ラノベの感想) 魔弾の王と叛神の輝剣 2 (ダッシュエックス文庫)


概略:
王都シレジアから逃げ伸びたジスタート軍は反撃の準備を始めます。
一緒に逃げた民はサーシャの治める公国レグニーツァとライトメリッツ公国に向かわせます。
サーシャはリュドミラに反抗拠点の構築を命じます。
リュドミラはヴォージュ山脈の北東端を形成するヴァンペール山を拠点にすると決めます。
キュレネー軍は戦姫を狙って来るのでここで待ち構えて迎え撃つ事になります。
ティグルをアーケンの器にする為にセルケトが儀式を施しています。
アーケンは何故か逃げたジスタート軍の追撃を命じてきません。
アーケンの命令が下りヴァン―ペール山に向かう事になります。

レーベルダッシュエックス文庫
発行日2024/1/30
著者川口 士
イラスト美弥月いつか
ISBN978-4-08-631539-5
雰囲気静観、遭遇、極貧生活、風呂での密談、儀式、抵抗、因縁、祈り、手助け、解放、戦姫誕生、洗脳解除、黒弓奪還、消滅、入手、強奪、達成間近


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プロローグ
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ジスタートの王都シレジアを占領したキュレネー軍は動きませんでした。
アーケンに支配されて指揮官をしているティグルにはそれが不思議でした。
アーケンの使徒メルセゲルはティグルに疑惑を抱いているみたいです。
警戒心を隠しません。
もう一人の使徒セルケトはとても好意的でした。
メルセゲルはジスタートの初代国王の遺骸を探しています。
キュレネー兵が王都に居るジスタート人を皆殺しにしてしまったので捜索は難航しました。
成果を聞かれてティグルは棺を発見したが何も残っていなかったと報告します。
メルセゲルは少し不満そうですね?
何かがあるのかも知れません。
ジスタート軍は戦姫に率いられて西に逃げました。
多数の民を連れての移動なので簡単に追いつく事ができます。
殲滅する好機なのですがメルセゲルは追撃を認めません。
理由を問うとアーケンの意思だと言われました。
アーケンを宿しているのにそれが分からないのかと揶揄してきます。
うーんメルセゲルはアーケンを宿しているティグルの立場が羨ましいのか?
報告を聞くとメルセゲルはその場を後にします。
ティグルの部屋に副官のディエドが報告にやってきました。
ティグルは死体の埋葬を命じてありました。
キュレネー兵は死体が転がっていても全く気にしません。
そのまま放置すると疫病が発生する恐れがあるので埋葬を命じました。
アーケンに洗脳されているキュレネー兵は病気にならないのかも知れませんが念のためです。
報告にやってきたディエドが寒そうにしています。
彼は南大陸にあるキュレネー人なのでジスタートの冬は寒いようです。
ティグルは暖かい食事を用意して兵に振舞う事を命じました。
ディエドはティグルが他の指揮官と違い人間的な事に期待をしているみたいです。
キュレネー軍の人間は一様にどのようにアーケンに貢献して死のうか?って話しかしていません。
アーケンへの貢献について語らないティグルに親近感のようなものを抱いているのかも知れません。
ティグルは使える部隊の数を質問しました。
ティグルは使える兵の数を質問しました。
歩兵が三万、戦像が十頭になりますと報告されました。
キュレネー軍は翌日には失った数と同数の兵力が補充されます。
食糧もアーケンが用意しているようで豊富です。
アーケンがささやかな力を行使しているようです。
他の国がキュレネーに敗退した理由は補給の面で大きな隔たりがあるからだと納得します。
ティグルはジスタート軍の追撃を考えているようです。
寒さによって戦像は使えないかもしれないと考えています。

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1 遭遇戦
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シレジアから西に逃げたジスタート軍はヴォージュ山脈に拠点を築きます。
王都から連れ出せた民はサーシャの公国であるレグニーツァとエレンの公国になるライトメリッツに逃がす事になります。
民の中には戦姫と一緒に戦いたいと申し出る者も居ましたがサーシャが宥めます。
キュレネー兵をジスタートから追い出してからの復興時に彼らの力が必要になると説得しました。
軍と離れて移動している間に狙われないか?と問われて苦しい答えを返しています。
キュレネー軍は戦姫を警戒しているので最初の標的になるのは戦姫だから彼らが狙われる事は無いと答えます。
討ち取った戦姫の竜具をアーケンの神殿に保管していたので嘘とは言い切れませんが苦しいな。
現段階で戦姫はキュレネー軍に勝てていません。
エレンはジスタート軍にアヴィンとミル(ミルディーヌ)を馴染ませる為に偵察部隊を任せます。
二人は各々の部隊を率いて偵察を行っていました。
アヴィンの部隊に配属されているレヴが戻ってきません。
功名心が強い彼が命じられてない範囲まで偵察に向かったのでは?と危ぶまれます。
アヴィンは残っている部下に他の偵察部隊との連携を命じました。
ミルがアヴィンの部隊の蹄の跡を発見してやってきました。
そこに慌てた様子のレヴが戻ってきました。
彼はキュレネー兵の偵察部隊を発見したと言っています。
規模を聞くと百人くらいの歩兵集団だと言っています。
周囲には訓練に出ているエレンの部隊が存在しました。
アヴィンとミルはエレンに合流する事にします。
報告を聞いたエレンは迎え撃つと決めます。
キュレネーの偵察部隊にティグルが居ないと知って安堵しています。
まだ彼への対処法に悩んでいるとみえます。
アヴィンが意見を求めたら彼の部下は撤退を進言してきてたんだけどエレンが戦うと言うと素直に従います。
ジスタート人は戦姫に対して絶大な信頼を寄せているようだね。
エレンは丘の上で火を起こしてキュレネー兵を誘き出す事にしました。
周囲は激しい雨が降っているんですがエレンの竜具アリファールは風を操れます。
火の周囲に雨が落ちてこないように空気の膜を張って火を起こす事にしたみたい。
丘の上に布陣してから再度偵察を行いました。
ここで戦像が二頭同行していると判明します。
アヴィンがやってみたい事があると進言してエレンが許可しました。
キュレネー兵との戦いが始まりました。
戦像を先頭にして突撃してきました。
アヴィンが二本矢を同時に放ちます。
その矢をエレンがアリファールの風を使って後押しします。
飛距離が伸びたようで矢は戦像の両目を射貫きました。
視界を失い戦像の一頭が横転します。
続けて残りの戦像の両目も射貫きます。
こちらは倒れずに突進を続けてきました。
エレンがアリファールの風を纏って宙を舞い戦像の上を取ります。
戦像の上方からアリファールを突き刺して仕留めます。
戦像を無力化したのでミルが突撃を命じます。
丘の上から最大速度で駆け下りてキュレネーの歩兵手段に突撃しました。
ジスタート兵が彼女の思い切りの良さに驚いています。
雨で抜かるんでいる斜面を最大速度で駆け下りています、落馬して大怪我する可能性を全く考慮していません。
怒涛の攻撃をするミルにキュレネー兵が殺到します。
エレンとアヴィンが合流してキュレネー兵を切り倒しています。
キュレネー兵は敵が居なくなるか自分が死ぬまで動きを止めないので一撃で殺す必要がありました。
エレンとミルは首を切り飛ばしています。
アヴィンは喉を狙っていますね。
横転した戦像が起き上がりました・・・エレンは止めを刺さなかった事を悔います。
戦像もアーケンの加護を受けているので人間と同様に死ぬまで攻撃を続けるようです。
アヴィンがやってみたい事があると言い出します。
周囲を敵に囲まれている状況なのでエレンは彼に任せる事にします。
判断が速いのは元傭兵で戦い慣れているからか?
アヴィンは最初に戦像の目を射貫いた矢のお尻に追撃の矢を当てます。
最初の矢が押し出される事になり戦像を脳を破壊しました。
ティグルに近い腕前だね。
戦像を無力化したのでエレン達は一気に丘を駆け下ります。
キュレネー兵は敵を追う特性を持っているので丘の下で待ち受けます。
斜面が荒れている状態になっているのでキュレネー兵は統率の取れた突撃ができませんでした。
エレン達は数的に有利な状況を作り出して確実にキュレネー兵を倒しました。
戦いが終わると死んだ仲間の埋葬を行います。
ミルに監督を命じます。
二人きりになるとエレンがアヴィンを咎めてきました。
アヴィンは今回の戦いで失態を犯したのか?と恐れます。
エレンはアヴィンがリュドミラに戦姫になって欲しいとお願いした件でした。
リュドミラの母と祖母と曾祖母は戦姫でした。
彼女も戦姫になるべく努力を続けてきたのですが竜具に選ばれませんでした。
相当な落胆があったようですが心の整理をして竜具に選ばれたファイナに仕える事にしました。
ファイナの指示で今年のはじめからサーシャの補佐を務めるようになります。
そんな彼女に戦姫になって欲しいとお願いした軽率さを咎めてきました。
今ではリュドミラの経緯を知っているのでアヴィンは素直に謝ります。
エレンはリュドミラが戦姫になれる可能性をきいてきます。
エレンもアヴィンとミルがエレンの知らない事を色々と知っていると分かっています。
全て話せとは言わないがリュドミラが戦姫になれるのか教えて欲しいとお願いしてきました。
アヴィンは言葉を選びながらアーケンは復活する前から世界に干渉を始めていました。
それがなければエレンはもっと早く戦姫になっていた筈だ。
同じ理由でリュドミラも本来は竜具に選ばれていた筈なんだと答えました。
エレンは先代のラダに思い入れがあるので彼女を差し置いて自分が選ばれていたと言われて複雑そうです。
どの竜具に選ばれる?と問われてアヴィンは槍の竜具ラヴィアスに選ばれると答えました。
エレンはアヴィンの言葉を信じてくれたようです。
それがアヴィンにはとても嬉しかった。

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2 敗残兵たちの拠点
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王都シレジアから脱出した直後にサーシャはリュドミラに拠点作りを命じました。
リュドミラはヴォージュ山脈の中に拠点にできる場所を探す事になりました。
尊敬するサーシャに大命を任されてリュドミラは高揚していますね。
王都を奪われ敗走する事になってもサーシャの覇気は衰えていません。
サーシャの母方の血族は血の病と呼ぶ遺伝病を抱えていました。
彼女の母親は三十前に病気で亡くなっています。
サーシャ自身も病魔に犯されて寝た切り生活をしていたんですが二年前に快癒しました。
理由は不明なようです。
サーシャは生きている間にできるだけの事をしたいと思って生きています。
リュドミラはどんな状況でも諦めないサーシャの精神に尊敬の念を深めています。
リュドミラはヴァンペール山を見つけ拠点にすると決めました。
彼女の指揮で拠点構築が始められて今に至ります。
リュドミラは拠点の隅で槍の稽古をしていました。
文官の彼女は丈の長いスカートを履いてるんですが足運びに邪魔と感じています。
いっそ脇を切ってしまおうか?と考えますが布は貴重なので思い留まっています。
深いスリットが入ったスカート姿で槍を扱うリュドミラを見てみたかったんですが・・・残念。
キュレネーの偵察部隊を退けたエレン達が戻ってきました。
リュドミラは戦姫となったエレンの事を尊敬しています。
アヴィンには戦姫になって欲しいとお願いされたので苦手意識を持っています。
ミルとは打ち解けているんですが戦姫に対しても気軽に接する態度に不満を持っています。
リュドミラはミルの事を手の掛かる妹の様に感じているのね。
エレンにその事を相談すると彼女も同じように感じていると判明しました。
リュドミラはミルの態度を見逃すしか無くなりました。
サーシャ、エレン、リュドミラ、アヴィン、ミルが集まって現状の報告会を開きます。
エレンからキュレネーの偵察部隊を倒したと報告されサーシャを喜ばせます。
サーシャは敵の次の動きを考え出しています。
エレンは大部隊で襲ってくるだろうと予想します。
サーシャは戦いの準備を行う事にします。
リュドミラが拠点構築の進捗を報告します。
同じ山から木を切りすぎると不味いので他の山から運び始めると報告します。
エレンがアリファールを使っての運搬を申し出ますが戦いに備えて欲しいと断りました。
エレンから親友のリムアリーシャがブリューヌのアルサスに到着したと報告しました。
リムアリーシャはシレジアから脱出した後にブリューヌ行きを直訴しました。
彼女はアルサスで生活していたので情報収集をしたいと言ってきました。
エレンが認めてアルサスに向かいました。
無事にアルサスに到着して情報収取を開始してその結果を手紙で知らせてくれました。
キュレネー軍はブリューヌの西でブリューヌ軍に勝利したんですが進軍を止めたそうです。
レギン王女は諸侯に王都に集結するように命じて戦力を集めているそうです。
ブリューヌが健在であると分かりましたがティグルを奪われてしまったのでジスタート軍はブリューヌに助成を乞う事はできません。
ティグルはレギン王女を助けた事でブリューヌの英雄と言われています。
その英雄がアーケンに囚われてしまった一件にエレン達は関わっています。
事情を説明するとブリューヌはジスタートを責める可能性が高いので協力体制は築けません。
アヴィンから兵士が食事への不満を訴えていると報告します。
肉や魚が食べたいと切実な訴えをしているみたいです。
拠点がある程度仕上がったので狩りや釣りの許可を欲しがっています。
発言者がアヴィンでなければリュドミラは直ぐに認めたんですが考えておくと答えます。
苦手意識は根が深そうだぞ。
物資不足のジスタート軍は燃料にも苦労しています。
山にある木は拠点構築に使うので燃料にはできません。
困った末に馬糞を使う事になりました。
馬糞小屋を作りそこに貯める事にしたようです。
ミルから兵士から悪臭をなんとかして欲しいとの苦情が届いていると報告されます。
リュドミラは既に匂いを軽減させる方策を取っていました。
尿と糞を分散して尿だけ水に流すとか囲いを高くして匂いを高い位置で排出しようとかしています。
これ以上の改善は無理なのでリュドミラは嫌なら凍死しなさいと笑顔で告げます。
ミルはリュドミラの本気を感じ取り頷きます。
季節は冬に向かっていて越冬を考えると厳しい状況みたいだね。
エレンは目標として竜具の奪取を上げてきます。
現状ガヌロンと連絡が取れないので場所は分かりませんが取り返せる可能性がある事は分かっています。
アリファールを取り返してエレンが戦姫になりました。
戦姫が増えると自軍の戦力が増すので考えておく必要があると訴えます。
会議を終えるとサーシャ、エレン、リュドミラ、ミルが一緒に入浴する事になります。
丘の上にある拠点の中なのでサウナ小屋を作ってました。
ミルが会議で聞けなかった事を質問します。
攻めてくるキュレネー軍にティグルが居たらどうするのか質問しました。
エレンが悲壮な顔で自分が斬ると答えます。
ミルはエレンにティグルがアーケンに操られているだけなので助けたいと訴えます。
ミルはティグルに命を助けて貰った恩があるのでそれを返したい。
受けた恩は返せと母から教えて貰ったと訴えます。
エレンはミルの母親とは気が合いそうだと感じます。
サーシャはティグルを殺すつもりのようですがミルの意見にも一定の評価を与えます。
具体的な方法を問うてきました。
言えない事が多いミルは苦しくなりますがアーケンに対抗する為にティル=ナ=ファを降臨させると答えます。
アヴィンが父親から方法を聞かされていると続けます。
それを聞いてリュドミラが血相を変えて否定してきました。
ジスタートとブリューヌでティル=ナ=ファは信仰されているんですが夜と闇と死を司るので恐れられています。
リュドミラはティル=ナ=ファを降臨させるなんてとんでもないと反対してきます。
アーケンの力が弱まっても別な災厄が降りかかるだけと言ってますね。
現状のアヴィンではティル=ナ=ファを降臨させるのは無理なんですがいずれは出来るようになると伝えます。
リュドミラはティグルを殺したく無いから実現不可能な方法を持ち出して決断を先送りにしているだけと非難してきますよ。
サーシャはミルの考え方を一部取り入れる事にします。
ティグルが自分に向かってきた場合は殺すがエレンやミルに向かってきた場合は対処を任せると言ってくれました。
翌朝それをアヴィンに報告すると安請け合いするなと叱られます。
相手がアヴィンなのでミルは負けずに言い返しています。
他に方法が無かったんだから仕方ないでしょと言い返しています。
確かに兄妹のやり取りの様に見えますな。
アヴィンは近々敵が来るならその時までにティル=ナ=ファを降臨させられるようになるのは不可能。
でもサーシャの許可を取り付けたのを認めると言ってきます。
一度だけミルに合わせてやると言ってるね。
次の戦いを凌げたらティル=ナ=ファのことに真面目に取り組むぞと言ってくれました。
次の戦いにティグルが参戦してきたら方策は無いのか?

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3 混沌の都
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シレジアの王宮にある浴場にティグルとセルケトが来ています。
ここでティグルの体をアーケンに馴染ませる為の儀式が行われています。
セルケトがティグルの衣服を脱がしますね。
脱がし終わると自分の服を脱がせてくださいと甘えてきます。
ティグルは素直に従いセルケトを全裸にしますな。
セルケトのエロボディを見てもティグルは表情を変えませんが下半身は巨大化しました。
セルケトは「今日もご健康なようで何よりです」と嬉しそうにしています。
セルケトとティグルは並んで湯につかる事になります。
ティグルが神も湯につかるのか?と疑問を呈しました。
セルケトは神には必要ありませんがティグルはまだ人間なので必要です。
ティグルには忌まわしい女神の残滓が感じられますからと答えます。
どうも湯に浸かる事で女神の残滓を洗い流そうとしているようだね。
四半刻ほど湯に浸かってからセルケトがティグルの体に香油を塗り始めます。
丁寧に全身に塗り付けていきます。
最後に股間にも丁寧に塗っていきます。
両手で握るような感じで塗ってくれているね・・・とっても気持ちよさそうですな。
ティグルの体は正直者で更に膨れ上がります。
セルケトの表情が淫蕩なものになっていくな。
セルケトが自身にも香油を塗り始めます。
塗り終わると覆いかぶさってきてティグルトの合体を始めました。
ティグルの野郎エレンて者がありながらセルケトとやってやがる・・・許せん!!
エレンにこれがバレると怖そうだよねーアリファールで綺麗に切除されるかも。
セルケトが感じまくってますねティグルの手を取り乳を揉ませてきます。
セルケトはティグルの上で弾みまくって嬌声をあげています。
「もっと、もっと私に身を委ねてくださいませ。魂だけでなく、あなた様の心も・・・」
ありゃ?実はセルケトはティグルに惚れてたりするのか?
合体は半刻以上も続きました・・・二人とも持久力が凄くね?
これまでは行為の後は虚脱感を覚えていたのですがその日は違いました。
アーケンの器として最適化が進んでるのか?虚脱感は小さくなっています。
アーケンの声が聞こえてきました。
「シレジアにいるすべての兵を率いて西の山脈に向かい、戦姫たちを討て」
ティグルはやっと動くのかと感じています。
ティグルはメルセゲルからアーケンが様子見を考えていると教えられ驚きました。
待っている間の他の勢力への攻撃を訴え呼びかけましたがアーケンからの返事はありませんでした。
戦姫を討てと言われてティグルは己が戦姫にしてしまったエレンを葬らなければと考えます。
理由は不明ですがエレンとリュドミラを討ち取れば命令を果たしたといえるだろうと考えた時に右目の奥に激しい痛みを感じます。
痛みは頭まで広がり強い酒を煽ったときのように意識が朦朧とし始めます。
視界が空転して夢から覚めたときのように意識が覚醒しました。
アーケンの影響下に無いティグル本来の意識が戻ってきました。
ティグルの右目の傷痕には黒弓の欠片が埋まっています。
それがアーケンに完全に乗っ取られるのを防いでいました。
自分というものを百として九十九まではアーケンに呑み込まれていますが一だけはティグルの意識が残っています。
五十を数える時間だけティグルは正気に戻れるみたいですね。
ティグルはアーケンを倒す為に行動をしていました。
操られているだけってミルの予想が当たっていたのね。
ティグルは自由に動ける時間を使って自分への書置きを残していました。
羊皮紙に「キュレネー軍の増援の正体」と乱雑な書置きを残していました。
アーケンやメルセゲルには気付かれていないようです。
ティグルはセルケトに増援の秘密を質問した事があります。
ティグルに心を許しているのかセルケトが秘密を打ち明けてくれました。
増援とおして送られているのはキュレネーに残っている女や子供や老人だそうです。
アーケンは冥府を司る神なので生命を作り出す事はできません。
アーケンは本国に残っているキュレネー人から魂を抜き取り用意した肉体に移し替えて増援として送り込んでいるそうです。
それを聞いてティグルは強烈な吐き気を覚えました。
ティグルは秘密を記した羊皮紙をそのままにする事にします。
竜具を封じてあるアーケンの神殿に入る為の鍵を持って行く事にします。
戦場に持って行く荷袋の底に布に包んだ鍵を押し込みます。
鍵に備わる力を解放する事で神殿に入る事ができるそうです。
力を使うとメルセゲルにそれが伝わるそうですがどうやって侵入するんだろうね?
ティグルはヴォージュに着くまでに鍵の力を捻じ曲げてやると考えています。
時間切れとなりアーケンの支配下に戻ります。
ティグルの元に腹心であるディエドがやってきました。
ティグルはアーケンからの指令で戦姫を討つために出陣すると伝えます。
ディエドから戦像が寒くて動きたがらないと報告されたので歩兵だけを連れて行く事にしました。
ディエドに戦場でどう動きたいか質問します。
指揮官が問う質問ではないと思うんだけど?
ディエドはティグルの傍に置いて欲しいとお願いしてきました。
ティグルは戦場の状況を見て最終的に決めると答えます。
何か望みがあるのか問うと兄の仇を討ちたいと言ってきました。
兄が討たれたのはジスタート国境近くでの戦いです。
既に仇が死んでいる可能性もあり得るとディエドは考えています。
ティグルは力になってやれそうにない願いだがかなえられるといいなと伝えます。
シレジアに残っているメルセゲルがジスタートの初代国王の棺を調べています。
ティグルから中身は空だったと報告され一度確認しているので二回目の調査だね。
ジスタートには初代国王が出奔したという幾つもの逸話が残っています。
元から棺はからだったのか?本当に何もなくイラっときて棺を破壊してしまいます。
そうすると棺の下に竜の鱗が隠されているのを発見しました。
鱗には「余は女神とともに在る」と書かれていました???
初代国王を信じて七つの部族が最も美しく武芸に長けた娘を差し出しました。
初代国王は武器を与えて彼女達を戦姫と呼ぶ事にしました。
それがジスタートの起こりなので女神を戦姫と考えると初代国王は竜具になっていると考えられますね。
そう考えると遺体が残ってないのも頷けます。
アーケンに報告すべき発見なんですがメルセゲルは自分だけで謎を解明しようと考えます。
彼はただの使徒ではなく分かたれた枝の先から来たそうです。
ただの使徒にはできない事をしなければと考えています。
ジスタート軍の砦で対策会議が開けれいます。
斥候部隊が行軍してくるキュレネー兵を発見しました。
戦闘にティグルの姿があったと報告されてエレンが過剰に反応しています。
自分の手で倒さねばと思っているようですが戦姫という立場になったので勝手に動けません。
自重しています。
サーシャが敵の狙いを質問してきました。
ミルが単純に私たちを全滅させるためでしょ?と答えます。
サーシャは違うと考えているようですね。
彼女の意図を察したアヴィンがエレンとサーシャを狙ってくると考えているのか?と問いました。
サーシャは正確には竜具を狙ってくるだろうとの予想を口にします。
リュドミラはサーシャとエレンは洞窟の傍に待機してなるべく動かない方がいいって事ですねと確認します。
サーシャが敵の出方次第だと答えるとエレンが反応します。
厄介な敵が出てきたら自分とサーシャで対応するのか?と確認します。
サーシャは頷きリュドミラに指揮を任せたいとお願いしてきました。
リュドミラは硬い表情で、必ず勝ってみせます、と答えました。
リュドミラは戦姫だった母親の手伝いという名目で数百の兵を動かす訓練をした事があります。
二万の兵を動かすのは初めてなので気負いがあるようですね。
サーシャは二万の兵を率いて拠点作りを進めてきただろと言ってリュドミラの気負いを緩和させました。
サーシャはミルとアヴィンには自由裁量権を与えました。
二人は自由に動いた方が敵の意表を付けると考えたからです。
ミルは大喜びしてサーシャを称えます。
さすが戦姫を十一年もやってる方だわ、大戦果を期待してね。
アヴィンはお前の大口に巻き込むなと不満そうにしてますが今回はミルに従うと伝えてきます。
ティル=ナ=ファを降臨させる訓練はしてたようですがまだ芳しい成果はでてきません。
どうするんだ?
サーシャは最後にリュドミラにティグルをどうするのか問います。
リュドミラとティグルは面識があるんですが友人と言うほど親しくはありません。
ティグルの事を本音をぶつけられる相手と思っています。
殺すのを躊躇う理由にはなりそうなんですがリュドミラは感傷を持ち込みません。
戦姫だった亡き母からそう学んでいます。
死ぬまで戦い続けるキュレネー兵が相手なのでティグルを容赦する余裕はありません。
リュドミラは「討ち取ります」と答えました。

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4 ヴァンペールの攻防
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ヴァンペール山に到着したティグルは感嘆の声をあげました。
リュドミラが主導して作り上げた本陣に感心しています。
リュドミラは敵が進軍し難くなるように罠を仕込んでいました。
戦場を眺めてティグルは囲い込んで兵糧攻めにしようと考えます。
キュレネー軍の兵糧はアーケンが用意してくれるので長期戦になれば自分たちが有利です。
エレン達を飢えさせて戦わずに勝てると考えました。
ディエドに命じて兵のまとめ役を集めさせます。
ティグルは敵を囲んで兵糧攻めにすると命じました。
これが一番確実に勝利を手にする方法なのですが反対されます。
まとめ役達はアーケンの為に戦い死ぬ事を望んでいました。
戦わせて欲しいと懇願されてティグルは正面突破作戦に切り替えました。
ディエドには陽動役を命じる事にします。
自分にそんな高等な役目を担えるのか?と不安がっています。
ティグルは百名ほどの兵を連れて戦場の周囲を移動するだけだと伝えると納得してくれます。
セルケトが現れて兵糧攻めを提案した理由を聞いてきました。
裏切りを疑っているのか?
ティグルは最も簡単に勝てる方法だからだと答えます。
セルケトがどちらの戦記を狙うのか聞いてきました。
ティグルは自分が戦姫にしてしまった長剣の竜具を持つ戦姫を狙うと伝えます。
手伝おうか?と問われて一人で十分だと答えます。
それよりもリュドミラという青髪の娘を狙って欲しいとお願いしました。
メルセゲルが槍の竜具について気にしていた。
槍の竜具を持つ戦姫が誕生するなら彼女だと思うと理由を伝えます。
セルケトが意外な事を教えてくれますね。
セルケトとリュドミラには因縁がありティグルに頼まれなくても狙っていたと言ってきました。
ティグルと考えが重なった事が嬉しいようです。
ジスタート軍の本陣ではリュドミラが演説を行っています。
自分も戦うって意思を示す為にリュドミラは軍衣に着替えています。
兵士達を鼓舞する必要がありました。
緊張気味のリュドミラに指揮官たちが口々に言ってきました。
自分たちが戦うのでリュドミラ様が戦場に立たれる必要は無いと言ってきます。
彼らはリュドミラが拠点構築の為に奮闘していたのを見ていました。
リュドミラは感激して泣きそうになってますが頑張って耐えています。
リュドミラは十層の防御陣を築いたこと。
攻めてくる敵を削りながら上に逃げながら戦う事になると説明します。
戦いはこの一戦で終わりではなくキュレネー軍をジスタートから追い出すまで続く。
無理をしないで一人でも多くの戦友と最後まで戦い続ける事を望みなすと伝えます。
リュドミラの見事な演説によってジスタート軍は鼓舞されました。
エレンとサーシャが見事な演説だったと褒めてくれます。
できればリュドミラの横ではなく正面から聞きたかったと言ってくれます。
リュドミラが照れていますよ。
ミルとアヴィンはリュドミラに頼んで一層目の防御陣地に配置してもらいます。
ティグルがキュレネー軍の先陣を切って登ってくる可能性を考慮してのことです。
戦いが始まりました。
アヴィンとミルの予想に反してティグルは先陣には居ませんでした。
二人は防御陣地に留まり登ってくるキュレネー兵を打ち倒す事にします。
仲良くなったルーリックと共にキュレネー兵を打倒しています。
一定数のキュレネー兵を倒すと鎧を装備した鉄鰐兵が登ってきました。
彼らには矢た投石が通じません。
無謀にもミルが陣地から飛び出して斬りかかります。
一人二人と切り倒しますが三人目で不覚を取ります。
斜面に倒れてしまい鉄鰐兵に斬られそうになっています。
アヴィンとルーリックが鉄鰐兵の両眼を射貫いて助けてくれました。
陣地に戻ったミルをアヴィンが叱ります。
エレンに報告して叱ってもらうからなと告げるとミルが怖がっています。
嫌なら倍の鉄鰐兵を倒せと伝えます。
伝令がやってきて他の部隊が一層を引き払うと伝えてきます。
ルーリックは合わせて後退する事を決めます。
敵の先陣にティグルが居ないと分かったのでアヴィンとミルはエレンの元に向かう事にします。
ジスタート出身のルーリックはエレンを慕っているそうです。
自分の分もエレンを守ってくれと送り出されました。
リュドミラは中腹になる本陣で戦場の動きを観察しています。
兵に余裕がないので本陣には彼女しか居ません。
上手く後退しながら戦っている様子が見て取れました。
リュドミラが戦場の外周部で奇妙な動きをしている部隊に気付きます。
放置するか偵察に向かうか悩んでいます。
これまで学んできた知識からこれが陽動であると見抜きます。
余計な戦力がないので放置する事に決めます。
指揮官が悩む姿を見せる事はできないので一人で良かったと感じています。
リュドミラが背後に気配を感じて戦慄します。
振り返る黒髪の美しい女が立っていました?
はじめまして、私はアーケンの使徒、セルケトと申します、と名乗られます。
エレン達からアーケンの使徒が恐ろしい怪物と聞いているの恐怖心に囚われかけます。
「よい死出の旅を」と呟いてセルケトが無造作に攻撃してきました。
戦姫になれなくても槍の鍛錬を続けていたのが活きます。
リュドミラが無意識でセルケトの攻撃を防ぎました。
攻撃を避けられた事でセルケトはリュドミラに興味を持ったようですよ。
自分とリュドミラに因縁があると教えてくれます。
リュドミラはセルケトとは初対面なので不思議に思っています。
セルケトが分かたれた枝の先の自分が戦姫であるリュドミラに滅ぼされたんだと教えてくれました。
リュドミラには意味不明な発言なんですがね。
そうかそうかセルケトも違う世界での出来事を認識できているのね。
リュドミラは困惑しているようですがセルケトから致命傷を受けるのを避けています。
体は擦り傷や切り傷だらけになっていますが動ける状態で生き延びています。
リュドミラの体術に感嘆したセルケトがリュドミラが槍の戦姫になっていたらいつぞや遊んであげた槍使いの戦姫よりも楽しめただろうと軽口を叩きます。
リュドミラの母親は病で倒れたので槍使いの戦姫がファイナだと気付きます。
セルケトから止めを刺すのはメルセゲルに譲ったけど相手をしたと教えられます。
リュドミラとファイナの関係は良好とは言えませんが憎んではいません。
仕える戦姫を殺されたと知りリュドミラの戦意が高まります。
リュドミラはセルケトの攻撃をかわしながら反撃を入れます。
リュドミラの槍の穂先がセルケトの喉を正確に突きますが槍が砕けました。
竜具をもってればね倒せたのかも?
セルケトが止めを刺そうとしてきます、そこにサーシャは割って入りました。
リュドミラが粘ってくれたので襲撃に気付けたと褒めてくれます。
サーシャとセルケトの戦いが始まりました。
メルセゲルがサーシャの事を狙っているので彼の獲物を横取りする事になるので帰ったらお詫びしようと言っています。
勝つ気満々なのね・・・
セルケトのお詫びってどんなものになるのかな?
ティグルへの接し方を見るにエロイ事をしてくれるんだろうか?
相手が戦姫に変ったのでセルケトが本気出すね。
地面に潜って姿を消してから攻撃してきました。
サーシャが手強いので地形を使った攻撃をしてきます。
場所が丘の中腹なので斜面の近くに追い込もうとしてきます。
そうなると下と側面にきを配らなければなりません。
キュレネー兵の先陣に居なかったティグルは一人で丘を登っていました。
リュドミラが罠を配置する必要なしと判断した登り難いルートを余裕で登ってきています。
優秀な狩人なんは変らないのね。
ティグルの眼前にエレン、アヴィン、ミルが出現しました。
三対一で有利な状況の筈なんですが場所が狩人に有利な茂みや斜面なので思うように戦えませんでした。
ティグルは茂みに隠れて草を結んで足を引っかけさせようとしてきたり、外套を残して衝撃によって枝が飛び出す仕掛けを作って動きを阻害しようとしてきます。
ミルがティグルにアーケンに操られているのか質問しました。
ティグルは操られていないと答えます。
ティグルの放った矢がミルの左肩に当たります。
ミルが負傷したのを見てティグルが動揺を見せますね。
一パーセントのティグルが苦悩を感じたのだろうか?
エレンは竜技を放ってティグルを仕留めようとしています。
ティグルも白弓の力を纏わせた矢で迎撃しています。
竜技を放つのは消耗が激しいのでエレンが追い詰められますね。
ミルが崖の上からティグル目掛けて斬りかかりました。
高度差が大きいのでティグルに攻撃を当てても自分も大怪我するか死ぬか危うい攻撃でした。
エレンがアリファールの風を使ってミルの落下速度を落とします。
ティグルが逃げて行きました。
エレンはミルの無謀を叱ります。
ティグルを助けようとしているのに殺そうとするとは?
ミルはティグルの持っている怪しい白弓を破壊しようとしたんだと答えます。
逃げたティグルはサーシャと戦っているセルケトの加勢に向かいます。
セルケトはサーシャを捉えきれず焦っていたのか?
サーシャが仕掛けた罠に嵌ります。
サーシャは竜具を地面に突き立て炎を放ちます。
サーシャが無手になったのでセルケトは地面から飛び出し彼女に襲い掛かります。
サーシャは竜具を瞬時に手元に出現させて迎撃しました。
セルケトは予想外の攻撃を受けて劣勢になります。
サーシャは止めを刺そうと駆け込みますが足元にティグルの放った矢が飛んできました。
セルケトは姿を消します。
エレン達が現れました。
ティグルとセルケトが撤退したと判断してサーシャとエレンは味方の援護に向かいます。
二人は果敢にキュレネー兵の集団に飛び込んで彼らを切り倒していきます。
ミルとアヴィンもそれい加わり防御陣地を死守する事になります。
戦場から脱出したティグルは陽動を続けていたディエドと合流します。
撤退を命じるとディエドが反対してきました。
ヴァンペール山ではまだキュレネー兵が戦っています。
彼らを見捨てるのか?と問われますがティグルは神の酒を飲んだ兵士を撤退させる方法を知らないと伝えます。
神の酒とは戦前にキュレネー兵に振舞われる酒で狂戦士化する効果があります。
ディエドはティグルの決定に絶望しているようですね。
彼だけは他の者とは違い仲間を見捨てないと思っていたようですので絶望感が大きいみたい。
最終的には命令に従って陽動部隊を連れてシレジアに引き上げていきました。
ティグルはセルケトにディエド達が無事に帰りつけるように護衛を命じます。
セルケトはいずれ死んでアーケンの元で永久の眠りにつく者たちですよ何故守る必要があるのか問うてきます。
ティグルは戦姫との戦いはまだ続く、どこかで使い道があるかもしれないと答えました。
セルケトは納得して護衛を引き受けてくれます。
セルケトとティギルの関係は不思議な感じなんですよね。
ヴァンペール山の戦いはジスタート軍の勝利で終わりました。
キュレネー兵は全滅するまで抵抗しました。
死体を埋葬する事になるんですが兵士たちから不満の声が上がります。
死体を放置すると疫病の元になるので埋葬するしかないだと説明して納得させます。
三万人近いキュレネー兵を埋葬する事になりました。

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5 女神を求めて
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キュレネー軍に勝利した夜にサーシャは軍議を開きます。
エレン、リュドミラ、アヴィン、ミルが参加しています。
今後の方針を話し合っています。
次の戦いに備えて戦力を整えると決まります。
エレン、アヴィン、ミルがティグルと戦った時の印象を報告します。
三人掛かりでも手強かったと報告しています。
サーシャとリュドミラもセルケトとの戦いを報告しました。
敵に人の力を越える者が存在するので苦戦が予想されます。
アヴィンがティル=ナ=ファの力をもっと引き出せるようになりたい。
その為に暫く陣地を離れたいとお願いしてきました。
サーシャが具体策を問いかけると近くにあるティル=ナ=ファの神殿に行ってみたいと言われました。
超常の力に対抗する為には必要だと判断されエレンとミルが同行する事が決まりました。
軍議を終えて自室に戻ってきたリュドミラがセルケトとの戦いを思い出しています。
セルケトがファイナを苦しめたと知って仇を取りたいと考えます。
アヴィンには戦姫になって欲しと乞われサーシャには戦姫になれると思うと言われたのを思い出します。
リュドミラは戦姫になってやろうじゃないって気持ちになりました。
シレジアの王宮の地下に続く階段をメルセゲルが降りていきます。
小さな空間に降り立ち安置されている箱を手に取ります。
箱は夜に一切の光を入れることなく開けなければ消滅する仕掛けが施されていました。
メルセゲルは初代国王の棺の下から発見したメッセージにあった女神をティル=ナ=ファと考えます。
箱を開けると竜の牙が出てきました?
初代国王が残したものと考えます。
竜の牙を掴むと無数の光の粒子となって霧散します。
メルセゲルの身体の内側から力があふれだしてきました。
この力を使えば戦姫が束になってきても粉砕できそうです。
アーケンに報告すべき朗報なんですがメルセゲルは躊躇します。
メルセゲルはアーケンが己の器にしようとしてティグルの肉体を使っているのを危険視します。
ティグルが支配されきっていない場合に備えて竜の牙の存在を秘匿する事にします。
エレン、アヴィン、ミルが拠点から約二日の位置にあるティル=ナ=ファの神殿にやってきました。
アヴィンがティル=ナ=ファの像に向かって祈りを捧げ始めます。
エレンとミルはアヴィンに何かあった場合に備えて近くで見守る事にします。
神との意思疎通をはかるので時間が掛かりそうでした。
アヴィンの様子に不審点がないので二人は神殿の外に出て待つ事にします。
アヴィンは自分は枝分かれした先からやってきた存在なのでティル=ナ=ファに力を借りられる存在ではない。
それでも力を貸して欲しいと祈っています。
アヴィンもメルセゲルと同じ他所から来た存在のようですね。
神殿の入り口にティグルが姿を現しました。
ティグルはエレン達の跡を付けてきたと言っています。
アーケンの意思に従いエレンを討つと言ってきます。
ミルがティグルにアーケンに操られているのか質問します。
自分に矢が当たったときにティグルが驚いているように見えたと続けます。
ミルはティグルのすべてがアーケンに操られているわけではない、きっと取り戻す事ができると伝えます。
ティグルは表情を変えませんね?それで何をするつもりだ、と問いかけきました。
ミルは強気な笑みを浮かべて、あのときのお返しをさせてもらうわ!と叫んで飛び掛かりました。
エレンはアヴィンに動くなと叫んで加勢します。
ミルの攻撃を受けきり隙が多く気なった彼女に矢を放ちます。
避けられないタイミングでの攻撃だったのでミルは死を覚悟しますが不思議な現象が起こります。
ティグルの放った矢が砕けました。
ティグルは驚き砕けた矢を見つめています。
エレンが動き続けていて攻撃に移りました。
ティグルは白弓でエレンの斬撃を受け止めて鏃に力を纏われてエレンの首筋に突き立てようとしてきます。
咄嗟にミルが「お母様!」と叫んでいます?
うん?ミルも枝分かれした先から来ているのか?その世界のエレンが彼女の母親なのか?
エレンがミルの母親とは気が合いそうだと感じているので可能性は高そうだね。
ティグルはエレンを殺す好機を得たんですができませんでした。
右目の奥が痛みを発してティグルを止めたみたいです。
エレンも迷っています。
ティグルは隙だらけで斬り殺せる状況なんですが決心が付きませんでした。
ティグルがエレンから距離を取り革袋から何かを放り投げてきました?
アヴィンの祈りが終わりティル=ナ=ファの力を得たようです。
ティグルに向けて矢を構えています。
エレンは咄嗟に静止するんですが間に合いませんでした。
女神の力を宿した矢は強烈な光を発してティグルに向かって飛んで行きます。
ティグルは光に呑み込まれて姿を消します。
アヴィンからティル=ナ=ファに祈りを捧げていると右手が急に熱くなった。
見てみるとこれがあったと言って白い鏃を見せてくれます。
アヴィンがエレンが持っている鍵に気付きます。
エレンからティグルが落としていったと教えられます?
そこにガヌロンが現れました。
ミルが嫌悪感を示すと恩人に対して失礼だぞと窘められます。
ミルに放たれたティグルの矢を破壊したのはガヌロンでした。
ミルはガヌロンに借りを作ってしまった事を嘆きます。
お母様に知られたらなんと言い訳すればいいんだと嘆きます。
エレンが咄嗟に自分を「お母様」と呼んだ理由を質問します。
ミルは読み書きや算術の先生をうっかりお父様とかお母様とか間違えて呼んじゃう事があるでしょと誤魔化します。
エレンとしてもガヌロンが現れているので彼の方を重視します。
ガヌロンはシレジアに行ってきたと言っています。
エレンがどんな状況なのか尋ねると神殿をアーケンの神殿に作り替えるくらいで破壊活動はしていないと教えてくれました。
ガヌロンはアーケンの意図を探るためにシレジアに行ってきたそうです。
アーケンがティグルの身体を支配して使っている事に驚いたそうです。
ティグルの身体を器にしたいのはより大きな力を使えるようにする為だと予想しています。
神話の時代にアーケンはティル=ナ=ファに負けています。
その仕返しの為にティル=ナ=ファの影響力を根こそぎ消し去ろうとしているのではとガヌロンは予想しています。
ガヌロンはエレン達を利用しようとしてるようです。
情報交換を行ってきます。
キュレネー軍の食糧はアーケンが用意していると教えました。
エレン達が驚愕するのを見てガヌロンは知らなかったのか?と呆れています。
エレン達は敵が無尽蔵な食糧を持っていると知る事になりました。
ブリューヌの王都に侵攻しない理由を問うとそこにアーケンが欲するモノが無いからだと言われます。
エレンはティグルの様子を見てどう思ったのか質問します。
ガヌロンは具体的に言って欲しいと要求してきたので取り戻せる可能性があるのかきいてみます。
ガヌロンは限りなく不可能に近いが可能性はあると答えます。
手間暇かけて呆れるほど丁寧に馴染ませていると教えてくれます。
ティグルがティル=ナ=ファの力に長く触れているのでティグルにティル=ナ=ファを降臨させるだけでアーケンを追いだせるかもしれないと考えます。
ミルは単純に望みはあるって事ねと理解を示します。
ガヌロンは幼児には幼児の理解があるのでそれでよかろうとの感想を述べます。
一々ミルに絡むなー。
ミルは失礼すぎるガヌロンに剣を抜こうとしてエレンに止められました。
エレンはティグルが放り投げて来た鍵を見せて何であるのか確認します。
鍵を見たガヌロンが驚いています。
ガヌロンはアーケンの支配下にあるティグルの行動が理解できません。
驚きながらも鍵がシレジアの王宮にある神殿の鍵で。
そこに封じられた竜具と女神の弓が置いてあると教えてくれます。
アヴィンはティグルの罠を疑います。
エレンは鍵を使って神殿に連れて行けとお願いします。
アヴィンが冷静になって欲しいと止めに入ります。
エレンは自分は冷静だと言い返して目的を語ります。
自分たちにとって何よりも重要なのは竜具を取り戻して戦姫を増やすことだと説明します。
アヴィンは反対なようですがガヌロンはエレン達を案内したいようですよ。
アーケンの神殿に行って竜具を取り戻して欲しいと言われます。
前回の失敗を繰り返さないためにアーケンの力を弱めてから向かうと言ってきます。
ヴォージュの南の端に古い神殿の廃墟がある。
そこで詳しく話すと言ってガヌロンは消えました。
それを聞いたアヴィンとミルが顔色を変えています?
エレンは理由に気付きませんが二人はヴォージュの南の端にある神殿に反応しているみたいだね。
一人になったガヌロンは結果に満足しているようです。
ガヌロンはアーケンの意図を探っています。
シレジアの王宮からメルセゲルより先に竜の牙を持ち出していました。
メルセゲルは牙が二本で一対であると知らないようです。
ガヌロンはアーケンの目的がティル=ナ=ファに勝つ事だと予想してますがそれだけなら竜の牙を求める必要は無いと考えています。
アーケンはメルセゲルが報告してないから竜の牙の存在を知らないんだけどガヌロンには敵の内情は分かりません。
ガヌロンはアーケンの目的がティル=ナ=ファに勝つ以外にもあるのかも?と見ています。
アヴィンの矢で吹き飛ばされたティグルは神殿からだいぶ離れた斜面に倒れていました。
記憶の一部に欠落があると気付きます。
ティグルはエレンに神殿の鍵を投げ渡したことに気付いていません。
一瞬だけティグルは正気に戻りエレン達に可能性を残そうとしたんだろうね。
ティグルはシレジアに戻る事にします。

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6 凍連の雪姫
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ヴァンペール山に戻ったエレンたちはサーシャにガヌロンから聞いた話を伝えます。
竜具を取り戻せる可能性があると分かったので行く事になります。
エレンはアヴィンとミルに行って貰おうと考えていましたがサーシャはエレンに同行するように言ってきます。
アーケンの力を弱める為には竜具の解放が必要でそれはキュレネー兵をいくら倒しても果たせません。
サーシャは合理的に考えて竜具奪還の可能性を上げようと考えたようです。
リュドミラが自分も同行したいと言ってきます。
エレンはリュドミラの存在が今のジスタート軍に必須で代わりが居ないと考えています。
超常の力を持たない彼女は死ぬ可能性が高いので同行を認めません。
リュドミラは戦姫に成りたいんだと訴えます。
アヴィンに加勢を頼んできましたよ。
リュドミラに戦姫になれと頼んだのは彼なのでエレンを説得してと言ってきます。
アヴィンは苦しそうにしていますね。
サーシャはセルケトと戦った時の話を伝えます。
セルケトが魔弾の王がリュドミラの事を警戒していたと伝えます。
エレンが驚愕の表情を浮かべます。
理由を聞かれてエレンは魔弾の王とはティグルの事だと答えます。
ティグルが自称した事は無くかつて戦った怪物、アーケンの使徒、ガヌロンがそう呼んでいたと教えます。
リュドミラの危険度が増したんですが彼女は戦姫に成りたいという意見を変えません。
エレンが折れる事になりました。
エレン、リュドミラ、アヴィン、ミルの四人でガヌロンが指定した廃墟に向かう事になります。
一行はライトメリッツからオリュミッツを経由してヴォージュの南端に向かいました。
ミルがライトメリッツの地理に詳しいと判明しました?
オリュミッツに入るとリュドミラが案内する事になりました。
アヴィンは自分が案内役を務める事になると考えていたので安堵しています。
指定された廃墟に到着します。
そこでアヴィンとミルが隠していた秘密を教える事になります。
廃墟の中に入りミルが持っていた大剣を掲げます。
無数の光が生じますね。
ミルが旅の途中でしたおとぎ話を覚えているか?と問うてきます。
それは自分が選ばなかった選択肢のその後が見られるおとぎ話でした。
光の一つ一つがエレンがこれまでに選ばなかった選択肢のその後の世界だと言われます。
幾つか覗いてみるとエレンがティグルと結婚している世界が見えました。
ミルが自分は分かたれた枝の先になる世界からやってきた。
ミルの両親は別の世界のティグルとエレンでティグルはジスタートとブリューヌの王様をしていると教えてくれました。
エレンの危機に咄嗟にお母様と叫んでしまったのは別の世界のエレンが彼女の母親だからでした。
ミルがアヴィンと初めて会った時の事を思い出して怒りが再燃しています。
二人は別の世界からそれぞれやってきました。
人間が体を維持したまま異世界に来ることはできないそうです。
ミルの剣やアヴィンの黒弓など力を持つ物体はそのまま世界を移動できるそうです。
この世界の魔物がアーケンの陰謀を気付きアヴィンとミルの世界のティル=ナ=ファに助力を乞いました。
魔物がこの世界で使うアヴィンとミルの肉体を作り出して迎え入れてくれました。
肉体は全裸状態だったのでアヴィンとミルはこの世界に到着した直後に互いの全裸を見つめ合う事になりました。
ミルはそれを思い出して怒っています。
アヴィンもミルと同じように分かたれた枝の先からやって来たと教えてくれます。
彼の父親はティグルで母親はブリューヌ人だそうです。
彼の世界のリュドミラが彼の武芸の師だそうです。
アヴィンの世界のティグルは生きているけど世間的には死んだことになっているそうです?
アヴィンの世界のリュドミラはラヴィアスを操る戦姫でした。
だからリュドミラに向かって戦姫になって欲しいとお願いしてきたのね。
リュドミラはアヴィンに平手打ちをお見舞いしています。
アヴィンの世界のリュドミラと自分は別人で勝手に重ねられるのは迷惑だと文句を言ってきます。
アヴィンは返す言葉もありませんと謝罪しています。
まあ師匠なので強くは出られないよね。
ガヌロンがやってきて説明を引き継いでくれます。
ティル=ナ=ファに負けたこの世界のアーケンが他の世界の自分に協力を仰ぐ事を思い付きました。
枝分かれした全ての世界のアーケンがティル=ナ=ファに復讐心を持っているわけではありませんでした。
たまたまアヴィンとミルの世界のアーケンが復讐心を持っていて協力する事にしたようです。
この世界への干渉に魔物が気付いてティル=ナ=ファに助成を乞いました。
魔物達はティル=ナ=ファを信仰しているので当然の判断だな。
ティル=ナ=ファを通じて異世界のアーケンの計画を知ったアヴィンとミルの世界のティグルはそれぞれの子供を送り込む事にしたようです。
アヴィンとミルが秘密にしていたのも頷けますね。
いきなり異世界から来たと言われても信じては貰えないからね。
アヴィンが二つの世界からの干渉を弱める事になります。
アヴィンはその方法をティグルに習ってきたそうです。
干渉が弱まりアーケンの力が弱まります。
ガヌロンに鍵を渡して竜具が封印されている神殿への歪廊(クリーガ)を開いて貰います。
行かせるわけにはいかぬ、と言ってメルセゲルが現れます。
エレンがメルセゲルの相手をする事になります。
リュドミラ、アヴィン、ミルを神殿に向かわせようと考えます。
メルセゲルがセルケトを呼び出しました。
この場は任せるといってクリーガを潜ります。
ミルが戻ってきましたよ?
エレンはリュドミラとアヴィンだけではメルセゲルに対抗できない何故戻ったと叱ります。
ミルがガヌロンが向かったのでセルケトを二対一で倒そうと考えたと答えます。
エレンはまるで安心できないのが困ったところだなと言ってきますが納得はしたようです。
エレンとミルがセルケトと戦う事になりました。
セルケトはエレンの事を魔弾の王が人間だった頃の想い人でしたねと嘲ってきます。
自分が手伝って身を清めていおります、あなたもアーケンに仕えませんか?と誘うとしたようです。
エレンが激しい怒りを示しますね、あいつを弄ぶのは、許さん。
神殿に到着したアヴィンとリュドミラを追ってメルセゲルとティグルが現れました。
メルセゲルはこの場でティグルを信用できるのかはかろうと考えたようです。
アヴィンとティグルが矢の打ち合いを始めます。
リュドミラはメルセゲルの相手をする事になってしまいます。
超常の力を使えないリュドミラをガヌロンがサポートしてくれます。
戦姫になれなかった後も槍の鍛錬を続けていたのが活きましたね。
ガヌロンのサポートを受けながらリュドミラはメルセゲルの攻撃を凌ぎ続けます。
アヴィンとティグルの打ち合いはティグル優位に進んでいます。
矢をつがえて放つまでの動作はティグルの方が速いみたいです。
徐々にアヴィンは押され始めます。
矢の打ち合いでは負けると察したアヴィンはティグルに話しかけて揺さぶりを掛けます。
「アーケンと戦うんだ!エレンさんを、アルサスを、愛するすべてを守るために!」
ティグルの動きが一瞬止まりますがアーケンの支配力が勝ります。
アヴィンは攻撃態勢を取るティグルの動きを予想する事にします。
ティグルはエレンにしたように矢の先にアーケンの力を集めてアヴィンの首に突き立てようとしてきます。
アヴィンはそれを読み切りティル=ナ=ファに貰った白い鏃で受け止めます。
ティグルの動きを止めるとガヌロンのサポートが入りました。
ガヌロンがティグルを拘束してくれた隙にアヴィンがラヴィアスを封印してある琥珀の柱にティル=ナ=ファの力を纏わせた矢を放ちました。
琥珀の柱が砕けてラヴィアスが自由になります。
リュドミラが手をかざしてラヴィアスと呼びかけます。
ラヴィアスはリュドミラを持ち主と認め彼女の手に収まります。
リュドミラは力が溢れだしてくるのを感じます。
ラヴィアスを握ったリュドミラがメルセゲルに挑みます。
メルセゲルは憎々し気にリュドミラとの相性の悪さを訴えます。
枝分かれした世界でもリュドミラに苦しめられたと言っています。
メルセゲルは巨大な蛇を生み出して攻撃してくるんですがラヴィアスによって氷漬けにされて砕けています。
リュドミラはメルセゲルがティグルと連携を取らない事を訝しみます。
最初から連携していればガヌロンの助けが入る前にアヴィンと自分を無力化できたはずと考えます。
二人の関係性が悪いのでは?と考えます。
リュドミラは掛けてみる事にします。
「ヴォルン伯爵!いま、助けます!」と叫んでティグルに駆け寄ります。
メルセゲルが出現してティグルごと巻き込む巨大な蛇を生み出しました。
リュドミラは胸中で、残念だったわね、と喝采を叫びます。
「空さえ穿ち凍てつかせよ!」ラヴィアスが教えてくれた竜技を放ち巨大な蛇を滅ぼします。
強力な竜技なのでメルセゲルにもダメージを与える事に成功しますが仕留める事はできません。
ガヌロンから入口(クリーガ)が閉じかけている取り残されるとの警告が入ります。
戦姫になりたてなので取り残されると不味そうです。
リュドミラは疲労により倒れているアヴィンを抱えてクリーガに向かいます。
アヴィンから「やりましたね」との声が掛かります。
リュドミラは「あなたのおかげよ」と微笑を返します。
二人の間にあったわだかまりが消えたようですね。
背後からティグルが矢を放とうとしてきました。
クリーガに飛び込んでもティグルの放った矢が一緒に飛び込んできそうです。
アヴィンが力を振り絞ってティル=ナ=ファから授けられた鏃を使い矢を形成します。
リュドミラに矢を放ったら俺を掴んで穴に飛び込んでくれとお願いします。
ティグルに向かって鏃はティル=ナ=ファから授けられたものだ。
本来はティグルに与えられるべきものだがティル=ナ=ファは俺に渡した。
その意味が分かるか?
女神は俺に大切なものを守れ、そして取り戻せと、言ったんだと叫んで矢を放ちます。
ティグルも矢を放ったのですがアヴィンの矢が打ち勝ちます。
リュドミラがアヴィンを抱えて穴に飛び込みました。
ティグルは白弓を突き出して防御幕を張りますがそれも撃ち抜かれます。
鏃がティグルの胸に刺さります。
ティグルがもだえ苦しみだします。
白弓を放り出して床を転がります。
余りの苦しさに何度も吐く事になりました。
吐くたびに体内から何かが出て行っているのを感じます。
意識の奥底でいくつもの光景が展開します。
白銀の髪と紅の瞳を持つ娘の笑顔が浮かび上がったところで意識を失いました。
ティル=ナ=ファの与えた鏃によってティグルの中に居たアーケンが吐き出されたって事なのか?

>>
エピローグ
>>
気づいたときティグルはアーケンの神殿の床に倒れていました。
右目が異常な熱を発していて意識がはっきりしています。
ティグルは一日の間に自分の意思を取り戻せる短い時間を使って鍵の改良を行っていました。
ティル=ナ=ファが欺きアーケンの力を使って鍵を自分以外の者でも使えるように変質させました。
この辺りもティル=ナ=ファの方がアーケンよりも上手なようですね。
エレン達に鍵を渡す方法が問題となりますが幸運にもアーケンに支配されているティグルがエレンを追ってティル=ナ=ファの神殿まで行ってくれました。
戦闘中に鍵を渡す事に成功しました。
エレンが上手くやってくれたと感謝しています。
アヴィンに打ち込まれたティル=ナ=ファの鏃が体内からアーケンを追い出してくれたんだと分かります。
ティグルはティル=ナ=ファとアヴィンに感謝しています。
自由意思を取り戻したティグルはシレジアからの脱出を考えますがアーケンに気付かれました。
何とかして琥珀の柱に封印されている黒弓を取り戻したいと考えています。
そこにティグルを兄の仇と狙うディエドが現れます。
ディエドはメルセゲルに操られていました。
メルセゲルはティグルが裏切った場合に備えてディエドを潜ませていました。
ティグルが兄を殺している場面を見せて刺客に仕立て上げています。
ディエドが誰かに操られていると察したティグルは殺したく無いと考えてしまいます。
呼びかける前に短剣を握ったディエドが突っ込んできてティグルの腹を刺しました。
ティグルは琥珀の柱にもたれるようにして座り込みます。
役目を終えたディエドは意識を失います。
ティグルは短剣を引き抜きアーケンへの怒りを示します。
ディエドを刺客に仕立てた事に対して怒っているようですね。
メルセゲルがそうしたとは考えていないみたいです。
ティグルは右目の奥に黒弓の破片が埋まっている事を思い出しました。
指を突っ込んで破片を取り出しティル=ナ=ファに祈りを捧げます。
ティル=ナ=ファが力を貸してくれて黒い弓と矢が現れます。
ティグルは黒弓が封じられている琥珀の柱を撃ちました。
琥珀の柱は粉々になり黒弓を取り戻します。
黒弓を手にするとティル=ナ=ファに力を借りるのが楽くになるようです。
瘴気の矢を生み出すのにかかる肉体の負担が軽減されています。
ティグルは神殿の扉を破壊しました。
リュドミラの竜技を受けたメルセゲルは王宮内にあるアーケンの神殿から離れた位置に倒れていました。
このままではすまさぬ、とリュドミラへの復讐を誓っていますが、おめでたいものだな、と否定的な事を言われます。
ガヌロンが現れてメルセゲルの頭を踏み潰しました。
分かたれた枝の先からやってきて、この結末か。
アーケンのために尽くすことができたのだ、本望だろうと、呟きます。
少し憐れんでいるようだね。
メルセゲルの亡骸に手を突っ込んで彼が取り込んだ竜の牙を取り出します。
私が有効に使ってやろう、と呟いた時に異変を感じます。
胸元を見ると湾曲した剣の切っ先が生えていました。
「見かけによらずしぶといのですね」との声が掛かります。
背後からガヌロンを貫いたのはセルケトでした。
ガヌロンは剣で刺されるまでセルケトの存在に気付けませんでした。
セルケトの事はメルセゲルよりも弱いと判断していたので驚くほどの威圧感があります。
「馬鹿な・・・」と驚愕していますが冷静に逃げを討ちます。
瘴気で肉体を作り本体は逃げました。
自分が持っていたもう一本の竜の牙を囮にして逃げました。
もう一本の竜の牙を手に入れたセルケトがお礼を言ってきます。
「手間を省いてくれたこと、ありがとうございます」ガヌロンは逃げたあとなので返事はありません。
セルケトが「逃げたのですか・・・」と驚いています。
ガヌロンを逃がした事には拘泥しませんね。
竜の牙が二本そろったのだから問題は無いようです。
セルケトがその場に跪きアーケンに報告しています。
「偉大なるアーケンよ。あなた様の真の目的が、まもなく果たされようとしています」
セルケトはティグルがアーケンの呪縛から解放されたとは知らないよね?
知らないから焦ってないのか?
ティグルの肉体はアーケンの目的に必須ではないのか?
アーケンの真の目的が分からないね。
ティル=ナ=ファに勝つってだけではないのかも?

成分表
成分含有量(5:多い、1:少ない)
美少女5
戦闘5
作戦5
恋愛3
ラッキースケベ5


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