| 著者 | 安里アサト |
| イラスト | |
| ISBN | |
| 雰囲気 | 矜持、義憤、葛藤、すっごく有効な戦術、窮地、激励、救出、敵の正体 |
レギオンの卑劣な作戦によりギアーテ連邦が崩壊の危機に瀕しています。
ギアーテ連邦に元から居た市民が移民や避難民を排斥した結果国内が二分されています。
軍部も劣勢な状況から国を守る為に非道な作戦を実行に移してしまいました。
前線から国内の間に地雷原を設置して兵士が前線から逃げられないようしてしまいました。
エイティシックス達は前線に留め置かれ前線の維持に従事する事になってしまいます。
共和国でやられた隔離と同じことをされてしまったわけですがエイティシックス達は絶望していません。
共和国では最終的に死ぬしか無かったんですが連邦では生き残れる自由があると考えて前向きに生きています。
共和国人を排斥する風潮が生まれてしまったのでレナーとアネットは身の安全を守る為に隔離されています。
表向きはシン達エイティシックスを戦わせる為の人質扱いなんですが実際は自由に暮らしています。
ザイシャも同じ場所に隔離されているので彼女達が居る場所は<三姫宮殿(ドムス・レギナールム)>と呼ばれています。
シンとレーナは離れ離れな状況なんですが報国の際に冗談を言い合う余裕がありました。
おいおい仕事中にイチャツクなよ・・・
二人はフレデリカにレギオン停止命令を出してもらう<大君主>作戦の実施を諦めていません。
レーナが居る後方に連邦の実力者が居るので接触する機会を伺っています。
有力者と接触して兵力を用立てて貰おうと考えています。
自爆兵器である仔鹿から市民を守る為にリトが発砲して爆発を止めました。
仔鹿の存在に気付かなかった連邦兵(味方)にリトは撃ち殺されてしまいました。
更に悪い事に仔鹿を撃ち殺す動画が拡散されてしまいエイティシックスを化物と考える風潮ができてしまいます。
シンはリトの事件に関してフザケンナって思いはあるようですが隊長なので己の意思を表明できません。
自分が連邦に対して反感を抱いていると示してしまうと仲間達を連邦憎しって風に扇動してしまうと考えたからです。
シンは自分を押し殺して我慢してるんですがライデンは不満が爆発しそうです。
シンと二人だけの時に連邦を助けてやる必要があるのか?と過激な発言をしています。
ライデン以外にも連邦のやり方に対して不満を持っているエイティシックスは居るようですが表面的には反抗していません。
レギオンの襲来頻度が高くて暇じゃないって状況もあるみたいです、不満を言ってる暇なんて無い。
追い込まれている状況なので自分達から撃って出る事はできていません。
防衛陣地を構築してレギオンを引き込み機動戦術で破壊しています。
罠も用意してあり追い込んで動きを止めてから砲撃戦で仕留めたりもしています。
ジリ貧感が凄いんだけど何とか耐え忍んでいました。
レギオンが意図不明の攻撃を仕掛けてきました。
シンとレーナは嫌な予感を覚えています。
装甲の薄い二足歩行の高機動型が攻めてきました。
シンが相手をする事になり圧倒していますね。
倒せたと思った瞬間に黒い蝶が大量放出されました!!
黒い蝶は火炎放射器や機関銃で破壊できる脆弱な敵なんですが恐るべき機能を持っていました。
阻電攪乱型の亜種で近くに居る人間の心的外傷を抉りだす電波を発生させる事ができました。
シン、クレナ、アンジュが酷い状態になってしまいます。
個々人で心的外傷の強さに違いがあるので気分が悪くなるに留まる者と行動不能に陥る者に別れました。
大打撃を被る事になってるんですがレギオンの追撃はありませんでした。
動ける兵士が動けなくなったエイティシックス達を連れ帰りました。
ここでレギオンの追撃があれば防御陣地は突破されてたんですが不思議です。
シンを狙った攻撃みたいですね。
彼の乗っている機体は黒い蝶に覆われていてシンは意識を失っていました。
兵舎に運び込まれたシンに大きな外傷はありませんでした。
しかし意識が戻らないので兵舎の自室に寝かされています。
レーナはシンが心配で仕方ないんですがパラレイドを繋いで彼の姿を確認できません。
確認してしまうと指揮官としての任務を果たせなくなると考え我慢でしています。
仕事に集中する事で不安を和らげたいみたいです。
アネットが回収された黒い蝶を解析して攻略法を構築しています。
解析の結果、近くにいる者の心的外傷を刺激する電波を発している事が判明しました。
黒い蝶を積み込んで個体が近隣に隠れている事も判明します。
シンが意識不明なのでライデンが隊長を代行する事になります。
重い責任を背負う事になったんですが連邦に対する反感を強く抱いています。
爆ヘつ寸前なので危険な状態ですね。
それをフレデリカが解消してくれました。
ダイナミックにもライデンの背後からドロップキックをかましてきます。
ライデンは大柄で強靭なので蹴ったフレデリカが跳ね返されて廊下に転がる事になっています。
立ち上がった彼女は無い胸を逸らして偉そうにライデンを励ましてきます。
ライデンが抱えている不満はのみ込む必要はない、喚き散らしても良いと言ってくれます。
相手に向かって自身の憤りを訴えても聞き入れてもらえない場合もあるだろう。
そんな時はレーナやアンジュみたいにお前の女神になって抱き留めてやると言ってきます。
ライデンは呆気に取られて固まっていますね。
フレデリカの方が先に恥ずかしくなったようです。
ここは笑うところじゃと不満を訴えてきます。
ライデンは十年は言い過ぎだが、もちっとでかくなってから言おうぜ、と返します。
フレデリカは、だから冗談だと言っておる、と叫びます。
冗談を返せるようなら大丈夫じゃの!と言い捨てて逃げていきました・・・照れたのね。
フレデリカの言葉を聞いたライデンは、惚れてしまいそうだ、と思わされています。
うーん、意外とライデンとフレデリカがくっつく可能性もあるのか・・・
リトの事件を報道してしまったキャスターは後悔の念に駆られています。
自分がエイティシックスを排斥する風潮に乗っかってしまっていたと気付いたようです。
連邦を瓦解させない為に贖罪の意味で海賊ラジオを始めていました。
連邦に伝わる逸話とか美味しい料理などを紹介していますよ。
番組の冒頭に「連邦市民の同胞たちへ」って言葉で始まります。
フレデリカの励ましで吹っ切れたライデンは平和的な方法でエイティシックスは化物ではないと訴える事にします。
パラレイドを使ってレーナに内容を伝えてラジオ番組に手紙を出しました。
ニュースキャスターはエイティシックスからの手紙が届いたと知り嬉しくなっています。
自分の行いが人々の慰めになっている、糾弾した彼らへの償いが出来ていると思ったのかもな。
ライデンは八十六区の代表的食材、合成食糧のシチューの作り方を紹介しました。
落ちとして合成食糧は細かく刻んでゴミ箱に捨てると言っています。
エイティシックス達に大うけしていますね。
誰が手紙を投稿したのかが話題になっています。
内容が料理下手のシンへの忠告が混ざっていたので特定が進みました。
ライデンが俺だよと教えるとシンの行状を知ってるので納得されました。
ライデンの投稿はエイティシックス以外の兵士の間でも話題になっています。
それぞれの部隊内で好きな料理について紹介しあっています。
連邦瓦解の危機に瀕している割には人間的に笑っていますね。
セオとマルセルが逃亡兵として後方から前線に逃げてきました。
普通逆じゃね?と思うんですが二人は仲間と一緒に戦いたかったようです。
前線に来る途中で捨て置かれていたゼレーネを回収しています。
セオは普段はライデンの代わりに書類仕事をする事になっています。
黒い蝶を一掃する為の作戦が立案されました。
<女神の怒り(イグニス・ディウェア)>という作戦名が付けられます。
シリンは基本的に心的外傷を負ってないので作戦の主力となります。
黒い蝶に指示を出している機体を破壊するのに一人のシリンを犠牲にする事になりました。
ライデンがそれに同行する事になります。
クレナとアンジュは大きな心的外傷を持っているので攻撃部隊には入りません。
射撃が上手いクレナはライデンが指示した地点にミサイルを投射する役目を担います。
黒い蝶を搭載している柱の様な機体は戦闘族領の歩兵が探す事になっています。
レーナが地図を見ながら隠れて良そうな場所を予想しています。
地図を見ただけで敵の位置を予想できるレーナは瞠目されていますね。
彼女も普通じゃないよな。
作戦が始まりました。
セオとマルセルがヴィーカが作った二人乗りの機体で出撃しています。
ファイドが拾ってきた破壊されたレギオンの残骸などから作られています。
色々な鉄屑を使って作られたので<動物園(ズートロフィオン)>と名付けられています。
セオは移動速度が遅すぎると文句を言っています。
セオが操縦(移動)を担当しマルセルが砲撃を担当しています。
レーナの予測は的確で黒い蝶を搭載している柱型の機体を発見し破壊する事ができました。
ライデンとシリンが黒い蝶に指示を出している機体を発見しました。
クレナに位置を伝えてミサイルを投射して貰い破壊しました。
黒い蝶には大した攻撃力は無いので少ない被害で殲滅できています。
投入できないエイティシックスが多いのでグレーテまで起動兵器に乗って出撃していますね。
アンジュが心的外傷を克服してグレーテを助けています。
意識不明のシンは作戦中に兄であるレイの姿になったノゥ・フェイスと対面しています。
レイの姿をしているのはシンの心的外傷が影響しているそうですよ。
ノゥ・フェイスは降伏勧告を行ってきました。
シン達エイティシックスを同胞と呼んで降伏してレギオンになれと勧誘してきました。
肉体は失いますが記憶を継承する事はできるんだそうですよ。
シンと戦った二足歩行の高機動型はエイティシックスに与える為の筐体だそうです。
筐体が壊れたり古くなったら乗り換える事ができるそうですよ。
レギオン同士では戦えないので求めている平和な暮らしが得られるとも言っています。
共和国の地下でパラレイドの研究をさせていたのは人間との意思疎通を試みる意図からだそうです。
心的外傷を刺激する機能は副産物としてできてしまったそうですよ。
有効だから使う事にしたそうです、非常にレギオン的な思考ですね・・・完成した機能を無駄にしない。
うーんちょっと悩むような提案ではあるよね。
人間を辞めれば永遠に生きてられるような事を言っているからね。
少しは悩みそなものなんですがシンは即断で断りますよ。
レギオンは闇に呑み込まれた弱い存在だ、俺達エイティシックスを馬鹿にするなと吠えています。
交渉は決裂しました・・・
ノゥ・フェイスは絶対にシンを仲間にしたいってわけでもないのな。
交渉が決裂したと分かるとシンの首を絞めてきました。
シンは再びレイに首を絞められる事になってしまい抵抗できていません。
戦闘指揮中のレーナが嫌な予感に襲われます。
シンを看てくれている部下に連絡を取り彼の状態を確認しました。
突然シンが苦しみ出した、首を絞められ逃れようとしているように見えると聞かされます。
首と聞いてレーナはシンが心的外傷を攻撃されていると気が付きます。
パラレイドを全開にしてシンと繋がれば彼を助けに行けると考え実行に移します。
アネットが気づいてレーナからパラレイドを取り外そうとしますが間に合いませんでした。
レーナが首を絞められているシンの近くに出現しました。
レーナには見え方が異なっているようですね・・・最初は赤い髪の後ろ姿だったんですが銀髪に変化します。
見覚えがある後ろ姿だと感じていますが、問題はシンです。
相手が誰なのか確認する前に叫びます。
「放しなさい」
「放しなさい、その人を放せ!」
「その人はわたしのものだ!返せ!」
レーナが腹の底から叫ぶとシンを絞め殺そうとしていた誰かは吹き飛びます。
同時にレーナの意識もその場から吹き飛ばされました。
シンが意識を取り戻しました。
誰かが背中をさすってくれていますがレーナでない事は認識しています。
それでもレーナが助けに来てくれたと認識しています。
レーナはアネットに支えられていました。
アネットは泣きながらレーナの名を呼んでいました。
アネットの父親はパラレイドの接続強度を高めすぎて意識が戻ってこれませんでした。
レーナはそれを知っているのでアネットの傷を刺激してしまったと申し訳なく感じています。
グレーテから作戦の成功とシンが目覚めた事が知らされて歓声に包まれます。
レーナが外しても問題なかったのね、良かったよ。
シンはレイとの会話内容を報告しました。
レギオンが降伏勧告してきた事と聞いて驚いています。
レギオンが対話を要求していると分かり<大君主>作戦が有効であると確認できましたね。
シンの消耗が激しいのでレーナがパラレイドを繋いで一緒の居る事になりました。
シンがレイに絞殺されかけた事を語りだします。
心的外傷としてレイが出現したのは自分がレイを許せてないからだと項垂れ泣いています。
シンが首の傷がレイに付けられたものだと明かしました。
レーナはシンが自分を傷付けようとしてレイを未だに憎んでいると言おうとするのを止めました。
できた彼女だよなー
シンはレイに絞殺されかけたのも、シンのせいだと責められたのも、レイに見放されたと思ったのも、痛かったと吐露します。
レーナは苦しかったと言いたかったんですよね、と伝えます。
レーナはシンが泣き疲れて眠るまでパラレイドを繋いで傍に居ました。
背中を撫でてあげられない事を悔しく感じています。
クレナが心的外傷を刺激された時の事を思い出しています。
彼女の外傷は両親が無残に殺された場面のようですが自分達親子に良くしてくれた白銀種が居た事を思い出します。
姿を思い出したので彼の名前を思い出そうとしています。
うんうん唸りながらヴァーツラフ・ミリーゼだったと思い出しました。
レーナと同じ家名だった事に驚いています。
クレナはこれをレーナに報告するんだろうか?
シンが眠ってからレーナがシンが出会ったノゥ・フェイスについて考えています。
信義もない、相応しい名前だ、いずれ必ず叩き壊してやる、忌々しい鉄屑め。
シンを殺されかけてよっぽど怒っていらっしゃる・・・レーナにしては過激な考え方になっているよな。
シンはレイの姿だったと言ってましたがレーナは別の姿を見ていました。
見覚えのある後ろ姿。
大規模部隊の指揮が取れて連邦の、その前身の帝国の弱点を知っている。
職務として研究していたからよく知っていた。
レーナは父親のヴァーツラフが八十六区で死んで、死体の首が無かった事を思い出します!!
ノゥ・フェイスが父親のヴァーツラフ・ミリーゼだと気付いてしまいます。
レーナはどうするんだろうな?
口ぶりからすると戦えそうに思えますけどね。
彼女は理知的なので記憶を残していたとしても別な存在と認識しているよね。
まさか父親だから壊せないとか言い出さないよね・・・
レーナはファザコンってわけではないみたいなので問題ないか。
ギアーテ帝国最後の抵抗拠点、ローゼンフォルト要塞を擁する西部戦線西北部一帯が占拠されました?
ローゼンフォルト要塞の玉座の間。
ブレントローテ女大公ヴァレンティア・ブラントローテがギアーテ新帝国の開闢と新帝朝の摂政位に就くと宣言します。
新帝朝によるレギオン全機の即時停止を掲げます。
臣民に向かって庇護を求めるなら帰順せよ。
旧貴族たちに向かって栄達を求めるならば聖戦に参ぜよ。
ギアーテ帝国最後の女帝、アウグスタ・フレデリカ・アデルアドラーを王座につけました。
傍らにシンエイ・ノウゼンが従っています。
あれ?何で?
<大君主>作戦を実行に移す為にこうなったのか?
フレデリカが女王でシンが従者をしているって事だよな。
どうなってる?
そもそも連邦軍はどうなったんだよ。
成分表
| 成分 | 含有量(5:多い、1:少ない) |
| 美少女 | 5 |
| 正義 | 5 |
| 非道 | 5 |
| 友情 | 3 |
| 敵 | 5 |
| ラッキースケベ | 1 |
AmazonLink: 86―エイティシックス―Ep.14 ―ペイント・イット・ブラック― (電撃文庫)








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