ラノベの感想) キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 15 (富士見ファンタジア文庫)


概略:
捕まったミゼルヒビィはアリス、キッシングと共に帝国と共闘すると決めました。ユンメルンゲンはイリ―ティアを倒す為に帝国の全戦力を傾けると決めます。アリスは皇庁にも同調してもらう為に女王ミラベアに連絡を入れます。ミラベアは帝国の覚悟を聞いても決断に迷います。帝国と共闘する覚悟を決める為心残りを晴らす事にします。シスベルに頼んで前女王襲撃事件の真相を見る事になりました。王女時代のミラベアとサリンジャーの奇妙な関係が再生されます。

レーベル:ファンタジア文庫
発行日:2023/6/20
著者:細音 啓
イラスト:猫鍋蒼
ISBN:
雰囲気:集結、決意、過去、戦闘人形、宿敵、謀略、主人公、怪物、誤解、覚悟

捕まったミゼルヒビィはタリスマンの治療を帝国に約束させ共闘する事を決めました。
ミゼルヒビィはタリスマンを倒したイリ―ティアへの復讐を決意します。
アリス、キッシングと共にユンメルンゲンと対面する事になります。
ユンメルンゲンはイリ―ティアを倒す為には皇庁と協力する必要があると判断します。
ユンメルンゲンは帝国の全精力を対イリ―ティアに傾ける事を決めました。
皇庁に対する防備が無くなるので皇庁に攻め込まれると蹂躙されるだけになります。
ユンメルンゲンは三王女に覚悟のほどを問いました。
アリス、キッシング、ミゼルヒビィの三人は帝国と共にイリ―ティア打倒を決意します。
皇庁が攻め込まない確約を得る為にアリスは母ミラベアに連絡を入れます。

ミラベアはアリスからの連絡に驚いています。
彼女から帝国と共闘する考えであると打ち明けられ驚いています。
アリスは皇庁にも協力を要請してきました。
怪物に変貌したイリ―ティアの威力を実際に見ていないミラベアは判断に困ります。
決断できないでいるミラベアにキッシングとミゼルヒビィが代わる代わる意見を述べて説得を促しています。
彼女達は決断しかねているミラベアに変貌したイリ―ティアを見た事がないので悠長な事を言っていられるんだと突きつけます。
ミラベアとしては長年争っていた帝国と共闘するとは決められません。
覚悟が足りないと言われてしまったミラベアは過去を振り返る事で迷いを元を絶とうと考えます。
ユンメルンゲンの親書を運んできたシスベルに頼んで三十年前の心残りを再生してもらう事にします。

王女時代のミラベアはアリス以上の破天荒さを持っていました。
女王候補としての覚悟が全くありませんでした。
女王も参加する会議に王女として参加させられているんですがヤル気が皆無でした。
日々帝国との戦闘を行っているので会議は休息をとる場であると考えています。
会議中に居眠りするのが普通で気が乗らない時は会議を勝手に抜け出しサボっています。
可愛そうなシュヴァルツはミラベアを探す羽目になっています。
王宮の天井につるされているシャンデリアの中を寝床にしているのには驚きました。
女王としての今の姿からは想像もできない破天荒ぶりです。

女王教育にも熱意がなく勉強は大嫌いでしたので歴代の女王の名前も知らない無学者でした。
あらゆることに興味が薄い印象だったのですがサリンジャーとの出会いが彼女の心境を変化させました。
ミラベアがあらゆる事に無関心だったのは強すぎたからでした。
戦場でも帝国兵はミラベアが強いと分かると早々に逃げ出します。
ミラベアとしては創意工夫して勝とうとしてくる敵に飢えていたようです。

シュヴァルツとミラベアの母は教育方針で迷っていました。
教養を身に着けさせる為に習い事をさせても興味を持って貰えません。
二人はミラベアが何に関心があるのかも分かっていませんでした。
女王としての気品で部下を惹きつけるのは困難と考えたシュヴァルツは強さを追及しようと考えます。
星霊の使い方を教える為に別荘にミラベアを連れ出します。
この段階でシュヴァルツはミラベアが星霊を使えるようになっているとは知りませんでした。
別荘に到着するとミラベアは自分が精霊を使える事を明かします。
ミラベアから独学で星霊を使えるようになったと打ち明けられてシュヴァルツは驚愕しています。
ミラベアは風の星霊を使い大気を思うままに動かしてみせました。
シュヴァルツはミラベアの強さがあれば最強の女王候補になれると確信しました。

それまでルゥ家の家臣からも出来損ないの王女とみなされていたミラベアの評価が一変させる事態が発生しました。
帝国は星霊の自動防御能力を?い潜る新兵器を開発しました。
音波兵器なのですが音を使うので星霊は攻撃と認識できませんでした。
自動防御が働かないので星霊使い達は連敗を続ける事になりました。
ゾア家当主代理グロウリィが前線に取り残されてしまいます。
ミラベアがルゥ家の援軍として単身で助けに向かいました。
ミラベアは風の星霊を使って帝国軍を撃退してしまいます。
グロウリィはミラベアの強さを目の当たりにして戦場での抹殺を考えました。
彼女は次の女王になる事は明白だと思ったのね。
ミラベアは聡いのでグロウリィに同じことをするぞと脅します。
戦場での出来事なので自分もグロウリィを抹殺できるんだぞと教えました。
グロウリィの星霊を直接攻撃を得意としないので負けを認めました。
ミラベアを次の女王として推すと確約しました。
グロウリィを助け出したミラベアは帝国軍の本体もついでに叩いて見せました。
グロウリィを救出し手を焼いていた帝国の新兵器を打破した事でミラベアの強さが知れ渡る事になりました。
彼女は最強の女王候補と呼ばれるようになりました。

サリンジャーは王家に反意を持っていました。
精霊使いから精霊を奪い続けていつかは王家を打倒しようと考えていました。
サリンジャーはヒュドラ家の護衛を襲います。
その時に情報が記録されているチップを手に入れました。
サリンジャーは知り合いの情報屋に解析を依頼します。
それからも王都で襲撃を続けていたのですがミラベアと出会います。

王女であるミラベアは王都の安全を守る任務も担っていました。
反攻を繰り返すサリンジャーを倒す為にミラベアが派遣されました。
結果はミラベアの圧勝だったのですがサリンジャーは破れても抵抗を続けます。
圧倒的な劣勢でも勝ちを狙ってくるサリンジャーにミラベアは興味を持ちました。
サリンジャーに時間を与えれば勝つ為の方策を練ってくれると分かったので彼を逃がす事にしました。
ミラベアの対人スキルは最底辺ですな。
サリンジャーに向かって自分の玩具になれと言ってきました。
サリンジャーは激しい憤りを感じますが戦闘人形の様に無感情に戦うミラベアに興味を持ちます。
ミラベアを倒す事に価値を見出す事になります。
王家の転覆とかはどうでもよくなりました。
サリンジャーはミラベアの期待に応えて挑戦を繰り返す事になります。

何度負けても心が折れないサリンジャーにミラベアは好意を持ち始めました。
サリンジャーは数日おきに仕掛けてくるのでミラベアは楽しそうに日々を送り始めました。
シュヴァルツはミラベアが二日に一回は入浴するようになった事に驚きます。
それまでのミラベアは誰にも関心が無かったので身綺麗にする事にも無頓着でした。
家臣に頼んで戦闘服にも入念にアイロンがけして出掛けて行きます。
ミラベアは城の窓から出入りしているので尾行して彼女が何をしているのか知るのは困難でした。

サリンジャーとの戦闘はミラベアは勝ち続ける事になります。
サリンジャーは負け続きが悔しかったのかミラベアが無学者と知り馬鹿にしました。
王家の人間なのに歴代の女王の名を知らない事を笑われました。
ミラベアは負けず嫌いなのねサリンジャーを見返す為に自発的に勉強を始めました。
シュヴァルツが感動に打ち震えています。
彼女をヤル気にさせる存在が居る事までは気付けているんですが誰なのかは分かりませんでした。

毎回戦う度にサリンジャーは大きなダメージを負いました。
サリンジャーは傷が癒えると直ぐに挑戦をしてきます。
ミラベアに勝つ方法を考えるのに集中し過ぎてしまい食料が無くなっている事に気が付きます。
仕方なくスーパーに買い物に言ったのですが帰る途中でミラベアと出会ってしまいます。
スーパーの袋を下げて歩いているサリンジャーを発見したミラベアが爆笑してしまいます。
ミラベアは特売品の肉が入っているのを見てさらに笑い転げます。
彼女はサリンジャーが近所の奥様方と特売品の争奪戦を繰り広げたと想像しています。
ミラベアは笑い殺す気ですか、その作戦は成功です、とサリンジャーを絶賛しています。
確かに攻撃する好機なんですがサリンジャーはヤル気が萎えました。

ミラベアがミラと呼んで欲しいとサリンジャーに要求してきました。
サリンジャーは自分に要求を突きつけるとは不遜だと拒否しますがミラの必死さに気付いてミラと呼んであげる事にしました。
ミラと呼ばれてミラベアは短刀を握り損ねて指先を切ってしまいました。
ミラベアって名前はしっくりこないのでミラと呼ばれたかったそうです。
ミラと呼ばれて舞い上がっていますね・・・ミラがとっても可愛いんですがサリンジャーは彼女の真意に気付けません。

ヒュドラ家が陰謀を巡らせ始めます。
確かにサリンジャーはヒュドラ家の護衛を襲撃したけど一回なんだよね。
ヒュドラ家はその事実を利用して自分たちで王都で事件を起こしていたようです。
サリンジャーが王家を狙っているとのデマを流し始めました。
事件当時のサリンジャーはミラと決闘して傷を負った直後でした。
ミラは彼に犯行は困難だと気付き冤罪であると考えます。
そのまま事態を放置するとサリンジャーが捉えられてしまう。
遊び相手を取られてしまうのは困ると考えたミラはサリンジャーの無実を証明しようと考えます。
彼を駅に呼び出して一等客車を使って山間部に向かいます。
姿を隠してシュヴァルツを同行させています。
サリンジャーはミラとの決闘を期待していました。
遠方に移動して決闘が行われると考えワクワクしていました。
ミラから山間部を根城にしている盗賊団の討伐に手を貸して欲しいとお願いされてガッカリしています。
それでもミラからのお願いなので渋々手を貸してくれました。
盗賊団の撃退に協力する姿をシュヴァルツに見せる事ができました。
撃退後にシュヴァルツをサリンジャーに紹介しました。
ミラはサリンジャーが噂で言われているような非道な人間では無いと証明しようとしています。
シュヴァルツは盗賊団の壊滅に協力するサリンジャーを見たのですが彼を全面的に信用する事はできませんでした。
仕方なくミラはサリンジャーの尋問を始めました。

サリンジャーは王家の存亡などに興味は無い。
興味があるのはミラだけだと答えました。
サリンジャーの熱烈な訴えを聞いたミラは真っ赤になってテレテレになっています。
彼女はサリンジャーに愛を告げられたと感じているみたいですね。
サリンジャーにそこまでの想いは無いようですけどね。

サリンジャーが解析を依頼した情報屋が連絡してきました。
彼は酷く怯えていました。
関わり合いになりたく無いので帝国に亡命するとまで言っています。
解析を依頼したサリンジャーに恨み言をいってきますね。
メールで解析結果を送ってくれました。
内容を見たサリンジャーはヒュドラ家がルゥ家とソア家を狙っている事を知りました。
最大の標的はゾア家所属の現女王である。
ミラも標的に含まれていました。
サリンジャーはミラを守る為にヒュドラ家の企みに乗る事にします。

サリンジャーの危険性を声高に解くヒュドラ家当主アーケンが女王暗殺を実行に移します。
アーケンはサリンジャーを捕まえる為に舞踏会を開催する事を決めました。
言葉巧みに女王カサンドラ・ゾア・ネビュリス7世を言い包めます。
ミラは濡れ衣であると確信しているんですが反論する証拠がありませんでした。
サリンジャーに置手紙を使って王都から逃げろと伝えます。
サリンジャーはミラからの手紙と理解しますが彼女を危機から救おうと考えます。

警備計画もヒュドラ家が考えました。
舞踏会が開かれている間アーケンの星霊を使ってカサンドラの分身を使う事になります。
分身が舞踏会会場に残り本物のカサンドラは女王の間に隠れる事になりました。
護衛としてフランソワーズ・アレク・ヒュドラがカサンドラの傍に待機する事になりました。
連絡役として空間を渡る星霊を持っているゾア家のオンも女王の間で待機する事になります。
フランソワーズが被検体Fです。
サリンジャーが入手した情報にも名前があったな。

サリンジャーが心配なミラは舞踏会に参加しています。
サリンジャーがやって来ない事を願いながら過ごしています。
ミラの願いが叶いサリンジャーがやって来ないままで舞踏会は終わりました。

舞踏会が終わる時刻となったのでオンが会場に状況確認に向かいます。
オンが女王の間を離れるとアーケンがやって来ました。
彼はサリンジャーが現れなかった事を伝えます。
サリンジャーを捉える作戦は失敗に終わったと知りカサンドラは落胆しています。
オンを連絡役として会場に行かせたと聞いたアーケンは暗殺計画を実行に移します。
フランソワーズに命じてカサンドラを攻撃させました。
カサンドラはフランソワーズを弱いと評価していました。
フランソワーズは影の星霊を使います。
影から錐を撃ち込んできました。
カサンドラは咄嗟に避けて致命傷を避けます。
この段階でヒュドラ家のアーケンが暗殺計画の首謀者と気が付きます。
アーケンは8分で始末しろと命じて女王の間を離れます。
カサンドラは先制攻撃を受けたが余裕で対処できると考えていました。

カサンドラが使うのは炎の星霊で多くの帝国兵を打倒した歴戦の猛者です。
女王の間をまるどと燃やしてフランソワーズを焼き殺そうと考えます。
フランソワーズは影の中に入り込んでカサンドラの攻撃を避けました。
フランソワーズの肉体に変化が起こりました。
クラゲの様に透けて見える姿に変貌します。
骨と内臓が無くなり怪物になります。
変身したフランソワーズは魔女になったと言ってきます。
カサンドラはフランソワーズが人間をやめたと気付きました。
炎を避けるので焼き殺せると考えて攻撃を再開します。
そこに舞踏会の終了を知らせにオンが戻ってきます。
炎に包まれる女王の間を目にしたオンはサリンジャーの襲撃を疑います。
カサンドラはオンが戻ったとしり敵の正体を伝えようと考えますがフランソワーズの攻撃が増したようです。
フランソワーズの事を告げる事ができませんでした。
オンは敵の正体を見破るよりも援軍を呼んでくることを優先します。
敵が誰であれ援軍を連れてくればカサンドラを守れると考えました。
これでフランソワーズの正体を知る者はカサンドラだけになります。
カサンドラは生き残らなければいけなかったのですがフランソワーズに屈します。

首を握られ持ち上げられました。
首にフランソワーズを怪物に変えた液体を注射されてしまいます。
強い星霊を持つ者ほど毒性が高いそうです。
カサンドラは耐えられませんでした。
絶叫を上げています・・・カサンドラは意識を溶かされてしまいます。
そこにサリンジャーが現れました。

サリンジャーはヒュドラ家の悪行を暴こうと考えていました。
フランソワーズと対峙した彼は怯みません。
ヒュドラ家の犯行を証言させる為にはカサンドラを守りきる必要がありました。
サリンジャーはカサンドラが燃えてしまわないように配慮しながら戦う事になります。
カサンドラを守りながら戦うサリンジャーを見たフランソワーズは大喜びしています。
彼女は弱者を嬲る事に喜びを見出す変人でした。
サリンジャーは劣勢だったんですがミラとの戦いで得た教訓を活かします。
彼はこれまでに奪った星霊を二つ組み合わせて新しい星霊を作り出しました。
ミラが自分で技を考案した事にヒントを得たのね。
サリンジャーが抵抗を続けた結果フランソワーズの活動限界がやってきました。
アーケンが言っていた8分が活動限界時間だったようです。
活動限界時間を越えてしまったフランソワーズの身体は砕け散っちしまいます。

カサンドラを襲撃した張本人が居なくなってしまいました。
身の潔白を建てる為にはカサンドラに目覚めて貰う必要が出てきました。
サリンジャーはカサンドラが発見されやすいように女王の間の隅に移動させようとしていました。
そこに援軍としてミラが単身で駆けつけてきました。

燃え盛る女王の間で倒れているカサンドラとサリンジャーを見たミラは絶望します。
サリンジャーがカサンドラを襲撃したと勘違いしてしまいます。
自分とのライバル関係を汚したと言ってサリンジャーを糾弾します。
サリンジャーは自分が見た事実を説明する事もできたんですがミラにカッコ悪い姿を見せるのを嫌います。
自己弁護を拒否しました。
ミラはサリンジャーに裏切られたと思いながら彼を捕まえたようです。

捕まったサリンジャーは収監される事になりました。
激しい尋問が行われたようですがサリンジャーは無言を貫きます。
ヒュドラ家の悪行を暴露すれば焦った彼らがミラを狙うと考えたからです。
ミラを守る為にサリンジャーは無言を貫きました。
数年後璃酒によってサリンジャーは脱獄を成功させました。

過去の事実を知ったミラベアは帝国に対する答えを決めました。
一緒に母の心ん凝りを見たシスベルは考えが纏まらずいっぱいいっぱいになっています。
ミラベラはシスベルに退出を命じます。
いっぱいいっぱいなシスベルは素直に従いました。
威厳がある母親の破天荒さに驚きは相当だったと思います。

一人きりになったミラベアは泣き崩れそうになっています。
サリンジャーに発した発言を後悔しています。
彼を信じ切る事ができなかった自分を許せないと感じています。
それでも女王としての責務を果たす事になります。
ミラベアはアリスに連絡します。
帝国兵が聞いている事を分かった上で天帝ユンメルンゲンとの直接対話を望みます。
ユンメルンゲンと直接会話したようだね。

ミラベアはヒュドラ家がカサンドラを襲撃した首謀者であると公表しました。
三王家に対する国民の信頼感が揺らぐ事を覚悟した上での決断のようです。
ミラベアの発表を聞いたサリンジャーは彼女を助ける為に動くようです。
ミラベアが最後の女王だと言っています。
ルゥ、ゾア、ヒュドラの三すくみが崩れたので王家が支配するネビュリス皇庁は終わりを迎えると予想しています。

成分表
成分含有量(5:多い、1:少ない)
美少女5
戦闘5
友情5
愛情5
ラッキースケベ1


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