ラノベの感想) 伝説の勇者の伝説 第7巻 失踪の真相 (富士見ファンタジア文庫)

レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2004/10/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:4-8291-1661-7

>>
インターミッション
>>
ライナが子供の頃の夢を見ていました。
彼には愛してくれる両親がいたようですよ。
ライナは毎晩、父親と母親がかわるがわる読み聞かせてくれる御伽噺が大好きでした。
ライナは既に文字が読めて家にある本の全てを覚えてしまったようです。
しかし両親に本を読んで貰いたいので、それを隠していました。
もっと早くに、それを教えていれば違った結果になったのかも知れないね。
.
ライナの父親は貴族で母親は庶民の出身だそうです。
シオンが革命を起こす前の時代ですからね・・・ライナの父親は変った人間だったようです。
.
ライナが複写眼を持っていると判明して母親が取り乱しています。
彼女はライナの父親を守る為にライナを殺して自分も死のうとしていました。
ライナの父親がそれを止めています。
ライナの母親が庶民出身の自分の血の中に複写眼が隠れていたと言っているのでローランドの貴族の血には複写眼は存在していないようです。
.
ライナは優しかった母親が叫ぶ姿を始めて見て怖くなっています。
ライナの父親が方法はあると言っていたので、何らかの対策を施したようです。
母親は生贄になったようですが、何をしたのでしょうね?
ライナは『声』を聴いたそうです、生贄を、契約、破壊。
.
ライナはルシルに化物と呼ばれた事が辛かったようです。
夢の中で、化物の自分がなにを夢見ていたんだと自嘲しています。
ルシルに言われたようにライナの手は血で濡れていました。
ライナはこれは誰の血だと考えたところで目を覚まします。
.
>>
第四章 でもそれはまぼろし
>>
ライナは見たばかりの5歳以前の夢に自嘲しています。
自分が貴族の出身で、両親に愛されていた事を笑っています。
自分の願望がそんな夢を見せたのか?と疑っています。
ライナはルシルに言われた化物のライナでは誰にも触れられないという言葉を思い出しています。
シオンやフェリスの事を好きになってしまったので、もう彼らの傍には居られないと考えます。
そこにフェリスがやって来ました。
.
彼女はいつものようにライナの事を揶揄いますが、ライナが反論しないので不満そうな顔をしています。
ライナが不満なのか?と問うと、彼女はライナが嫌がらなければ意味がないと言っています。
.
フェリスはライナがおかしいと感じたようです。
彼女はライナが昨晩ルシルに会った事を知っていました。
彼女もルシルが何かしたのか?と不安だったようです。
ルシルに何を言われたんだ?と聞いてきました。
ライナは、何も言われていない、フェリスとシオンを宜しくと言われただけだと誤魔化してしまいました。
.
フェリスが緊急事態だと言い出します。
シオンの護衛としてエスタブールに同行させられると知った彼女は逃げ出す事を提案してきました。
勇者の遺物捜しを名目にしてカッスラ―まで逃げようと言ってきます。
その為には大量のだんごを持っていく必要があると告げます。
.
ライナの態度がおかしかったね。
フェリスの事を面白い奴と言って、これまでの彼女との旅が楽しかったと言っていました。
フェリスが、それは私に感謝しているって事なのか?と問うと、ライナはそうだと答えました。
彼女がだんごのリュックを持ってくれるのか?と問います。
ライナはフェリスが期待していると感じ、リュックを全部持ってやると告げます。
フェリスは大喜びでした・・・ぎりぎり二人の日常風景に見えたね。
明日の朝、カッスラ―に出発する事になり、ウィニットだんご店の前で待ち合わせる事になりました。
フェリスは遅刻したら首を落とすと警告までしていました。
.
シオンはエスタブールに向かう為に急いで仕事を片付けていました。
しかし仕事が終わる事は無く、自分が留守の間、誰に代行させようか迷います。
ミラー、フロワード、カルネが候補にあがりますが決めかねていました。
そこにフェリスがやって来ます。
彼女は怒っていたので執務室の扉を真っ二つにして入って来ました。
.
フェリスは執務室を確認してライナが居ない事を把握して焦っています。
彼女はシオンに、ライナが疾走したと告げました。
.
それを聞いたシオンが呆然としていたようです。
フェリスに声を掛けられて正気に戻ったようですよ。
.
フェリスから宿屋の部屋が綺麗に片づけられていたと聞くと冷静な考察を展開します。
シオンはライナが居なくなったのは昨日の夜だと推理しました。
フェリスは宿屋の主人に確認を取っていたね、主人の話ではライナは昨日部屋を解約していました。
.
フェリスが、首を落とすと警告しておいたのに、ライナが約束の場所に来なかったと言っています。
フェリスはシオンの護衛としてエスタブールに行くのが嫌なのでライナと二人でカッスラ―に逃げる事にしたと教えてくれます。
.
フェリスが昨日ライナの様子がおかしかったと告げます。
ルシルと会ったらしいと言うと、シオンがルシルに何をしたのか問いました。
しかしルシルは返事をしませんでした。
フェリスにルシルがここに居るのか問うと、彼女はルシルの事は分からないと告げました。
フェリスにもルシルの存在を感知する事はできないようです。
.
そこにエスタブールから報告書が届きました・・・シオンは嫌な予感を覚えます。
報告書を書いたのはノアのようですね。
報告書はエスタブールに覚醒した複写眼が出たと告げていました。
その複写眼をクラウが狩る事になったと書いてあります。
.
フェリスから複写眼に種類がある事を教えられシオンは驚いています。
覚醒した複写眼が相手ではクラウが死んでしまうと考えたシオンはエスタブールに向かう事にします。
ライナの捜索の指揮をフェリスに任せる事にしました。
.
シオンは自分の代行にカルネとエスリナを指名しました。
カルネはフェリスと一緒に働く事になり、ストレスから貴族の奥さんに手を出す病気が再発しないか心配になります。
しかしシオンの心配は杞憂に終わりました。
.
初めてカルネとエスリナに会ったフェリスは、これから私がお前たちのご主人様だ、と言い放ちます。
カルネは美人のフェリスと仕事ができる事が嬉しくてシオンに感謝してきました。
エスリナはそんなカルネの態度が不満なようです、フェリスの事を美人と認めつつ、カルネの事が嫌いになった、と告げました。
この三人に任せて大丈夫なんだろうか?
シオンは頭を抱える事になります。
.
>>
第五章 いくら望んでも、届くはずのない幻
>>
クラウが『複写眼』保持者が現れた村に到着します。
彼の前にはローランドの兵100とエスタブールの兵100が集まっています。
クラウはこの二つの軍を纏める必要がありました。
クラウの腹心のシュスが一芝居打つ事で二つの軍を纏める事に成功します。
.
シュスはクラウに対して罵詈雑言を並べ立てるバユーズを殴ろうとします。
シュスは殴り掛かる前に「エスタブールの分際で」と叫びます。
これがキーワードでした。
エスタブールを誹謗したシュスの事をクラウが殴り飛ばします。
クラウがエスタブールを誹謗したシュスを罰して、自分の事を罵倒するバユーズを罰しない姿を見せる事でクラウがエスタブールの兵を平等に扱う姿勢を見せる事になりました。
バユーズは途中でシュスとクラウの企みに気が付いて協力してくれました。
.
軍が纏まったので『複写眼』保持者の討伐を始めます。
『複写眼』保持者に襲われた村は全滅していました。
クラウは味方の被害を最小にする為に村に火を放ち、『複写眼』保持者を追い立てて包囲して殲滅しようとします。
思惑通りに燃え盛る村から『複写眼』保持者が一人で出てきました。
彼は全身が黒で統一された聖職者のような恰好をしています。
.
現れた『複写眼』保持者は且つてクラウの右腕を食い千切った人物でした。
クラウは再戦の機会を得た事を喜んでいます。
獰猛な笑みを浮かべて大規模魔法を放つ命令を下しました。
.
ここから先の展開はクラウの予想を超えた悲惨なモノになってしまいます。
放たれた大規模魔法を吸収されてしまいました。
『複写眼』保持者の眼には赤い十字の紋章が浮かんでいました。
五方星では無いのでライナの複写眼とは違うようだぞ。
.
『複写眼』保持者は一瞬でクラウに接近して彼から右腕を引き千切って行きます。
そしてクラウの右腕を食べ始めました。
彼は、とても美味しく育ってくれた、あの時に殺さなくて良かった、と言っています。
.
クラウが負けた事で軍は統率を失い壊滅しかけています。
兵は逃げ始めてしまいます。
『複写眼』保持者は、「勝つ?愚かな家畜どもが、捕食者を殺せると思っていたのかい?」と余裕の問を発します。
クラウは自分を囮にして兵を逃がそうと考えますが、シュスはクラウを助けようとしていました。
クラウは酷い傷を負ったので自分は逃げ切れないと悟っています。
命令に従わないならシュスはもう要らないと告げて彼に諦めさせようとしていました。
.
壊滅しそうな軍を立て直したのはバユーズでした。
ローランドの兵はクラウを守ろうとして『複写眼』保持者に向かって行きます。
バユーズはエスタブールの兵に、バカなローランド兵を助けろと命じています。
エスタブール兵はローランド兵への対抗心が強く彼らを助けるってところに魅力を感じたようです。
狂乱状態から統率の取れた状態に戻りました。
バユーズは両軍の兵に向かって魔法を放ってから離脱する事を指示しました。
.
バユーズは『複写眼』保持者が魔法を吸収するので同士討ちには成らないと考えていました。
彼の期待通りに魔法を吸収してくれたので同士討ちにはなりませんでした。
バユーズはシュスに命じて二人でクラウを運び出す事にします。
クラウが死ぬとノアが悲しむので助けてやると言っていました。
シュスもバユーズが良い奴だと認めて協力する事にしたようです。
逃げられると分かったらバユーズはシュスの事を勧誘してきました。
クラウの下にいるよりも自分の所に来た方が良いぞと言っています。
クラウは生き残れたらバユーズをぶっ飛ばすと思いながら意識を失いました。
どうやらクラウたちは逃げられたようです。
クラウは右腕を失ったので、ノアが泣き叫びそうだぞ。
.
キファはガスターク帝国の帝都にやって来ていました。
帝都と言われていますが、そこはグランスレード村、という寒村でした。
キファはガスターク帝国は何かがおかしいと感じています。
彼女は村の図書館で複写眼について調べています。
.
ガスターク帝国の領内にはキファが知りたかった複写眼についての情報が沢山転がっていました。
人を喰らう化物、破壊をまき散らす化物、勇者の末裔。
この国は他の国とは何かが違うように感じていました。
.
キファは図書館に複写眼に関する文献があると期待したようですが、当てが外れます。
文献はあったのですが、キファが知りたい魔眼の情報は隠されていました。
ガッカリしたキファが休憩しようとしているとレファル・エディアから声が掛かります。
キファは焦り始めました。
.
ストオルを併合した彼は忙しくて帝都に戻って来られる状況にはありません。
そんな彼が現れてたことでキファは拘束されて拷問されるんじゃないか、と警戒しています。
レファルはキファを口説いて抱きたいから声を掛けたと言っています。
キファは混乱しているね。
.
図書館の司書の老人とレファルとのやり取りにキファは混乱する事になります。
老人はレファルの事を子ども扱いしていました。
一国の王に対する態度とは思えません、ガスタークの異様さが際立っています。
.
レファルはキファの緊張を和らげようとしているようでした。
彼女にガスターク特産のお茶を振舞う事になります。
キファはそれを美味しいと感じています。
それが分かってレファルは嬉しそうにしていました。
彼の子供のような裏表のない反応にキファは惹かれ始めています。
このままではいけないと彼女はレファルへの警戒心を高めていました。
.
レファルはキファの知りたがっている情報を教えてやると言ってきます。
そして彼女が知らない情報を公開してくれました。
ガスタークが掴んでいる情報では魔眼は5種類あると教えてくれます。
弱い順番に、
『未来眼(トーチ・カース)』
『複写眼(アルファ・ステイグマ)』
『夢置眼(エブラ・クリプト)』
『怨嗟眼(ウイルノ・ヘイム)』
『殲滅眼(イーノ・ドウーエ)』
だそうですよ。
.
複写眼が弱いと評価されている事にキファは違和感を抱きます。
ライナの見せた複写眼の力は、弱くなかったので、彼の複写眼は複写眼では無いと推測する事になります。
ライナの複写眼はレファルの語った他の魔眼なのではないかと考えています。
.
レファルは他の国はガスターク程、詳しく調べていない。
他の国に残っている魔眼の情報は部下に命じて消してまわっていると教えてくれます。
キファがガスタークに来るまで魔眼の情報に触れられなかったのは、そのせいだね。
レファルは資料以外にも魔眼について知ってしまった人間を始末している事を匂わせます。
.
レファルは、俺は殺す時は躊躇わない、キファを殺すならば、出会った時に殺していたと告げて彼女の警戒心を解こうとします。
キファに教えた情報は知ったからと言って殺すほどの価値は無いと言っています。
キファの知りたい情報は、その先にある、彼女には二つの道があると言ってきました。
このまま何も聞かずにガスタークを出るか、情報を聞いてレファルの仲間になるか、二つの道が示されました。
キファはレファルならば、いずれ世界を征服する可能性があると感じています。
ここで彼の味方になる事は魅力的に感じられました。
しかしキファはブレませんでした。
彼女はライナの為に魔眼の情報を入手してレファルを裏切り逃げ延びる決意を固めます。
キファはレファルの手を取りました。
.
恐らくレファルにはキファが裏切りを考えている事は分かっているよね。
彼はキファをどうするんだろうね?
彼女に惚れているのは確かなようだけど・・・
しかし、いきなり抱きたいとかストレートに口説いたよね。
それで殴られないところが彼の魅力かも知れないね。
王だけに、やりたい放題でした。
キファはレファルの魅力に抗い続ける事ができるのだろうか?
ライナへの愛が本物なのか試されている感じです。
.
>>
第六章 おまえはすでに、呪われているのだから
>>
フェリスは苛立っていました。
新しく下僕となったカルネとエスリナが情報を持ってきません。
このままではライナの行方が分からなくなってしまいます。
突然フェリスは胸の痛みを覚えました。
ライナと最後に会った時に彼が浮かべていた中途半端な笑顔を思い出して苛立ちが強くなります。
胸を締め付ける痛みに、これは何だ?と自問する事になります。
フェリスの頭の中に彼女を馬鹿にした笑みを浮かべるライナが出てきて、この奇妙な感情は怒りに昇華されました。
「おのれライナめ馬鹿にしおって。見つけたら、必ず殺してやる」
.
フェリスはルシルが見ている事に気が付きました。
彼女はライナの失踪にルシルの発言が関係していると思い、ルシルに何を言ったのか聞きました。
ルシルは誤魔化そうとしますが、フェリスが睨んでくるので、教える事にしますよ。
ルシルはフェリスの表情を見て、新しい感情を手に入れたんだね、と嬉しそうにしていました。
ルシルは「妹にちょっかいださないで欲しいと、忠告しただけだよ」と教えています。
まあ、解釈としては可能だね、嘘では無いね。
.
フェリスはルシルの存在が怖くなっています。
彼女はルシルが変わってしまったのが、自分を父親と母親から助けてくれた日だと考えます。
ルシルが両親を殺したのは自分を助ける為だったと考えます。
フェリスは、あの日、何をしたのか聞こうとしていますが、ルシルにはぐらかされてしまいます。
ルシルは「きたよフェリス」と告げて消えてしまいます。
ルシルはエリス家の外に現れた下僕の気配を察知できたようです。
フェリスにはそこまでの能力はありません。
フェリスはルシルが人間を辞めたのではないかと疑っているようです。
.
カルネとエスリナは街を探索していました。
エスリナはカルネがライナを探していると思っていたようですが、カルネは探していないと言っています。
カルネは、あのパン屋の奥さん、けっこう美人じゃない、と言って鼻の下を伸ばしています。
エスリナは確かに美人だけど年齢が四、五十代の奥さんに惹かれているカルネを見て絶望感に浸る事になっています。
カルネの熟女好きは全く直っていないようです。
エスリナはカルネに惚れているようです。
.
日々彼の好みの女性になれるように努力しているようです。
健気な彼女は自分も大人の女になればカルネに振り向いて貰えると考えています。
しかしシオンに紹介されたフェリスを見た彼女は卑怯だと感じています。
フェリスはカルネと同年代で彼の好みの年齢層ではないのですが、フェリスを見たカルネは嬉しそうにしていました。
エスリナは自分がフェリスに勝てる点はあるのかと考えています。
フェリスを見た後でも諦めない彼女は凄い子なのかもしれないね。
.
カルネの元に彼の部下がやって来ます。
年齢はカルネより上なのですが、彼らはカルネに心酔しているようでした。
カルネは彼らから探し人の場所を聞き、そこに向かう事になります。
カルネはエスリナの手を引き歩きだしました。
エスリナは突然手を握られて照れていますが、全然平気そうなカルネを見て、ガッカリしています。
カルネが女性を手を取るのは日常茶飯事なんだな、と理解して自分だけが照れているのは馬鹿らしく感じていました。
.
路地裏に入った所でカルネの部下が探し人に倒されてしまいます。
カルネが探し人と対峙する事になりました。
二人は一瞬の格闘戦を演じる事になりました。
カルネは腕の関節を外されますが、相手の肋骨にヒビを入れました。
カルネは革命の時にシオンの配下として活躍したと言われているので戦闘能力は高いようです。
カルネの探していた相手はミルク部隊のリーレでした。
.
カルネが自分はシオンの指示で動いている、味方なんだよ、と告げてもリーレは信じませんでした。
カルネは抵抗の意思が無い事を示します。
リーレはカルネの真意を確認する為にエスリナを殺そうとしてきました。
カルネは自分の命を投げ出しエスリナを守る行動に出ました。
この行動を見てリーレはカルネの事を信じる事にしたようです。
エスリナはカルネに大切にされているようですよ、自信を持っても良いんじゃないの?
.
リーレがカルネを疑った理由は一昨日からミルクとルークの姿が消えたからでした。
それを探しに行ったラッハとムーの姿も消えたそうです。
残ったのは自分だけとなり、彼らの捜索をしていたそうです。
.
カルネは忌破りとしてライナの行動を監視していたリーレに彼の居所を聞く事にします。
カルネは合理的ですね。
ライナが居なくなってから彼を探すのではなく、彼を監視していただろうリーレに彼を最後に目撃した時の情報を聞こうと考えたようです。
流石ですね、シオンが重用するわけです。
.
リーレの情報によると、ライナはエスタブールに向かったそうです。
しかも人目に付かないルートを通ったそうですよ。
ライナの行き先が分かったのでエスリナにフェリスへの報告、シオンへの報告、捜索隊の編制を頼んでいます。
カルネはリーレのミルク部隊探しを手伝う事になるようです。
シオンに与えられた権限の全てを使って絶対に見つけ出すと意気込んでいます。
エスリナと二人で気合を入れています。
「シオンさんの留守を、しっかり守るぞー。えいえい・・・」「おー!!」
リーレも巻き込まれて、一緒に拳を掲げる事になりました。
可哀想に、リーレは恥ずかしかったようだぞ。
階級的にはカルネが少将でリーレは伍長なので逆らえないようです。
.
やって来たエスリナに早速フェリスの罵倒が飛びます。
「なにをしていた。遅すぎだぞ。亀か?ナメクジか?この下僕め」
この暴言を聞いたエスリナは性格ではフェリスに勝てるかもしれないと感じました。
.
エスリナはライナの行く先がエスタブールだと告げました。
その後、彼女がルートも教えてきますがフェリスは聞いてくれません。
執事のクロセリに地図を持ってこさせ、受け取ると駆けだして行きました。
「終わりだライナ。エスタブールの空に、首をとばしてやる」
エスリナが止める暇もありませんでした。
.
エスリナは呆然としていますが、クロセリに感謝されてしまいます。
クロセリはライナが失踪した事でフェリスは落ち込んでいたと教えられました。
エスリナは、あれで?と困惑しています。
ほんとの美人は、違う次元で生きている、と理解したエスリナはフェリスに嫉妬していた自分があほらしくなりました。
.
ライナは苦悶する事になっています。
エスタブールの宿屋に泊まっているのですが、財布の中身が尽きていました。
それなのにライナは朝食と昼食をたらふく食べたそうですよ。
この宿は女将と亭主と娘の三人で経営されています。
娘は学校に行っています。
.
女将も亭主も人の好い人たちでした。
ライナが苦しみだすと心配してくれます、その顔を見てライナは益々、申し訳ない気持ちで苦しみ始めます。
彼は無銭飲食を決行しようとしていました。
しかし人の好さそうな女将たちに迷惑を掛けるのは申し訳ないなと思っていました。
働く事が嫌なライナには働いて宿代を返すとの選択肢は存在しません。
.
ライナは一階のトイレに入り、その窓から逃げようと考えました。
しかしトイレの窓の位置が低いところにあったようですよ。
外から丸見えです。
窓は鍵が掛けられているので破壊するしかなさそうです。
窓まで壊して逃げ出すのか、とライナの申し訳なさは限界に達します。
そこに人影が現れました。
.
人影はフェリスでした!!ライナは驚き固まってしまいます。
フェリスは剣で壁をくり抜いてトイレに侵入してきました。
反応が遅れたライナはフェリスの剣で殴られる事になってしまいます。
食堂に飛ばされて転がっているライナにフェリスが馬乗りになり、剣を首に付きつけます。
.
女将が悲鳴をあげ、亭主がやめろと叫びます。
ライナはフェリスに向かって、「・・・ああ、そうか。おまえも俺を殺すための人材なのか」と告げました。
フェリスは無言です。
女将と亭主が騒ぎ出すと、フェリスは、部外者は黙っていろ、と告げました。
これで女将と亭主は勘違いしたようです。
.
この惨状を見た女将と亭主は妙な勘違いをしてしまいます。
逃げたライナをフェリスが追いかけてきて情熱的に押し倒したと思ったようです!!
女将が気を効かせてくれて、そのまま食堂で続きをしてくれてかまわない、と言って亭主と腕を組んで出て行きました。
ライナは違うと訴えてますが、照れていると思われたようです。
.
フェリスが、お前を殺す為の人材とは、どういう意味だ、と問いかけて来ました。
ライナは誤魔化そうとしていますが、フェリスは追及をやめません。
ルシルに何を言われたと聞いてきます。
ライナが返答を渋ると、フェリスが、妹にちょっかいをださないように忠告した、と言っていたぞ、と告げてきます。
フェリスに、それが失踪の原因か?と問われてライナは違うと答えます。
ライナが、フェリスに怒っているか?と問うと怒っていると即答されてしまいます。
フェリスが剣を抜こうとしていますね。
.
そこに客がやって来ました。
食堂が開いているのか聞いているぞ、女将はライナとフェリスがお楽しみ中だと思っているので、閉っていると謝っています。
その直後、奇妙な音が聞こえてきました。
女将、客、亭主を殺した何者かが食堂に入って来ました。
.
彼は女将の腕を食べいました。
フェリスはライナ以上の変態が現れたと軽口をたたきますが、彼の強さに警戒心を抱きます。
ライナはフェリスと二人ならば撃退できると考えますが無理でした。
敵の動きは圧倒的でした。
フェリスが攻撃して相手の体勢を崩してライナが魔法を放ちます。
しかし魔法は吸収されてしまいました。
彼はライナとフェリスのどちらが探していた人物が調べる事にします。
.
ライナとフェリスは首を掴まれ壁に押し付けられています。
フェリスが化物めとうめきます。
そんな彼女に向かって、捕食者を見上げるときの、恐怖と、諦め。
貴方に日々食べられる牛や豚も、貴方を見るときそう思っているよ、と告げます。
.
ライナの眼に複写眼を発見して、やっと見つけたと言っています。
神の眼『殲滅眼』保持者のティーア・ルミブルと自己紹介してきました。
彼はライナを迎えに来たと言っているぞ。
ライナはティーアの言った神の眼って言葉が気になりました。
.
ライナは魔眼とは複写眼のことか?と質問しています。
これに対してティーアは正確には神の眼だと訂正してきます。
彼は南大陸には神の眼を持っている者が少ないので、侮蔑的に魔眼と呼ばれていると言ってるぞ。
ライナに向かって一緒に来れば、色々と教えると言っていますよ。
.
フェリスが、お喋りはそこまでだ、準備しろ、と言ってきます。
ライナには何のことだか分からない状況でした。
突然窓の外から矢が飛んできました、それがティーアの肩に刺さります。
ティーアの隙をついてフェリスはライナを連れて外に出ます。
.
そこには部隊を引き連れたシオンが待っていました。
シオンは魔法は使うな、弓か剣で対処しろ、と命じます。
食堂に向けて大量の矢が放たれる事になりました。
シオンはティーアが魔法を吸収するとの報告から彼を倒すのに必要なのは遠距離からの物理攻撃だと判断しました。
魔法が発展しているローランドでは弓は殆ど使われていません。
それなのに短期間で大量の弓と矢を用意したのは流石ですね。
.
ライナと再会したシオンは「よぉ家出少年。無事か?」と声を掛けてきました。
ライナのピンチを救えて嬉しそうにしていますよ。
.
シオンは遠距離から弓による攻撃で倒せないと不味い事になると考えていました。
そして不味い事になってしまいました。
ティーアは沢山の矢に撃ち抜かれたそうですが、宿の二階に宿泊客が一人居たそうです。
その宿泊客を食べて回復したそうだよ。
.
シオンはティーアとの会話を行い彼の弱点を探ろうとしていました。
ティーアはシオンを殺さないと宣言します。
理由として僕の仲間の『複写眼』保持者が暴走しかねないと言ってライナの事を指さします。
シオンは不味いと思いますが、遅かったですね。
兵士の中からライナの事を化物と罵る声が上がってしまいました。
.
ティーアはライナに一緒に行こうと言って誘ってきます。
自分に向かって魔法を撃てば逃げ切れると言っています。
ティーアはライナの魔法でエネルギー補充を行い飛んで逃げようと考えていました。
ティーアは「化物と蔑まれ・・・忌み嫌われ・・・それでもその中にいる必要が、あるのかい?守るべきものがあるのかい?」と言って手を差し伸べて来ました。
これは強烈な誘惑だったよね、ルシルに指摘されて、心が弱っているライナには効いた筈だよ。
シオンとフェリスはこの時のライナの表情を見て絶句しています。
ライナは泣きそうな顔をしていたのだろうか?
「おまえらの・・・おまえらのせいじゃないよ。俺は、おまえらが好きだった」
これは悲しすぎる言葉だね、ライナなりの精一杯の別れの言葉でした。
.
ライナはシオンがルークに出していた命を知っていると告げます。
フェリスがライナが彼女に言った、殺す為の人材って意味を悟りました。
シオンは違うと反論しますが、ライナの心には届きませんでした。
ライナは悪りぃ、と呟き、魔法を放ちます。
フェリスは、させない、と言って手を伸ばしますが、ライナはその手を振り払いました。
驚愕の顔を浮かべるフェリスに「じゃあな、フェリス」と別れを告げました。
ライナはティーアと一緒に旅立ちました。
驚愕です、フェリスが振られてしまったぞ、まさかライナがここまで出来るとは、驚きです!!
.
>>
PROLOGUE 2 それでも彼女がいつか、微笑めますように
>>
近づくほどにそれは、遠くなる。
シオンはライナにしてしまった行為を後悔しています。
しかし王という立場にあるシオンにはライナにした仕打ちを間違いだったと思う事は許されませんでした。
ティーアとライナが消えた後に、シオンは勝利宣言を行いました。
集まっている兵たちは強敵相手に勝利に導いたシオンを称賛する雄たけびを上げています。
.
フェリスがそんなシオンに、王か、ライナの言った通りだ、お前は悪くないと伝えます。
フェリスはシオンに「お前は、お前の守りたいものを・・・」と告げて立ち去ります。
兵士の上げる歓声にかき消されて、フェリスの言葉の最後の方は聞こえませんでした。
.
フェリスが言った、お前は悪くない、との言葉にシオンは息が詰まりそうになっています。
王としての立場と友達としての立場の板挟みになっている感じですね。
.
ローランドに戻ったフェリスはウィニットだんご店に来ています。
毎朝店主と話し、出来立てのだんごを試食させてもらう日課を果たしています。
フェリスはだんごの出来に満足しています。
究極のだんごがあるとすれば、それに最も近いのは、このだんごかもしれないと感じています。
フェリスは、これ以上何を求めるのだ、と自問しています。
.
店主はフェリスに向かって、究極のだんご探しの旅に行かれてしまうのでしょう?と問いかけてきました。
フェリスの足元にはだんごのぎっしり詰まった7個のリュックが置かれています。
これに対して、フェリスは「馬鹿を探して、こらしめる旅だ」と返答しました。
そして誰も気づかないほどかすかな表情で微笑みました。
フェリスは諦めていないね、ライナを探しに行くようです。
彼女はライナを見つける事が出来るのでしょうか?
.
微笑んだってことは、彼女はまだまだ諦めていないね、ヤル気に満ちているようです。
ライナは幸せ者だね。
このフェリスの献身にライナが応えられる日が来ると良いですね。
フェリスもライナの事が好きになったようですよ。
キファとフェリス、ライナ、モテモテだな。
それに引き換えシオンは、男にばかりモテているようです。
ちょっと可哀想かもしれない・・・
.
成分美女魔法恋愛英雄変態
評価AABAAAAC
.
AmazonLink: 伝説の勇者の伝説7 失踪の真相 (富士見ファンタジア文庫)

コメント

人気の投稿「過去1年間」

ラノベの感想) 最弱無敗の神装機竜《バハムート》第20巻 (GA文庫)

ラノベの感想) 俺を好きなのはお前だけかよ 第17巻 (電撃文庫)

ラノベの感想) カノジョの妹とキスをした。4 (GA文庫)

ラノベの感想) 俺を好きなのはお前だけかよ 第16巻 (電撃文庫)

ラノベの感想) 86―エイティシックス―Ep.12 ─ホーリィ・ブルー・ブレット─ (電撃文庫)

ラノベの感想) 幼女戦記 第13巻 Dum spiro,spero ‐上‐

ラノベの感想) 幼女戦記 第14巻 Dum spiro,spero ‐下‐

ラノベの感想) 幼女戦記 第12巻 Mundus vult decipi, ergo decipiatur

ラノベの感想) 異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で― 第3巻 (ダッシュエックス文庫DIGITAL)