ラノベの感想) 掟上今日子の忍法帖
概略:
セントラルパークで起った手裏剣を使った殺人事件の容疑者として今日子さんが浮上します。何故かニューヨークで探偵事務所を構えて活動していますよ。探偵業は暇らしくセントラルパークを散歩するのを日課としていました。第一容疑者と思われる怪しい日本人女性である今日子さん宅にニューヨーク市警のランディル警部とキャステイズ警部補が会いにきました。憧れのニューヨーク市警に会えたと感激されます。手裏剣を使った事件なので疑われたと今日子さんに看破されてしまいます。今日子さんが不法滞在している事も発覚します。署に戻った二人はFBIのホワイト・バーチ捜査官と面会する事になりました。
レーベル:講談社BOX
発行日:2022/6/6
著者:西尾維新
イラスト:VOFAN
ISBN:978-4-06-527703-4
雰囲気:不審な日本人女性、FBIからの助言、推理と実験、兵糧丸、奢り、偽薬、救命行為、国境、逮捕、出張、面会、遅れ、居座り
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第一話
掟上今日子の手裏剣
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ニューヨークのセントラルパークで変死体が発見されました。
胸に手裏剣が刺さっている死体です。
犬の散歩をしていた人が死体を発見しました。
事件を担当する事になったリバルディ警部(男性)とキャステイズ警部補(女性)は日本人の犯行かも知れないと考えます。
二人は日本では未だに忍者が暗殺集団として活動していると考えていました。
リバルディ警部は従軍時代に沖縄基地で暮らした事があります。
本人は日本には詳しいと考えています。
キャステイズ警部補は日本人が犯人なら国際問題にならないだろうか?と心配しています。
セントラルパーク周辺で怪しい日本人女性の目撃情報がありました。
二人は第一容疑者かもしれないと考えて会いに行きます。
犯人かもしれないとキャステイズ警部補は若干ビビっていたのですが快く迎え入れてくれました。
女性は探偵の掟上今日子ですと名乗ります。
リバルディ警備が探偵業を営むのに必要な許可証を見せて欲しいとお願いします。
今日子は持っていないと答えました。
アメリカでの探偵業は認可制になっていると教えてもピンときてないようです。
パスポートも持っていないと言われてしまいます。
この時点で不法滞在者だと認めた事になるんですが今日子さんに危機感はありませんでした。
人にはそれぞれ事情があると考え決めつけを嫌うリバルディ警部は今日子さんを捕まえることはしませんでした。
今日子さんは何故ニューヨークで暮らしているのか分からないと明かします。
唯一身分を確かめられるモノとして左腕に書かれたメッセージを見せてくれました。
「私は掟上今日子。探偵。25歳。現在ニューヨークで活動中。一日ごとに記憶がリセットされる」
日本語と英語でそう書かれていました。
立ち話も何だし入ってくださいと言われて白髪の女性の部屋に招かれました。
部屋に入ってみると異様な光景に驚かされています。
壁一面に各国語の新聞が貼りつけられていました。
今日子さんから一日で記憶がリセットされるので朝起きたら新聞を買いに行って情報をインプットしていると教えられました。
今日子さんから訪問理由を推理されます。
セントラルパークで手裏剣を使った殺人事件が起こったのだろうと言われます。
まだ事件については公表していなかったので犯人しか知り得ない情報を知っている事になります。
今日子さんから推理の理由が語られます。
不審な日本人女性の家に来たのだから日本的な凶器が使われたたはず。
非力な女性を疑うのだから腕力を必要としない武器、手裏剣が使われたと考えたと言われました。
更に今日子さんは依頼を出して欲しいと営業まで掛けてきます。
不法滞在っていう連行するに足る理由があったのですが帰る事にしました。
帰り際に被害者が手裏剣を使って毒殺されたと遺族に伝えるのは辛いですねと言われました。
署に戻ったキャステイズ警部補の元に鑑識結果が上がってきました。
手裏剣には指紋と毒物が付着していました。
毒物はアジア圏に自生する毒物でした。
日本も自生範囲に入っています。
手裏剣に付着していた指紋は右手の五指でした。
指紋から前科のある結婚詐欺師フルーティー・ヤング(女性)が浮上しました。
今日子さんの容疑はほぼ晴れたね。
ヤングの家に向かおうと考えていたキャステイズ警部補はリバルディ警部共々署長に呼び出されます。
応接室に入るとFBI捜査官が待っていました。
ホワイト・バーチと名乗るFBI捜査官から今日子さんの様子を聞かれる事になります。
今日子さんの住んでいる老朽化したマンションはバーチが斡旋した物件でした。
日本で探偵事務所を破壊されたのでFBIが今日子さんをニューヨークに連れてきたような口ぶりです。
バーチはFBIで今日子さんの動向を監視する任務に就いているそうですよ。
しかし接近禁止命令が出ていて彼自身が今日子さんと接触する事は出来ないんだそうです。
キャステイズ警部補は過保護が過ぎると感じています。
今日子さん宅の室内に各国の新聞が貼られていた事。
ふてぶてしい態度で全然緊張していなかった事。
ニューヨーク市警に訪問されて喜んでいた事。
捜査依頼をして欲しいと営業してきた事を伝えます。
英語が堪能だった事も伝えると今日子さんが英語を習得したのはアフリカでフランス語と一緒に習得したんだと教えられます。
今日子さんが通常運転で活動していると知ってバーチが喜んでいます。
セントラルパークを徘徊しているので探偵事務所は暇なのだろうと伝えると依頼するように勧められます。
経費はバーチが持つので捜査協力を要請するように言われました。
バーチの父は金持ちなんだそうですよ。
リバルディ警部は今日子さんに依頼しようと決めます。
再び置手紙探偵事務所ニューヨーク支部に向かいます。
出てきた今日子さんからはじめましたと言われました。
今日子さんは午前中にリバルディ警部とキャステイズ警部補が訪問してからお昼寝をしていました。
二人は一日で記憶がリセットされるのではなく寝ると記憶がリセットされると学びます。
事件の概要を伝えると今日子さんから現場であるセントラルパークに行こうと誘われます。
道中で今日子さんはNYPDのロゴがプリントされたウインドブレーカーを購入しています。
早速着込んで検分を始めます。
被害者が傷口の胸を上にして倒れていた事から正面から手裏剣を投擲されたと仮定して実験を始めました。
キャステイズ警部補が被害者役、今日子さんが犯人役、リバルディ警部が観察係になります。
今日子さんは新聞紙を折って作った手裏剣を持参していました。
今日子さんがサイドスローでキャステイズ警部補目掛けて新聞紙で作った手裏剣を投擲しました。
キャステイズ警部補が顔の前に掲げている林檎を的にしたのですが手裏剣はザックリと突き刺さっています。
余りの衝撃にキャステイズ警部補は数歩後ずさっています。
彼女は死の危険を感じていました。
投げた方の今日子さんは刑事相手に殺人未遂を起したのに平然としています。
キャステイズ警部補は口汚く罵りそうになりますが我慢しています。
彼女は今日子さんのメンタルの強さに驚いています。
次に正面から投擲される手裏剣を避けられるのか試す事になりました。
結果は簡単に避けられると分かります。
今度は被害者役と犯人役を入れ替えてやってみる事にします。
林檎無しで試したのでキャステイズ警部補の投擲した手裏剣を今日子さんは口で受け止めました。
手裏剣が刺さる前に咥えたようですね。
今日子さんは後ろに向かってばったり倒れます。
手裏剣が今日子さんの顔に刺さったように見えたので慌ててリバルディ警部が駆け寄りました。
今日子さんは手裏剣を加えながら新たな仮説を示します。
忍者には大きな凧に乗って偵察する技があると言ってきます。
犯人は何らかの方法で被害者であるテリヌ氏を寝かせ上空から手裏剣を落としたのではないか?と推理します。
手裏剣に付いていた指紋は真の第一発見者だったからではないか?と仮定します。
ヤングが倒れているテリヌを発見し咄嗟に手裏剣を抜こうとしたのではないか?
既に死んでいたので前科者の彼女は自分が疑われると考え逃げたのでは?と推測します。
ヤングは既に逃亡を図っているだろうと言われたので指名手配する事になりました。
捕まえたヤングから事情聴取を行うと思わぬ事実が判明しました。
彼女はテリヌが後ろに向かって倒れるのを目撃したと言っています。
更に目につく範囲に手裏剣を投げた人物は居なかったんだそうです。
今日子さんの大凧推理は外れてしまいました。
その事をバーチに報告すると笑われてしまいます。
今日子さんの網羅推理は全ての可能性を当たるので外れる事もある。
一つの推理が外れたった事はそれだけ真実に近づいた証だと言われます。
明日もう一度依頼に行けばいいよと助言されます。
キャステイズ警部補は大見得を切った推理が外れたので恥ずかしくて依頼は受けてくれないだろうと考えます。
翌日今日子さんに会いに行きます。
眠ると記憶がリセットされる今日子さんは自分が的外れな推理をした事実を忘れていました。
大凧の推理を教えると馬鹿な推理だと笑っていました。
事件発生から一日以上が経過しているので新聞で報道されました。
今日子さんは新聞で事件を知り既にセントラルパークを調査してきていました。
忍者には水遁の術という水に潜る技術が存在すると言ってきます。
既にセントラルパークの事件現場近くにある池の中を調べてきたんだそうです。
池の中でもう一つの手裏剣を発見していました。
手裏剣には何かで引っ掻いた傷が残っていました。
リバルディ警部が跳弾を使ったんだと気が付きます。
今日子さんも同じように考えていました。
犯には二つの手裏剣を使ってテリヌを殺害したんだと推理します。
犯人は両手で二つの手裏剣を投げたのではなく手裏剣を投擲するマシンを使っていました。
一眼レフカメラに偽装されたAI搭載のピッチングマシンを作らせていました。
搭載されたAIが軌道計算を行い二つの手裏剣を使った跳弾を可能にしていました。
現場近くの茂みにピッチングマシンを設置して犯行に及んだそうです。
目撃者がいないわけね。
珍しい品なので注文履歴から犯人が割れました。
犯人はテリヌの妻と息子でしたよ。
二人は客を装いテリヌをセントラルパークに誘き出したそうです。
殺害理由は相続財産の正当防衛だそうです。
家族関係は冷え切っていたのね。
犯人がアメリカ人だと分かり国際問題に発展する危険はなくなりました。
リバルディ警部からキャステイズ警部補に電話が掛かってきました。
自由の女神のたいまつに、巨大な凧が引っかかっているとの通報があった。
双眼鏡で確認したところ凧には人間の死体が大の字に縛り付けられているように見える。
直ぐに現場に向かってくれと言っています。
キャステイズ警部補はもう一度今日子さんに依頼を出す事にするようです。
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第二話
掟上今日子の兵糧丸
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公演中にブロードウェイの舞台上で端役のダンサー、ランディル・ラスクエットが倒れました。
病院に運び込まれたのですが死んでしまいます。
死因は餓死でした?
遺族の希望で司法解剖が行われて胃の中から謎の丸薬が発見されます。
ランディルの遺品の中に「HYORO-GAN」と書かれたメモをが見つかります。
他にも同時期に餓死した端役ダンサーが三人居た事が分かりました。
ランディル警部とキャステイズ警部補は関連があると考えます。
兵糧丸かも知れないと考えたニューヨーク市警のランディル警部とキャステイズ警部補は置手紙探偵事務所ニューヨーク支部に向かいます。
理由は日本文化のアドバイザーとして今日子さんに意見を求めての事でした。
今日子さんは自由の女神で起った事件でも協力したそうですが寝ると忘れるので初めましてと挨拶しています。
左腕に書かれている備忘録も進化していましたよ。
「私は掟上今日子。探偵。一日で記憶がリセットされる。現在、ニューヨーク市に不法滞在中。」
不法滞在を自覚しているだろうにニューヨーク市警やって来られても嬉しそうにしています。
毎回会うたびに憧れのニューヨーク市警と言われてキャステイズ警部補は複雑な気分になっています。
彼女は今日子さんの特性に慣れ始めているのでお世辞では無いと分かっているので微妙な気分なんでしょうね。
今日子さんはニューヨーク市警の刑事と知り合えて嬉しいのかコーヒーを勧めてきます。
兵糧丸が毒性のある薬かも知れないのでランディル警部は焦っています。
コーヒーを断り話を進める事にしていますよ。
今日子さんから兵糧丸は忍者が使う携行食糧だった。
一粒で10日は活動できたと言われていると教えました。
死んだのが舞台に立つダンサーだったのでダイエット効果を狙った商品ではないか?と考えます。
今日子さんはランディル警部とキャステイズ警部補に付き添われて事件が発生した劇場の舞台にあがります。
現場を見たがった結果ですね。
今日子さんは兵糧丸を使ってブロードウェイ界隈で治療が行われていると推理しました。
知り合いの知り合いを辿って入手元を特定するのが良いと助言します。
キャステイズ警部補は被害者の資産状況の調査を行いました。
兵糧丸は希少品で高額商品だと仮定してのことです。
結果は何も分からないでした。
怒られると思いながらランディル警部に報告すると収入も調べたか?と問われました。
兵糧丸を購入していると考えていたキャステイズ警部補は未熟を痛感しています。
調べてみると被害者が定期的に何らかの収入を得ている事が判明しました。
問題となったのは毎回金額が微妙に違う事でした。
キャステイズ警部補は為替レートが変動している影響だと分かってしまいます。
報酬の支払いが円で行われていると判明しました。
今日子さんが容疑者として浮上する事になります。
ランディル警部とキャステイズ警部補は今日子さんの元に向かいます。
日数を開けての訪問だったので初めましての挨拶から始まります。
今日子さんがニューヨーク市警に憧れているのは本当なんだね。
今回も憧れのニューヨーク市警と会えて光栄ですと言ってますよ。
兵糧丸を使った事件の話をすると日本人でも知っている人が少ないのに良く知ってますねと感心されます。
ランディル警部とキャステイズ警部補に兵糧丸のレクチャーをしたのは今日子さんなんですが当然忘れています。
兵糧丸に関係していた四人が円を受け取っていた話をすると今日子は自分が疑われていると理解します。
疑いを晴らすために本気を出すと宣言して二人をステーキハウスに誘いました。
ドレスアップしなければ入店できない名店に向かう事になったのでランディル警部とキャステイズ警部補は途中でジャケットを購入しています。
経費が嵩むとキャステイズ警部補は青くなっています。
アメリカ人でも頼まないような量のステーキを今日子さんはぺろりと平らげました。
キャステイズ警部補は健啖家だと驚いています。
今日子さんはケーキは別腹と言ってデザートに巨大なケーキを注文しました。
キャステイズ警部補はデザートに付き合えましたがランディル警部は無理でした。
兵糧丸の効能について議論していますね。
今日子さんは兵糧丸が他に何も食べたく無くなるくらい美味しいスーパーフードなのではと仮定しています。
それはステーキやデザートを断れる位に美味しいモノなのか確認したくてステーキハウスに来たようだね。
ステーキやデザートを我慢できるのか?と問われてキャステイズ警部補は無理じゃないか?と考えています。
それだけで他の食べ物が必要なくなるスーパーフードの線は無いと仮定します。
次はダイエット目的の食欲を抑制する薬なのでは?と仮定しました。
兵糧丸の現物を入手して分析する必要があります。
兵糧丸の治験に参加しているダンサーを探す事になります。
キャステイズ警部補が五人の参加者を特定する事に成功します。
ランディル警部が兵糧丸を提供して欲しいとお願いに向かいました。
やり手の敏腕刑事であるランディル警部は五人全員から兵糧丸を提供して貰えました。
彼は交渉能力に長けているようですね。
ランダムに三粒を選んで別々の研究施設で分析してもらう事にします。
その結果兵糧丸には何の効果も無い事が判明しました。
捜査に行き詰まった二人は再度今日子さんの元に向かいます。
ランディル警部から状況を説明された今日子さんは兵糧丸を見せて貰う事にします。
他袋を嵌めて慎重な手つきで兵糧丸を掴みます。
キャステイズ警部補は指紋が付かないように配慮しているんだなと考えます。
今日子さんが落ち着いた所作で兵糧丸を観察していたので二人は油断しましたね。
今日子さんが兵糧丸を口の中に放り込みコーヒーをがぶ飲みして胃に流し込みました!!
味も無く美味しくも不味くもないそうです。
驚いている二人に仮眠を取るので一時間後に起して欲しいとお願いしてきましたよ。
この時にメッセージを伝えています。
キャステイズ警部補は言われたとおりに一時間後に寝室に入り今日子さんを起こす事になります。
今日子さんの寝室には新聞は貼られていませんでした。
老朽化しているマンションには思えないほど綺麗な部屋でした。
ベッドしかないようです。
今日子さんはベッドでスヤスヤ眠っていました。
キャステイズ警部補に起されると、あなた、どなたです?と驚かれます。
寝たので忘れたのね・・・
キャステイズ警部補が自己紹介すると納得してくれます。
今日子さんは呑み込んだ兵糧丸の消化を促すために一時間仮眠を取ったのね。
起きた今日子さんにパンケーキを食べに行きましょうと誘います。
今日子さんは快諾して三人でパンケーキを食べに行く事になりました。
これは兵糧丸の効果を確かめる実験でした。
兵糧丸に満腹感を促す効能があれば今日子さんは断った筈です。
美味しそうにパンケーキを食べているので満腹感を促す効能は無い事が確認されました。
これで兵糧丸には何の効能もない事が証明されましたよ。
制作者は思い込みによる偽薬効果で兵糧丸をヒット商品にしようとしていたようです。
これからスターになる可能性を秘めている駆け出しダンサーに治験を依頼したのは先行投資だったようだね。
兵糧丸を使って治験を行っていた事を罪に問えるか微妙になってしまいます。
今日子さんは暗示によって殺人事件が起こったので殺人罪に問えるのではないかと提案しています。
今日子さんを心配したランディル警部があんな危険な事は二度としないで欲しいと注意します。
兵糧丸を?み込んだ時の事を忘れている今日子さんは私に言われましても記憶にありませんと困っています。
ご心労をおかけしたことは心から謝ります、と言っています。
キャステイズ警部補は寝れば忘れるので何とも軽いと感じています。
今日子さんは五分五分程度の毒薬だったとしても私は飲んだでしょうね。
ランディル・ラスクエットさんほどの覚悟はありませんでしたがと言って事件に幕を引きました。
キャステイズ警部補が兵糧丸事件をホワイト・バーチ捜査官に報告しました。
ステーキやパンケーキを奢って貰って忘却探偵もすっかりニューヨークを満喫しているじゃないかと満足そうにしています。
しかし注意喚起が行われました。
バーチは今日子さんがランディルの死を称えるような発言をしたと危機感を抱いています。
バーチはランディルの胃から兵糧丸が発見された事実に新解釈をもたらします。
倒れる直前にランディルは兵糧丸が偽薬だと気が付いたのではないか?
それを告発する為に兵糧丸を呑み込んだのではないか?と推理します。
それが分かった今日子さんはランディルを称えたんだと答えます。
ランディルに共感したからリスクの低くない丸薬を自分でも飲んで見せたんだと推理します。
今日子さんはかつて世界的な脅威だったが、だからと言って死なれちゃ困るんだ、と続けます。
世界的な脅威と言われてキャステイズ警部補は困惑しています。
適当にバーチに話を合わせて乗り切ろうとします。
機会がありましたら今日子さんに依頼しますと言ってビデオ通話を切ろうとしましたができませんでした。
きっとすぐに今日子さんの元に行く事になると言われます。
今朝がたFBIに極めて確度の高い情報が入った。
FBIで長らくキングと呼ばれている男がやって来ると言われます。
キャステイズ警部補はこの国でキングと呼ばれていいのはエルヴィスだけのはずと考えてます。
キングはアメリカに入国する為に離陸した飛行機を既にハイジャックした。
キングは忘却探偵を日本から追放した男でもある。
罪状コンプリートの冤罪王ヤクスケ・カクシダテがお忍びでやって来ると伝えてきました。
豪華な鉄格子のついたリムジンの手配を忘れてはならないと付けたします。
バーチはFBIのお偉いさんなんでキャステイズ警部補は本当に鉄格子つきのリムジンを用意しそうだね。
厄介の本名を正確に呼んでいました。
彼について追加調査を行ったのか?
それとも対面した時はわざとヤッカイと呼んでいた?
今日子さんの近くに居るので羨ましかったのか?
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第三話
掟上今日子の不忘術
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今日子さんがアメリカとカナダの国境線があるナイアガラの滝で捕まりました。
公園警察に収監されてしまいます。
FBIのバーチは今日子さんに詳しいランディル警部とキャステイズ警部補を現地に向かわせます。
二人はニューヨーク市警所属なので完全に職無外だよ。
バーチのFBIコネクションとランディル警部の交渉により今日子さんはアメリカ側に連れ戻す事ができました。
今日子さんが捕まった容疑はパスポート無しでアメリカ国境を越えて橋の上で心臓マッサージをしていたからです。
国際問題に発展しかねなかったのでバーチとランディル警部が頑張りました。
今日子さんはどんな方法を使ったのか分かりませんがアメリカ側の国境を越えて橋の上に到達しました。
そこで倒れている女性を発見し心臓マッサージを施します。
女性は亡くなってしまいます。
女性の身体に無数の傷が残っていた事から事件性があると疑われます。
今日子さんは不審者としか思えないので捕まったようです。
まあパスポートも持って無いうえ手ぶらだったので怪し過ぎますね。
初めましての挨拶と共に事情聴取が始まります。
カナダ側からの滝も見たかったと不満を述べています。
ランディル警部がナイアガラの滝に来た理由を質問すると、観光じゃないですか?と答えました。
目覚めたらマンハッタンからナイアガラの滝に向かうバスの中だったそうです。
亡くなった女性はカナダ国境を越えてナイアガラの滝に入ったと分かりました。
女性がパスポートらしきモノを滝の中に投げ捨てたって目撃情報があがります。
検問で使ったパスポートが偽造である事も判明しました。
今日子さんは女性の身体を司法解剖するなら徹底的にやった方が良いと助言します。
傷は古いモノが多く縫合の必要がない深さで付けられていました。
それを聞いた今日子さんが忍者が使った不忘術ではないか?との仮説をたてます。
自分で体に傷をつける事で記憶を定着させようって技術だと説明します。
今日子さんは自分は眠れば全てを忘れてしまうので使えない。
怪我をして包帯を巻いていたとしても眠れば忘れるので何故包帯を巻いているのかが分からなくなると言いました。
バーチからの要請でナイアガラの滝に来たのでキャステイズ警部補が報告を行います。
今日子さんの尋問結果を伝えると面白そうにしていました。
報告が終わったので安心しているとバーチから厄介な追加要請が出ました。
冤罪王と面会してきて欲しいと言われてしまいます。
ニューヨークで捕まった厄介はバーチが新たに作った刑務所に収監されているそうです。
サウザンド・アイランドにあるので会ってきて欲しいと言われました。
バーチは厄介の事を全てを冤罪にしてしまう犯罪王であると説明しています。
まあ確かに本当に冤罪でそれを晴らしているだけなので正しいんですけど言い方に問題があるよね。
バーチはやっぱり厄介を嫌っています。
冤罪王が今日子さんをナイアガラの滝に呼び出した可能性を指摘されキャステイズ警部補会いに行く事にします。
彼女の中で厄介は凶悪な犯罪王って認識になっています。
後学の為に犯罪王に会うのも良い経験になるかも?と考えています。
ランディル警部に今日子さんの安全を任せて会いに行く事にしました。
キャステイズ警部補と面会した厄介は開口一番、探偵を呼ばせてくださいませ、とお願いしてきました。
英語が未熟で失礼ください、と謝ってきます。
刑務所に収監された後も厄介はアメリカ中から冤罪を掛けられているようです。
色々な人が面会に来てくれるので英語が少しは上達したとも言っています。
凶悪犯と認識しているキャステイズ警部補は元から探偵を呼ばせる気はありません。
拒否すると、疑われているのは、今日子さんでしょうに、と言われます。
厄介が今日子さんと発音な慣れた感じだったので彼が常連客なんだと理解します。
厄介は法律には詳しいので協力すると持ち掛けます。
その条件を提示しようとして断られました。
キャステイズ警部補から保釈するつもりは無いと言われてしまいます。
保釈されないと聞いて厄介は喜んでいますよ。
刑務所は厄介にとって無料宿泊施設みたいなものんだそうです。
旅費が浮いて助かると言われました。
保釈はしなくていいが探偵を呼ばせてくれと繰り返されます。
厄介にアメリカにやって来た理由を問う事にします。
厄介は今日子さんに危険を知らせに来ただけだと答えます。
本当なら国際電話一本で済む話なのですが邪魔をされてしまい直接会いに来るしかなかったんだと伝えます。
厄介から今日子さんが事件現場に居合わせたのなら殺人事件が起きる前から既にナイアガラの滝に居た事になる。
ならば事件を起こす必要は無いんだと指摘されます。
だから今日子さんは犯人ではないと言いたいのね。
厄介は今日子さんに迫る危険について言及します。
ホワイト・ホースって名前の人物が今日子さんを狙っていると伝えます。
今日子さんの生徒はみなホワイトと名乗る事も教えます。
担任離れができなくて今日子さんを現場に引き戻そうとしていると予想します。
逆に今日子さんの余生である探偵業を守る為に活動している教え子も居る事も教えました。
キャステイズ警部補はバーチがそちら側だと理解します。
厄介が今日子さんに詳しいと分かったので彼もホワイトを名乗らないのか?と問いかけます。
厄介は笑いながら「ホワイト・ハイエナ」とでも名乗りましょうか?と言いますが、自分にその資格は無いと答えます。
彼は探偵としての掟上今日子しか知らないので資格はないそうです。
厄介は今日子さんの過去には興味がないので教え子たちから嫌われていると認識していました。
キャステイズ警部補がホワイト・ホースの居場所を質問します。
ホワイト・ホースは今日子さんの影武者を務める事ができるほどの大物なので拘束後アメリカに移送後放し飼い状態になったそうです。
キャステイズ警部補が今日子さんのように?と問うと、まさしく、と答えました。
不安がるキャステイズ警部補に24時間態勢で居場所は把握されているので安全と伝えました。
キャステイズ警部補がそれでは今日子さんをナイアガラの滝に呼び出すのは不可能では?と言ってきます。
厄介はその為にトリックを使うんですと答えました。
キャステイズ警部補は帰りのバス内で厄介との面会記録を書き上げます。
途中でランディル警部からの事件の経過を知らせるメールが届きました。
被害者女性が毒殺された事が判明しましたよ。
ナイアガラの滝に戻ってくるとハイテンションな今日子さんに出迎えられました!!
記憶を消さないために今日子さんが徹夜した事が分かりました。
隣ではランディル警部がゲッソリしています。
彼は何度も眠るように勧めたそうですが断られ面白い話をしてとおねだりされ続けたんだそうです。
被害女性が今日子さんを呼び出した可能性を考える事になります。
今日子さんが目覚めたのはナイアガラの滝に移動するバスの中でした。
これでは待ち合わせの相手が誰だか分かりません?
今日子さんが何らかの目印を使ったのではと指摘します。
しかし彼女は手ぶらのでそれらしい物品は持ってないだよね。
ランディル警部が包帯について今日子さんが言及していた事を思い出します。
失念していた事を今日子さんが物凄く悔しがっています・・・ちょっと不貞腐れていますね。
彼女の足首に血で汚れた包帯が撒かれていました。
今日子さんの左腕に巻いてみたのですが何のメッセージも出てきませんでした。
今日子さんが包帯が血で汚れている事から包帯は被害者女性の左腕に巻くのではないかと気付きます。
今日子さんから包帯を被害女性の左腕に巻いてみて欲しいと提案されます。
ランディル警部から探偵としての守秘義務に背く事になるが良いのか?と確認されます。
今日子さんは既に事件への興味を失ったみたいですね。
この国では死者の個人情報は保護されないじゃありませんか?
保護は反故にされるわけです、と日本語で冗談を言っています。
力及ばず依頼を受ける前に亡くなられたので正式には依頼人ではないので問題と言っています。
被害女性に包帯を巻いてみると「WELLCOME BACK, WHITE CAT」と書かれていました。
キャステイズ警部補はそれをバーチに報告する事になります。
ホワイト・キャットは教え子の一人なのですか?と問うと今日子さんを表す仇名だと教えられました。
生徒が担任の先生につける仇名なんだそうです。
特別にキャステイズ警部補にだけ教えてくれました。
彼女は迷惑そうにしていますね。
意味不明なメッセージなのですがバーチには意図が分かりました。
依頼人(死んだ女性)は「戦場にお帰りなさい」と言いたかったそうです。
キャステイズ警部補には今日子さんが元軍人って思えないようです。
殺された依頼者は今日子さんの復帰を望む派閥で望まない派閥に殺されたって事になるね。
バーチはニューヨークも今日子さんにとって安全ではなくなったと判断しました。
ニューヨーク市警に要請していた今日子さんの見張番もお役御免だなと考えます。
キャステイズ警部補にこれできみはお役御免だと伝えます。
キャステイズ警部補は何らかの不手際がありクビになると慌てています。
バーチは笑いながら予想以上の成果をあげてくれた権限があれば二階級特進させてあげたいくらいと伝えます。
キャステイズ警部補は今日子さん当番を面倒に感じていたのですが一抹の寂しさを感じています。
今日子さんについて知り過ぎたから解放されるのか聞いてきます。
バーチはまだ1パーセントも理解できていないよと答えます。
今日子さんの専門家を自負するバーチ自身も1割知っているかどうかなんだそうです・・・
キャステイズ警部補は今日子さんの秘密の奥深さを痛感しています。
彼女について多くを知らない事が彼女に対する最適な距離感なんだと教えました。
あっれー?そうなると厄介の距離感が最適って事にならないか?だからバーチに疎まれている?
ニューヨークは今日子さんに取って危険なので次はインド辺りに彼女を連れて行こうと言ってます。
キャステイズ警部補はさよならも言わずに姿を消す今日子さんはまるで忍者のようですねとの感想を述べています。
バーチは今日子さんとの活動を覚えておいてあげたまえと伝えました。
キャステイズ警部補が「SHURIKEN」事件の裁判に備えて証言を間違えないようにセントラルパークに確認にやって来ました。
そこでベンチで本を読んでいる極めて不審な眼鏡で白髪の日本人女性に職務質問しました。
「初めまして。探偵の掟上今日子です」と名乗られます!!
インドに移住した筈の今日子さんがまだニューヨークに居座っていました。
咄嗟に「なんでここにいるんですか?」と問いかけてしまいます。
今日子さんは心外そうに、セントラルパークは全ニューヨーク市民に開かれた憩いの場でしょう?と問いかけます。
キャステイズ警部補は、不法移民ですよね?と答えてしまいます。
自分の状況を見事にいい当てられた今日子さんは、ただ者ではありませんね、と褒めてくれます。
左袖をまくって誇らしげに手書きのIDを見せてくれます。
「私は掟上今日子。25歳。探偵。ただいまニューヨークに不法滞在中。NYPDに借りを返すまでは!」と書かれていました。
最後の一文は初見ですね・・・
キャステイズ警部補は犯行声明文では?と感じますが直ぐに真意に気が付きました。
今日子さんはナイアガラの滝で失念していた包帯の存在をランディル警部に言い当てられた事を根に持っていると気付きます。
寝て忘れたと思っていたのですが悔しさから留置場で書き足したんだと気付きました。
海外に新たなる事務所を一日で建てられる権力を持っているバーチも本人の同意が無ければ無力なのねと知りました。
今日子さんがニューヨークを離れたがらないのでインドに連れ出せなかったようです。
今日子さんが早速営業活動を始めました。
何か依頼はありませんか?
キャステイズ警部補は今日子さんの安全を考えるならランディル警部に知らせてでっち上げた事件の推理合戦でわざと負けて貰おうと考えます。
しかし堅物ランディル警部が八百長をしてくれるとは思えません。
今日子さんが備忘録に書き残してまでリベンジをはかるのは例外中の例外と理解します。
今日子さんが探偵であり続けようとしていると分かったのでキャステイズ警部補も仕事を優先させる事にします。
名探偵との冒険譚を続ける覚悟をした彼女はランディル警部が担当している事件に協力して貰おうと決めます。
ちょっと嬉しそうだよね。
今日子さんなら次の事件でランディル警部に勝てそうだよね。
少しだけニューヨーク滞在が伸びるようです。
成分表
成分 | 含有量(5:多い、1:少ない) |
美女 | 5 |
事件 | 5 |
推理 | 5 |
恋愛 | 1 |
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