ラノベの感想) 新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 第4巻 (電撃文庫)
概略:
国防を一人の魔法師に頼っている事を元老員の一人が憂慮します。彼は十師族に頼らない予備兵組織を作る事を考えます。噂という形を取って流します。この噂が九校戦に出場する選手を過度のプレッシャーを与えます。体調を崩して途中棄権する選手が出てきます。茉莉花は元々補欠選手だったので九校戦には出ない予定でした。選手に選ば手いた子がプレッシャーによって出場を辞退する事になります。茉莉花が代役としてミラージバットに出場します。茉莉花が出場する事になり一条茜が大喜びしています。茜と茉莉花の激闘が始まります。十師族のアリサは大きなプレッシャーを感じる事無く九校戦に望みます。
レーベル:電撃文庫
発行日:2022/8/10
著者:佐島勤
イラスト:石田可奈
ISBN:978-4-04-914340-9
雰囲気:大人の思惑、重圧、水着、騙し討ち、汗だく美少女抱き着き、昇格、抱き枕、飛行と飛翔、新戦術、僅差、超絶可愛い
この国に大きな影響力を持っている元老院という組織が存在します。
その一人矢間渡道具(やまと みちとも)がたった一人の魔法師に国防を頼っている状況を憂慮します。
司波達也の事ですね。
司波達也が表舞台に出て来て以来十師族の力関係が変化しました。
四葉家が抜け出す状態になっています。
達也が戦えなくなると四葉家の力も減退する事が予想されます。
彼らは十師族に頼らず国防を担う人材を集めようと考えました。
百家の魔法師から有望な人材を集めようと考えています。
集めた人材を国防予備隊として組織するつもりのようですよ・・・
この話を噂の形で百家の耳に入るように手配しました。
うーん陰謀論めいていて好きになれないやり方だよね。
百家の魔法師たちは子供たちに過度な訓練を貸す事になります。
九校戦に出場が決まっている生徒は親からの重圧で押しつぶされる事になります
アリサは補欠のままの茉莉花の心情を心配していました。
茉莉花は選手に選ばれなくても九校戦の練習は楽しいと言っています。
五十里明は魔工師を目指していて司波達也に憧れていました。
達也が一年生で技術者として九校戦でデビューしたので自分も技術者として参加したいと考えていました。
しかし明は一年生で最優秀の生徒なので選手として出場する事を期待されています。
結局選手として出場する事になるのですがアリサのCADの調整を手伝っていました。
魔法発動の負荷が低くなっていると評価されて嬉しそうにしていました。
明は達也が残した偉業の中で一番すごいのは魔法師の負荷を最小化して効果を最大にする魔法式を開発した事だと考えています。
同じ方向性で評価されたのが余程嬉しかったようですね、デレていました。
九校戦に向けて練習を続ける百家出身の生徒に精神的に追い詰められている生徒が増えています。
これは一高に限りませんでした。
国防予備軍の話が影響を出し始めていました。
彼らの両親は九校戦で活躍できれば元老院の関係者とのコネができると期待しています。
子供の活躍に家の浮上を託しているようです。
茉莉花は選手に選ばれませんでした。
応援をする生徒も希望すれば一緒のホテルに滞在可能だったのですが茉莉花は断りました。
茉莉花はミラージバットの出場選手を五十里明、十九側維慶と争っていました。
明と維慶が選手として選ばれるのですが維慶が体調を崩す事になります。
明と維慶は二人とも百家の出身なのですが事情が大きく異なりました。
五十里家は戦闘に向いていないと自覚していました。
国防予備軍の話にも魅力は感じていません。
ですので明は親から過度の期待をされなかったようです。
対して維慶は両親から九校戦で活躍を期待されていました。
両親は維慶が活躍すれば家の地位が向上するきっかけにできると考えていました。
不調の維慶に代わって茉莉花が出場する事になると維慶の友人が心配しています。
友人たちは茉莉花の存在を好ましく思っていませんでした。
茉莉花はその感情を敏感に感じ取り選手団と同行するのを避けたようですね。
茉莉花はアリサや部活や風紀委員の先輩の試合は見に行くつもりでした。
自宅と会場の富士山麓を何回も往復するつもりだったのね。
学校側が応援に行きたいけとホテルの部屋が取れなかった生徒に配慮してバスを出してくれる事になりました。
運転するのは教師で紀藤先生が率先してその任に当たってくれます。
アリサは紀藤が茉莉花を注視しているとの疑いを深めています。
三高に進学した十文字竜樹は海岸でモノリス・コードの練習に励んでいました。
そこに水着姿の一条茜とレイラが現れます。
茜は水着を見せつけるように堂々としていますがレイラは恥ずかしそうにしていますよ。
茜から応援に来たと言われて竜樹が訝しんでいます。
彼女はミラージバットの選手です、三高で練習している筈でした。
茜が吉祥寺真紅郎を発見しました。
軽やかに彼に駆け寄りますよ・・・水着美少女が自分に向かって掛けて来る!!
真紅郎め、なんて羨ましいんだ!!
彼は後輩の練習を手伝っていましたよ。
茜が水着で応援に来たことを真紅郎も訝しんでいます。
茜から予想外の回答が返ってきました。
本戦に出場する先輩が集中して練習したいので新人戦にでる一年生はお休みを貰えたと言われました。
経験値が足りない一年生に練習をさせないとは真紅郎が驚きに包まれていますね。
茜から百家の先輩が国防予備軍の噂を聞いた両親からのプレッシャーが強くなっている事を教えてあげました。
国防予備軍の話が九校戦に大きな影響を与えそうですね。
会場に向かうバスの中で維慶が腹痛を訴えました。
ストレスですね。
新人戦が始まるまでの間に彼女の体調は回復するのでしょうか?
九校戦が始まり一高と三高の争いになります。
茉莉花が応援にやって来ました。
維慶の体調が回復しないので彼女の友人たちは茉莉花に非友好的な視線を送ってきます。
彼女達は茉莉花が維慶の代役としてミラージバットに出場するのが許せないようですね。
茉莉花は何日も応援の為に往復しているのでアリサはホテルに泊れば良いのにと考えています。
茉莉花は維慶の友人たちの視線を敏感に感じ取っています。
選手が集まっているテントに入る事も躊躇していました。
アリサの出場する女子クラウド・ボールが始まりました。
ペアを組む日和とアリサは過度なプレッシャーを感じていませんでした。
二人とも試合に勝とうと純粋に考えています。
クラウド・ボール部が活動していたのが一高と三高だけなので彼女達は優勝候補でした。
明が優勝への秘策を思いつきます。
彼女は選手なので作戦立案にも参加していますね。
得点差を付けて勝つことを提案しました。
三高が小さい得点差で勝ったのでチャンスありと考えたようです。
順調に勝ち三高と優勝を争う事になります。
明が三高に勝利する為の秘策を思いつきました。
三高はアリサの使う十文字家の「ペルタ」という魔法を警戒していました。
女子クラウド・ボールは三セット制で二セット先取した方が勝ちです。
明は一セット目にペルタを全開で使う事を提案しました。
三高がアリサのスタミナに難があると考えていると予想したからです。
一セット目を大きな得点差でとりました。
二セット目はアリサにペルタを使わないようにと指示します。
三高にペルタと他の魔法を登録してあるCADを使い分けていると思わせる事にします。
二セット目は三高が取るのですが点差は僅差でした。
三セット目が始まります。
アリサは最初からペルタを使いませんでした。
三高に三セット目はペルタを使わないと思い込ませています。
残り時間が半分になった段階でアリサがペルタを使い始めます。
意表を突かれた三高は動きが鈍り一高に得点されます。
三高も必死に得点を奪いに行きます。
試合が終了した時に両校は同点でした。
ここで特別ルールが発動されました。
同点の場合は得失点差が評価される事になります。
クラウド・ボールは多くの得点が入るので同点になるのは稀です。
それが起こったぞ。
明の思惑通りアリサと日和は得失点差で優勝を手にしました。
感激した日和がアリサに抱き着いてきましたよ!!
ふおー汗だくの美少女が抱き合っていぞー。
なんつーのアリサと日和の間に挟まれたいぞ!!
負けた三高はCADを使った騙し討ち作戦をアリサが考えたと思っています。
性格悪いと評していますが考えたのは明だよ。
アリサはとんだ風評被害を受けています。
見送りに行くというアリサを宥めて茉莉花は帰りのバスに急ぎます。
そこを風紀員の先輩である裏部亜季に呼び止められました。
亜季が重大なお願いをしてきましたよ。
維慶がミラージバットの選手を交代して欲しいと願い出たそうです。
驚いた茉莉花は固まってしまったぞ。
亜季は泊り支度をして応援に来てと言っています。
その夜、茉莉花はアリサに電話しました。
話が選手への昇格だと知ったアリサは日和にも話を聞いてもらう事にします。
茉莉花は自分が何度も応援に来ていた事が維慶に余計なプレッシャーを与えてしまったのでは?
それが選手交代に繋がったのではないか?と気にしています。
茉莉花ってすごく繊細なのな・・・
それを日和が強く否定してくれました。
茉莉花が気にする事ではない。
何となくドロドロした嫌な感情が日和によって払拭されました。
日和のカラッとした性格が良いです。
茉莉花は交代選手とて出場する事に肯定的になりました。
ホテルの部屋割は同じ種目に出場する選手がペアになっています。
維慶は明と同室でした。
茉莉花は彼女と交代したので明と同室になるのが順当です。
ここで明と日和が気を使ってくれます。
日和はアリサとペアだったので彼女と同室でした。
日和が明の部屋に移ってくれました。
いい子だ、本当に。
ホテルの浴室は狭かったので混浴する事はできません。
茉莉花はアリサと混浴したかったのね。
全力でアリサに甘えます。
入浴はアリサ、茉莉花の順でした。
バスタオルを巻いて出てきた茉莉花がアリサに抱き着いてきました。
おー。
アリサは暫く抱き着かれていたのですがパジャマに着替えさせます。
消灯する事になるのですが茉莉花がアリサに圧し掛かってきましたよ!!押し倒した、押し倒したよね。
茉莉花は一緒に寝ると言っています。
アリサは茉莉花に抱き着かれたまま眠りました。
茉莉花はアリサのおっぱいに顔を埋めていませんか?いいなーいいなー。
翌朝目覚めたアリサは痛いと零しています。
抱き枕にされて体が痛くなったのね。
茉莉花がミラージバットに出場すると分かった茜が喜んでいます。
二人は決勝まで勝ち進まないと対戦する事は叶わないのですが茜は茉莉花の決勝進出を疑っていませんでした。
茉莉花の試合が始まります。
彼女はミラージバットの練習を始めてから自分の新たな可能性を見つけました。
遠上家に付与されていた高速移動の魔法を少しだけ使えるようになりました。
茉莉花は自分に移動魔法をかける事で疑似瞬間移動を実現しました。
それを使って一直線に光の玉に接近してバトンで叩いて行きます。
鮮烈な茉莉花の動きは茜と観客に大きな衝撃を与えました。
一高は茉莉花と明の二人が決勝に進みます。
茜は飛行魔法を駆使して順調に得点を重ねます。
彼女も決勝進出を決めましたが三高は彼女一人でした。
一高に有利な状況ですね。
茉莉花は決勝までの間に仮眠をとる事にします。
決勝は午後七時に始まります。
午後五時、アリサに起こされます。
起きた茉莉花はすぐにウォーミングアップを始めます。
下着姿で体操をしていますね・・・下着に汗がしみ込んできた頃にウォーミングアップを終えます。
なんかすごくエロい感じがしますな。
一高のテントに行くと明が来ていましたよ。
彼女から三高との得点差を聞き出します。
茉莉花と明がワンツーフィニッシュを決めれば一高の新人戦優勝が決まるようです。
茉莉花はワンツーフィニッシュで優勝できると言い出します。
明は自信過剰と思ったようですね。
茉莉花は試合に臨むなら勝ちを目指すべきと言い直します。
茉莉花は勝てるとは言っていませんでした。
決勝は茉莉花と茜がトップ争いをする事になります。
茜は高速で足場から一直線に的に向かう茉莉花のプレイスタイルに鮮烈な印象を持ちました。
見惚れていたのかもしれないな?
第一ピリオドは茉莉花がトップで終えます。
茜が追い込まれていますね。
応援に着ていたレイラから茜に的確なアドバイスがなされます。
レイラは茉莉花が進路上に他の選手が居る時は飛翔しない事に気が付いていました。
進路上に割り込む事で茉莉花の飛翔を邪魔するのが有効だと助言します。
茉莉花に勝ちたい茜は従う事にしました。
第二ピリオドに入り茜の動き方が変わりました。
彼女は茉莉花の進路上をわざと飛行する事にしました。
自分の得点ペースが落ちるのですが茉莉花の得点機会を奪う事になります。
アリサがすぐに茜の狙いに気が付きます。
アリサは卑怯と感じています。
同じように茉莉花も茜の戦術に気が付きました。
茉莉花は茜が卑怯な手段を使ってきた事にショックを受けています。
第二ピリオドの動きは精彩を欠くものになりました。
茜に逆転を許す事になります。
休憩時間にアリサは茉莉花の迷いを払拭する事にします。
茜は勝つ為に全力を尽くしているだけだ、決して卑怯な真似をしている訳ではないと説得します。
茉莉花の迷いが消えました。
勝ちに拘るって考え方は茉莉花にも理解できたようですよ。
アリサが茜に勝つ方法を思いつきました。
茉莉花に確認すると実行可能だそうです。
最後の第三ピリオドが始まりました。
茜は茉莉花の進路上に割り込む戦術を続けます。
茉莉花はこれまで他の選手との間に設けていた安全マージンを縮めてきました。
茜の至近を通過して光の玉を叩きに行きました。
茜は衝撃で態勢を崩す事になります。
アリサは嘗て黒羽亜夜子が似た戦術で大勝した事例を知っていました。
それを応用したのね。
ルール上茉莉花の行為は他選手との接触としてペナルティーを取られませんでした。
アリサの授けた作戦はもう1つありました。
ミラージバットは試合場を囲む鉄塔の内側で行われます。
ルール上鉄塔をつなぐ円の外側に身体が完全に出なければ問題ありませんでした。
茉莉花は鉄塔を足場にして方向転換を行う事にします。
他の選手の上空を移動する事になるので進路を邪魔される回数は大幅に減ります。
茉莉花は鉄塔を足場にして一直線に光の玉に突進する事が可能となりました。
日和が作戦を考えたアリサに向かって性格が悪いと評しています。
アリサも自分の性格が悪いと多少は自覚があるようです、軽く人聞きが悪いよ、と文句を言うに留めています。
茉莉花の得点を重ねる事になります。
茜も妨害よりも得点を戦術に切り替えます。
終了間際に茉莉花が同点に追いつきました。
最後に茜と茉莉花が同じ光球を狙います。
茜の方が近く茉莉花の移動スピードの方が速かったです。
しかし他の選手も同じ光球を狙っていました。
その選手が移動を始めた茉莉花の進路上に割り込みます。
茉莉花は接触を避ける為に身体を捻り光球を狙いに行きます。
身体を捻った事で一瞬茜に遅れました。
茜が一点差で優勝する事になります。
茉莉花は二位、明が三位に入りました。
負けてしまった茉莉花はあまり悔しそうにしていませんでした。
対して茜は物凄く消沈しています。
彼女は自分でも卑怯な手を使ったと思っているようです。
新人戦は一高と同点一位で総合順位は一位をキープしていると言われてやっと笑みを浮かべる事ができました。
その日の夕食時に維慶が茉莉花にお礼を言いに来てくれました。
維慶は父親から出場できなかった事をネチネチ叱られたそうですが顔にはだしませんでした。
十師族になれなかった家の子供は大変そうだ。
茉莉花は維慶が無理をしていると感じたのですが家庭の問題なので何も言えませんでした。
本戦の後半が再開されました。
一高はいったんトップに立つのですが三高に逆転を許し総合優勝を逃しました。
総合優勝は三高で一高は二位でした。
国防予備隊の設立を考えている矢間渡の目に留まった無名の家の魔法師は火狩浄偉、唐橘役、遠上茉莉花の三人でした。
浄偉がエレメンツの者で永臣家に仕えていると調べあげています。
茉莉花の素性も調べ上げていて十のエクストラだと知られていました。
役が第一世代で両親共に特段のしがらみがありません。
彼を取り込む第一候補にしたみたいですね・・・大丈夫なのか?
紀藤と早馬が安西の代理人に呼び出されます。
安西も矢間渡が茉莉花に注目していると掴んでいました。
紀藤が茉莉花に手を出そうとしている者の排除を命じられています。
なんだか殺伐としていますね。
閉幕のパーティーが始まります。
ビュッフェスタイルの料理を取りに行った茉莉花と茜が互いの姿を見つけて健闘を称え合う事になります。
茜は、運が良かっただけ、と自嘲気味ですね。
茉莉花は自分が一点差で負けた、それが事実、と指摘します。
茉莉花が話題を月末のマーシャル・マジック・アーツの全国大会の話に変えます。
茜があたしと当たるまで負けないでよと言ってきます。
茉莉花はそっちこそ、良い試合をしたいね、と返しました。
周囲は二人が握手して別れると思ったようですが、茉莉花と茜は「じゃあ、またね」と手を振り別れました。
アリサが茉莉花に「握手するかと思った」と告げます。
茉莉花が顔を赤くして「恥ずかしいじゃん」と答えました。
「えっ?」とアリサが驚いています。
茉莉花から、あそこで握手したら、周りから拍手されそうで恥ずかしかったので握手しなかった、と理由を告げられます。
それを聞いたアリサが「ミーナ、可愛い」と零しました。
本当だね!茉莉花が超絶可愛いぞ!!
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