ラノベの感想) 魔弾の王と叛神の輝剣 (ダッシュエックス文庫)


概略:
南大陸にあるキュレネーという国にアーケンという神が降臨しました。
キュレネー人はアーケンの信徒になってしまい世界に対して神政を始めます。
すべての命をアーケンに捧げる事を目指して進軍してきました。
南大陸にあった国を全て滅ぼし北大陸に進出してきました。
北大陸にあった強国も次々に滅ぼされてしまいます。
ブリューヌって国の地方領主で国の英雄と呼ばれるティグルは同盟国ジスタート軍に参加していました。
ジスタートは既に一度キュレネーと戦い敗北しています。
この時の戦で国王が戦死しています。
ティグルは指揮官オクサーナの元で雪辱戦に挑む事になります。

レーベル:ダッシュエックス文庫
発行日:2023/9/27
著者:川口士
イラスト:美弥月いつか
ISBN:978-4-08-631520-3
雰囲気:敗北、人外、探索者、経緯、目的設定、出会い、帰郷、襲来、防衛戦、邂逅、裏切り、誓い

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プロローグ
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ブリューヌの地方領主ティグルは客将としてジスタート軍に参加していました。
オクサーナという戦姫が指揮する部隊がキュレネー軍を迎え撃つ事になります
キュレネーは南大陸に存在する国で世界に対して神征(アテン)を始めました。
キュレネーは南大陸を制圧してジスタートがある北大陸に攻めてきました。
キュレネーに隣接している国から滅ぼされてしまいます。
北大陸の多くの国が滅ぼされていて残っているのはジスタートとブリューヌくらいのようです。
ティグルは周辺の偵察を行い大軍を運用するのに適した平原が泥濘である事を掴みます。
泥濘では満足に兵を運用できないと考え後退することを進言します。
オクサーナはすでに一度敗北しているジスタートの士気を下げない為に後退する事はできないと言っています。
その時の戦でジスタートは国王を喪っています。
オクサーナの考えもわかるんですがティグルは心配になっています。
彼女は国王と親しかったので復讐心に駆られているのでは?と危惧しています。
オクサーナは冷静に泥濘にキュレネー軍を追い込んで包囲殲滅しようという作戦を掲げました。
ティグルは彼女の冷静さが失われていない事に安堵しています。
オクサーナが冷静だと分かってもティグルの懸念は消えません
勝利を重ねているキュレネーなのですが優れた指揮官の名前が聞こえてこないからです。
ティグルはキュレネー軍が普通の軍ではないと感じています。
オクサーナは戦後に調べてみようと言っています。
オクサーナから戦姫アレクサンドラが救援に向かっていると教えられます。
ティグルはサーシャと呼ぶほど仲がいいので嬉しくなっています。
アレクサンドラは戦姫で一番強いと言われています。
ティグルの不安が薄らいだようです。

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1 キュレネー神征
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オクサーナの作戦は有効でした。
キュレネー軍を泥濘に追い込んで囲い込みに成功しました。
しかし優勢だったのはここまででした。
キュレネー軍は常軌を逸した屈強さを持っていました。
傷を負っても痛みを感じないようで平然と攻撃を続けてきました。
武器が破壊されたら体当たりしてきて噛みついてきます。
キュレネー軍の異様さにジスタート軍は怯んでしまいます。
囲い込みが崩壊してしまいキュレネー軍に蹂躙される事になりました。
ティグルは戦闘中に落馬して気絶します。
意識を取り戻したときには味方の死体に埋もれていました。
ティグルは死体と間違われて殺されなかったようです。
オクサーナを討ち取ったとの叫びがあがりました。
ティグルは戦場からの離脱をはかります。
キュレネー兵に見つかってしまいました。
現れたキュレネー兵はとても動けるとは思えない深手を負っていました。
ティグルは両目を矢で撃ち抜いて倒します。
ティグルは弓しか使えません。
矢が無くなってしまい攻撃手段を失いました。
逃げきれなくなった彼を馬に乗った女戦士が助けにきました。
ティグルの恋人エレンがキュレネー兵を切り倒して助けてくれます。
二人はヒシっと抱き合い無事を喜び合っています。
今回は負けましたがティグルは次の戦いを優位に進める為の偵察を行う事にします。
エレンと二人でキュレネー軍の本陣に向かいます。
本陣に三人の神官が帯同していました。
まるで神官が指揮官のような振舞いをしています。
ジスタートやブリューヌでは神官が指揮官をする事はありません。
ティグルはキュレネー軍が普通ではないと考え始めています。
神官は人間とは思えない異様な雰囲気を持っていました。
神官達はオクサーナの竜具を琥珀に封印していました。
キュレネー軍がオクサーナの竜具を所持している事から彼女が死んだと判明します。
二人は見つかってしまい逃げる事になります。
馬に乗って逃走していたのですが一人の神官に追いつかれます。
神官は頭上から攻撃してきました。
人間とは思えない動き方をしています。
メルセゲルと名乗った神官がティグルを「魔弾の王」と呼んできます。
メルセゲルはエレンには目もくれませんね?
ティグルだけを敵視しているようです。
ティグルは人外との戦闘経験を持っていました。
人外にダメージを与える事ができる攻撃手段を持っています。
女神の像から切り出した石片を握りしめて祈ると弓と矢を作り出す事ができます。
女神の石片で作り出した矢を放つんですが外れてしまいます。
1回矢を放っただけで弓は消えてしまいました。
女神の石片の耐久度が下がっているようです。
安易に撃てなくなりました。
攻撃手段がなくなった二人を戦姫アレクサンドラが助けてくてました。
戦姫の竜具ならメルセゲルにダメージを与える事ができました。
サーシャはメルセゲルの片腕を斬り飛ばしたんですが即座に修復されます。
不利を察したサーシャは逃走を狙います。
竜具を使って炎の壁を生み出して逃げ出しました。
メルセゲルは追ってはきませんでした。
サーシャはオクサーナに加勢する為に移動してきたんですが泥濘を迂回するのに時間が掛かりました。
到着時にはすでにジスタート軍は敗北していました。
撤退を助ける為に単身で敵の本陣を突いて攪乱しようと考えていました。
ティグルとエレンを助けられたのは偶然です。
偵察していたと教えた二人は軽率な行動を咎められました。

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2 彷徨う戦士
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ティグル達が敗北した戦場の近くに小さな山があります。
山の上に小さな村がありました。
その村がキュレネー軍に襲われそうになっています。
「あらゆる命をアーケンに捧げる」ことを目的として行動しているキュレネー軍は小さな村も見逃しません。
村には対抗手段がなく死を待つよりなかったんですが男女二人組が立ち寄っていました。
アヴィンという16歳くらいの若者とミルディーヌ愛称ミルと呼ばれる同年代の娘です。
二人はヴォージュ山脈の南端で出会い一緒に旅をしています。
目的が同じだったようですよ。
ジスタートの王都シレジアでティグルと会おうとしています。
山頂の村に立ち寄ったのは道を尋ねる為でした。
アヴィンは村を見捨てて逃げたいようですがミルが助けようと言い出します。
ミルは困っている人を見過ごせない性格です。
50人のキュレネー軍を撃退する事になりました。
二人はキュレネー兵が普通じゃない事を知っていました。
村長に頼んで村の大きな家の中に落とし穴を作ってもらいました。
落とし穴の底には油を満たしてありました。
キュレネー兵を落とし穴に落としてから火を付けています。
普通の戦い方では倒せないと熟知しているようですね。
村を救った二人はシレジアを目指します。
ティグルが危険な存在となった場合は彼を殺す使命をおびています。
ミルはそうならないようにティグルを手伝おうと楽観的に考えています。
王都シレジアに戻ってきたサーシャを副官のリュドミラが迎えてくれます。
彼女は曾祖母の代から戦姫を輩出している一族なのですが彼女は竜具に選ばれませんでした。
母親もリュドミラを戦姫にしようと文武を鍛えていました。
戦えるようではあるんですがリュドミラは文官となりました。
オクサーナが戦死した事でジスタートに残っている戦姫はサーシャだけになりました。
サーシャは王都での防衛を目指す事になります。
ティグルとエレンから敗北した戦いの戦況を聞き出しています。
偵察してたキュレネー軍本陣の様子も聞き出します。
メルセゲルと戦った手応えからサーシャは彼が魔物だと判断しました。
サーシャにも魔物と戦った経験がありメルセゲルからは同じ気配がしたと言っています。
キュレネー軍が常軌を逸した戦意を持っているのをどう説明するか問題になります。
リュドミラはある種の薬を使って戦意を高めている事にしては?と提案します。
サーシャは同意しました。
兵の士気に関わるので安易に敵が魔物に率いられた尋常ならざる軍だとは言えません。
自室に戻ったティグルは弓の手入れを始めます。
メルセゲルの態度から女神の力を引き出せる石片による攻撃は有効に思えます。
問題は石片を使える回数が残り少ない事でした。
リュドミラが調べ物が終わったと言ってティグルの部屋にやってきました。
ティグルはティル=ナ=ファに詳しい人物を探して欲しいとの依頼を出してありました。
ティル=ナ=ファは人々に疎まれています。
リュドミラもそれは同じで依頼を出したときに理由を問われました。
ティグルは調べが付いたら答えると伝えてありました。
ティグルはリュドミラに魔物と戦った経緯とティル=ナ=ファの力を借りている事を教えました。
人間が女神の力を借り受けていると聞かされたリュドミラは信じられないようです。
サーシャも知っている事で信じて貰えたと教えると信じる事にしたようです。
お礼をしたいと伝えたティグルにリュドミラが平手打ちをしてきました。
エレンの分を含めて二発もらう事になりました。
リュドミラは無謀な偵察を行った事でサーシャを危険に晒した2人を許せないと言っています。

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3 ブリューヌの英雄
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ティグルは14歳のときに病死した父ウルスから伯爵位と領地のアルサスを受け継ぎました。
2年ほど平和に暮らしていたのですが16歳のときにムオジネルがブリューヌに攻め込みました。
大貴族のテナルディエ公爵が総指揮官となり迎撃する事になります。
ティグルも100ばかり歩兵を率いて参戦しました。
当時ブリューヌ王ファーロンは病床にありました。
テナルディエに乞われてレギン王女が激励に訪れます。
レギンの激励もあり迎撃戦はブリューヌの勝利に終わります。
ティグルがアルサスに戻ってきた日にレギン王女が護衛を連れて訪ねてきました。
レギン王女からテナルディエ公爵に暗殺されかけた事を教えらえます。
ファーロン王はテナルディエ公爵に毒を盛られたと明かされました。
テナルディエ公爵は密かに国王の庶子を匿っていました。
ファーロン王とレギン王女を殺して庶子を玉座につけようと企てていました。
ティグルはレギン王女をテナルディエ公爵に差し出すか彼と戦うかの選択を迫られます。
テナルディエ公爵は領民に圧政を強いている事で有名です。
彼の傘下に入るとアルサスの民が虐げられると考えたティグルはレギン王女に味方する事にします。
兵力を集めることになりエレンの傭兵団を雇う事になりました。
これがティグルとエレンの出会いです。
はじめて会ったときにエレンは何で勝てない戦を挑むのか問うてきました。
ティグルは狩りを例えにして勝ち目は作るモノだと答えました。
エレンはこの答えが気に入ったようです。
エレンはテナルディエよりもティグルの方が領主として相応しいと判断しました。
ティグルとエレンは苦戦しながらも勝利を重ねテナルディエとティグルの一騎討の機会を作り出します。
一騎討でティグルが勝利して公爵の野望を打ち砕きました。
ティグルはレギンを守護した事でブリューヌの英雄と呼ばれるようになりました。
戦が終わったのでエレンと別れる時がやってきます。
ティグルとエレンは両想いになっているようですが立場が違うので明確な関係を樹立していません。
ティグルはまた会えないか?と問い掛けます。
エレンは平和になったのだから傭兵は不要だと言って去ろうとしています。
エレンの表情から彼女も未練を抱えていると読み取ったティグルは休暇を過ごしに来てくれと誘います。
エレンはそれを受ける事にしました。
ティグルは関係強化を目的としてジスタートに派遣されました。
ジスタート王イルダーの求めに応じてティグルはジスタート軍に参加する事になります。
イルダー王は弓を蔑視しなかったのでティグルは気持ちよく参戦する事ができました。
ブリューヌでは弓は臆病者の武器として軽蔑されています。
ジスタートに派遣されている期間にサーシャと知り合い友人となりました。
この段階ではまだエレンとは明確な関係になっていないようなのでサーシャと恋人になる可能性もあったのね。
ジスタートとの関係を強化してティグルはアルサスに戻ってきました。
アルサスに戻って1年ほどたったときにレネートという名の怪物が攻めてきました。
言葉を解し残虐な殺し方を好む怪物でした。
エレンの傭兵団が休暇を過ごす為にアルサスに滞在していました。
レネートはまず傭兵団を壊滅させました。
それから領主の屋敷があるセレスタの町へ侵入を試みます。
追ってきたエレンと迎撃に出たティグルが激闘の末にレネートを討伐しました。
レネートを倒す事はできたのですがティグルはエレンを庇い右目を失いました。
この戦いでティグルは家宝の黒弓を使いました。
ティル=ナ=ファの力を引き出せる弓だったのですがレネートを倒した際に紛失してしまいます。
だから以降はティル=ナ=ファの像から切り出した石片を使っているのね。
エレンはティグルの元から去ろうとします。
ティグルに右目を失わせてしまい彼の傍に居てはいけないと考えたようです。
エレンの親友から彼女がセレスタを出たと知らされたティグルは慌てて追いかけ彼女を説得します。
立場が逆だったら同じ責任を感じていると言われてエレンはティグルへの想いが噴き出したようだね。
彼の元から去るのを止め彼と結ばれる事を選びます。
夜の野原ではじめてを迎えたようですよ・・・かなりアブノーマルな初体験だな。
エレンは片目でも行動に支障がないように体の使い方をティグルに教え込む事にします。
エレンの手解きのお陰でティグルは片目でも以前と変わらぬ動きができるようになりました。
ティグルはサーシャの助けになる為にはメルセゲルを始めとする魔物に対する攻撃手段が必要と考えます。
リュドミラに調べて貰ったティル=ナ=ファに詳しい人物に会いに行こうと決めました。
約束していたのでエレンの部屋に向かいます。
やってきたティグルにエレンは「遅い」と文句を言ってきました。
ティグルはリュドミラに調べて貰ったティル=ナ=ファに詳しいマクシミリアンって人物に会いに行きたいと伝えます。
エレンでもティル=ナ=ファには忌避感を持っているようです。
ブリューヌ北部の山中で墓守をしていると教えると怪しんでいます。
リュドミラの情報によると近隣の村に薬を配ったりしているそうです。
話の分からない人物ではないと思われます。
ティグルはエレンに一緒に来て欲しいとお願いしました。
ティグルはエレンとサーシャは親友なのでサーシャの元に残ると言われるかもと考えていました。
エレンはティグルがメルセゲルへの対抗手段を手に入れればサーシャの助けになると考え同行すると決めました。
二人は恋人なので愛し合っています。
結構なれた感じで求めあっていますな。
エレンがティグルの顔中にキスをしていました。
ぺろぺろ舐めるまでしてもらいたいがそれは変態過ぎるか?
ティグルもエレンの顔中にキスしています。
彼女を膝の上に乗せて後ろから抱きしめています。
服の中に手を突っ込んでエレンの巨乳を執拗に揉み揉みしていますね。
ティグルがエレンを押し倒しました。
目覚めたティグルが幸せそうなエレンの寝顔を見ています。
エレンが目を覚まして小さな国を収めている夢を見たと言ってきました。
エレンは捨て子で傭兵団の団長に拾われました。
彼の夢が国を持つ事でした。
戦場で命を落としてしまったのでエレンは彼の夢を引き継ぐ事にしました。
ティグルの夢は領地のアルサスを発展させ平和を守る事です。
二人は似たような夢を持っているのね。
サーシャにブリューヌに行きたいと報告に向かいます。
リュドミラが来ていて二人で紅茶を楽しんでいました。
リュドミラはティグルが重要な相談をしようとしていると察して席を外してくれます。
ティグルはティル=ナ=ファに詳しいマクシミリアンを探す為にブリューヌ北部に向かいたいと伝えます。
サーシャは愛の逃避行はもう少し時期を選んでくれと揶揄ってきました。
体裁を整えたいので軍議に出てから出発してくれとお願いされました。
軍議ではキュレネー軍の動向と今後の対応策が話し合われます。
サーシャからキュレネー軍がブリューヌ西部に攻め込んだと伝えられました。
サーシャはブリューヌの状況を把握する為にティグルとエレンを派遣すると宣言します。
これが体裁を整えるって事だね。
王都を囲む堀を広く深くすることが決まりました。
サーシャは攻め込むよりも守りに徹する事を決めたようです。

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4 ヴォージュの出会い
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キュレネー軍はジスタート軍に勝利した位置からさほど移動していませんでした。
行軍速度が遅いのは周辺の小さな村まで攻め滅ぼしているからです。
キュレネー軍はすべての命をアーケンに捧げる為に行動しています。
キュレネー兵の中にアーケンへの信仰心が薄い人物が居ます。
ディエドという青年でアーケンの為に死ぬ事を嫌がっています。
ディエドはキュレネー兵の墓を掘っていました。
他の兵士は仲間の死体を見てこのような死に方をしたいと言って笑っています。
死体の中に兄を発見しました。
兄の死体には顔に2本の矢が刺さっていました。
ティグルが倒した敵だよね?
ディエドは仇が分かれば敵討ちができるのにと考えています。
キュレネーにアーケンが降臨したのは2年前です。
それまでアーケンは信仰されている神の1柱でした。
キュレネー人はアーケンの声を聴いたそうですよ。
降臨するとキュレネー人はアーケンだけを信仰するようになりました。
アーケンの為に死ぬ事を喜びに感じるようになりました。
ディエドだけはそう思えないみたいです。
ディエドは自分の信仰心が薄いのでそう思えないと後ろめたさを感じています。
キュレネー兵は戦場に到着すると簡単な儀式を行い「神の酒(アグバ)」と呼ぶ酒を飲まされます。
これを飲むと痛みや恐怖を感じなくなるようですよ。
肉体的にも増強されて武器の重量を感じなくなるそうです。
ディエドにもここまでの効果はあるそうです。
ディエドだけは効果が薄くて恐怖心も痛みも感じているそうです。
この辺りの違いがアーケンを倒すカギとなるのかも?
リュドミラはジスタートの次期国王がいまだに決まらない状況に憤りを感じています。
イルダー王の息子はすでに亡くなっているので傍流の王族が王位を継ぐ事になるんですが誰もやりたがりません。
残りの戦姫がサーシャだけって状況で苦境に陥っているジスタートを導かねばなりません。
そりゃ進んでやると言い出す人は居ないよな。
リュドミラは自分が戦姫だったらと思わずにはいられません。
戦姫は竜具が選ぶんですが多くの戦姫が亡くなって一定の時間が経過しているにも関わらず新たな戦姫が選ばれません。
これってオクサーナの竜具と同様に亡くなった戦姫の竜具もキュレネーに封印されてしまったのかも?
リュドミラはティグルとエレンが無事に帰還する事を祈っています。
ジスタートからブリューヌに行くにはヴォージュ山脈を越える必要がありました。
迂回ルートと山脈を越えるルートが存在します。
慣れているティグルとエレンは山脈を越えるルートを選びました。
山中で50人ほどのキュレネー軍と遭遇しました。
二人はやり過ごす事に決めます。
見つからないように移動していたのですが別の部隊まで来ていました。
はさまれてしまい隘路に追い込まれてしまいます。
絶体絶命のピンチに助っ人が現れます。
ミルとアヴィンが飛び込んできて二人を助けてくれました。
ミルは相当な剣の腕を持っています。
アヴィンはティグル並みの弓の名手でした。
無事にキュレネー軍から逃げる事ができました。
ティグルがブリューヌの英雄と呼ばれいてる探し人だと分かりミルが感激しています。
今日は人生最良の日とまで言っています。
ミルとアヴィンはティグルを探していたと言ってきます。
一緒にキュレネー軍と戦いたいと申し出てきました。
ティグルは二人の目的を問いますが今は答えられないと言われてしまいます。
怪し過ぎる答えなんですがアヴィンとミルの誠実な態度から二人を信じる事にします。
同行を許可しました。
同行を認められミルは素直に喜んでいますがアヴィンは驚いています。
4人はアルサスに向かう事になります。
道中さり気なく二人の過去を質問するんですが上手く誤魔化されました。
ティグルはアヴィンの持っている黒い弓が気になっています。
紛失したヴォルン家(ティグルの家名)の家宝の黒弓に酷似していたからでです。
そうとは知らないアヴィンは黒弓を持たせてくれました。
持ってみてティグルは驚いています・・・握った感触が家宝の弓とは全く異なっていました。
別物だと判明します。
ちょっとは無くした黒弓じゃないか?と期待していたみたいです。
アヴィンは旅に出る前に父から渡されたと言っています。
ミルとアヴィンはティグルに協力してアーケンを倒したいと考えているんですが真意を隠しています。
場合によってはティグルを暗殺する事も視野に入れているからのようです。
一行はアルサスの町セレスタに到着しました。
留守を任せていたティッタとリムアリーシャが迎えてくれます。
ティッタは元々ヴォルン家で侍女をしていたんですが2年前の怪物襲撃事件で巫女になると決意します。
侍女をやっているよりも巫女になった方がティグルの助けになれると考えたからです。
リムアリーシャはエレンの親友で傭兵団の副団長でした。
エレンが傭兵団を解散してからはティグルとティッタを手伝ってくれています。
よそ者の彼女への偏見を緩和させる為にティグルは親しさアピールの為に愛称であるリムと呼んでいます。
リムから留守にしている間の出来事を報告されます。
ブリューヌは西方でキュレネー軍と戦い負けたそうです。
ブリューヌ軍の指揮官だったロランは行方不明になりました。
ブリューヌが負けたので西方から人が流れてきているそうです。
アルサスにも多くの避難民がきていました。
ティグルは困ったなと考えます。
アルサスには避難民を受け入れる余裕はないんだよね。
一行はティグルの屋敷に向かいます。
ティッタが風呂を沸かしてくれたのでエレンとミルは入浴する事にしました。
ミルがエレンとティグルの関係を質問してきましたね。
嫌らしい笑みを浮かべてどこまで深い仲なのか聞いたのでお湯か掛けられています。
夜はティッタとリムが腕を振るったご馳走を食べる事になりました。
楽しい時間を過ごしていたのですが急報がもたらされます。
キュレネー軍がアルサスに向かっているとの知らせが届きました。
ティグルは応戦する事を決めます。
リムから出撃可能な兵が500人ほど居ると教えられて驚きます。
ティグルでは100人の兵を集めるのがやっとです。
リムは逃げてきた人々の中から戦えそうな者を選び出し兵士にしていました。
北に向かおうとしている傭兵を雇っておいたとも教えてくれます。
勝てる見込みがでてきました。
ティグルは町の有力者を集めます。
自分達が戦っている間に領民をまとめて欲しいとお願いします。
父ウルスの時代から善政をしいているので有力者はティグルに協力的でした。
戦っている間の町を任せる事が可能となります。
ティグルはエレン、アヴィン、ミルを自室に呼び作戦会議を行います。
翌早朝アヴィンは屋敷の裏にあるティグルの両親の墓に居ました。
彼はもしもの時にティグルを暗殺する必要があるようです。
心苦しくてティグルに直に墓参りをしたいと言い出せなかったようです。
誰も見てないと思っていたんですがティッタに遭遇してしまいます。
彼女もティグルの両親の墓に祈りを捧げにやってきました。
アヴィンは巫女のティッタがティグルの屋敷を管理している事を不思議に思い質問しました。
ティッタから元々はヴォルン家の侍女だったが2年前の出来事を機に巫女になったと教えられます。
アヴィンはティグルの右目が失われている理由を知りたいと思っています。
2年前にも何かがあったんだと知ることになりました。
アヴィンはティグルの事を良く知ろうと考えているようです。

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5 アルサスを守る
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ティグルはセレスタの町から15キロほど離れたリクヴィールの野でキュレネー軍を迎え撃つ事に決めます。
地理に明るいので罠を仕掛けて待つ事にしました。
エレン、アヴィン、ミルに部隊指揮を任せる事にします。
アヴィンとミルを指揮官にしたのは二人がキュレネー兵との戦い方を熟知しているからでした。
戦が始まると一般兵はキュレネー兵の異様さに恐怖を感じています。
キュレネー軍は1000人の部隊で500人ずつ左翼と右翼に分けて進軍してきました。
左翼を泥濘に追い込む事に成功しました。
キュレネー軍は泥濘に足を取られるんですが仲間を踏み台にして進軍を続けます。
ティグルは川を堰き止め洪水を起こそうと企んでいました。
キュレネー兵をうまく誘導して洪水に巻き込み分断に成功しました。
エレンの率いる部隊が洪水を起こす前に川向うに渡っていてキュレネー軍の後背を突きました。
ティグルはキュレネー軍が使っている大太鼓の音が兵士を統率していると予想します。
エレンとミルが川向うの部隊に突撃して大太鼓を叩いている兵を倒しました。
大太鼓が聞こえなくなるとキュレネー兵の統率が取れなくなります。
味方同士でぶつかり始めています。
普通の軍なら途中で逃げ出してくれるんですがキュレネー兵は動ける間は戦意を保ち挑んできます。
アルサス軍はキュレネー兵を全員討ち取るまで戦い続ける事になりました。
戦いはアルサス軍の勝利に終わりました。
アヴィンとミルが予想を超えた活躍を示してくれました。
この二人若いですが部隊指揮もできますよ。
アルサス軍が引き上げた戦場にメルセゲルとウヴァートというアーケンの使徒が現れます。
アルサスを襲ってきたのはウヴァートの作戦でした。
ウヴァートはティル=ナ=ファの力が使われるか知りたかったようです。
かつてアルサスを襲ってきたレネートって怪物を仕向けたのもメルセゲル達のようです。
ウヴァートはティル=ナ=ファの力が使われなかった予想外だと残念そうにしています。
セレスタの町で祝勝会が開かれる事になりました。
ティグルは街の有力者にお礼を言って回っています。
エレンはティグルの代わりに喧嘩が起きないか監視しています。
ティグルは犠牲者の遺族を訪れ慰めています。
ティグルの元に町の有力者からマクシミリアンの居場所が分かったって知らせが入ります。
自室に戻ったティグルはミルとアヴィンを同行させるか悩んでいます。
二人の強さが分かったので同行させたいようですがティル=ナ=ファの力を引き出している事を教える必要があります。
やってきたエレンが一応誘ってみろ、断られたら当初の予定通り二人で会いに行こうと提案してくます。
ティグルはエレンに背中を押されて迷いを払拭する事ができました。
エレンが部屋の外に異様な気配を察知します。
二人で身構えていると入ってもいいか?と問いかけられます。
許可を出すと扉をすり抜けて小男が入ってきました。
何者だ?と警戒すると、会いたいと思っているようだから来てやったんだぞ、と呆れられます。
入ってきたのはマクシミリアンでした。
驚いた事にマクシミリアンはテナルディエ公爵との戦で行方不明になったガヌロン公爵でしたよ。
ガヌロンはティグルがテナルディエ公爵との戦いで黒弓の力を使って以来監視していたそうです。
ティグルはキュレネー軍に対抗する為にティル=ナ=ファの力を引き出したい協力してくれとお願いします。
ガヌロンはキュレネーの脅威をアーケンの脅威と言い換えています。
ガヌロンはティグルの予想以上に事情通でした。
アーケンとティル=ナ=ファが冥府の覇権巡り争いティル=ナ=ファが勝利したと教えてくれました。
アーケンが直接手を下さないのは力が強すぎるからだと言っています。
ティグルがアーケンを倒す方法を質問すると不遜だと言われてしまいます。
神とは人間では太刀打ちできないから神と言うのだ。
神を倒すなら神をあてるべきだと諭されます。
ティグルはティル=ナ=ファを降臨させればアーケンに勝てるのか?と問います。
ガヌロンにも結果の予想は難しいようです。
ですがやってみる価値はありそうな反応を示します。
ティル=ナ=ファを復活させるには竜具が二つ必要だと教えてくれました。
ティグルが生き残っている戦姫は一人だけで死んだオクサーナの竜具をメルセゲルが封印していたと教えます。
ガヌロンはアーケンの使徒が竜具対策を行っていると知ります。
封印されているので新たな戦姫を選べないようですね。
竜具はアーケンの神殿に封印されていると教えてくれます。
ティグルとエレンはキュレネー本国に行かなければならないのか?と絶望感に苛まれています。
ガヌロンから意外な事実が語られます。
キュレネー軍がジスタートにある他の神を祀った神殿をアーケンの神殿に作り変えていると教えてくれます。
一番近くの神殿を聞くとセレスタから二日の位置にある事が分かりました。
ティグルはガヌロンに助力を乞いますね。
ガヌロンはティグルに可能性を見出したようです。
エレンにも興味を持ちました。
戦姫になれる可能性があると言って同行するように命じてきます。
明日の昼頃にまた来ると言って帰って行きます。
ティグルとエレンは人外とおぼしきガヌロンと対峙したのでどっと疲れています。
そのままティグルのベッドで眠る事になりました。
疲れていたのでそのまま寝てしまいました。

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6 銀閃の風姫
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寝坊したティグルをティッタが起こしにきました。
エレンが一緒に寝ているのを見たんですが彼女は咎めません。
二人は慌てて朝食をとり死者の埋葬に向かいました。
埋葬が終わり屋敷に戻った二人はリムとティッタに町を離れると伝えます。
戦の翌日に領主が町を離れるのは褒められた行為ではありません。
住民に要らぬ心配をさせてしまいます。
どうしてもティグルとエレンが向かわなければならないと伝えると認めてくれました。
ガヌロンと出かける事は教えても目的は語れませんでした。
ティグルはガヌロンから教えられた情報をサーシャに伝えようと考えます。
信頼できる誰かをシレジアに向かわせる必要がありました。
リムが自分が行くと言ってくれますがティッタを一人にしてしまう事になります。
リムが向かってくれれば心強いのですがティグルは頼めません。
ティッタがリムがシレジアに向かうことに賛成してくれました。
彼女は各々が自分にできる最善を尽くそうと言ってくれました。
リムがシレジアに向かう事が決まります。
屋敷から出て行くティッタがエレンの夢を見たと言ってきました。
夢の中のエレンは立派なこしらえの剣を持って馬に乗ってどこまでも走っていたそうです。
エレンはきっと勝利を皆に知らせる為に駆けていたんだろうって感想を持ちました。
ティッタはミルとアヴィンが普通の人間ではないとティグルに言ってきます。
二人からはセレスタで長く暮らしている人と同じ匂いがするんだそうです。
しかし二人がセレスタを訪れたのは今回が初めてです。
ティッタの不思議な感覚はよく当たるので二人が特殊な存在である可能性が高まります。
ティグルはガヌロンの危険性が分かっているのでアヴィンとミルを連れて行かない事に決めました。
二人でガヌロンの到着を待っていると不機嫌そうなミルとアヴィンがガヌロンを連れてやってきました。
二人はガヌロンを知っていて強い敵愾心を抱いています。
激昂しているミルがガヌロンの行状を語ろうとしますがアヴィンに止められています。
もう少しで二人の秘密が判明しそうだったんですけどね。
二人はティッタからティグルとエレンが町を離れると聞いて理由を聞きに行こうとしていました。
途中でガヌロンを発見してしまい詰問し始めます。
面倒に感じたガヌロンは領主と一緒に出掛けると答えました。
これでティグルがガヌロンに頼ろうとしている事がバレました。
意外な事にガヌロンはミルとアヴィンを同行させるように言ってきます。
血気盛んな二人は隠れて付いてくるだろうから最初から同行させろと言ってきます。
五人でアーケンの神殿に向かう事になりました。
アーケンの神殿に到着したティグルは異様な雰囲気を感じ取ります。
全員で中に入る事になりました。
中は埃が積もっていて人の気配がありませんでした。
誰かが出入りしている様子もありません。
誰もいないんですが誰かに見られている感じがしました。
最奥部に到着すると天井に大きな円環が描かれていました。
ガヌロンが壁を押すと仕掛が作動して奥に続く隠し通路が現れます?
建物の構造から考えて壁の向こう側は神殿の外の筈んですけどね・・・
隠し通路を進むと広い場所に出ました。
そこに琥珀の柱が立っていて竜具と黒弓が封印されていました。
黒弓が封印されている事からティグルはレネートがアーケンの使徒が送り込んだ怪物だったと気付きます。
天井に犬頭の使徒が張り付いていました。
ウヴァートと名乗る使徒はティグルの出現を喜んでいます。
ティグルが先制攻撃を仕掛けますが放った矢はウヴァートに当たる前に勢いを失い地面に落下しました?
ティグルは何らかの不可思議な力の存在に気づきます。
ウヴァートが反撃してきます。
キュレネー兵の魂を呼び出して死体を嗾けてきました。
ミルとアヴィンが死体の相手をしています。
エレンがウヴァートに斬りかかりますが手応えがありませんでした。
斬った瞬間に腕の力が抜けたと言っています?
エレンはミルとアヴィンと交代する事にします。
アヴィンが黒弓を放つとウヴァートが驚愕しています。
アヴィンの黒弓にはヴォルン家の黒弓と同等の力があるようですね。
ミルも青く輝く剣でウヴァートを斬りつけました。
彼女の剣はウヴァートに打撃を与える事ができました。
ウヴァートはアヴィンとミルの方が脅威になると判断します。
ティグルへの警戒心がなくなりました。
ティグルはウヴァートの意識が自分から逸れるのを待っていました。
石片を握りしめてティル=ナ=ファの力を引き出し瘴気で作った矢を放とうとしています。
ウヴァートが気付いて黒弓の封印されている琥珀の柱の前に陣取り守ろうとしてきました。
ティグルはガヌロンのエレンが戦姫になれるって言葉とティッタの夢を思い出します。
ウヴァートが黒弓を守ろうとするって予想もありました。
ティグルは竜具に向けて瘴気の矢を放ちました。
琥珀の柱に罅が入りますがまだ砕けません。
エレンに声を掛けると彼女が琥珀の柱を砕きました。
砕けた柱からアリファールが出てきました。
竜具を解放したエレンを殺そうとしてウヴァートが飛びかかります。
エレンは剣が砕けてしまい攻撃手段がありません。
ティグル、ミル、アヴィンの助けは間に合いません。
エレンは最後まで戦士であろうって心意気からウヴァートを睨みつけます。
エレンの元にアリファールが飛んできて彼女を守りました。
エレンがアリファールを手にするとアリファールに認められたと感じます。
エレンが戦姫になった瞬間です。
エレンは前の持ち主ラダと面識がありました。
レダからアリファールがエレンを応援していると言われた事があります。
アリファールはエレンを新たな持ち主として選んだのね。
エレンは竜技を使えるようになっています。
アリファールでもウヴァートにダメージを与える事はできませんでした。
ミルからウヴァートが自分への攻撃を他所に逸らしていると教えられます。
ミルもアーケンの使徒について隠している事があるようです。
ミルの近くに居ればウヴァートにダメージを与えられると言われたので二人掛かりで攻撃する事になります。
エレンとミルが連携してウヴァートを倒す事ができました。
彼が滅んだと確認できたのでティグルは二人が隠している事を問いただします。
これ以上隠しきれないと考えたアヴィンは秘密を語ろうとしますがウヴァートの亡骸から瘴気が吹き上がります。
ウヴァートの瘴気よりも強大で瘴気の球体に変化しました。
恐ろしさからエレンとミルとアヴィンは冷静さを失ってしまいます。
ティグルは攻撃の意思がないと分かったようですね。
攻撃するなと命じますが三人は止まりませんでした。
球体は三人の攻撃を跳ね返します。
衝撃でティグル達は吹き飛ばされてしまいます。
一早く立ち上がったティグルが正体を問います。
球体はお前たちがアーケンと呼ぶ存在だと答えました。
アーケンがウヴァートの死骸を使って姿を現しました。
ティグルは石片に力が残っていると悟りエレン達を逃がす事にします。
エレンに二人を連れて逃げろと命じてアーケンに向かって突撃して石片を突き刺します。
アーケンの瘴気が動きを止めました。
アヴィンが悲痛な表情でティグルごとアーケンを射殺そうとしています。
エレンは動けませんでした。
アヴィンも躊躇いがあるのか瞬時に矢を放てませんでした。
ミルが立ち上がりアヴィンの攻撃を邪魔してきます。
アヴィンの弓はティグルを殺す為にあるのではないと言っています。
エレンはティグルの願いに従う事にします。
爆風を生み出す竜技を使い二人を担いで逃げ出そうとします。
竜技を連発したので途中で力尽きてしまうんですがアヴィンがエレンとミルを担いで逃げました。
アヴィンはティグルをアーケンに呑み込ませてしまった事を悔いて泣いています。
三人が神殿の外に飛び出したタイミングで神殿が崩れ去りました。
エレンはアリファールで瓦礫を吹き飛ばしてティグルを救い出したいって衝動に駆られます。
瓦礫の下にはアーケンが埋まっている可能性が高いので思い留まります。
アヴィンがエレンに向かって斬ってくださいとお願いしてきました。
ティグルをアーケンに呑み込ませてしまった責任を取ろうとしています。
エレンはアヴィンにティグルを狙った理由を問いただします。
アヴィンはティグルがアーケンに呑み込まれるとアーケンが強大化すると知っていたと答えます。
占術のようなものだと言っています。
ミルも同じ予知をしっていたんですが彼女は自分の努力で結果を変えられると考えていました。
ごめんなさいと謝ってきました。
エレンは二人を連れてセレスタに帰還する事にします。
アヴィンは躊躇しますがエレンはアーケンの使徒と戦うって目的が変わってないなら手伝えと伝えます。
私に斬ってもらい許してもらおうと思うなと告げます。
アヴィンは滂沱の涙を流してエレンに従う事にします。
ミルの方は誓いを立てて決意を新たにしています。
神に挑んだので死んでいると考えるのが妥当なんですがエレンはティグルの生存を信じています。
ミルからティグルが生きていると思っているの?と問われてティグルは神ごときにやられはしないと答えます。
口に出していみると、きっとそうだ、と思えました。

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7 失われたもの、残したもの
>>
意識を取り戻したティグルは暗闇の中に居ました。
アーケンの声が聞こえてきます。
「汝、従うべし」と繰り返してきます。
ティグルは意識を強く持って抗おうとしますが無駄でした。
アーケンの意思に包み込まれてしまい侵食されてしまいます。
ティグルはエレンの名を呟いて意識を失います。
エレンはアヴィンとミルを連れてセレスタに戻ってきました。
ティグルが居ない事を町の人に知られるわけにはいきません。
夜まで待ってエレンだけがティグルの屋敷に向かいます。
応対に出てきたティッタはエレンの姿を見て喜びますが隣にティグルが居ない事で察したようです。
エレンはティグルがアーケンに囚われたとは言えませんでした。
キュレネー軍に捕まって行方不明になったとだけ伝えます。
町の有力者にもティグル不在を伝えて対処してもらう必要があります。
ティッタに頼んで翌日彼らと面会する事になります。
ティッタは泊って行く事を勧めますがエレンは辞退します。
ティッタに悲しむ時間を与えてあげる為です。
ティグルの両親ウルスとディアーナの墓の前で夜明かししようと考えます。
そこにガヌロンがやってきました。
エレンはアーケンの使徒を前にして敵前逃亡したガヌロンに怒りを覚えます。
ガヌロンは共闘するとは言ってないじゃんとティグルが囚われた事に関して興味が無さそうです。
エレンがアリファールを持っているのを見て重畳と喜んでいます。
エレンはガヌロンをぶっ殺してやりたいと思うんですが我慢します。
ティグルの両親の墓前で殺戮劇を行いたくなかったからです。
ガヌロンが現れたのは助言を与える為でした。
竜具をもう一本解放しろと言っています。
必要な竜具は2つじゃなかったのか?と問うと竜具は多ければ多いほど黒弓は力を発揮すると言われました。
翌日有力者にティグルが行方不明になった事を伝えてエレンはシレジアに戻りました。
ティッタは健気にもティグルの無事を毎日神々に祈ると言ってくれました。
シレジアに戻ったエレン達は王都の様子に驚きます。
状況が悪化している事が分かったからです。
王都に入る為の長蛇の列ができていました。
見れば着の身着のままの人々が並んでいました。
夜になりこっそりと王都に入ります。
リムがエレンを迎えてくれました。
サーシャの元に向かい竜具を手に入れ戦姫になった事を教えます。
側に居たリュドミラが驚いていました。
ちょっと羨ましいのかもな・・・
エレンはティグルがアーケンに呑み込まれた事を伝えました。
竜具を手に入れ戦姫が一人増えたのは良かったんですがティグルを失ったのは大きな痛手です。
サーシャはティグルはブリューヌで情報収集を続けている事にします。
ティグルがアーケンに呑み込まれたとは言えませんからね。
エレンはアヴィンとミルを紹介しました。
色々と秘密を持っているがキュレネー軍との戦い方に精通していて指揮官としても非凡だと伝えます。
アヴィンは堂々とサーシャに向かってアーケンを倒すまで秘密を明かすのは待って欲しいとお願いしてきます。
サーシャは面食らったようですがエレンが認めているので信じる事にします。
アヴィンとミルはアーケンの事を知り過ぎている感があるんだよな。
本当に何者なんだろうね?
エレンはティグルと親しいルーリックだけにティグルが行方不明になった事を伝えました。
ルーリックは大きな衝撃を受けたようですがティグルが行方不明になった事を秘匿してくれます。
彼なら上手くティグルの不在を隠してくれるだろうとエレンは期待しています。
リュドミラがアヴィンを客室に案内する事になりました。
アヴィンはリュドミラの体裁きから単なる文官とは思えないと考えます。
鍛えているのか?と質問してきます。
リュドミラは母から槍をならっていたと答えます。
彼女の母が戦姫だったと知っているアヴィンは戦姫になって欲しいとお願いしてきます。
リュドミラはアヴィンの期待に満ちた目を見て過去を思い出して複雑な気分になっています。
戦姫になる事を期待されて育ち竜具に選ばれなかったのがリュドミラです。
周囲を失望させたと感じているので苦々しい感情を抱えているようです。
アヴィンはリュドミラの為に槍の竜具ラヴィアスを解放しようと決意します。
エレン達がシレジアに帰還した四日後にキュレネー軍が現れました。
メルセゲルが出てきました。
降伏勧告でもするのか?と思っていると予想外の言葉を伝えてきました。
「命を絶て」と言っています。
アーケンは優しいので信徒でない者にも等しく永久の安寧を与える。
痛みや苦しみを求めるな。
安らぎを願い、神の慈悲にすがれ。
と言ってきました。
要するに無駄に抵抗して苦しむな大人しく殺されて安らぎを得ろって事ですね。
アヴィンが慈悲って言葉に強い反感を抱いています。
ミルは呆れ気味に彼らの理屈ではそうなるんでしょと言っています。
メルセゲルが自陣に戻ると代わって馬に乗った一人の男が出てきました。
エレンは城壁の上に陣取り見ていたのですが驚愕しています。
現れたのはティグルでした。
ティグルからは禍々しい気配が漂っています。
彼は白い骨のような弓を持っていて矢をつがえます。
矢の先に瘴気が集まってきて渦を巻き始めました。
エレンはティグルが城門を破壊しようとしていると察して竜技を放とうとします。
暴風を生み出すエレンの竜技に巻き込まれればティグルは木端微塵になります。
エレンは一瞬躊躇してしまいます。
ティグルの放った矢が城門を粉砕しました。
城壁の周りには深い壕があるのでそれだけでは城内に入れない筈でした。
キュレネー軍は戦像部隊を進軍させます。
エレンは彼らの狙いが分かり戦慄しています。
キュレネー兵は死を厭わないので戦像部隊は平然と壕に向かったダイブします。
勿論着地などできないので地面に叩きつけられて即死するんですが後続の戦像がダイブしてきます。
死体が折り重なり壕の高さに到達してしまいます。
死体の上を通れば城門に到達する事ができるようになりました。
エレンは竜具で風を操り城壁から飛び降ります。
ティグルが操られているのか確認する事にします。
ティグルは操られているわけではなく自分の意思でアーケンに従っていると答えました。
エレンはティグルが裏切ったと知り心が張り裂けそうになっています。
彼との思い出が蘇るんですが心の奥底に沈めて敵として認識する事にします。
エレンはティグルが裏切った事をサーシャに伝える事にします。
ミルとアヴィンがエレンを追いかけてきました。
城壁から飛び降りて先行したのを咎めてきます。
エレンは堀を無効化している戦像の死体を噴き散らそうと考えます。
ミルとアヴィンにティグルを押さえておくように命じて竜技を放ちます。
戦像でできた道を崩す事ができましたがエレンは竜技を放った事でふらふらです。
ミルとアヴィンを相手にしてもティグルには余裕がありました。
ジスタート兵がエレンの命令で城門を塞ぎ始めているので吹き散らす事にします。
瘴気を纏った矢を放ちました。
エレンが三度目の竜技を放ち対抗しようとしたんですが押し負けます。
エレンは吹き飛ばされてしまいました。
城門の穴を通って王都内に吹き飛んで行きました。
アヴィンはこの場でティグルを倒す事を断念します。
エレンは消耗して気絶していました。
ミルはアヴィンにエレンを担いで逃げてもらいます。
自分はジスタート兵と共に侵入を試みるキュレネー兵を押しとどめる事にします。
ティグルは馬に乗って王城に向かおうとしていました。
そこをサーシャが強襲してきました。
サーシャは憎々し気に裏切ったと聞いたけど本当だったようだねと言ってきます。
ティグルは言葉を返しませんね。
サーシャの強さはティグルの予想を超えていました。
若干不利な戦いを強いられていますがダメージを受けるほどではありません。
背後にエレンの気配を感じ取り振り向きます。
振り向いた先には剣を担いだミルが迫っていました。
ティグルはエレンの気配を読み間違えた事に驚愕して一瞬の隙が生まれます。
あれ?エレンの事なんで何とも思ってないんじゃないのか?
普通に攻撃してたんだけど?
サーシャの攻撃はかわしたんですがミルに左肩から右わき腹までザックリ斬られます。
ミルは止めを狙いますがキュレネー兵が押し寄せてきました。
サーシャはミルを連れて撤退する事にしました。
倒れたティグルに一人のキュレネー兵が駆け寄ります。
彼はティグルの事を閣下と呼んでいますね?
ティグルは短期間にキュレネー軍の要職に就いたようだ。
ティグルが名を尋ねるとディエドと名乗っています!!
あれだ、アーケンへの信仰心が薄いキュレネー兵だ。
目の前に兄の仇が居るんですがディエドはティグルを慕っているようです。
キュレネー軍には良い治療薬があるんだろうか?
結構な深手だと思うんですがティグルは助かるみたいだよ。
ティグルは次の戦場はどこだろうな?と考えています。

>>
エピローグ
>>
南の城門が破壊されたという報告をサーシャは王宮ではなく市街の中央にある広場で聞きました。
連絡が容易なのでここで指揮を執っていたからです。
城門が破られたと知ったサーシャは北と西から民を非難させる事にします。
民を逃がし終えると王都に火を放って離脱するよう兵たちに命じました。
ティグルが裏切ったと聞いたので王都で倒さなければと考えます。
ティグルの裏切りがブリューヌに伝われば混乱は必至です。
それにティグルは戦姫について詳しく知り過ぎています。
絶対に逃がす事はできません。
ティグル迎撃に向かう途中でエレンを連れて逃げているアヴィンとミルに出会えたのは幸運でした。
同行していたリュドミラにエレンとアヴィンを任せてミルを伴いティグルの元に向かいました。
ミルと連携してティグルを追い込む事はできましたがキュレネー兵に阻まれて止めは刺せませんでした。
ミルはティグルが裏切ったと信じられず涙を流しています。
サーシャはヴォージュ山脈で決着を付けようと考えています。
気絶していたエレンが意識を取り戻します。
アヴィンに背負われて逃げている最中の事です。
王都が燃えている姿を見てエレンは悲しみに包まれています。
ティグルやサーシャとの思い出が多いので悲しいようです。
エレオノーラ様との声が掛かり驚きます。
アヴィンと二人で逃げていると思っていたんですがリュドミラが居ました。
アヴィンからリュドミラのお陰で逃げ切る事ができましたと教えられます。
見れば彼女は血濡れの槍を持っていました。
アヴィンからリュドミラが迫りくるキュレネー兵を槍で打ち倒してくれたと教えられます。
お礼を言ったエレンにリュドミラは戦姫様を守るのは当然ですからと答えます。
普段と変わらぬリュドミラの姿勢にエレンは自らを奮い立たせる事にします。
リュドミラが戦姫になりたいと望んでいたと知っているので彼女に恥じない存在たろうとしているみたい。
エレンは自分の心の中にいる王のために戦うと宣言しました。
エレンの言葉はリュドミラに響いたようですね。
彼女は戦姫になりたいって己の心に向き合う事にしたのかも。
アヴィンはリュドミラに希望を見出しています。
ミルが無事を知らせる為にやってきます。
サーシャも無事に脱出して撤退の指揮を執っていると教えてくれます。
この日ジスタート王国は滅びました。
ミルはリュドミラとアヴィンに期待しています。
二人が居ればまだ勝ち目は作れると考えています。
何かティグルっぽい考え方をしているね。
ティッタがティグルに言っていたミルからセレスタで長く暮らしていた匂いがするって発言が気になります。

成分表
成分含有量(5:多い、1:少ない)
美少女5
戦闘5
作戦5
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