ラノベの感想) 伝説の勇者の伝説 第10巻 孤軍奮闘の王様 (富士見ファンタジア文庫)
レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2006/4/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:4-8291-1817-2
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第四章 死の景色
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自分が死んだと思ったライナは死んだ直後に不思議な体験をします。
景色がぐにゃりと歪んで声が出るうえ自分の身体を視認する事ができました。
ライナの身体の周りを古代文字がめぐっています。
頭の中に声が響いてきました。
奥へ、奥へ進め、と言ってきます。
ライナはこの声に聞き覚えがありました。
奥へ進め、生け贄。
そういう契約のはずだ。
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声の主はラインが複写眼を暴走させた時に降ってくる声でした。
ライナは声の主に質問しています。
複写眼なのか?と質問すると、複写眼は我の模造品だと言われてしまいます。
ライナが『すべての式を解く者』なのか?と問うと、それはお前の事だと言われます。
ライナは訳が分からなくなってしまいます。
声の主は自分の事を神だと告げました。
そして奥に進んでお前の中の真実を見ろと告げます。
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リューラ・リュートルーがライナの死体を見下ろしていました。
ライナの胸にナイフを突き刺したのは彼のようです。
彼が使ったナイフは『アートファールの呪詛』という忘却欠片でした。
これを使ってライナに何かを施したようですね。
ライナを襲ってきた魔法騎士の装束を着た化物はリューラの仲間でした。
彼に命じてライナを安全な場所に運んでもらう事にします。
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そこにルシル・エリスが現れて勝手な事をして貰っては困りますと告げました。
ルシルとリューラは旧知のようです。
ルシルを見たリューラは、久しぶりだね、随分と大きくなった、と言っています。
リューラは幼いルシルに会った事があるようです。
二人の会話からリューラが公爵だった事が分かりました。
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ルシルはリューラがやろうとしている事が分かるようです。
ライナ君は扉を見せていい段階にはない、と告げます。
リューラは、それを決めるのは自分だと言っていますね。
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それに対してルシルは世界よりも息子を優先したリューラにその資格は無いと言ってるぞ?
リューラは妹の為に人間をやめたルシルに言われたくはないと返答しています。
ルシルは人間をやめていたんだね。
リューラはルシルと自分は似た者同士だと言っています。
お互い好きにやろうと提案しているぞ。
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ルシルがあなたのやり方は妻を生け贄に捧げる事ですか?と挑発してきました。
リューラはそれに乗らずに僕らはライナを愛しているんだと告げます。
リューラはライナの為に妻を犠牲にして何かをしたようですよ。
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ルシルがリューラを殺そうとしてきますがリューラの方が一枚上手だったようです。
リューラが古語を使った秘呪法を唱えます。
呪われろ、ルシル・エリス。
「ひかりをさくつるぎよ」ルシルが小さく唱えます。
ルシルの腕の先に闇色の鋭い光が現れました。
その光を振るって呪詛を斬ってしまいました!!
ルシルが戦闘動作を取るのは初めてかも知れないね!!それだけリューラが強敵ってことだね。
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ルシルの人間のモノとは思えない動きを見たリューラが、いくつの契約を交わした?と問います。
ルシルは1000だと返答します・・・リューラは唖然としていました。
ルシルは1000の魔と契約を交わしたようですよ。
彼の強さの秘密はここにありそうですね。
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リューラは『神獣消し』と呼ばれる首飾りを王城に向かって投げました。
そこにはルシルの人形であるシオンが居るんだよね。
『神獣消し』が爆発するとローランド城はシオンごと跡形も無く吹き飛ぶそうです。
周囲が闇に閉ざされます。
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ルシルはシオンを守る為に『神獣消し』と消し去る必要に迫られました。
その隙にリューラは逃げ出す事に成功します。
勝負は、おあずけのようだね、次に会ったときは・・・とルシルが言っていました。
リューラは、あんな化物相手にどうすりゃいいの?まいったね、こりゃ、と呟いています。
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シオンはローランド城の執務室からルシルが『神獣消し』を破壊したのを見ていました。
そこにはフロワードも居たようです。
戻ったルシルが、もう心配ないと告げます。
シオンがリューラはどうしたと聞くと、ルシルは逃げたと答えます。
シオンはリューラの事を知っていました。
逃がしたのはルシルらしくないなと呟きます。
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リューラを殺す時期じゃないと言ったのはシオンだろと反論してきます。
それに対してシオンは、もう、どうでもいいんだよ、どうぜ、なるようにしかならない、と告げます。
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フロワードが、あなたは、いったい、誰です?と問いかけてきました。
フロワードはシオンに秘密を明かされたようです。
色々と言いたそうなフロワードに向かって、さっき見せたものが、全てだと言っている、不服か?と問います。
フロワードは歓喜に震えています。
そして、満足ですと、答えました。
そんなフロワードに、奴を殺せ、本当の敵は、奴なのだから、と告げます。
フロワードは、ご命令通りに、と言って部屋を出て行きました。
奴とはリューラの事だろうか?
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一人になったシオンは吐血します。
しかしシオンが吐き出した血は金色でした。
シオンの体にも何らかの変化が起こっているようです。
彼も既に人間を辞めているようですよ。
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シオンが自分が変わり始めたのはいつ頃なのか思い出してます。
シオンが変わり始めたのはライナやキファと出会った頃のようです。
キファの裏切りでエスタブールの魔法騎士団と戦う事になり、ライナの暴走で、何とか生き残った後でした。
エリス家の道場に通され、ルシルに始めた会った時からシオンに変化が現れたようです。
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シオンはルシルがローランドの王として相応しいか選別する質問に答えてしまいました。
フェリスはこの時のシオンを止めようとしたようですが、シオンはフェリスの静止を振り切りルシルの質問に答えてしまいました。
シオンはこの時のルシルの顔を忘れないと言っています。
「はは。君はそう言うだろうと思ってたよ」ルシルは笑顔だったのかな?
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シオンは自分が王になる事でライナやキファや仲間たちを守れる。
素晴らしい国を作れると思って王になる事を決めたそうです。
しかし、シオンに待っていたのは、後悔、絶望、契約、でした。
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シオンは物語の登場人物になったようですね。
「狂った伝説の勇者の・・・伝説」という物語のようです。
ルシルも当然、物語について知っているようです。
彼が、物語は順調に進んでいる、だから、あまり無理をするな、と告げてきました。
シオンはあまり嬉しく無いようです、むしろ悲しくなっているようです。
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第五章 試験
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フェリスは朝の日課のだんご屋巡りの最終目的地、ウィニットだんご店に来ていました。
店先で今日のだんごの味を確認しています。
フェリスが、今日も素晴らしい出来だ、と告げると店主のおじさんは表情を輝かせています。
お茶とだんごを残して店主は店の中に戻ります・・・フェリスは店先でだんごを食べていました。
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彼女の視界にライナと同じ魔法騎士の装束を着た人物を捉えました。
その魔法騎士は同じ装束を着た男を担いでいました。
フェリスには担がれている男がライナに見えました。
彼女が声を掛けても担がれている男は反応を示しませんでした。
まるで死んでいるように感じられました。
フェリスは走り去る魔法騎士を呼び止めます。
しかし魔法騎士は止まりませんでした。
フェリスは剣を掴み追いかけようとします。
そこに彼女を呼ぶ声が掛かります。
それがライナの声のように思えました。
フェリスは振り返ります。
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そこに居たのは40代くらいの金髪で濃い青い瞳の男でした。
彼の雰囲気がライナに似ていました。
よく聞いてみると彼の声はそれほどライナに似てはいませんでした。
フェリスは何故ライナだと思ったのか困惑しています。
「なんだ・・・おまえ」と問いかける事になります。
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謎の男はライナが心配なのか?と質問してきました。
フェリスがライナに何をしたのか問いかけると、再び心配?と聞かれてしまいます。
フェリスに心配と問いかける男の表情は嬉しそうでした。
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謎の男はリューラだね。
リューラはフェリスにライナが好きなのか?と問いかけてきました。
フェリスは顔を赤くして動転してしまいます。
リューラにはフェリスがライナの事が好きなのがバレバレでした。
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フェリスがくだらない問答を続けるのなら命の保証はしないぞ、と脅します。
しかしリューラは余裕の表情で、命の保証が何だって、と言ってフェリスの構える剣を青白く輝く手で掴みます。
フェリスは危険を察知して一歩大きく後退しました。
フェリスの反応の良さにリューラは満足したようです。
君に守ってもらえるなんてライナはなかなか、良い娘にすかれているなぁ、と言っています。
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リューラはフェリスをテストする事にします。
リューラは呪文を必要としない魔法を使ってフェリスと戦う事にします。
戦闘中にフェリスは使っていた剣をリューラに取られてしまいます。
あのフェリスから剣を取り上げるとはリューラは人間離れした強さを持っていますね。
フェリスはリューラが自分よりも強い相手だと判断しました。
適わない相手から逃げる算段を始めます。
フェリスが逃げようとしている事はリューラにバレバレでした。
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リューラが準備動作無しでいきなり稲妻の魔法を発動します。
フェリスはギリギリでかわす事ができました。
フェリスの反応の良さにリューラは満足したようです。
リューラはフェリスにライナを守って欲しいと考えます。
彼にとって最後の懸念材料はフェリスがルシルの血族だと言う事でした。
そこで最終試験を行う事にします。
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リューラは先程ライナを殺したよ、と告げました。
フェリスは信じたくないようですね、嘘だと言っています。
しかしリューラにライナの死体を見ただろう?と問われてしまいフェリスはライナが死んだと認識しました。
頭が真っ白になり胸が苦しくなります・・・フェリスは泣き出してしまいます。
フェリスは逃げるのが正解だと分かっていましたが、素手のままリューラに向かって行き、死ね、と叫んで拳を振り上げました。
リューラは悲し気だけど嬉しそうな顔で笑っています。
リューラはフェリスの腕を掴んで、そのままドンっと腹を殴りました。
フェリスの意識は遠のいていきます。
合格、いじめて、ごめんね。
君はそこまであいつを、なら、君の剣に、力をあげよう、闇を切り裂く力を。
あいつを、守ってやっ
フェリスが聞けたのはそこまででした。
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声に従い、奥に向かったライナは人間の体内のように思える場所に到着します。
そこには一匹の化物が待っていました。
瞳の奥に朱の五方星が浮かんでいます。
化物はライナを喰らって封印を解くと言っています。
封印を解くとαに戻れるようです。
化物は消えろ『すべての式を解く者』と言ってライナの胸に爪を突き刺しました。
苦しみ始めたのは化物の方でした!?
ライナに痛みはないようですよ?ライナは訳が分からなくなっています。
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突然、化物の頭が爆発します。
そして化物の中から血まみれの女が出てきました。
女を見たライナは不思議な感覚に襲われます。
ライナは女の事を知っている気がしました。
そして愛していると感じてます。
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女はライナを抱きしめてきます。
「こんなに・・・こんなに大きくなって」と言ってますね。
ルシルとリューラの会話から考えると彼女はライナの母親だね。
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彼女はライナに会う為に化物の中でずっと待っていたと言っています。
ライナが誰なのか聞くと、契約でそれは教えられないと言われてしまいます。
そしてライナを愛していると告げてきます。
リューラとライナが居れば私はそれだけで幸せと言っています。
もう間違いなさそうだね、彼女はライナの母親のようです。
ライナはリューラって名前にも聞き覚えがありますが、誰なのか思い出せません。
ライナに幼い頃の記憶が無い事も、今回の事に関連しているようです。
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頭を吹き飛ばされた化物が復活し始めます。
彼女は『すべての式を編む者』が現れる前に、奥の扉に向かえと言ってきます。
ライナは彼女の指示に従い扉に向かう事になります。
彼女は復活した化物に喰われ始めてしまいます。
彼女の決死の覚悟に触れたライナは前に進む事になります。
ライナが扉に触れると奇妙な光景が見えました。
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そこには剣を持った一人の男が居ました。
男は剣を振り上げ女神を斬り殺していきます。
女神が全て殺されると世界が終わってしまうようです。
男は「・・・俺はおまえを・・・喰いたい」と言って最後に残った一人に向かって剣を振り上げました。
ライナは振り下ろされる剣の刃に映る、自分の姿を見ました。
死にたくないと叫ぶ、自分の姿。
愛していたはずの者に裏切られる自分の姿。
信じていたはずの者に殺される自分の姿。
それでも愛が欲しいと泣く・・・すでに人ではない、異形の悪魔の姿を見ました。
最後に殺されるのがライナで、異形の悪魔がシオンなのか?
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第六章 一番最後の、平穏について
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ライナは泊っている宿屋のベッドで目を覚まします。
今まで見ていたモノが悪夢だったと納得しようとして、鎧の胸の部分に穴が開いている事に気が付きました。
ライナが着ている鎧は物凄く衝撃に強い素材で造られているそうです。
特に熱に対する耐性が高く一度成型されると溶けないそうですよ。
溶かすほどの熱量が加えられた場合は装着しているライナも消し炭になっている筈なんでそうです。
そんな鎧の胸の部分が溶けて穴が開いていました。
ライナは自分の身体に変化が無いか確認する事にします。
驚きです、心臓の部分に夢の中で見た文字のような金属質の紋章が刻まれていました。
これを見て夢ではなかったと確信しています。
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ライナは複写眼の中に入れたのではないか?と考えます。
しかし何故入れたのかが分かりません。
あの場所で出会った女が誰なのかもわかりませんでした。
死ぬ直前に声を掛けてきた人物の名前も記憶が消されていました。
ライナが女の正体を聞いたときに彼女は契約により教えられないと言っていました。
ライナは重要な名称が記憶から消されている事から自分に何らかの呪いが掛けられたと察します。
徹底していると感心していますね。
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ライナ疑問点について考え始めます。
『消された記憶』
『胸に刻まれた文字』
『五方星の眼を持った赤い怪物』
『生け贄』
『鍵』
『扉』
『α』
『封』
『化物に喰われている女』
『懐かしい声の男』
『胸に空いた穴』
『剣を掲げた、泣き続ける男』
『剣に映った醜い悪魔』
『すべての式を解く者』
『すべての式を編む者』
分からない事だらけでライナは考えるのをやめ、昼寝をしようとします。
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そこにフェリスがやって来ました。
彼女は一大事だ、と言っています。
彼女は何か伝えたい事があるそうです。
彼女の嬉しそうな表情を見たライナはまた、だんご関係の話かな?と予想します。
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フェリスは今朝、だんご屋、巡りをしていてウィニットだんご店の前で突然気絶したと話始めます。
目覚めたフェリスは気絶している間に重大事件が起こっていた事に気が付いたそうです。
フェリスは気にしていませんが、ライナは突然気絶したフェリスの事が心配になります。
彼女を医者に連れて行こうと考えました。
シオンならば名医を用意できると考えシオンの元に向かう事になりました。
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シオンは執務室で覚醒したようです。
彼は意識を失っている間に執務を行っていたみたいです。
その間の行動の記憶はありますが、感情の記憶はありませんでした。
最近のシオンは数日間、意識を別な誰かに乗っ取られているようです。
俺はもう、喰われ始めているのか?と呟きます。
俺は負けないぞ、と呟くと、ルシルからの返事がありました。
ルシルはだからこそシオンを選んだんだと言っています。
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これに対してシオンはお前は味方じゃない、俺の中にいる奴の味方だろ?と問いかけています。
ルシルはどちらもシオンだよと答えています。
シオンがライナを救うぞ、と告げると、ルシルが笑い始めます。
ルシルはシオンは既に手を汚していると指摘してきます。
カラードを、と言っていたのでミルクの養父たちの抹殺を命じたのはシオンのようですね。
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そこにフェリスを連れたライナがやって来ました。
ルシルは姿を消します。
ライナはフェリスが突然気絶した事を教えて、良い医者を紹介して欲しいとお願いしてきます。
倒れた前後の記憶が無いとフェリスは言っています。
シオンも心配しはじめています。
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フェリスが気絶している間に起こっていた重大事項を発表する事になります。
夢の中にだんご神様がでてきて、フェリスの日頃の頑張りを称えてご褒美をくれたそうです。
証拠もあると言ってフェリスが剣を見せてきました。
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フェリスの剣の柄に近いところの刃に封印が貼ってありました。
円の中に、にっこり笑った顔が描かれています。
フェリスはそれを、だんご神様のご尊顔だ、と自慢しています。
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ライナとシオンはフェリスに何があったのか話し合います。
二人が気にしていたのは、彼女に気絶する前後の記憶が無い事でした。
二人はフェリスが重い病気にかかっているのではないか?と心配になります。
シオンはフェリスを医者に診せる事にしました。
医者を読んで貰おうとしてロビトという伝令役の部下を呼びます。
やってきたのはカルネでした。
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ロビトはカルネが貴族のご婦人に宛てたラブレターを届ける為に出かけているそうです。
シオンはカルネの病気が治っていない事にガッカリしています。
カルネはフェリスが居る事に気が付き、喜んでいます。
フェリスの前に跪いて彼女の手の甲にキスしようとしてきます。
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シオンはライナがカルネの行為に嫉妬しないかな?と期待していました。
しかしライナは関心なさそうにしています。
フェリスは知らない相手にキスさせるほど、軽い女ではなないぞと、カルネの行為を拒絶します。
フェリスはカルネの事を覚えていないようですね。
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カルネがフェリスを揶揄い始めます。
ライナが居なくなった時のフェリスは凄く動揺していましたね、と言い始めます。
フェリスは、焦って否定していますね。
カルネは、フェリスに愛されているライナは幸せですねと言ってきましたよ!!
これに対してライナとフェリスが揃って否定しています。
カルネは命知らずですね。
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フェリスを医者に連れて行く事になり、カルネはエスリナを呼びますよ。
やって来たエスリナに対して、カルネは彼女には興味が無いと装っています。
カルネは死んだフィオルに気を使いエスリナには手を出さないつもりのようです。
エスリナはカルネに惚れているようです。
そんな二人のやり取りをシオンは哀れだと感じていました。
フィオルがシオンにならエスリナを嫁がせても良いと考えていた事を思い出し、彼女がカルネに惚れてくれて良かったと感じてます。
シオンには自分には誰かを愛する資格は無いと考えています。
彼が王様なのに未だに結婚しないのは体に変調をきたしているのも原因の一つなのかも知れないな。
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シオンはフェリスを医者に連れて行くつもりでしたが、カルネとエスリナはシオンも入院させようと計画していました。
二ヵ月も前からシオンを一週間入院させる為の計画が動き出していたそうです。
これはエスリナの発案で毎晩彼女の枕元にフィオルが出てきてシオンを休ませろと訴えているそうですよ。
カルネがシオンの腕に手錠を掛けます。
続けてもう片方の手錠をライナの腕に掛けました。
そしてライナにシオンと一緒に入院するようにお願いしてきました。
ライナはカルネの計画に乗る事にしました。
フェリスは自分は逃れられると思ったようですが、シオンが彼女に有効な爆弾を落とします。
言う事を聞かないと、明日にはウィニットだんご店は営業停止だ、と告げます。
効果は絶大でした、彼女は入院する事を認めます。
ライナはシオンの脅し文句に気持ちよくなっています。
日頃の恨みが晴らせたように感じていました。
シオン、ライナ、フェリスは仲良く三人で入院する事になりました。
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シオンたちが入院した病院にクラウも入院していました。
ティーアに喰われて失った彼の右腕は禁呪詛を使って再生されていました。
今は禁呪詛を使った腕が定着するのを待っている状態です。
絶対安静を言い渡されているにも関わらず、クラウは腕立て伏せをしていました。
右腕に負荷をかける事により一刻も早く定着させようとの意図があるようです。
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お見舞いにやって来たノアが腕立て伏せをしているクラウを見て悲鳴を上げています。
ノアはクラウを止めようとして彼の身体を引っ張っています。
ノアの必死さが伝わって来ました。
彼女はクラウに無理をして欲しく無いようですよ。
彼女は完全にクラウに惚れているようです。
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クラウは自分が元気だと証明する為に腕立てを再会します。
ノアは体勢を崩してクラウの上に乗ってしまいます。
クラウはノアを乗せたまま腕立て伏せを始めてしまいます。
全くの逆効果でしたね、ノアはクラウに抱き着いてきて泣き出してしまいました。
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ノアの涙は効果絶大ですね、クラウはノアを泣かせる訳にはいかないので大人しくなります。
クラウはノアの事が好きなようですね、彼女を抱きしめたいと思っています。
しかし、それを誤魔化す為にノアが重いと嘘を吐きます。
ノアが慌てて立ち上がろうとしますが、彼女はクラウの背中から転がり落ちそうになります。
クラウが彼女を抱き寄せて受け止めました。
二人が抱き合っている時に、カルネがやって来てしまいました。
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カルネはお邪魔ですね、と言って出て行こうとしています。
クラウが妙な勘違いをするなと苦言を呈します。
カルネは負けませんね、昨日の夜中に訓練をし過ぎて、死にかけた事をバラシてしまいます。
ノアの目つきが険悪なモノになって行きます。
ノアはクラウに詰め寄ります。
「ク~ラ~ウ~さ~ま~・・・」
これは怖い、クラウは安静にしている事を誓う事になりました。
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ノアに給仕に言って、食べ物を持って来させて欲しいとお願いしました。
ノアが出ていくとカルネが持ってきたライナの調査報告書を読む事になります。
クラウは正体不明のライナが親友としてシオンの傍に居る事が心配なようです。
『複写眼』保持者だと分かっているので、その危険性を調べさせたようです。
クラウとカルネはエーミレル私設兵団の出身だそうです。
クラウは8期生の首席でカルネが15期の首席だそうです。
もっとも主席になれなかった生徒は殺されてしまい生き残るのは一人だけのようです。
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エーミレル私設兵団の卒業生は優秀で、スポンサーのエーミレル伯爵は有力者だったそうです。
カルネはエリートコースを邁進する事が決まっていたそうですが、クラウがそれを潰しました。
カルネが護衛しているエーミレルをクラウが殺したそうですよ。
クラウを始めてみたカルネは、なんだこの化物は、と思ったそうです。
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ライナの報告書はクラウが面白いと思える内容でした。
三〇七号特殊施設の出身で孤児。
12,3歳のころ『ローランド最高の魔術師」と呼ばれていた。
『隠成師』時代に『隠成師』のエリート、クヲント・クオを半殺しにして『ローランド最高の魔術師』の通り名が付けられる。
貴族に反感を持っていると分かりました。
クラウはライナの事を面白い奴だと評価します、そしてライナと戦ってみる事にします。
ノアが戻ってくる前にライナが居ると思われる病室に向かいました。
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ライナ、シオンは沈痛な面持ちで医者が検査結果を告げるのを待ちます。
フェリスはいつもの無表情でした。
フェリスの検査結果から発表される事になります。
バンポール医師は、あまり、よろしくないねぇ、と告げます。
ライナとシオンに緊張が走ります。
沈痛な面持ちでバンポール医師はフェリスが気絶したのは、偏食と過労が原因だと告げました。
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フェリスは私は健康だと勝ち誇っています。
しかしライナは彼女を怒鳴る事になります。
ライナはフェリスの偏食をどうにかしようとしています。
彼女にだんご一年禁止と言っています。
バンポール医者は偏食も不味いが、それよりも過労の原因が心配だと言ってきます。
フェリスは言葉を濁していますが、シオンが言わないとローランドではだんごの販売禁止令を出しちゃうぞ、と脅します。
シオン爆弾は効果絶大です。
フェリスは開店を控えただんご店の仕込みを手伝う為に二日ほど徹夜したと告げました。
また、だんごかーとライナは呆れていました。
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バンポール医師はフェリスよりもシオンとライナの方が余程問題があると告げます。
二人は食事もまともに取らないで徹夜で仕事をしていた事を咎められる事になります。
今度こそフェリスが勝ち誇った顔をしています。
さっきはずいぶんと大きなことを言ってくれたが、これはいったいどういうことですかな、お二人さん。
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諦めの悪いシオンは仕事量を維持したまま体力を回復する方法はないかと聞いています。
復帰したときの為に何日徹夜しても眠くならない薬はないかと問いました。
バンポール医師はまさか飲んでいませんよね?と心配しています。
シオンは、まだ飲んでいないよ、と答えています。
この口ぶりからすると、必要だと思えば飲みそうだよね。
シオンは、この手の薬の使用を禁止したのは自分だぞ、それを破ってどうするんだ、と言っていました。
ライナは疑いの目で見ています。
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シオンは病室で仕事をするので書類の用意をさせようと言って出て行きます。
フェリスもイリスにだんごセットを持ってくるように伝言してみようと言って出て行きました。
ライナは自分は昼寝しようと言って出て行こうとします。
この発言をバンポール医師に褒められる事になりました。
患者としては君が一番優秀だな。
ライナは得意になっています、患者って職業は向いていると思うんだと言っています。
勿論そんな戯言は無視されてしまいますよ、バンポール医師も出て行きました。
ライナだけが残っている部屋にクラウが入って来ました。
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ライナはクラウの顔を覚えていました。
ティーアを倒す為に突っ込もうとしてシオンに止められていた奴だな。
ライナはパロソンだっけ?と話しかけます。
違うと否定されるとポムだっけ?と言い直します。
クラウだ!クラウ・クロム、とクラウが自己紹介する事になってしまいます。
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クラウはシオンの親友様に挨拶がしたいと言って殴り掛かってきました。
ライナが避けるとクラウが攻撃のスピードを上げます。
ライナが更に避けるとクラウが更にスピードを上げました。
ライナがクラウの関節を決めようとすると力で弾き飛ばされてしまいます。
クラウの蹴りに回避が間に合わないライナはガードの上から蹴られました。
頭を揺らされたライナは膝が笑っています。
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クラウが魔法をフェイントに使って呪詛義手を使って殴りつけてきます。
ライナは対抗する為に魔法を唱えようとします。
そこにシオンの声が掛かりました。
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シオンはお遊びはそのへんにして仕事の時間で―す、と告げます。
シオンはクラウとライナを会わせようと考えていたようです。
勝手に挨拶を始めた二人を咎めています。
シオンから仕事を任されそうになり二人は逃げ出そうとします。
そして互いの足を引っ張り合い、相手に仕事を押し付けようとしています。
二人はお互いが大嫌いになりました。
結局二人はシオンに大量の仕事を押し付けられ、不眠と過労で倒れる事になりました。
危篤患者専用の病院に運び込まれてしまい、ノアが悲鳴を上げ、フェリスが哄笑を上げたそうです。
クラウの方はノアに優しくしてもらえた感じですね。
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この日が、穏やかな日々の始まりだった。
そして終わりはすぐにやってきた、と思い出しています。
これで終わりだなんて。
これが一番最後の平穏だったと気づく事ができただろう?と後悔しているようです。
本当に大切なことには・・・僕は、最後まで気づけない。
恐らくこれはライナの後悔なんだよね?
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第七章 そしてそれは、口を開く
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キファはガスターク帝国で牢屋に入れられていました。
キファがライナの事を喋ろうとしなかったのが原因の一つにです。
キファはライナがガスタークで重要人物と捉えられている理由が分からず困惑しています。
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彼女を牢屋に入れたのは、スイがローランドで重傷を負い帰還したのでローランドのスパイだと思われているキファを守る為の措置でした。
牢屋にレファルがやって来てキファに語り掛けます。
「本当に、綺麗だ・・・」と言っています。
キファはスイが助かったのか質問しています。
レファルは死ぬことは無いと教えてくれました。
キファの見た限りではとても助かるような傷には見えませんでした。
しかしガスタークには聖堂と呼ばれる不思議な施設があるらしく、そこに入ると傷の修復が可能なようです。
キファはカスタークが普通の国ではないとの思いを強くしています。
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レファルがキファに向かってライナが好きなのか?と聞いてきました。
キファはライナの顔を思い出して泣き出してしまいます。
レファルは、俺って失恋か?と言ってきますね。
彼のおどけた雰囲気にキファは笑ってしまいます。
少しは脈はあっただろ?とレファルが言ってきました。
キファが、ごめんね、と謝るとレファルが悲しそうな顔になります。
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レファルがやって来たのはキファにお願いをする為でした。
ライナと直接接触した仲間が戻ってきたのでキファからライナの情報を引き出す必要は無くなったと告げます。
ライナに会った人物が帰ってきたと聞いたキファは強い興味を示します。
ライナの事となると素直になるキファを見て、レファルが嫌そうな顔をしています。
彼がキファに惚れているのは本当のようですね。
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レファルはキファにライナの事情を話す事にします。
レファルはライナは生まれながらにして重荷を背負っていると告げます。
それは複写眼の事では無いと続けます。
『複写眼』保持者は普通に死ねるので重荷のうちには入らないと言っています。
このままでいくとライナは死よりも最悪な事に巻き込まれると告げます。
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南の悪魔の門は開き始めている、ライナはその鍵で門の生贄として喰われる事になる。
救われる方法は喰われる前に死ぬか、俺らが救くう事だ、と告げたようです。
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キファには訳が分かりませんでした。
レファルが端的にライナはローランドの王に裏切られると告げました。
キファがローランドでいま何が起きているのか問うと、レフェルはかつての伝説とまったく同じ話だ。
「裏切りと、絶望の話」と告げました。
レファルはこれから何が起るのか理解しているみたいです。
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あまりに絶望が深くて闇が口を開ける、その前にライナをここに連れてきて欲しい。
「南の化物―シオン・アスタールから、ライナを、救ってきてほしい」と告げました。
キファがライナを迎えに行く事になりそうですね。
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ローランド帝国にあるリューラの隠れ家がフロワードにより包囲されます。
やってきたのがフロワードだと知ったリューラは驚いています。
リューラはフロワードが聖騎士ミランの末裔だと分かったようです。
「出来過ぎだ・・・こうもローランドの闇に魅了されて・・・人が集まるものかね?」と言っています。
フロワードはリューラを殺そうとしてきます。
「・・・陛下が喰らう前に・・・ライナ・リュートを、あなたに殺させないためです」とリューラを殺す理由を伝えます。
リューラはシオンの命令なのか?と問いますが、フロワードは、明言を避けています。
リューラがフロワードでは私に勝てないよと自信満々に返答します。
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リューラが魔法を唱えようとすると、隠れていた刺客が放ったラッツェルの糸に気が付きます。
糸の発射地点を見ると、そこにはルークとミラーが居ました。
リューラはミラーの事を知っているようですね。
過去に何かあったのでしょうか?
ミラーは「・・・ローランドの亡霊が・・・もう、そろそろ、消える時間だ。死ね」と言ってきます。
ミラーはローランドで暗躍していたのがリューラだと思っているようです。
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フロワードの攻撃が発射されます「闇よ、有れ」
リューラは笑ったままでした。
なぜなら死ぬのは・・・死ぬのは、「・・・おまえらだ」
どうなるんでしょうね?
一見するとリューラが圧倒的に不利に見えますよ?
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AmazonLink: 伝説の勇者の伝説10 孤軍奮闘の王様 (富士見ファンタジア文庫)
発行日:2006/4/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:4-8291-1817-2
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第四章 死の景色
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自分が死んだと思ったライナは死んだ直後に不思議な体験をします。
景色がぐにゃりと歪んで声が出るうえ自分の身体を視認する事ができました。
ライナの身体の周りを古代文字がめぐっています。
頭の中に声が響いてきました。
奥へ、奥へ進め、と言ってきます。
ライナはこの声に聞き覚えがありました。
奥へ進め、生け贄。
そういう契約のはずだ。
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声の主はラインが複写眼を暴走させた時に降ってくる声でした。
ライナは声の主に質問しています。
複写眼なのか?と質問すると、複写眼は我の模造品だと言われてしまいます。
ライナが『すべての式を解く者』なのか?と問うと、それはお前の事だと言われます。
ライナは訳が分からなくなってしまいます。
声の主は自分の事を神だと告げました。
そして奥に進んでお前の中の真実を見ろと告げます。
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リューラ・リュートルーがライナの死体を見下ろしていました。
ライナの胸にナイフを突き刺したのは彼のようです。
彼が使ったナイフは『アートファールの呪詛』という忘却欠片でした。
これを使ってライナに何かを施したようですね。
ライナを襲ってきた魔法騎士の装束を着た化物はリューラの仲間でした。
彼に命じてライナを安全な場所に運んでもらう事にします。
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そこにルシル・エリスが現れて勝手な事をして貰っては困りますと告げました。
ルシルとリューラは旧知のようです。
ルシルを見たリューラは、久しぶりだね、随分と大きくなった、と言っています。
リューラは幼いルシルに会った事があるようです。
二人の会話からリューラが公爵だった事が分かりました。
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ルシルはリューラがやろうとしている事が分かるようです。
ライナ君は扉を見せていい段階にはない、と告げます。
リューラは、それを決めるのは自分だと言っていますね。
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それに対してルシルは世界よりも息子を優先したリューラにその資格は無いと言ってるぞ?
リューラは妹の為に人間をやめたルシルに言われたくはないと返答しています。
ルシルは人間をやめていたんだね。
リューラはルシルと自分は似た者同士だと言っています。
お互い好きにやろうと提案しているぞ。
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ルシルがあなたのやり方は妻を生け贄に捧げる事ですか?と挑発してきました。
リューラはそれに乗らずに僕らはライナを愛しているんだと告げます。
リューラはライナの為に妻を犠牲にして何かをしたようですよ。
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ルシルがリューラを殺そうとしてきますがリューラの方が一枚上手だったようです。
リューラが古語を使った秘呪法を唱えます。
呪われろ、ルシル・エリス。
「ひかりをさくつるぎよ」ルシルが小さく唱えます。
ルシルの腕の先に闇色の鋭い光が現れました。
その光を振るって呪詛を斬ってしまいました!!
ルシルが戦闘動作を取るのは初めてかも知れないね!!それだけリューラが強敵ってことだね。
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ルシルの人間のモノとは思えない動きを見たリューラが、いくつの契約を交わした?と問います。
ルシルは1000だと返答します・・・リューラは唖然としていました。
ルシルは1000の魔と契約を交わしたようですよ。
彼の強さの秘密はここにありそうですね。
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リューラは『神獣消し』と呼ばれる首飾りを王城に向かって投げました。
そこにはルシルの人形であるシオンが居るんだよね。
『神獣消し』が爆発するとローランド城はシオンごと跡形も無く吹き飛ぶそうです。
周囲が闇に閉ざされます。
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ルシルはシオンを守る為に『神獣消し』と消し去る必要に迫られました。
その隙にリューラは逃げ出す事に成功します。
勝負は、おあずけのようだね、次に会ったときは・・・とルシルが言っていました。
リューラは、あんな化物相手にどうすりゃいいの?まいったね、こりゃ、と呟いています。
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シオンはローランド城の執務室からルシルが『神獣消し』を破壊したのを見ていました。
そこにはフロワードも居たようです。
戻ったルシルが、もう心配ないと告げます。
シオンがリューラはどうしたと聞くと、ルシルは逃げたと答えます。
シオンはリューラの事を知っていました。
逃がしたのはルシルらしくないなと呟きます。
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リューラを殺す時期じゃないと言ったのはシオンだろと反論してきます。
それに対してシオンは、もう、どうでもいいんだよ、どうぜ、なるようにしかならない、と告げます。
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フロワードが、あなたは、いったい、誰です?と問いかけてきました。
フロワードはシオンに秘密を明かされたようです。
色々と言いたそうなフロワードに向かって、さっき見せたものが、全てだと言っている、不服か?と問います。
フロワードは歓喜に震えています。
そして、満足ですと、答えました。
そんなフロワードに、奴を殺せ、本当の敵は、奴なのだから、と告げます。
フロワードは、ご命令通りに、と言って部屋を出て行きました。
奴とはリューラの事だろうか?
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一人になったシオンは吐血します。
しかしシオンが吐き出した血は金色でした。
シオンの体にも何らかの変化が起こっているようです。
彼も既に人間を辞めているようですよ。
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シオンが自分が変わり始めたのはいつ頃なのか思い出してます。
シオンが変わり始めたのはライナやキファと出会った頃のようです。
キファの裏切りでエスタブールの魔法騎士団と戦う事になり、ライナの暴走で、何とか生き残った後でした。
エリス家の道場に通され、ルシルに始めた会った時からシオンに変化が現れたようです。
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シオンはルシルがローランドの王として相応しいか選別する質問に答えてしまいました。
フェリスはこの時のシオンを止めようとしたようですが、シオンはフェリスの静止を振り切りルシルの質問に答えてしまいました。
シオンはこの時のルシルの顔を忘れないと言っています。
「はは。君はそう言うだろうと思ってたよ」ルシルは笑顔だったのかな?
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シオンは自分が王になる事でライナやキファや仲間たちを守れる。
素晴らしい国を作れると思って王になる事を決めたそうです。
しかし、シオンに待っていたのは、後悔、絶望、契約、でした。
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シオンは物語の登場人物になったようですね。
「狂った伝説の勇者の・・・伝説」という物語のようです。
ルシルも当然、物語について知っているようです。
彼が、物語は順調に進んでいる、だから、あまり無理をするな、と告げてきました。
シオンはあまり嬉しく無いようです、むしろ悲しくなっているようです。
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第五章 試験
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フェリスは朝の日課のだんご屋巡りの最終目的地、ウィニットだんご店に来ていました。
店先で今日のだんごの味を確認しています。
フェリスが、今日も素晴らしい出来だ、と告げると店主のおじさんは表情を輝かせています。
お茶とだんごを残して店主は店の中に戻ります・・・フェリスは店先でだんごを食べていました。
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彼女の視界にライナと同じ魔法騎士の装束を着た人物を捉えました。
その魔法騎士は同じ装束を着た男を担いでいました。
フェリスには担がれている男がライナに見えました。
彼女が声を掛けても担がれている男は反応を示しませんでした。
まるで死んでいるように感じられました。
フェリスは走り去る魔法騎士を呼び止めます。
しかし魔法騎士は止まりませんでした。
フェリスは剣を掴み追いかけようとします。
そこに彼女を呼ぶ声が掛かります。
それがライナの声のように思えました。
フェリスは振り返ります。
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そこに居たのは40代くらいの金髪で濃い青い瞳の男でした。
彼の雰囲気がライナに似ていました。
よく聞いてみると彼の声はそれほどライナに似てはいませんでした。
フェリスは何故ライナだと思ったのか困惑しています。
「なんだ・・・おまえ」と問いかける事になります。
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謎の男はライナが心配なのか?と質問してきました。
フェリスがライナに何をしたのか問いかけると、再び心配?と聞かれてしまいます。
フェリスに心配と問いかける男の表情は嬉しそうでした。
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謎の男はリューラだね。
リューラはフェリスにライナが好きなのか?と問いかけてきました。
フェリスは顔を赤くして動転してしまいます。
リューラにはフェリスがライナの事が好きなのがバレバレでした。
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フェリスがくだらない問答を続けるのなら命の保証はしないぞ、と脅します。
しかしリューラは余裕の表情で、命の保証が何だって、と言ってフェリスの構える剣を青白く輝く手で掴みます。
フェリスは危険を察知して一歩大きく後退しました。
フェリスの反応の良さにリューラは満足したようです。
君に守ってもらえるなんてライナはなかなか、良い娘にすかれているなぁ、と言っています。
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リューラはフェリスをテストする事にします。
リューラは呪文を必要としない魔法を使ってフェリスと戦う事にします。
戦闘中にフェリスは使っていた剣をリューラに取られてしまいます。
あのフェリスから剣を取り上げるとはリューラは人間離れした強さを持っていますね。
フェリスはリューラが自分よりも強い相手だと判断しました。
適わない相手から逃げる算段を始めます。
フェリスが逃げようとしている事はリューラにバレバレでした。
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リューラが準備動作無しでいきなり稲妻の魔法を発動します。
フェリスはギリギリでかわす事ができました。
フェリスの反応の良さにリューラは満足したようです。
リューラはフェリスにライナを守って欲しいと考えます。
彼にとって最後の懸念材料はフェリスがルシルの血族だと言う事でした。
そこで最終試験を行う事にします。
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リューラは先程ライナを殺したよ、と告げました。
フェリスは信じたくないようですね、嘘だと言っています。
しかしリューラにライナの死体を見ただろう?と問われてしまいフェリスはライナが死んだと認識しました。
頭が真っ白になり胸が苦しくなります・・・フェリスは泣き出してしまいます。
フェリスは逃げるのが正解だと分かっていましたが、素手のままリューラに向かって行き、死ね、と叫んで拳を振り上げました。
リューラは悲し気だけど嬉しそうな顔で笑っています。
リューラはフェリスの腕を掴んで、そのままドンっと腹を殴りました。
フェリスの意識は遠のいていきます。
合格、いじめて、ごめんね。
君はそこまであいつを、なら、君の剣に、力をあげよう、闇を切り裂く力を。
あいつを、守ってやっ
フェリスが聞けたのはそこまででした。
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声に従い、奥に向かったライナは人間の体内のように思える場所に到着します。
そこには一匹の化物が待っていました。
瞳の奥に朱の五方星が浮かんでいます。
化物はライナを喰らって封印を解くと言っています。
封印を解くとαに戻れるようです。
化物は消えろ『すべての式を解く者』と言ってライナの胸に爪を突き刺しました。
苦しみ始めたのは化物の方でした!?
ライナに痛みはないようですよ?ライナは訳が分からなくなっています。
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突然、化物の頭が爆発します。
そして化物の中から血まみれの女が出てきました。
女を見たライナは不思議な感覚に襲われます。
ライナは女の事を知っている気がしました。
そして愛していると感じてます。
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女はライナを抱きしめてきます。
「こんなに・・・こんなに大きくなって」と言ってますね。
ルシルとリューラの会話から考えると彼女はライナの母親だね。
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彼女はライナに会う為に化物の中でずっと待っていたと言っています。
ライナが誰なのか聞くと、契約でそれは教えられないと言われてしまいます。
そしてライナを愛していると告げてきます。
リューラとライナが居れば私はそれだけで幸せと言っています。
もう間違いなさそうだね、彼女はライナの母親のようです。
ライナはリューラって名前にも聞き覚えがありますが、誰なのか思い出せません。
ライナに幼い頃の記憶が無い事も、今回の事に関連しているようです。
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頭を吹き飛ばされた化物が復活し始めます。
彼女は『すべての式を編む者』が現れる前に、奥の扉に向かえと言ってきます。
ライナは彼女の指示に従い扉に向かう事になります。
彼女は復活した化物に喰われ始めてしまいます。
彼女の決死の覚悟に触れたライナは前に進む事になります。
ライナが扉に触れると奇妙な光景が見えました。
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そこには剣を持った一人の男が居ました。
男は剣を振り上げ女神を斬り殺していきます。
女神が全て殺されると世界が終わってしまうようです。
男は「・・・俺はおまえを・・・喰いたい」と言って最後に残った一人に向かって剣を振り上げました。
ライナは振り下ろされる剣の刃に映る、自分の姿を見ました。
死にたくないと叫ぶ、自分の姿。
愛していたはずの者に裏切られる自分の姿。
信じていたはずの者に殺される自分の姿。
それでも愛が欲しいと泣く・・・すでに人ではない、異形の悪魔の姿を見ました。
最後に殺されるのがライナで、異形の悪魔がシオンなのか?
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第六章 一番最後の、平穏について
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ライナは泊っている宿屋のベッドで目を覚まします。
今まで見ていたモノが悪夢だったと納得しようとして、鎧の胸の部分に穴が開いている事に気が付きました。
ライナが着ている鎧は物凄く衝撃に強い素材で造られているそうです。
特に熱に対する耐性が高く一度成型されると溶けないそうですよ。
溶かすほどの熱量が加えられた場合は装着しているライナも消し炭になっている筈なんでそうです。
そんな鎧の胸の部分が溶けて穴が開いていました。
ライナは自分の身体に変化が無いか確認する事にします。
驚きです、心臓の部分に夢の中で見た文字のような金属質の紋章が刻まれていました。
これを見て夢ではなかったと確信しています。
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ライナは複写眼の中に入れたのではないか?と考えます。
しかし何故入れたのかが分かりません。
あの場所で出会った女が誰なのかもわかりませんでした。
死ぬ直前に声を掛けてきた人物の名前も記憶が消されていました。
ライナが女の正体を聞いたときに彼女は契約により教えられないと言っていました。
ライナは重要な名称が記憶から消されている事から自分に何らかの呪いが掛けられたと察します。
徹底していると感心していますね。
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ライナ疑問点について考え始めます。
『消された記憶』
『胸に刻まれた文字』
『五方星の眼を持った赤い怪物』
『生け贄』
『鍵』
『扉』
『α』
『封』
『化物に喰われている女』
『懐かしい声の男』
『胸に空いた穴』
『剣を掲げた、泣き続ける男』
『剣に映った醜い悪魔』
『すべての式を解く者』
『すべての式を編む者』
分からない事だらけでライナは考えるのをやめ、昼寝をしようとします。
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そこにフェリスがやって来ました。
彼女は一大事だ、と言っています。
彼女は何か伝えたい事があるそうです。
彼女の嬉しそうな表情を見たライナはまた、だんご関係の話かな?と予想します。
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フェリスは今朝、だんご屋、巡りをしていてウィニットだんご店の前で突然気絶したと話始めます。
目覚めたフェリスは気絶している間に重大事件が起こっていた事に気が付いたそうです。
フェリスは気にしていませんが、ライナは突然気絶したフェリスの事が心配になります。
彼女を医者に連れて行こうと考えました。
シオンならば名医を用意できると考えシオンの元に向かう事になりました。
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シオンは執務室で覚醒したようです。
彼は意識を失っている間に執務を行っていたみたいです。
その間の行動の記憶はありますが、感情の記憶はありませんでした。
最近のシオンは数日間、意識を別な誰かに乗っ取られているようです。
俺はもう、喰われ始めているのか?と呟きます。
俺は負けないぞ、と呟くと、ルシルからの返事がありました。
ルシルはだからこそシオンを選んだんだと言っています。
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これに対してシオンはお前は味方じゃない、俺の中にいる奴の味方だろ?と問いかけています。
ルシルはどちらもシオンだよと答えています。
シオンがライナを救うぞ、と告げると、ルシルが笑い始めます。
ルシルはシオンは既に手を汚していると指摘してきます。
カラードを、と言っていたのでミルクの養父たちの抹殺を命じたのはシオンのようですね。
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そこにフェリスを連れたライナがやって来ました。
ルシルは姿を消します。
ライナはフェリスが突然気絶した事を教えて、良い医者を紹介して欲しいとお願いしてきます。
倒れた前後の記憶が無いとフェリスは言っています。
シオンも心配しはじめています。
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フェリスが気絶している間に起こっていた重大事項を発表する事になります。
夢の中にだんご神様がでてきて、フェリスの日頃の頑張りを称えてご褒美をくれたそうです。
証拠もあると言ってフェリスが剣を見せてきました。
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フェリスの剣の柄に近いところの刃に封印が貼ってありました。
円の中に、にっこり笑った顔が描かれています。
フェリスはそれを、だんご神様のご尊顔だ、と自慢しています。
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ライナとシオンはフェリスに何があったのか話し合います。
二人が気にしていたのは、彼女に気絶する前後の記憶が無い事でした。
二人はフェリスが重い病気にかかっているのではないか?と心配になります。
シオンはフェリスを医者に診せる事にしました。
医者を読んで貰おうとしてロビトという伝令役の部下を呼びます。
やってきたのはカルネでした。
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ロビトはカルネが貴族のご婦人に宛てたラブレターを届ける為に出かけているそうです。
シオンはカルネの病気が治っていない事にガッカリしています。
カルネはフェリスが居る事に気が付き、喜んでいます。
フェリスの前に跪いて彼女の手の甲にキスしようとしてきます。
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シオンはライナがカルネの行為に嫉妬しないかな?と期待していました。
しかしライナは関心なさそうにしています。
フェリスは知らない相手にキスさせるほど、軽い女ではなないぞと、カルネの行為を拒絶します。
フェリスはカルネの事を覚えていないようですね。
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カルネがフェリスを揶揄い始めます。
ライナが居なくなった時のフェリスは凄く動揺していましたね、と言い始めます。
フェリスは、焦って否定していますね。
カルネは、フェリスに愛されているライナは幸せですねと言ってきましたよ!!
これに対してライナとフェリスが揃って否定しています。
カルネは命知らずですね。
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フェリスを医者に連れて行く事になり、カルネはエスリナを呼びますよ。
やって来たエスリナに対して、カルネは彼女には興味が無いと装っています。
カルネは死んだフィオルに気を使いエスリナには手を出さないつもりのようです。
エスリナはカルネに惚れているようです。
そんな二人のやり取りをシオンは哀れだと感じていました。
フィオルがシオンにならエスリナを嫁がせても良いと考えていた事を思い出し、彼女がカルネに惚れてくれて良かったと感じてます。
シオンには自分には誰かを愛する資格は無いと考えています。
彼が王様なのに未だに結婚しないのは体に変調をきたしているのも原因の一つなのかも知れないな。
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シオンはフェリスを医者に連れて行くつもりでしたが、カルネとエスリナはシオンも入院させようと計画していました。
二ヵ月も前からシオンを一週間入院させる為の計画が動き出していたそうです。
これはエスリナの発案で毎晩彼女の枕元にフィオルが出てきてシオンを休ませろと訴えているそうですよ。
カルネがシオンの腕に手錠を掛けます。
続けてもう片方の手錠をライナの腕に掛けました。
そしてライナにシオンと一緒に入院するようにお願いしてきました。
ライナはカルネの計画に乗る事にしました。
フェリスは自分は逃れられると思ったようですが、シオンが彼女に有効な爆弾を落とします。
言う事を聞かないと、明日にはウィニットだんご店は営業停止だ、と告げます。
効果は絶大でした、彼女は入院する事を認めます。
ライナはシオンの脅し文句に気持ちよくなっています。
日頃の恨みが晴らせたように感じていました。
シオン、ライナ、フェリスは仲良く三人で入院する事になりました。
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シオンたちが入院した病院にクラウも入院していました。
ティーアに喰われて失った彼の右腕は禁呪詛を使って再生されていました。
今は禁呪詛を使った腕が定着するのを待っている状態です。
絶対安静を言い渡されているにも関わらず、クラウは腕立て伏せをしていました。
右腕に負荷をかける事により一刻も早く定着させようとの意図があるようです。
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お見舞いにやって来たノアが腕立て伏せをしているクラウを見て悲鳴を上げています。
ノアはクラウを止めようとして彼の身体を引っ張っています。
ノアの必死さが伝わって来ました。
彼女はクラウに無理をして欲しく無いようですよ。
彼女は完全にクラウに惚れているようです。
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クラウは自分が元気だと証明する為に腕立てを再会します。
ノアは体勢を崩してクラウの上に乗ってしまいます。
クラウはノアを乗せたまま腕立て伏せを始めてしまいます。
全くの逆効果でしたね、ノアはクラウに抱き着いてきて泣き出してしまいました。
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ノアの涙は効果絶大ですね、クラウはノアを泣かせる訳にはいかないので大人しくなります。
クラウはノアの事が好きなようですね、彼女を抱きしめたいと思っています。
しかし、それを誤魔化す為にノアが重いと嘘を吐きます。
ノアが慌てて立ち上がろうとしますが、彼女はクラウの背中から転がり落ちそうになります。
クラウが彼女を抱き寄せて受け止めました。
二人が抱き合っている時に、カルネがやって来てしまいました。
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カルネはお邪魔ですね、と言って出て行こうとしています。
クラウが妙な勘違いをするなと苦言を呈します。
カルネは負けませんね、昨日の夜中に訓練をし過ぎて、死にかけた事をバラシてしまいます。
ノアの目つきが険悪なモノになって行きます。
ノアはクラウに詰め寄ります。
「ク~ラ~ウ~さ~ま~・・・」
これは怖い、クラウは安静にしている事を誓う事になりました。
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ノアに給仕に言って、食べ物を持って来させて欲しいとお願いしました。
ノアが出ていくとカルネが持ってきたライナの調査報告書を読む事になります。
クラウは正体不明のライナが親友としてシオンの傍に居る事が心配なようです。
『複写眼』保持者だと分かっているので、その危険性を調べさせたようです。
クラウとカルネはエーミレル私設兵団の出身だそうです。
クラウは8期生の首席でカルネが15期の首席だそうです。
もっとも主席になれなかった生徒は殺されてしまい生き残るのは一人だけのようです。
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エーミレル私設兵団の卒業生は優秀で、スポンサーのエーミレル伯爵は有力者だったそうです。
カルネはエリートコースを邁進する事が決まっていたそうですが、クラウがそれを潰しました。
カルネが護衛しているエーミレルをクラウが殺したそうですよ。
クラウを始めてみたカルネは、なんだこの化物は、と思ったそうです。
.
ライナの報告書はクラウが面白いと思える内容でした。
三〇七号特殊施設の出身で孤児。
12,3歳のころ『ローランド最高の魔術師」と呼ばれていた。
『隠成師』時代に『隠成師』のエリート、クヲント・クオを半殺しにして『ローランド最高の魔術師』の通り名が付けられる。
貴族に反感を持っていると分かりました。
クラウはライナの事を面白い奴だと評価します、そしてライナと戦ってみる事にします。
ノアが戻ってくる前にライナが居ると思われる病室に向かいました。
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ライナ、シオンは沈痛な面持ちで医者が検査結果を告げるのを待ちます。
フェリスはいつもの無表情でした。
フェリスの検査結果から発表される事になります。
バンポール医師は、あまり、よろしくないねぇ、と告げます。
ライナとシオンに緊張が走ります。
沈痛な面持ちでバンポール医師はフェリスが気絶したのは、偏食と過労が原因だと告げました。
.
フェリスは私は健康だと勝ち誇っています。
しかしライナは彼女を怒鳴る事になります。
ライナはフェリスの偏食をどうにかしようとしています。
彼女にだんご一年禁止と言っています。
バンポール医者は偏食も不味いが、それよりも過労の原因が心配だと言ってきます。
フェリスは言葉を濁していますが、シオンが言わないとローランドではだんごの販売禁止令を出しちゃうぞ、と脅します。
シオン爆弾は効果絶大です。
フェリスは開店を控えただんご店の仕込みを手伝う為に二日ほど徹夜したと告げました。
また、だんごかーとライナは呆れていました。
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バンポール医師はフェリスよりもシオンとライナの方が余程問題があると告げます。
二人は食事もまともに取らないで徹夜で仕事をしていた事を咎められる事になります。
今度こそフェリスが勝ち誇った顔をしています。
さっきはずいぶんと大きなことを言ってくれたが、これはいったいどういうことですかな、お二人さん。
.
諦めの悪いシオンは仕事量を維持したまま体力を回復する方法はないかと聞いています。
復帰したときの為に何日徹夜しても眠くならない薬はないかと問いました。
バンポール医師はまさか飲んでいませんよね?と心配しています。
シオンは、まだ飲んでいないよ、と答えています。
この口ぶりからすると、必要だと思えば飲みそうだよね。
シオンは、この手の薬の使用を禁止したのは自分だぞ、それを破ってどうするんだ、と言っていました。
ライナは疑いの目で見ています。
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シオンは病室で仕事をするので書類の用意をさせようと言って出て行きます。
フェリスもイリスにだんごセットを持ってくるように伝言してみようと言って出て行きました。
ライナは自分は昼寝しようと言って出て行こうとします。
この発言をバンポール医師に褒められる事になりました。
患者としては君が一番優秀だな。
ライナは得意になっています、患者って職業は向いていると思うんだと言っています。
勿論そんな戯言は無視されてしまいますよ、バンポール医師も出て行きました。
ライナだけが残っている部屋にクラウが入って来ました。
.
ライナはクラウの顔を覚えていました。
ティーアを倒す為に突っ込もうとしてシオンに止められていた奴だな。
ライナはパロソンだっけ?と話しかけます。
違うと否定されるとポムだっけ?と言い直します。
クラウだ!クラウ・クロム、とクラウが自己紹介する事になってしまいます。
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クラウはシオンの親友様に挨拶がしたいと言って殴り掛かってきました。
ライナが避けるとクラウが攻撃のスピードを上げます。
ライナが更に避けるとクラウが更にスピードを上げました。
ライナがクラウの関節を決めようとすると力で弾き飛ばされてしまいます。
クラウの蹴りに回避が間に合わないライナはガードの上から蹴られました。
頭を揺らされたライナは膝が笑っています。
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クラウが魔法をフェイントに使って呪詛義手を使って殴りつけてきます。
ライナは対抗する為に魔法を唱えようとします。
そこにシオンの声が掛かりました。
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シオンはお遊びはそのへんにして仕事の時間で―す、と告げます。
シオンはクラウとライナを会わせようと考えていたようです。
勝手に挨拶を始めた二人を咎めています。
シオンから仕事を任されそうになり二人は逃げ出そうとします。
そして互いの足を引っ張り合い、相手に仕事を押し付けようとしています。
二人はお互いが大嫌いになりました。
結局二人はシオンに大量の仕事を押し付けられ、不眠と過労で倒れる事になりました。
危篤患者専用の病院に運び込まれてしまい、ノアが悲鳴を上げ、フェリスが哄笑を上げたそうです。
クラウの方はノアに優しくしてもらえた感じですね。
.
この日が、穏やかな日々の始まりだった。
そして終わりはすぐにやってきた、と思い出しています。
これで終わりだなんて。
これが一番最後の平穏だったと気づく事ができただろう?と後悔しているようです。
本当に大切なことには・・・僕は、最後まで気づけない。
恐らくこれはライナの後悔なんだよね?
.
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第七章 そしてそれは、口を開く
>>
キファはガスターク帝国で牢屋に入れられていました。
キファがライナの事を喋ろうとしなかったのが原因の一つにです。
キファはライナがガスタークで重要人物と捉えられている理由が分からず困惑しています。
.
彼女を牢屋に入れたのは、スイがローランドで重傷を負い帰還したのでローランドのスパイだと思われているキファを守る為の措置でした。
牢屋にレファルがやって来てキファに語り掛けます。
「本当に、綺麗だ・・・」と言っています。
キファはスイが助かったのか質問しています。
レファルは死ぬことは無いと教えてくれました。
キファの見た限りではとても助かるような傷には見えませんでした。
しかしガスタークには聖堂と呼ばれる不思議な施設があるらしく、そこに入ると傷の修復が可能なようです。
キファはカスタークが普通の国ではないとの思いを強くしています。
.
レファルがキファに向かってライナが好きなのか?と聞いてきました。
キファはライナの顔を思い出して泣き出してしまいます。
レファルは、俺って失恋か?と言ってきますね。
彼のおどけた雰囲気にキファは笑ってしまいます。
少しは脈はあっただろ?とレファルが言ってきました。
キファが、ごめんね、と謝るとレファルが悲しそうな顔になります。
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レファルがやって来たのはキファにお願いをする為でした。
ライナと直接接触した仲間が戻ってきたのでキファからライナの情報を引き出す必要は無くなったと告げます。
ライナに会った人物が帰ってきたと聞いたキファは強い興味を示します。
ライナの事となると素直になるキファを見て、レファルが嫌そうな顔をしています。
彼がキファに惚れているのは本当のようですね。
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レファルはキファにライナの事情を話す事にします。
レファルはライナは生まれながらにして重荷を背負っていると告げます。
それは複写眼の事では無いと続けます。
『複写眼』保持者は普通に死ねるので重荷のうちには入らないと言っています。
このままでいくとライナは死よりも最悪な事に巻き込まれると告げます。
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南の悪魔の門は開き始めている、ライナはその鍵で門の生贄として喰われる事になる。
救われる方法は喰われる前に死ぬか、俺らが救くう事だ、と告げたようです。
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キファには訳が分かりませんでした。
レファルが端的にライナはローランドの王に裏切られると告げました。
キファがローランドでいま何が起きているのか問うと、レフェルはかつての伝説とまったく同じ話だ。
「裏切りと、絶望の話」と告げました。
レファルはこれから何が起るのか理解しているみたいです。
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あまりに絶望が深くて闇が口を開ける、その前にライナをここに連れてきて欲しい。
「南の化物―シオン・アスタールから、ライナを、救ってきてほしい」と告げました。
キファがライナを迎えに行く事になりそうですね。
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ローランド帝国にあるリューラの隠れ家がフロワードにより包囲されます。
やってきたのがフロワードだと知ったリューラは驚いています。
リューラはフロワードが聖騎士ミランの末裔だと分かったようです。
「出来過ぎだ・・・こうもローランドの闇に魅了されて・・・人が集まるものかね?」と言っています。
フロワードはリューラを殺そうとしてきます。
「・・・陛下が喰らう前に・・・ライナ・リュートを、あなたに殺させないためです」とリューラを殺す理由を伝えます。
リューラはシオンの命令なのか?と問いますが、フロワードは、明言を避けています。
リューラがフロワードでは私に勝てないよと自信満々に返答します。
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リューラが魔法を唱えようとすると、隠れていた刺客が放ったラッツェルの糸に気が付きます。
糸の発射地点を見ると、そこにはルークとミラーが居ました。
リューラはミラーの事を知っているようですね。
過去に何かあったのでしょうか?
ミラーは「・・・ローランドの亡霊が・・・もう、そろそろ、消える時間だ。死ね」と言ってきます。
ミラーはローランドで暗躍していたのがリューラだと思っているようです。
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フロワードの攻撃が発射されます「闇よ、有れ」
リューラは笑ったままでした。
なぜなら死ぬのは・・・死ぬのは、「・・・おまえらだ」
どうなるんでしょうね?
一見するとリューラが圧倒的に不利に見えますよ?
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