ラノベの感想) オーク英雄物語2 忖度列伝 (富士見ファンタジア文庫)
概略:
嫁を求めてバッシュとゼルはエルフの国にやって来ました。オークは危険視されているので入国時に揉める事になります。そこに一台の馬車が通りかかりました。地位のある女性エルフが乗っていてバッシュの入国を認めてくれました。バッシュは彼女に一目惚れしてしまいます。無事に入国したバッシュは嫁探しを始めます。エルフの国で異種族との結婚がブームとなっていました。バッシュに大きなチャンスが到来します。未婚女性が集まる酒場を紹介され行ってみる事にします。そこでエルフ女性が裕福な相手を求めている事を知りました。ゼルがエルフ女性は金ピカネックレスを渡されプロポーズされる事に憧れているとの話を持ってきました。バッシュは資金稼ぎとしてエルフ国の周辺に大量発生しているゾンビ退治を行う事になります。お金に目がくらんでいるのでゾンビが発生する原因には無頓着でした。バッシュが一目惚れした人物はサンダーソニアと呼ばれるエルフ国の重鎮です。戦争中に彼女と交戦した事があるのですがバッシュは気付きません。ソニアの方はバッシュに気付いていてエルフの国にやって来た理由を探ろうとします。ゾンビによってエルフの国が襲われます。バッシュはソニアが危ないと聞いて参戦する事になります。
レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2020/12/20
著者:理不尽な孫の手
イラスト:朝凪
ISBN:978-4-04-073666-2
雰囲気:美女エルフ、朗報、情報、悩み、窮地、モテモテ、救出劇、プロポーズ、勘違い、噂
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第二章 エルフの国 シワナシの森編
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1. シワナシの森
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バッシュとゼルがシワナシの森にやってきました。
かつてこの地はオークの領土で最終防衛線が敷かれていました。
バッシュとゼルはこの地で激戦を繰り返していました。
オークは最後までこの地を死守したのですが戦後処理でエルフの領土になりました。
バッシュとゼルは懐かしさを感じています。
戦後三年が経過しているので森は静かになっています。
バッシュは戦時の習慣で川を渡ってエルフの国に入国しようとしています。
ゼルに止められました。
関所を通らないと怒られますと指摘されました。
基本的にゼルの指示に従う事にしているバッシュは関所に向かう事にしました。
途中でゾンビと遭遇しました。
バッシュを見咎めるとゾンビが襲い掛かってきましたが川に落ちて流れていきました。
ゾンビはダッシュ可能でしたが知能は低いようです。
関所は暇で二人の警備兵が詰めていました。
オークであるバッシュが声を掛けるとはぐれオークではないか?と疑われます。
ゼルがバッシュがオークの国でVIP待遇を受ける重要人物だと説明しますが信じてくれません。
エルフはフェアリーを信じない事にしているそうです。
適当でいい加減なのも他種族に知れ渡っているな。
エルフが乗っている馬車がやって来ました。
警備兵よりも高位らしい御者が足止めしている理由を問いかけています。
はぐれオークの可能性があるから入国を認めるか悩んでいると説明され御者も悩み始めます。
馬車の中から女性の声が聞こえてきました。
出てきたのは美しいエルフ女性でした。
彼女はネメシスとヒューストンの事を知っていました。
二人と知り合いな上、ネメシスの許しを得て旅をしていると知ったので入国を認めてくれました。
バッシュは女性に向かってお礼を述べています。
エルフ女性はバッシュを見て驚いています。
驚いて頭を打ってしまい馬車の中で気絶したようですよ。
バッシュの事を知っているようだな。
バッシュはこのエルフ女性に惚れてしまったようですね。
再会を願ってエルフ国に入国しました。
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2. エルフの町
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エルフの国シワナシ森の町に入ったバッシュとゼルは不思議な光景を目にしました。
排他的で攻撃的なエルフの国に他種族が多数逗留していました。
ゼルが情報収集をする為に別行動となります。
一人になったバッシュは町をブラブラしていました。
そこでエルフ女性と異種族の男性が腕を組んで歩いている光景を目にします。
一人のヒューマン男性に三人のエルフ女性が言い寄っている場面に遭遇しました。
羨ましいと思いながらバッシュが見つめているとエルフ女性と目が合います。
オークが嫌いなのね、三人のエルフ女性の雰囲気が一変しました。
それまで可愛くヒューマン男性に迫っていた彼女達はドスの効いた声でバッシュに因縁を付けてきます。
彼女達は指が二本無かったり片目が潰れていたり戦士だったようです。
何見てんだよーあーん。
バッシュは正直に疑問点をしてきました・・・何で一人のヒューマン男性に三人のエルフ女性が言い寄っているだ?
これは地雷だったね。
彼女達は自分達が焦って男を口説いていると指摘された、喧嘩を売られたと解釈しました。
バッシュが欲しているのは花嫁なので喧嘩する気は毛頭ありません。
バッシュが本当に理由が知らないとわかると興味が失せたようです。
ぶっ飛ばされないうちにどっか行けと言われました。
バッシュは大人しく従う事にしました。
バッシュを恫喝したのを見ていたヒューマン男性は怖くなったのね・・・適当に理由を付けて逃げて行きました。
適切な判断だったと思うよ。
バッシュが理由を考えているとゼルが戻ってきました。
ゼルは大変有望な事実を掴んできました。
エルフの国では異種族との結婚がブームになっているそうです!!
バッシュにチャンス到来だ。
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3. 有益な情報
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ゼルの助言に従いバッシュはナンパの準備を始めました。
まずは洋服店に行ってエルフに声を掛けるのに適した服を購入する事にします。
店主の男性エルフはバッシュの素性に気が付いたようですよ。
彼が入国を許されている事に驚いています。
バッシュが女性の口添えで入国が認められたと教えると感銘を受けている様子です?
昔ビーストが注文した服を出してくれます。
バッシュが着替えるとあんまり似合っていませんでした。
似合っていない服を売るのはプライドが許さず指摘してあげようと考えていました。
ゼルが似合っていると褒めちぎり始めたので言い出せなくなりました。
バッシュはゼルの言葉を信用しているのでその服を購入する事になりました。
続いて香水を振りかけてから身だしなみを整えます。
エルフ男性の髪型はオールバックが多いのでバッシュもそれに習います。
最後にプレゼント用の花束を用意してナンパを開始しました。
最初に声を掛けたのは顔に傷を持っているエルフ女性です。
バッシュがオークと知ると警戒していましたが彼が身綺麗にして花束を持っている事で目的を察します。
自分がナンパされていると気が付くと気分が良くなったようですね。
テレテレになりながらバッシュの申し出は受けられないと断ってきます。
彼女には数日前に婚約者ができました。
婚約者が出来た事で優越感に浸っている彼女はバッシュに親切に色々と有用な助言をしてくれます。
婚約済みの女性は頭に白百合の花を飾っているそうです。
結婚している女性も頭に花を飾っているんだそうです。
結婚相手を探している女性が「大鷲の止まり木」という酒場に集まっている事まで教えてくれました。
バッシュは其処に向かう事にします。
バッシュが声を掛けた女性はアザレアと云う名で戦争中はサキュバスと激闘を繰り返していました。
容赦なく敵を倒す事で恐れられていました。
エルフの国でアザレアに婚約者ができる筈無いと言われていました。
彼女に婚約者が出来た事で相手が決まっていないエルフ女性の焦りが増しているようです。
バッシュにとっては大チャンスですね。
エルフはプライドが高く喧嘩っ早いそうですが婚約者を得る事で心の平穏を取り戻して温和になったようですよ。
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4. 「大鷲の止まり木」
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大きな期待を持って「大鷲の止まり木」に到着したバッシュは数人のエルフ女性に声を掛けられます。
彼女達は猫なで声でバッシュに言い寄ってきました。
興味を持たれていると分かりバッシュの心は高鳴ります。
エルフ女性は一人ずつバッシュに声を掛けてきました。
彼女達は一様にバッシュの地位と懐具合を質問してきましたよ。
バッシュが正直に戦士である事を伝えると興味を失い離れていきました。
物々交換で取引するのでオークは生活するのに金銭を必要としません。
バッシュがお金を持っていないと伝えるとやっぱり興味を喪われます。
実際のバッシュはオーク国で高い地位にありお金持ちなのですがそれを説明する機会を与えられませんでした。
十人前後のエルフ女性はバッシュが地位も低くお金を持っていないと知ると唾を吐いて彼の元を去りました。
流石のバッシュも何か自分の問題があると気が付きます。
離れて行った女性達を追いかけて会話を継続することもできないので食事をする事にします。
エルフの料理は意外と美味しかったそうですよ。
バッシュの元に彼と同じようにフラれ続けているヒューマン男性が声を掛けてきました。
男はブリーズって名乗ります。
バッシュも名乗り返しました・・・お互いにどこかで聞いたことがある名前だな?と思っています。
が酔っ払っているので気にしない事にしました。
ブリーズが有益な情報を提供してくれました。
この店に居るエルフ女性は金銭的に裕福な男性を求めていると教えてくれました。
彼女達は主にサキュバスと戦っていた戦士だそうです。
サキュバスとの戦いでエルフ男性は数を減らして男女比が崩れてしまい女性が余っていました。
先に結婚した後輩よりも裕福な男を捕まえようと考えているそうです。
彼女達の目的を叶えられる裕福な男性などそうそう転がっている筈ないだろ、とブリーズは嘆いています。
ブルーズはエルフ女性が故事にちなんで巨大なエメラルドの付いた金ぴかネックレスに憧れている事を教えてくれました。
それを差し出しプロポーズされる事に憧れているそうです。
まずはお金を稼ぐ必要が出てきました。
ブルーズはエルフ国の周辺にゾンビが大量発生して困っている事。
ゾンビを倒せば金銭が貰える事を教えてくれました。
ブリーズは門無しなので日銭を稼ぐためにゾンビ退治をするつもりです。
バッシュにはブリーズの説明がゾンビ退治をすれば大金が手に入ると聞こえたようだぞ。
酔いから醒めたゼルと相談してゾンビ退治向かう事にします。
せっかく買ったナンパ服を汚す事は躊躇われます・・・宿に戻り着替える事にしました。
宿に向かう途中に入国時に口添えしてくれたエルフ女性に遭遇します。
彼女はバッシュの素性に気が付いていて警戒しています。
バッシュとゼルは彼女の頭に花飾りが無い事に気が付きました。
女性がバッシュの事が気になっていると伝えてきます。
彼女はバッシュの入国目的が分からず気になっているって意味でそう言いました。
バッシュは彼女の言葉を自分に対して興味を持っていると解釈しました。
ここでゼルが助言してくれます。
バッシュに攻略対象の女性は彼女だけに絞るべきだと言われました。
しかし金ぴかネックレスを持っていないのでここでプロポーズしても断られそうです。
バッシュはヒューマンの国で学んだ女性を口説く上で有益な方法を実践して次に会う時への布石を打ちました。
女性から入国の目的を問われました。
バッシュは「俺はまた、お前に会いにくる」
「どういう意味だ?あぁ」と恫喝されますね。
バッシュはカッコイイつもりで「フッ、いずれわかる・・・」と意味深に呟いて宿に向かいました。
バッシュとゼルは、きまったー、と思っています。
女性はサンダーソニアというエルフの英雄でした。
立場的にはオーク国でのバッシュと似たようなものか。
彼女はバッシュの目的が自分の殺害ではないか?と疑っています。
好意を持たれるどころかバッシュの行動はソニアを怖がらせていますよ・・・
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5. サンダーソニアの悩み
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エルフの英雄サンダーソニアには大きな悩みがありました。
それを作ったのはバッシュです。
エルフの国はかつて存亡の危機に瀕した事がありました。
ソニアは天才で雷の魔法に大きな適性がありました。
彼女一人で前線を支えていたのですが老化により全盛期の力を失いつつありました。
ソニアが弱くなると戦線が崩壊してエルフの国は滅亡してしまいます。
そこでソニアはエルフに伝わる禁呪を自分に掛ける事にしました。
禁呪によりソニアの肉体年齢は全盛期である百歳まで若返り固定化されます。
そこかた戦い続けてエルフの国を建て直しました。
今のソニアは千二百歳です。
戦争中にソニアとバッシュが戦う事になります。
エルフがシワナシの森を求めたからです。
バッシュと激しい激闘が繰り広げられましたがソニアは負けてしまいます。
彼女の戦いはエルフの部隊に監視されていました。
負けてしまったのでその場で犯されオークの国に連れて行かれてしまうと最悪の展開を予想します。
しかしバッシュは目のまで気絶しているソニアを犯しません。
それどころか気絶しているソニアをその場に残して帰ってしまいました?
この事件を「シワナシの森の悪夢」と呼びます。
一部始終を見ていた兵たちの間にソニアは見た目は若いがオークも嫌がるほど加齢臭が酷いとの噂が広まってしまいました。
戦争が終わりエルフに結婚ブームが起こります。
ソニアも婚活したようですがエルフ男性からは相手にされませんでした。
ソニアは噂が原因だと考えているみたいですが彼女の高すぎる地位が原因のようです。
偉すぎるので恐れ多くて誰も彼女に求婚してくれませんでした。
オークと遭遇してもサンダーソニアを怖がる彼らは股間を膨らませてくれません。
怖いので性欲が出て来ないのね・・・
それもソニアに加齢臭が漂っているのかも?と思わせる要因となっています。
彼女は自分が恐れられているって事に気が付いていないようだ。
ソニアはヒューマンの男性に的を絞りましたが上手く行きませんでした。
なり振りかまわず求婚すれば一人くらいはゲットできたかも知れませんが英雄としてのプライドが邪魔をして上手く行きませんでした。
ソニアは勝ったのに自分を犯さずに放置したバッシュを恨んでいます。
彼女はバッシュの事をよーく覚えているのですがバッシュは彼女の顔を覚えていませんでした。
ソニアは今更バッシュに犯してくれとも頼めないからなと考えています。
実際に頼んでみれば大喜びで抱いてくれると思うのですがバッシュの現状を知らなにのでこれは仕方ないね。
上手く行かないものですね・・・
ソニアは護衛役のトリカブトに貰ってくれとお願いしています。
トリカブトはソニアの姪孫です。
彼のもっとも古い記憶はソニアにおしめを変えて貰っている時の風景です。
彼にとってソニアはお婆ちゃんなので恋愛感情は皆無でした・・・まあ当然だよね。
自分には心に決めた人が居るのでと断ります。
ソニアが喰いついてきました。
鬱陶しくトリカブトに纏わりついて相手の事を聞いてきました。
うーん確かにババ臭い態度だな。
トリカブトはビースト王の第三姫イヌエラと結婚するようです。
今は結婚に向けての段取り中だそうですよ。
ソニアは聞いていないと不満そうにしています。
ソニアは口が軽いので秘密にしていたと言われました。
それを聞いたソニアはそれをこの場で言ってしまっては駄目じゃないか秘密保持の大切さを知らんのか?あぁと文句を言ってきました。
トリカブトは面倒くさいなーと感じています。
彼の父がソニアに秘密にするように助言したのも頷けます。
ソニアの元にゾンビの中にリッチが交っていたとの報が届きました。
アンデッド最上位種であるリッチには倒されたゾンビを復活させる事ができます。
急いで討伐隊が編成される事になりソニアも呼ばれました。
バッシュをどうするかって事が問題になりました。
ソニアはバッシュの事を監視させていました。
ここ数日のバッシュはゾンビの討伐をしているだけだそうです。
ソニアはバッシュの目的が分からずに不安を抱いてますが問題行動を起していないので捨て置く事にします。
ソニアとバッシュの目的は合致しているように思えますね。
上手く行かないのは己の求める事を正直に包み隠さず伝えていないからだね。
ソニアがバッシュに抱いてと頼めば問題は解決するんだが・・・
二人はすれ違いを続ける運命なのか?
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閑話「サンダーソニアの出立準備」
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サンダーソニアが出掛ける準備を始めます。
加齢臭の噂は彼女に大きな影を落としていました。
ヒューマンに作らせた特注のバスタブに漬かりビースト産の石鹸で入念に匂いを消そうとしています。
実際の彼女から加齢臭はしないようなのですが心配になっています。
バッシュが見れば理性を失い襲い掛かっても無理ないほど魅力的なのですが自信がないようです。
最後に香水をつけるか悩んでいます。
去年までソニアは香水に拘っていました。
ふんだんに使っていたので加齢臭を香水で消していると噂されてしまいます。
ソニアは香水を付けなくなったのですがバッシュの存在が香水を付ける決断をさせました。
保険として少し体臭を隠したいと思わせたそうです。
おーソニアはバッシュを意識しまくりですよ。
部屋の前で待っていたトリカブトを従えて作戦会議に向かいます。
トリカブトから会議の出席者は既婚者ばかりなので狙うのはマナー違反ですと指摘されてしまいます。
ソニアは「狙うか、馬鹿!」とプリプリ怒っています。
トリカブトは今日もソニアは必死だなと内心で思っていました。
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6. オークゾンビ
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ゾンビ討伐軍が出発しました。
三年ぶりの大きな戦なので一抹の不安を抱いてましたがソニアが参戦する事で払拭されます。
偵察を行いゾンビ部隊を追い込み優位に戦いを進めていました。
討伐軍の背後にオークゾンビの群れが現れます。
彼らはゾンビ化したオークの大戦士長ガンダグーザに率いられていました。
暗闇に潜むエルフに負けて死んだのにエルフの様に奇襲攻撃をしてきました。
討伐部隊が通過してから地中から現れました。
討伐軍は挟撃される事になります。
指揮官のキンセンカ中将は撤退するしかないと考えます。
撤退するにしても前方の敵を倒すか転進して背後の部隊を突破するか選ぶ必要が出てきました。
悩める彼をソニアが鼓舞します。
自分が道を切り開くので仲間を連れて撤退しろと伝えました。
ソニアの激励でキンセンカは背後の部隊を突破してエルフ国に逃げ帰る事を選択しました。
オークゾンビとの戦いが始まりました。
生きているオーク部隊が相手なら戦闘が長引くほどオークの数は減っていきます。
戦闘中でもオークは戦闘で勝利すると倒したエルフ女性を連れ帰り犯す事を選びます。
時間と共にオークの数が減っていくのですがゾンビ化したオークはそうではありませんでした。
更にリッチを倒さなければ倒したオークも蘇ってきます。
ソニア達は敵を殲滅できずに困っています。
ソニアの前にガンダグーザが現れました。
ガンダグーザはソニアに向かって自分の幻術を見破った事を褒めてきます。
実際は見破っていないのですがソニアは当然と強がります。
トリカブトとキンセンカは空気を読んでソニアに相槌を打っています。
ソニアが冥府に送ってやるぞと強がると愚かと罵られました。
ガンダグーザが持ってた杖を地面に打ち付けると隠しておいたオークの氏族長バラベン大将軍のゾンビが現れました。
すかさずソニアが雷の魔法をぶっ放します。
ソニアはそれで二人を倒せたと確信していたのですが効きませんでした。
バラベンは属性に対する耐性を有する耐性塗料を塗った鎧を装備していました。
リッチはもともと非常に高い魔法耐性を持っています。
加えて属性攻撃に対する耐性を付与する鎧まで装備しています。
ソニアの攻撃はほとんど効かない状況が作り出されました。
ソニアは厳しいかもと冷や汗を流しています。
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7. 追い詰められるエルフたち
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バッシュとゼルは元気にゾンビ狩をしていました。
その日は多くのゾンビが発生して大喜びしていました。
大量のゾンビを仕留める事ができているのでもうすぐ金ピカネックレスが手に入ると喜んでいます。
ゾンビが大量発生したのはガンダグーザが動きだした事が原因ですがバッシュとゼルは気にしてません。
頭部を切り落として袋詰めにして持ち帰ろうとしています。
ゾンビなので再生してくるのですが獲物が増えると喜んでいます。
袋が一杯になったので一度戻って換金する事にします。
戻る途中でゾンビと戦っているヒューマンを発見しました。
戦っていたのは酒場で意気投合したブリーズでした。
バッシュを見つけたブリーズは敵と認識して突進してきました。
途中でバッシュがオークヒーローだと気付きます。
攻撃を急停止しました。
バッシュの方もブリーズの装備から彼の二つ名を思い出しました。
ブリーズは「息根止め」と呼ばれていました。
ブリーズはバッシュが金ピカネックレスを買うためにゾンビ狩に来ていると察してくれます。
二人で協力して周囲のゾンビを狩尽くしました。
ブリーズは魔法戦士で剣技と魔法を絡めた戦い方をしています。
効率的なのでバッシュも三十まで童貞を守って魔法戦士になるのも悪くないと思えます。
がプライドが邪魔して嫌なんだよなー。
バッシュがエルフがゾンビに襲われている音を聞きつけます。
劣勢だと教えるとブリーズは助けに行く事にしました。
バッシュも彼の後を追う事にします。
ゾンビに追い詰められているのはバッシュに「大鷲の止まり木」の場所を教えてくれたアザレアの部隊でした。
何人も瀕死状態で倒れていたのですがゼルが妖精の鱗粉を振りかけて蘇生させています。
バッシュとブリーズはゾンビを倒しきり部隊の救出に成功しました。
アザレアはレイスに精神混乱させられていました。
傷は浅いのですが自分が死にかけていると誤解しています。
バッシュが助け起こすとソニアが窮地に陥っていると教えてくれます。
ブリーズは助けたエルフから言い寄られてデレデレになっています。
バッシュも残っているエルフに声を掛ければ同じようなモテモテ状態を作れるのですが諦めます。
ブリーズは鼻の下を伸ばしながらあとは任せておけと請け負ってくれます。
バッシュはソニアを助けに行く事を決めました。
ソニアは追い詰められていました。
魔法の効果を減衰させられているのでガンダグーザとバラベンを同時に倒す事は困難です。
護衛役のトリカブトと共に殿を務めているのですが劣勢です。
ソニアには戦闘中に気を抜くって悪い癖がありました。
トリカブトを逃がそうとして口論になってしまいます。
敵から目を放して口論していたので不意を突かれてトリカブトが投擲された大岩に潰され死んでしまいます。
ソニアは死を賭してガンダグーザとバラベンを始末すると決めます。
そこにゼルが飛び込んできてトリカブトの上で奇妙な踊りを始めました。
エルフの鱗粉を振りかけてトリカブトを蘇生させようとしています。
少し遅れて猛烈な殺気と共にバッシュが現れました!!
バッシュは先日ソニアと別れる際に再び彼女の元に現れると告げていました・・・
ソニアはバッシュがエルフの国に来たのはガンダグーザやバラベンと連携してエルフの国を滅ぼす為だと気が付きます。
三対一になってしまったソニアは死を覚悟しています。
バッシュがゆっくりソニアに歩み寄ってきます。
ソニアに接近すると彼女に背を向けてガンダグーザとバラベンに大剣を向けます?
「これから先、お前には指一本触れさせん。安心して、そこで見ていろ」
とってもカッコイイ台詞をはくのですが混乱中のソニアにはあまり効果が無いようです。
窮地を助けられて、こんな台詞を言われたら普通は惚れるよね・・・
タイミングは最高だったのですが相手が悪かったようです。
ソニアはバッシュに負けた事を根に持っているからね。
ソニアを援護しようとしているバッシュをバラベンとガンダグーザが罵倒してきました。
オークの誇りはどこ行った。
バッシュはネメシスの言いつけて他種族への侵攻は禁じられていると教えます。
二人はネメシスをを軽視しているね、オークが戦いを捨ててどうする、と吠えています。
バッシュはバラベン将軍に向かって、尊敬しているけどゾンビはオークではない。
オークでない者がオークを語るなと告げます。
これは怒る、激昂したバラベン将軍が飛びかかってきました。
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8. 英雄VS大将軍
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バッシュとバラベン将軍の一騎討が始まりました。
互いに名乗りを上げての戦いです。
バッシュにはバラベン将軍との思い出があります。
戦闘開始前にそれを思い出しています。
一緒にエルフを根絶やしにしようと誘われて嬉しくなっています。
バッシュが倒れたソニアを放置したのは彼も瀕死だったからでした。
ソニアは自分が負けたと思っていますがバッシュから見ると相討ちでした。
ソニアが行動不能になったのでさっさと身を隠してエルフの攻撃から逃れる事にしたからです。
バッシュが隠れている間にエルフ軍の総攻撃がありバラベン将軍とガンダグーザは討ち取られました。
エルフが灯りを消して攻撃してきたからです。
ガンダグーザはエルフの作戦を察知していてバラベンに姿を隠して奇襲する作戦を提案しました。
しかしオークメイジを軽蔑しているバラベンは提案を拒否しました。
バッシュはもう少しバラベンとガンダグーザの仲が良かったら結果は違っていたと考えていました。
ガンダグーザは自分の作戦が受け入れられなかった事に怨念を抱いてゾンビ化したようです。
バラベン将軍も負けた原因が自分が提案を受け入れなかったからだと思っていてゾンビ化したようだ。
バッシュはバラベンとガンダグーザが共闘している事に感激しています。
オークは戦闘で死ぬことに後悔の念を抱きません。
ですので怨念によってゾンビ化するのは間違いって考え方を持っています。
ゾンビはオークではないと言われています。
バッシュはバラベンとガンダグーザに敵対する事を選んだのは普通の事のようです。
更にソニアの命も掛かっているので猶更です。
ゼルがバッシュに耳打ちしています。
ソニアを助けて好感度を上げる大チャンスと言ってきます。
ここで頼れる男、かっこいい男を演出できれば、一発っすよ!
バッシュが迷う必要はなくなったね。
ソニアは混乱中でした。
バッシュがバラベンと戦い始めた理由が分かりません。
バッシュの背中を見た彼女は、なんと安心感のある、頼もしい背中なのだろうか、と感じています。
おっとこれは脈ありかな?
ソニアはバッシュに助太刀する事を決めました。
バッシュが「助太刀、受け入れる」と言います。
ソニアが「よ、よし。私とお前が組めば無敵だ!」と答えました。
バッシュがフッと笑います・・・カッコつけたつもりみたいだね。
ソニアが苦笑を浮かべているので効果はイマイチだったようです。
バラベンを殺してもガンダグーザによって復活させられます。
ソニアは自分がバラベンを抑えているのでバッシュには先にガンダグーザを倒して欲しいと提案します。
合理的な作戦だったのですがバッシュに断られました。
バッシュは名乗りを上げて戦い始めたので満足の行く戦いをしたいと言っています。
ソニアはこのクソバカと思いつつもバッシュがバラベンを弔おうとしていると考えます。
エルフが怨念によってゾンビ化したなら自分でも相手を弔おうとするだろうとの考えに至ります。
ソニアはバラベンをサポートするガンダグーザの邪魔に徹する事に決めました。
バッシュとバラベンの戦いはバッシュの勝利に終わりました。
バッシュの大剣がバラベンの戦槌を斬り飛ばして彼の首を跳ねました。
バラベンの首がガンダグーザの前に転がってきました。
諦め悪くバラベンを復活させるかと思ったら潔く負けを認めたね。
バッシュとバラベンの死闘を見て満足したようです。
「バッシュ・・・愚かなバッシュ・・・オークを、頼む・・・」と言い残してガンダグーザは真っ二つにされました。
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9. プロポーズ
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シワナシの森のゾンビ騒動が終息してもソニアは悩んでいました。
彼女はバッシュがエルフの国にやって来た理由を考えていました。
ゼルの鱗粉のお陰でトリカブトは助かりました。
トリカブト達はバッシュがゾンビ化したバラベンとガンダグーザを葬りに来たと考えています。
バッシュがエルフの国に来てからの行動がそれを示していました。
初日は情報収集を行い二日目からはゾンビ退治にせいを出していました。
本当のところは嫁探しを行い口説き落とすには金ピカネックレスが必要と誤解してゾンビ退治をしてただけです。
ソニアも納得しかけていますがバッシュが「また会いにくる」「フッ、いずれわかる」って台詞が引っかかっていました。
ソニアの住んでいる大樹にバッシュがエルフの正装をしてやって来ました。
バッシュがソニアの窮地を救った事は知れ渡っているので好意的に受け入れられています。
バッシュの前に現れたソニアは彼がエルフの正装をしている事に驚きます。
彼に対して疑念を抱いているので対応が刺々しいですね。
何の用だ!さっさと用件を言え、私も暇じゃないんだ。
バッシュは懐から金ピカネックレスを取り出してソニアに差し出します。
「一目見た時からお前に惹かれていた。どうか俺と結婚し、子を産んでほしい」
渾身のプロポーズを慣行しました。
慌てん坊だが悪くないソニアの頭脳が高速回転を始めました。
バッシュの言葉は本心からのモノなのですがそれはバッシュサイドから見たらです。
ソニアには別の見解がありました。
まず一目惚れってところから疑いますよ。
バッシュとソニアは終戦間際にシワナシの森で戦いました。
ソニア視点ではバッシュが勝利した事になっています。
一目惚れなら、なんでその時にお持ち帰りしなかったんだ?と疑います。
バッシュはエルフの国にきてから婚活中のエルフ女性と摂食していました。
ソニアはバッシュがそこでソニアが結婚したくて焦っていると知った。
自分の事を簡単に手に入る女だと思っていると考えてしまいます。
カッと頭に血が上り「断る!誰がお前の子など産むか!」と答えてしまいました。
あーあー大失敗だよ。
オークの英雄とエルフの英雄なのでバランスは取れていると思うんだけどね。
ソニアの慌ん坊な面が色濃く出てしまったね。
断れたバッシュは素直に引き下がりました。
仏頂面で「そうか。残念だ」と言い残して立ち去ります。
余りにあっさりしているのでソニアが引きとめようとしたくらいです。
バッシュはゼルの助言、しつこいのは駄目を忠実に守っていますね。
ソニアは千載一遇のチャンスをふいにしちゃったよ。
ゼルが慰めてくれています。
エルフが発行している雑誌では告白されたいシチュエーションのランキング三位だったそうです。
バッシュはソニアには立場があるから断られたと納得しようとしています。
戦争中にバッシュと戦った時にソニアは仮面で顔を隠していたそうです。
魔力を増幅し知覚を鋭敏にさせる効果がありました。
他にもエルフに伝わる宝具とも言うべき装備でガッチガッチに身を固めていました。
相手がバッシュなのでアイテムを使って戦闘能力を向上させていたのね。
名乗り合いも無く戦闘を開始したのでバッシュはソニアの名前と容姿を知りませんでした。
だから一目惚れって話に嘘は無いんだよね。
バッシュがソニアとの初対面と認識しているのはエルフの国に入国する時です。
ソニアの側が戦争中がバッシュとの初対面と認識しています。
認識の違いですね。
「エルフの大魔導」の噂がバッシュも聞き及んでいました。
太古の昔から現存するハイエルフで歳は千二百歳。
風雷と貞淑を司る神からの力を授かった巫女で処女を失えばその魔力も失うと言われていました。
処女が力の源なら結婚などするわけもない。
バッシュはフラれる可能性を考慮しつつソニアにプロポーズしました。
覚悟していたとはいえ落胆は大きいようです。
落ち込んでいるバッシュにアザレアが声を掛けてきました。
彼女は大胆にもソニアにプロポーズしたバッシュを讃えてくれます。
ソニアは高嶺の花なのでオークの英雄でも無理だと励ましてくれます。
バッシュはソニアの他にもエルフ女性は残っていると伝えます。
アザレアから残念なお知らせが成されました。
エルフは一人の男が大勢に粉を掛ける事を嫌うそうです。
バッシュがソニアにプロポーズした事は知られているので他のエルフ女性は求婚されても受けいれてはくれまいと教えてくれました。
バッシュは金ピカネックレスがもう使えないと知りガッカリしています。
アザレアは戦勝記念にダーリンと食事に行くそうですよ。
バッシュがアザレアのダーリンを呼び止めました。
アザレアが手を出したら容赦しないと威嚇してきましたね。
バッシュは彼がアザレアを射止めた方法を聞いてみる事にします。
彼は戦争中にサキュバスに捕まっていたそうです。
そこをアザレアに助けられたんだそうです。
アザレアに恩返ししたいと考え戦後エルフの国にやってきたそうです。
そしたらアザレアが結婚相手を探していると知り、高嶺の花で憧れの人である彼女にプロポーズしたんだそうです。
バッシュは彼と自分のプロポーズに対する気構えの違いを知る事になりました。
アザレアの旦那は勝機があると見出してから勝負に出ました。
バッシュは勝機がないと知りつつ勝負に出て負けました。
参考にすると伝えて二人を見送ります。
旦那の答えにアザレアは気を良くしたようですねラブラブ度が増しています。
バッシュって無意識にキューピット役をしてないか?
バッシュにブリーズが声を掛けてきました。
彼はゾンビから助けたエルフ女性の一人をゲットしていたぞ。
バッシュに今後の動き方を聞いてきました。
エルフの国でプロポーズするチャンスは無くなったのでやる事がありません。
ノープランであると伝えます。
ブリーズもバッシュがエルフの国に来た理由を誤解していました。
彼もバッシュがゾンビオーク退治に来たと誤解していました。
誤解したままドワーフの国ドバンガ杭でも今回みたいなことが起こっている噂だと教えてくれました。
今回みたいなことに見解の相違があるよ。
バッシュは今回みたいなことを「他種族との婚活ブーム」と認識しました。
ゼルを伴いドワーフの国に向かう事にします。
バッシュがソニアにプロポーズした事でソニアの噂が上書きされる事になりました。
バッシュがシワナシの森でソニアを犯さなかったのは、ソニアのあまりの麗しさに真実の愛に目覚めたからだ、という噂がエルフの国全土に広まる事になりました。
ソニアの名誉が回復されました。
全てが勘違いの産物なのですが誰にも真相は分かりません。
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エピローグ
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バッシュのプロポーズのお陰でソニアの悪評は解消されつつありました。
オークがソニアを攫わなかったのは加齢臭のせいでは無い。
漂う色香がオークを惑わせた。
ソニアからはすごく良い匂いがする。
って噂に変化しました。
すれ違いざまに若いエルフに匂いを嗅がれることが多くなったそうです。
あまりに嗅がれるので恥ずかしくなりソニアは入浴後に香水をつけるようになりました。
ゾンビ退治にソニアの名誉回復、バッシュの行動は曲解され感謝されています。
正式にオークの国にお礼をしないと失礼かもしれないとまで考えられています。
バッシュのプロポーズはソニアの悪評を拭い去りましたが良い評判が付き過ぎました。
「サンダーソニアの処女性はエルフにとって神聖なものであり、何人たりとも犯してはならない」
国内にソニアに言い寄る者はさらに減り、他国の者も噂を信じてしまいソニアに手を出そうとはしなくなるでしょう。
ソニアの婚活は困難になってしまいました。
更に隠したかった処女って事もバレてしまったよ。
トリカブトがバッシュを振ってしまった事をもったいなかったのでは?と問いかけてきます。
ソニアは受けていたら加齢臭の噂が消えなかっただろと反論します。
トリカブトが結婚はできましたと答えます。
ソニアはバッシュに助けた貰った時に守られる立場も悪くないと感じました。
バッシュの事を頼れる人物と感じています。
もう一回バッシュからプロポーズしてくれば考えなくもないと言っています。
バッシュに好意を持ったようですね。
お礼を言うためにバッシュの元に向かおうと考えます。
トリカブトからバッシュならソニアにフラれた次の日にエルフの国を出たと教えられました。
トリカブトから、しつこく言い寄ってもらえると思ってたんですか?
さすがに舐め過ぎです。
相手はオークの英雄ですよ。
戦争中にソニアよりもいい女をたくさん捕まえた男ですよ、と言われてしまいます。
ここでも誤解されていますね。
戦争中にバッシュがいい女とヤリまくっていたと勘違いされています。
実際には一人も捕まえていないのですが誰も知りません。
怒りと恥じで頭に血が上ったソニアは旅に出ると口走ってしまいます。
ソニアは当然止められると考えていましたがトリカブトは認めてくれました。
これまでエルフの国の為に尽くしてきたソニアにはそろそろ悠々自適に過ごして欲しい。
後のことは残った者でなんとかするので行ってきてくださいと言われてしまいます。
ソニアは今のは勢いで言っただけと言えなくなりました。
サンダーソニアは諸国漫遊、慰安旅行と称した婚活の旅に出る事になります。
旅先でバッシュと再会する事はあるのだろうか?
バッシュとゼルは北にあるドワーフ国を目指していました。
今回はダメだったっすけど、気を取り直して行くっす!次も頑張るっすよー!
おお!
二人とも気合十分だね。
成分表
成分 | 含有量(5:多い、1:少ない) |
美少女 | 2 |
ラッキースケベ | 1 |
戦闘 | 5 |
理解不足と勘違い | 5 |
ヒーロー性 | 5 |
対話 | 3 |
口説き | 2 |
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