ラノベの感想) 掟上今日子の鑑札票


概略:
大会社の重役が何者かに狙撃されました。容疑者として隠舘厄介が捕まります。厄介は掟上今日子を雇う事にします。今日子さんが被害者が撃たれたと思われている病室に現れます。病室を検分している今日子さんが何者かに頭部を狙撃されました。奇蹟的に助かったのですが忘却探偵としての能力を失ってしまいます。今日子さんは推理力と眠ると記憶がリセットされるって特性を失う事になりました。真犯人を逮捕するには自分が頑張るしかないと考えた厄介が探偵活動を始めます。厄介も襲われる事になってしまいます。混乱している厄介の前に今日子さんの過去を知る人物が現れます。置手紙探偵事務所の寝室の天井に書かれているメッセージを書いたのは自分だと主張しています。

レーベル:講談社BOX
発行日:2021/4/20
著者:西尾維新
イラスト:VOFAN
ISBN:978-4-06-522792-3
雰囲気:狙撃事件、被害者、忘却を忘却、冤罪探偵、地雷、警告、逃避行、気付き、隠し部屋、真犯人、目的、殺人未遂で解決、大サービス

肺がんで入院中だった大会社の重役が狙撃されました。
隠舘厄介が容疑者として捕まってしまいます。
彼が仕事をしていた高層ビルの部屋が狙撃地点と思われたからです。
厄介は掟上今日子を雇う事にします。
被害者の病室に現場検証の為にやってきました。
この時容疑者の厄介は腰紐を付けられ刑事に拘束されていました。
病室を検分している今日子さんは窓を背にしていました。
其処を狙撃されてしまいます!!
弾丸は今日子さんの頭部を撃ち抜きました!!
今日子さんが狙撃された事で厄介への疑いは薄くなります。
晴れたわけではないのが辛いところですね。

撃たれた場所が病院だったので今日子さんは緊急オペを受けられました。
病院への移送時間が無かった事も今日子さんが一命を取り留めた要因かもな。
厄介は今日子さんに付き添う事にします。
手術を担当した脳外科医から意外な事実が語られました。
今日子さんが頭部を撃たれたのは今回で二回目だそうです。
一回目は9パラ弾で撃たれたそうですよ。
今回の狙撃はライフル弾が使われていて9パラ弾が開けた穴を綺麗に通過したんだそうです。
だから今日子さんは生き残れたようです。
脳外科医は異常なケースだと言ってました。
真犯人は凄腕のスナイパーのようです。
命に別状は無かったのですが大問題が発生しました。
眠ると記憶がリセットされる忘却探偵としての能力を失ってしまいました。
今日子さんは忘れる事を忘れてしまったぞ。
関連して推理関係の知識まで失ってしまいました。
眠っても記憶が保持されるようになってしまいました。

厄介は今日子さんを探偵に戻すかこのまま一般人として過ごさせるか悩んでいます。
一日で記憶がリセットされなくなったのは好ましい変化だと思えますが厄介はそれで良いのか?と考えています。
真犯人が不明なので捕まえなければなりません。
今日子さんが頼りにならないので厄介は自分で捜査しようと考えてしまいます。
冤罪探偵とか言ってますよ。
ちーとばかり調子に乗ってやしないか?
自分の不幸体質を失念しているのではないかい。
まあ狙撃されたのは今日子さんなんで自分が狙われているとは思わないか。

厄介は狙撃ポイントである高層ビルの部屋に行ってみる事にします。
冤罪を掛けられたので仕事はクビになってしまったのですがセキュリティーカードは有効でした。
セキュリティーを解除して問題の部屋に踏み入ります。
部屋に入った厄介が足元からカチッて音がしたのに気が付きます。
見てみると地雷を踏んづけていました!!
平和な日本で地雷が仕掛けてありましたよ。
地雷だと気付いた厄介は凄いと思うね・・・平均的な日本人なら気付かずに足を動かして吹き飛んでたよね。
この辺りは冤罪体質で不幸慣れしているのが幸いしたのかも。
厄介は警察に連絡しようと考えスマホを取り出しますが圏外になってしました。
ここでも何らかの電波攪乱装置が仕掛けられていると予想します。
知恵を絞って階下に投げ落とせば電波攪乱範囲から抜けられるかもと仮定してスマホを窓から投げ落とす事にします。
地雷を踏んでしまったので助けて欲しいって内容の文面を打ち込みメールしました。
当然送信されないのですが投げ落とすことで攪乱範囲を抜けた段階で送信されると期待して投げ落としました。
クッションになるかもと期待して上着とシャツを脱いでスマホをくるみました。
厄介は助けが来る事を期待して待ち続けます。

朝になるとダサいパジャマ姿の今日子さんがやって来ました。
彼女は物見遊山で地雷を見に来たと言っています。
警察に厄介のメールは届いたようですが犯行予告と勘違いされていました。
警察から厄介から犯行を仄めかす予告上めいたメールが届いたので注意して欲しいと連絡があったそうです。
厄介は平和な日本でいきなり地雷と指摘しても共感されないって事実を失念していたと反省しています。
今日子さんは本当に地雷があるのなら見てみたいと考えてやって来たそうですよ。
助けてくれそうには無かったのですが今日子さんがセメントを使って厄介を助け出してくれました。
探偵としての推理力は失っているのですが地雷処理の方法は知っているみたいですね。
今日子さんは厄介の靴の上からセメントをかけて地雷が爆発しないようにして助け出してくれました。
今日子さんが地雷を始めて見た気がしないと言ってました・・・気掛かりですね。

厄介は今日子さんを置手紙探偵事務所に連れて行って探偵としての能力を取り戻して貰おうと考えます。
探偵事務所に住んでいたと教えられても今日子さんはピンチこないようです。
厄介が今日子さんを置手紙探偵事務所に連れて行く前にスナイパーが行動を起こしました。
戦車を使って置手紙探偵事務所を砲撃してしまいました。
探偵事務所は瓦礫に変えられてしまいました。
もしも今日子さんが現金を探偵事務所においてあったなら焼失した事になるね。
戦車は多くの人に目撃されているのですが忽然と姿を消したそうです・・・謎だ。

厄介は自分が事件解決のキーパーソンであると考えます。
探偵としての能力を失ってしまった今日子さんには危険が無いと考えます。
今日子さんには病院に戻って貰い厄介は逃亡を図る事にします。
慌ててアパートに戻ってみると不審者が室内で待ち構えていました。
厄介の部屋は家捜しされた後でしたよ・・・物が散乱する室内でホワイト・バーチと名乗る金髪男性が待っていました。
厄介は最初スナイパーだと考えたのですがFBIだと言われます。
バッジも見せてくれたので本物のようですね。
バーチは厄介の事をミスター・ヤッカイと呼んでいます。
まあ日本人の名前は読み方が難しいからね、外国人らしいしヤッカイと読んでも不思議では無いけどね。
厄介は怖くて間違いを指摘する事はできませんでした。
バーチから警告に来たと言われました。
今日子さんは海外で活動していた時に国連から指名手配されていた事があるそうです。
バーチは今日子さんに助けられた経験があり彼女の信奉者だそうですよ。
バーチの他にも今日子さんの信奉者はたくさん居て皆ホワイトと名乗っているそうです。
今日子さんを狙ったスナイパーも知っていてホワイト・ホースと言うそうです。

バーチから重大な事実を知らされました。
置手紙探偵事務所の寝室の天井に書かれている文言は彼が書いたんだそうです。
「お前は今日から、掟上今日子。探偵として生きていく」と書いたのはバーチでした。
しかし探偵事務所が瓦礫に変えられたので筆跡鑑定で真偽を確かめる事はできません。
バーチの発言を信じるしか無くなったね。
バーチによると天井に書かれていた文言は今日子さんに制限を欠ける為のものだそうです。
記憶を失った事ではなく探偵という職業に限定する事が制限になっているんだそうです。
バーチは今日子さんにとって消えた戦車は謎でも何でもないと言われます。
バーチは厄介に人質交換条項が無い他国に逃げろと助言してくれました。

今日子さんに消えた戦車の謎を聞いてみるとスマホと拡張現実を使ったトリックだと教えられました。
戦車を目撃した人々はまずスマホで撮影を試みる。
スマホしか見てないのでARを使って戦車を見せられてしまった。
実物が逃走する姿は見ていなかったと解説されました。

厄介は沖縄への逃亡をはかります。
バーチからスナイパーが戦争犯罪人だと聞いたので戦争を理解しようって考えてのことね。
失踪届を出させてしまうのも悪いので付き合いのある編集者紺藤に行き先を伝えました。
ついでに今日子さんが余計な行動を取らないように推理小説を差し入れてもらう事にします。
沖縄で偶然の再会を果たす事になりました。
紺藤さんと関係のある漫画家の里井有次と再会しました。
里井は男性名で活動している女性漫画家です。
彼女は次回作の取材を兼ねて沖縄にやってきたそうです。
彼女も厄介と同様戦争体験について学ぼうとしていました。
彼女から沖縄では自然にできた横穴を防空壕として利用していたと教えられます。
厄介が閃いてしまいました。
その日のうちに東京に戻り置手紙探偵事務所の跡地に向かいます。
厄介は今日子さんが事務所の地下にシェルターを作っていたのではないか?と考えました。

瓦礫の下に埋まっているかもと思っていたのですが杞憂でした。
割と簡単に地下への扉を見つけてしまいます。
扉に鍵は掛かっていませんでした。
厄介はシェルターだと思い込んでいるので鍵をかけていたらいざって時に飛び込めないよな?と考えます。
無警戒に地下へと続く梯子を降り始めました。
スナイパーに地下への扉が存在するって事を知られないために扉を閉めてから降りました。
相当に深かったようですが無事に地下に到着しました。
近くの壁を撫でまわして灯りのスイッチを探します。
スイッチを入れるとLEDが点灯して明るくなりました。
広い空間が広がっていましたが中心で予想外のモノを発見してしまいます。
部屋の中央に死体が倒れていました!!
恐慌状態に陥った厄介は梯子を駆け上がって逃げようとしますが慌て過ぎていたので踏み外して落下しました。
床に落ちた厄介は死体が動いたように見えました。
瀕死状態なのかもしれないと考えて近づいてみます。
死体だと勘違いしたモノはホワイト・ホースでしたよ。
ぼろぼろの服に見えたのはカムフラージュに使うギリースーツでした。
飛びかかられて足で首を絞められて落とされました。
厄介が目を覚ますと数冊の本を椅子代わりにしてホワイト・ホースが座っていました。
改めて室内を見回すと壁に沿って巨大な本棚が設置されていました。
中には古今東西の推理小説が詰め込まれていました。
外国の書籍も混ざっています。

ホワイト・ホースは今日子さんそっくりの顔をしていました。
厄介は双子なのか?と考えますが赤の他人だと教えられました。
ホワイト・ホースは戦争犯罪人として収監されている時に今日子さんに300円で買われたんだそうです。
300円だよ、驚きの安さだよ・・・
ホワイト・ホースは今日子さんの事をホワイト・マムと呼んでいます。
軍隊での指揮官を示す用語のようですね。

ホワイト・ホースが掟上今日子の常連客としての感想を聞いてきます。
厄介は聞かれるままにこれまでの事件について知っている事を話して聞かせます。
何故だか口が軽くなっているんだよね?
ホワイト・ホースが今日子さんを狙撃した目的を語り始めました。
彼女は今日子さんにとってかわり忘却探偵に成ろうとしたそうですよ。
今日子さんには現役に復帰してもらう第三次世界大戦を不正で貰いたいそうです。
18歳前後の今日子さんの活動状況を教えてくれます。
今日子さんは最初に地雷処理のボランティアをしていたそうです。
その後看護師の真似事を始めたそうです。
しかし野戦病院が砲撃によって破壊されてしまいます。
今日子さんはスナイパーライフルを担いで報復を成功させたんだそうです。
それから今日子さんは戦争を根絶する為の活動を始めたんだそうです。
自分が暗殺される可能性に気が付き影武者としてホワイト・ホースを買い取ったそうですよ。
彼女が選ばれた理由は姿が似ていた事と脳の構造が今日子さんと同じだったからだそうです。
読み書きも今日子さんに習ったと言ってましたね。
さすが天才脳だね、簡単に習得できたようだよ。
ホワイト・ホースは今日子さんの影武者として活動を始めました。
今日子さんは戦争を無くす為に調停人として活動していたようですが戦争は無くなりません。
疲れてしまった今日子さんは信奉者(部隊)を見捨てて逃げる事にしたんだろうと予想しています。
一発目の9パラ弾は今日子さんが自分で撃ち込んだんだとホワイト・ホースは予想しています。
戦場では戦死を偽装して部隊を離脱するのは珍しくないんだそうです。
今日子さんが戦死した事でホワイト・ホースが後継者となりました。
しかし活動は上手く行かずに縮小傾向にありました。

今日子さんと同等の頭脳を持っているホワイト・ホースは今日子さんが生存している可能性に思い至ります。
今日子さん探しを始めて日本で探偵をしている事を探し当てました。
そして今日子さんと入れ替わるべく行動を始めたそうです。
部屋の中に保管されている推理小説を全て読んで掟上今日子になってやると宣言します。
厄介はこの発言に異を唱えてしまいます。
ただ同じ本を読んだだけでは今日子さんと同じ読書体験は得られないと主張します。
正論に聞こえたんだね・・・ホワイト・ホースを怒らせる事になりました。
ホワイト・ホースは厄介を殺すべく狙撃銃の引き金を引きました。

厄介は殺されたと思ったのですが生きていましたよ。
病院のベッドで目を覚ましました。
今日子さんが厄介を救ってくれました。
今日子さんは忘れる事を思い出したと言っています。
厄介の苗字を薬師舘さんと間違って呼んでいます。
記憶がリセットされるようになり、隠舘さんでしたっけ、初めまして、と挨拶してきました。
厄介はホワイト・ホースが最初に地下室を発見したと考えていたようですが最初に発見したのは今日子さんだったようです。
厄介の差し入れた推理小説を読んだ事で事務所に地下室があるかも?と考えられたみたいです。
今日子さんはホワイト・ホースが現れるのを待ち構えていたようです。
地下室に設置されている空調設備を調整して酸素濃度を薄くしたんだそうです。
厄介とホワイト・ホースがやけに饒舌だったのは酸欠状態だったからのようです。
酸素が薄くなったのでホワイト・ホースは昏倒したそうです。
小柄だったホワイト・ホースは記憶を失ってしまったそうですよ。
厄介は大柄なので助かったようです・・・ラッキーでしたねと言われました。
今日子さんはサラリと厄介を殺しかけた事を誤魔化してないか?
重役を狙撃したのでホワイト・ホースはFBIに引き渡される事になりました。
厄介とホワイト・ホースの会話も陰で聞いていたようです。
それで忘却探偵としての記憶を思い出したみたいです。
厄介に向かって依頼量は現金でお願いしますと言ってきます。
探偵事務所を再建する為に頑張って稼ぐと言ってますよ。
厄介は守銭奴な面まで復活したとガッカリしています。
しかし今日子さんは今回は無料で良いと言い直しました。
厄介の差し入れた推理小説のお陰で忘却探偵に戻れたので今回はボランティアでいいです。
このご恩は一日忘れません、と言ってきました。

今日子さんが、事務所は無くなりましたが今後とも置手紙探偵事務所をよろしく、と言って帰ろうとしています。
厄介は帰る場所が無くなったからって戦場に帰ったりしませんよね?と質問しました。
それに対して今日子さんは人違いですと答えました。
世界には自分に似た人間が三人いると言いますからホワイト・ホースはマムと今日子さんを間違えたと言ってますよ。
うーんちょっと苦しい言い分ではないかな・・・
厄介が本気で言ってるんですか?と尋ねると記憶にありませんもん、と言われました。
まあ確かに覚えてないんだろうけど、それで別人と言い張るのは無理がないか?
厄介は今日子さんがホワイト・ホースと入れ替わっていないか?と疑います。
今日子さんですよね?と疑われてしまった今日子さんが大サービスをしてくれます。
病室のカーテンを引いてから厄介の寝ているベッドに乗ってきます!!
ベッドがここにあるのにホテルに行く必要なんてありませんよね寝たいだけなら、と言っています。
大胆にも厄介の胴体にまたがって彼の動きを封じてきましたよ。
寝るだけ、寝るだけです。
「私を偽物とお疑いでしたら、どうぞお好きなだけボディ・チェックをなさってくださいな。座高を測っていた時代のように、隅々まで」と言ってきましたよ!!ひょー大胆です。
でも座高を測っていた時代とか言っているので今日子さんで間違い無いと思います。
厄介は入念に今日子さんのボディをチャックしたんだろうか?
ここがVIP用の病室って事が重要だね。
事前に今日子さんは寝るだけと強調していますから可能性は薄そうですがVIP用病室です。
妄想が膨らみまくりです。

成分表
成分含有量(5:多い、1:少ない)
美女5
事件5
推理4
恋愛2


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