ラノベの感想) 魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く (電撃文庫)


概略:
ある組織が司波達也の暗殺を企みます。黒羽亜夜子と黒羽文也が魔法大学に入学する為に東京に移り住む事になります。達也たちのご近所に引っ越してきました。達也の暗殺計画を阻止する為に文弥が配下を使って対処する事になります。子飼いの暗殺者チーム有希、鰐淵、奈穂、若宮が駆り出される事になりました。有希たちは達也の恐ろしさを知っているので暗殺は不可能と考えています。飼い主である文弥の意向には逆らえないので従うしかありませんでした。達也を護衛して襲ってくる暗殺者を捕まえて黒幕を暴く事になりました。作戦の性質上達也から周囲に侍る許可を得る必要がありました。有希は恐々達也と面会する事になります。

レーベル:電撃文庫
発行日:2023/8/10
著者:佐島勤
イラスト:石田可奈
ISBN:
雰囲気:裏家業、暗殺計画、入学、新生活、炙り出し作戦、強襲、囮、拉致、虚無感、方針変更

世界の裏側から国際経済を支配していると思っている秘密結社・ギルドの幹部達が司波達也を邪魔な存在だと考えます。
彼らは魔法師ではないので達也の恐ろしさを本当の意味では理解できていませんでした。
達成が不可能だと思われる彼の暗殺を本気で目指す事にします。
まずは配下の暴力担当マフィア・ブラトヴァに達也暗殺の指示を出しました。
この段階では困難な任務だが成功すると考えていました。
マフィア・ブラトヴァの連中も達也の怖さを本当の意味では理解できていません。
数十名の暗殺部隊をロシアから日本に送り込みました。
それで何とかなると考えていました。
馬鹿だよねー。

暗殺計画が開始された時期は春で黒羽亜夜子と文弥姉弟が魔法大学に入学する時期でした。
二人は達也、深雪、リーナが暮らしている四葉家の拠点近くの黒羽家のマンションで暮らす事になりました。
達也は二人を可愛がっているので入学祝に夕食に招きます。
その席で達也の暗殺計画に対処したいと文弥が直訴しました。
文弥と亜夜子は達也の役に立ちたいと考えています。
どちらかと言うと文弥の方がより達也を尊敬している感があります。
達也には俺を暗殺する事など不可能だと考えている節がありました。
積極的に対処するつもりは無かったんですが文弥の熱意を知り対処を任せる事にします。
達也が表立った活動を始めた結果彼は公安警察や軍の情報部に監視されています。
派手に動いて四葉家の不利になるのを避ける必要がありました。
敵の黒幕を探る事に重きを置いた護衛任務を任せる事にします。

文弥は子飼いの暗殺者チームにも作戦参加を求める事にします。
有希、鰐塚、奈穂、若宮のチームが文弥に呼び出されます。
達也の暗殺計画があるので犯人を捕まえて黒幕を探れと命じられました。
一度達也の暗殺を試みて手痛い敗北をしている有希は嫌そうな顔をしていました。
達也の恩情によって生きながらえた有希は達也と再会するのを恐れています。
再び顔を見せれば消すと達也に言われたのでビビっています。
達也の恐ろしさを体験として知っている有希には敵の無謀さが理解できませんでした。
文弥からは作戦は任せると丸投げされます。

有希たちは話し合いの結果達也の身辺警護をしながら敵の出方を待つ事に決めます。
達也には四葉家と黒羽家のガードが付いているので現場でかち合う可能性がありました。
鰐塚は作戦開始前に達也への目通りを求めました。
文弥の差配で有希たちは達也と面会する事になりました。
有希は頭では文弥を通して話が伝わっているので顔を見せても殺される事は無いと分かっていても恐怖は拭えませんでした。
達也と面会する段階になっても何度も彼から如何にして逃げおおせるか頭の中でシミュレートしていました。
最後は無理だと諦めて落ち着く事ができました。
達也の了解を得たので有希たちは彼の護衛に就く事になりました。

達也が深雪の誕生日を祝うデートを行います。
そこで四葉家からではなく自分からの婚約指輪をプレゼントしました。
深雪は嬉しさのあまり放心してしまったようです。
二人のデートをリーナと兵庫が率いるチームが深雪に気付かれないように護衛していました。
達也に気付かれずに護衛するのは不可能でした。
デートの現場にも達也暗殺を企てているマフィア・ブラトヴァの先兵が現れます。
リーナ達は捕捉するよりも先に達也が発見して視線で知らせてきました。
護衛対象から不審者を指摘されてしまう状況にリーナは不甲斐なさを感じて疲弊します。
達也と深雪の甘々なデートで胸焼けも起きていました。

有希たちの護衛計画は達也の出勤時を鰐塚と若宮が護衛し、勤務先のFLT内の護衛を有希が担当する事になりました。
有希は会社の緑化を行う派遣会社に潜り込んでFLTへ潜入する事になりました。
護衛対象が達也なのでイマイチ緊迫感がありません。
護衛対象は絶対に殺せないと思えるほど強いので護衛の意義を見出せませんでした。

深雪とリーナが亜夜子と文弥をショッピングに誘います。
二人は亜夜子と文弥が入学式に着ていく服を選ぼうと考えていました。
美女三人プラス男一人って構図に文弥は躊躇を見せます。
しかし現実は彼が考えている構図とはなりませんでした。
美女四人のお買い物って感が強めでした。
文弥は仕事で女の子に変装するので女性的な振る舞いが完璧に板についています。
体格も決して逞しくなく男性としては小柄なので美女に見えなくもありません。
文弥は女子大生と間違われる事を受け入れる境地に達していました。
文弥は男子学生から熱視線を送られる美女に見えても仕方ないスーツ姿で入学式に臨む事になりました。
女の子に間違われている事が今回は有利に働く事になります。

達也の通勤時の護衛を始めて間もなく彼が運転する自走車を襲撃しようとする者が現れました。
暗殺者としての腕前も運転技術も稚拙だったので達也には逃げられてしまいます。
無茶な運転で交通ルールを破ったので慌てて逃げて行きました。
鰐淵と若宮は襲撃者の自走車を尾行してアジトを突き止めます。
逃走に関しても素人同然で自分たちに尾行が付いていると気付きませんでした。
アジトが分かったので文弥が配下を連れて乗り込む事になりました。
敵は簡単に制圧できました。

達也と深雪が亜夜子と文弥を誘ってお花見に出かけます。
そこでも亜夜子と文弥は達也の護衛任務をしていました。
困った事に深雪に対して劣情を催した視線を送る多くの女性の視線に手を焼く事になりました。
亜夜子は男性ではなく女性の方が熱視線を送っている事に頭を痛めています。
文弥は冷静で男性は美し過ぎる深雪に気後れしてしまうんだと分析しています。
二人は達也を監視している不審者を発見します。
周囲に一般人が多いので派手な戦闘は避けたい状況でした。
亜夜子が以前一緒にとある事件を解決した知り合いの刑事を発見しました。
亜夜子は偶然を装って空澤兆佐(からさわ ときすけ)に声を掛けます。
空澤は突然の再会に驚いていますが亜夜子が四葉家の分家黒羽家の人間であると知っています。
その亜夜子が危険人物が居ると告げたので協力してくれました。

空澤は忍術を使う古式魔法師でした。
暗殺者を取り押さえる為に接近します。
不利を悟った暗殺者は亜夜子を人質にしようとして捕まえました。
亜夜子が大人しくしているのが不思議だったんですが抜け目ない彼女はこの時に暗殺者に発信機を取り付けました。
文弥は有希のチームを公園の外周に配置して逃げ出した場合に備えます。
暗殺者は空澤に捕まる事になりました。

捕まった暗殺者は管轄の警察で尋問を受けていたんですが問題が発生します。
尋問している警察幹部はマフィア・ブラトヴァの協力者でした。
いずれ出してやるので大人しくしていろと言われています。
意外と警察内の切り崩し工作が進んでいるようだね。

文弥たちによって拠点を一つ潰されたのでマフィア・ブラトヴァは焦りだします。
直接的に達也を害するのは困難なので彼の周辺人物を人質に取ろうと考えます。
指揮系統が一本化されていない雰囲気がでてきました。
有希と同じように会社施設の緑化を請け負う業者に女性暗殺者が入り込んでいました。
彼女も緑化担当としてFLTに潜り込んでいました。
丁度その日に達也がFLTに出勤していたんだよね。
女性暗殺者は好機到来と考えて独断で達也の暗殺を実行に移す事にします。
有希は休憩室にある植木の手入れをしていました。
そこにある自販機でコーヒーを買うために達也がやって来ます。
不意の遭遇に有希は硬直してしまいます。
そこに件の女性暗殺者が現れます。
彼女は何者かに襲われそうになっていると装い達也に助けを求めます。
有希は彼女が暗殺者だと気付いていたんですが硬直していて動けません。
護衛対象である達也自身が暗殺者を無力化しました。
達也は有希の職務怠慢を咎めはしませんがヤレヤレと思っています。
身柄を有希に預けて尋問を任せる事にしました。

尋問を担当した奈穂が達也の父親司波龍朗の誘拐を企んでいるとの情報を掴みます。
本来なら直ぐに文弥に伝えるべきだと思うんですが情報の信憑性が薄かったので確認を続ける事にします。
この判断に関して文弥が不満を持つ事になります。
罰則として有希たちは敵のアジトの強襲に駆り出される事になります。

焦っているマフィア・ブラトヴァは手段を選ばなくなりました。
彼らは帰宅中の亜夜子と文弥を狙う事にします。
文弥は完全に女性と思われていますね。
亜夜子と文弥もお花見で事件に遭遇しているので監視対象になっていました。
空澤が同僚と組んで監視を行っていました。
亜夜子は二手に分かれて暗殺者に対処する事にしました。
空澤が文也の尾行を続ける事になりました。
文弥を尾行している空澤は彼の後ろ姿を見ながら彼は男性だと自分に言い聞かせています。
文弥の後ろ姿は女性にしか見えませんでした。

文弥は自覚してないのですがシスコンの気があるようです。
亜夜子が笑顔で空澤の話をすると心が騒めいています。
女性にしか見えない文弥は女性客が大部分を占める映画を見る事にしました。
尾行を続ける空澤と暗殺者は肩身の狭い思いをする事になります。
亜夜子から準備が整ったとの連絡を貰った文弥は暗殺者を人気の無い場所に誘導する事にします。
街の自警団と悪酔いした客が揉め事を起こす公園に誘い出します。
文弥を女性と思い込んでいる暗殺者は強引に拉致ろうとしてきました。
文弥はまったく不自然さを感じさせない女性的な悲鳴をあげて抵抗をしていました。
そこに正義に燃える自警団が現れます。
文弥から暗殺者を引きはがして逃がしてくれます。
本当に危険なのは自警団のお兄さんとお姉さん達なんだけどね。
彼らの生き死にを考慮しないで平然と逃げて行く文弥に空澤は呆気に取られていました。
警察官として自警団の皆さんを守る使命感に駆られて空澤は文弥の尾行を断念しました。

文弥と別れた亜夜子は暗殺者が誘拐に使おうとしていた自走車に発信機を取り付け終わっていました。
暗殺者が発信機に気付かず作戦本部に逃げたので場所の特定ができました。
文弥が配下を連れて踏み込みました。
黒羽家が暗殺に使用する与えた痛みを最大化する魔法で作戦本部に居た関係者を全員殺しました。
ここでマフィア・ブラトヴァに向けたメッセージを残す事にします。
彼らが黒羽家の事を知っていれば黒羽がやったと分かるように細工を施しました。
敵の本所地を潰した直後に龍朗が拉致されたとの情報が入りました。
龍朗が達也に冷たく当たっていたと知っている亜夜子と文弥は危機感を抱きません。
達也の考えに従おうと考えます。
二人は龍朗を助けるには値しない人物を認識しているようです。
事が警察に露見していなければ達也にとっては大きなチャンスでした。
暗殺者を魔法で消してしまえば問題無いんですが警察に知られているのでその手は使えません。
文弥は有希のチームに任せる事にします。
文弥はこの段階で有希のチームが龍朗誘拐の情報を掴んだのに自分に報告しなかった事を知ります。
罰則として任務に駆り出す事にしました。

連絡を受けた有希たちは拉致犯が立て籠もっている廃墟に向かいます。
有希はビルの壁面を登って侵入する事になります。
若宮は正面から向かう事になります。
奈穂は別のビルから狙撃を行う事になりました。
鰐淵はその護衛に付きます。

拉致された龍朗は自分を誘拐しても取引材料にはならないと訴えます。
龍朗は四葉家内で自分の価値が無い事を理解していました。
達也がその気になれば指先を動かすだけで我々は消されるぞと訴えます。
暗殺者達は龍朗の虚無的な表情を見て怖くなっています。
持ち込んでいた強化外骨格を装備して次の行動に移る事にします。
有希と若宮が敵が見える位置まで移動しました。
屋上からそれを観察していた奈穂が狙撃の許可を司令塔である鰐淵に求めてきます。
有希と若宮の配置が終わっていたので狙撃許可をだしました。
奈穂の狙撃によって戦闘が始まりました。
有希と若宮はそれぞれ強化外骨格を装備した暗殺者を殺します。
バンの中に居た暗殺者も殺して仕事を終わらせました。
龍朗は気絶していて有希たちの存在に気付く事はありませんでした。
有希たちが撤収した後に包囲していた警察が乗り込んできて龍朗を救出しました。

亜夜子と文弥が達也のもとに報告にやって来ました。
今回暗殺を企んだ一派の拠点を破壊した事を伝えます。
生き残りの暗殺者がいるのでしばらく掃討に時間がかかる事も伝えます。
拠点が潰れたので今回の暗殺騒動は一段落となりました。
文弥は迂闊にも大本を潰す必要は無いのか?と達也に問うてしまいます。
達也はそれをやると世界の半分が廃墟になると言われてしまいます。
文弥は達也がその気になれば世界を滅ぼせると再認識する事になりました。
軽々しく元から絶つとは言わない方が良いと納得しています。
達也は積極的に敵の掃討を行うつもりはありませんでした。
当面は降りかかる火の粉を払う事にするそうです。
一人では対処しきれないので「文弥、亜夜子、頼りにしている」と二人に伝えました。
達也に頼られて亜夜子と文弥は物凄く嬉しそうですよ。
亜夜子は満面の笑みを浮かべて「お任せください」と頷きます。
文弥は感極まった表情で「必ずや、ご期待に応えます!」と誓いを建てました。

懲りないマフィア・ブラトヴァは達也の暗殺計画を継続する事を決めます。
彼らは配下がどの様にして倒されたのか知り得ていません。
大人数を投入するか少数精鋭で行くか議論しています。
大人数を投入すると目立ちます。
少数精鋭による奇襲を狙う事になりました。
同時に新ソ連から日本に亡命した者から協力者を作る事にしました。
彼らは達也が殺し過ぎないように配慮してくれているから生きていられると自覚すべきだよね。
全く脅威と思われていないのが滑稽です。
上位組織であるギルドからの依頼なので断れないそうですから可哀想ではあるね。
成功の見込みはほぼ皆無なんだよね。

成分表
成分含有量(5:多い、1:少ない)
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