ラノベの感想) 魔弾の王と天誓の鷲矢 3 (ダッシュエックス文庫)


概略:
ティグルとリムが天の御柱でサンディを生み出したので大きな余波が発生しました。風と雲が重くなったり野生の像が暴走したりしています。海が荒れて交易が不可能になります。王都を中心とした商人達は飢える可能性があります。エリッサは王都に留まり調停役を務める事になりました。王都で大きな地震が発生してエリッサは復興の差配を担う事になります。ネリーの動きを探る為にマシニッサが彼女の元に赴きます。話し合いは決裂して二人は部族を率いて激突する事になりました。マシニッサは破れティグルとネリーが部族を率いて対決する事になります。二人に率いられた七部族が二派に別れて激突します。

レーベル:ダッシュエックス文庫
発行日:2022/10/30
著者:瀬尾つかさ 原案:川口士
イラスト:白谷こなか
ISBN:978-4-08-631487-9
雰囲気:異変と対処、拒絶で涙目、大気の変化、妖精の口伝、親バカ、会談、決裂、敗北、七部族決戦、予定外の結果、矢の返上、

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第1話 『夢』の傷痕
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ティグルとリムがサンディの教育方針を巡って争っています。
ティグルはサンディに狩りを教えようと言い出しますがリムに否定されています。
リムはサンディのやりたい事を優先したいようですよ。
島の全ての人が見た夢にサンディに酷似した少女が出てきました。
不思議な力を持っている彼女を恐れる者が出てくると懸念されます。
サンディの姿を見られないように小部族の宿営地を迂回して天鷲(アクイラ)と一角犀(リノケイア)の元に戻る事にします。
ティグルとリムが留守にしているのでエリッサが一人で難題の解決を担っています。
海が荒れてしまい北大陸や近くの小島に移動できなくなったとの報を受け取ります。
王都の人々が食糧難に陥る事は目に見えています。
暴動が起るのを防ぐ為にエリッサは王都に向かう事にします。
自分に権威を付ける為に双王代理と名乗っての王都入りとなりました。
食糧が無くなると気付いて買い占めが行われる事が懸念されます。
便乗値上げをする商人も出て来そうでした。
エリッサは王都の有力商人を集めて便乗値上げを封じる為に価格統制を行うと伝えます。
砂蠍(アルビラ)から王都を守った実績のあるエリッサは有力商人達に慕われています。
暴動を回避する為と説明された商人たちは下の者を抑えると請け負ってくれました。
それでも便乗値上げした商人が現れます。
エリッサはその商人の元に向かう事にします。
王都でエリッサは注目されていたので不満を持っている民が集まって来ました。
便乗値上げしていた商人は飢えた民は怖いと理解しエリッサの施行する価格統制に従いました。
エリッサが王都で出来る対策を終わらせて天鷲の宿営地に戻ろうと考えているタイミングで大地震が発生しました。
建物が崩れてしまい王都に大きな被害が出てしまいます。
エリッサは王都に留まる事を余儀なくされます。
部族の管理を任されたナラウアスが気晴らしに馬を走らせています。
像の群れが暴走しているとの噂を聞いていたので見回りを兼ねていました。
天鷲の宿営地の一つに暴走状態の像の群れが雪崩れ込もうとしています。
ナラウアスは先頭の像に矢を放ち停止を試みますが失敗します。
打つ手なしと諦めたところに不思議な現象が発生しました。
夢に出てきた少女が宙に浮いています。
先頭の像の頭を撫でながら宥めているようです。
不思議な金色の光が発生して像が穏やかになりました。
少女の元にティグルとリムが駆けつけてきました。
不思議な少女はティグルとリムが天の御柱でまぐわりできた子供でした。
ティグルとリムは手分けして天鷲と一角犀の長老たちに説明を行います。
多くの住民が見ていたのでサンディの事は包み隠さず伝えることを兵士達に徹底させました。
幸い両陣営共にティグルとリムの意見を聞き入れてくれました。
ティグルは行方不明のネリーが騒動に関わっているとのエリッサの勘を信じることにします。
リムがエリッサに嫉妬していますね・・・可愛いです。
信頼していると明言されたエリッサが羨ましいみたいです。
周辺の同胞に挨拶をしてきたテトが戻ってきました。
ティグルは島で起こっている異常事態がネリーの企みなのか聞いてみます。
テトからはティグルとリムが天の御柱でまぐわった結果だと言われてしまいます。
異常事態はその余波だそうです。
暫くすると収まるそうですよ。
ティグルとリムはまぐわる事で大地に蓄えられていた力を解放しました。
その結果としてサンディが誕生しました。
テトは別な方法で解放されていたらもっと酷い事になっていたとも言っていました。
ティグルは現状に満足する事にしたようです。
エリッサに文を送りテトに聞いた内容を伝える事にしました。
ソフィ―にサンディの世話を任せる事にします。
ソフィーがサンディを抱きしめようとして断られています。
「ぎゅっとしていいかしら」と問いかけると「駄目です」と即答されました。
「な、なんでかしら?」と問うと「ソフィ―は、なんか、こわいです」と言われてしまいます。
ショックで涙目なソフィーはティグルに取りなしをお願いしてきます。
ティグルはサンディの意思を最優先と答えました。
ソフィは怖がられている理由が分かんないようですがティグルは分かってます。
最初に鼻息荒く迫ったのが悪いのではないか?と気付いてますが言えませんでした。
配慮しているなーティグル優しいぞ。
ティグルからの文を受け取ったエリッサは海の荒れが長くは続かないと知り安堵します。
民を落ち着かせるのを第一目標に定めます。
サンディの事も教えられたようです。
神の子を産むとはさすが先生ですね、と呟いています。
これはティグルとリムの運命に呆れているのか?

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第2話 雲が重くなる
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ティグルが弓の練習をしています。
300メートル離れた的を狙って矢を放ちました。
的には中ったのですが狙いがずれています。
ティグルはサンディが生まれる前と感覚が違っていると感じています。
テトに質問してみると風と雲が重くなっていると教えられます。
理由を聞いてみると森羅万象に原因を求めるのは下僕の悪い癖だと言われました。
日に日に風と雲が重くなっているのでサンディもティグルと同じように違いを感じ取ります。
ティグルは風と雲が重くなっている事実を伝える文をエリッサに送ります。
エリッサはハミルカルに頼んで神殿の古い文献を探ってもらう事にしました。
文献に同様の現象が記録されていました。
それはこの島に流れ着いた難民の記録でした。
建国に関わる記述だったので他国人の自分が知っては不味いのでは?と不安になっています。
ハミルカルがエリッサの才覚と良識に期待して見せた方が良いと説得して開示となったそうですよ。
記述では建国の指導者ディドーの存在が否定されていました。
さらに降り立った名を忘れられた神は人々に殺し合いをさせる為に七本の矢を与えたと書いてありました。
エリッサはティグルに他言無用と強調して伝える事にします。
エリッサかの文を読んだティグルは困っています。
彼も他国人の自分が知ってしまって良いモノか?と迷っています。
テトに確認してみると下僕たちの勘違いだと言われました。
猫なら誰でも知っている事で大した意味は無いと言われてしまいます。
遠からず終わる事に頭を悩ませるほど猫は暇じゃないんだそうですよ。
問題は無くなるって事のようですがティグルは対策を知りたいようです。
似たような口伝が星蟻(ストラク)って小部族に残っていると知りました。
ティグルはソフィ―を連れて行ってみる事にしました。
星蟻の宿営地が近づいてくると宿営地の方角で火の手が上がっている事が分かりました。
仲の悪い部族に襲われているのか?と疑いますが暴走した像の群れに襲われていました。
リムかサンディが同行していれば有効な手段があったのですが・・・
ティグルが先頭の像の目を射て痛みにより進行を止めます。
相変わらず呆れた腕前です。
風と雲の重さが変化している状況だったのでそれを考慮して射たそうです。
次も成功させる自信は無いと言っているので島の大気変化は深刻なようだね。
ソフィーが単身で突出して像の群れを止める事になりました。
彼女の持っている錫杖型の竜具ザードを使って像の足を折りました。
ぶっ叩いたようです。
10頭の像が立っていられなくなり突進は止まりました。
無事な像たちは逃げ散っていきました。
星蟻の長老と面会する事になりました。
長老は夢での出来事が全て真実とは考えていないと伝えてきます。
ティグルはサンディについて隠さずに説明しました。
夢での出来事はネリーが起したモノではないか?と強く疑っている事も伝えます。
星蟻の長老は思いの外すんなりとティグルの話を信じてくれます。
星蟻の中で一番妖精に近しい者を紹介されます。
若い女性で身体が植物化していましたよ。
ティグルはマゴー老が森で木と一体化していたのを見ているのでそれ程驚きません。
平然と握手を求めてきたティグルに女性の方が驚いていました。
彼女はマゴー老が言う一線を越えて妖精と接してしまったそうです。
彼女から妖精から聞いた重大な話を聞かされます。
妖精から白肌の妖精の友に伝えるべしと頼まれていたそうです。
「黒き太陽を呼ぶ者あり、緑の星を眺める者あり、七本の矢を束ねる者あり、古の約定を還す者あり、そは偽りを真実とする者」
と伝えてくれます。
女性は自分の身体が朽ちる前にティグルに会えてよかったと言っています。
ティグルの行く末を心配してくれました。
ティグルが留守にしている間に黒鰐(ニーゲラ)の魔弾の神子であるマシニッサがやって来ました。
サンディーを見たマシニッサは夢の人物とそっくりだと感じます。
サンディーは人懐っこくマシニッサに接しています。
彼の手を取りティグルとリムの手に似ている、ごわごわの手だと伝えます。
マシニッサはよい戦士の手はこういうものだ、将来はそういう手を持つ男を見つけて結ばれるのだと助言しています。
素直なサンディーは、わかりました、掬ばれます、と良い返事をしていますね。
リムが先走り過ぎだと焦っています。
幼子に今からなにを教えているのですかと焦っています。
マシニッサは意外だったようだね・・・あと数年であろう、それとも白肌はもっと気が長いのか?と言ってますよ。
子育てに悩んでいる風のリムに親が泰然としていれば子は勝手に育つものだと助言してくれます。
リムはマシニッサがあちこちの女性に手を付けていたと聞いていると反撃しています。
マシニッサは自分の子供はいずれも頑健に育っているぞと応じました。
子育て方針には自信がありそうです。
マシニッサはエリッサに苦労かけていると伝えてきました。
エリッサは次期双王と目されている彼の領分を犯してしまったのでは?と心配していましたが杞憂でした。
マシニッサはエリッサの行いに感謝しているようです。
世間話が終わると本題に入ります。
マシニッサがやって来た目的はネリーが赤獅子(ルベリア)に姿を見せたとの報告があったと伝えることでした。
リムはネリーの準備が終わったんだと認識します。
マシニッサは自分がネリーに会いに行ってみると言ってきました。
ティグルは5日ほどで戻ってくると伝えたのですが待っている時間が惜しいと言っています。
ティグルに憧れているマシニッサの息子ボスタルを置いて行く事になります。
最初人質だと言われたのでリムが焦っています。
ティグルに会えなかった事を残念がりながら帰っていきます。
ボスタルはサンディと仲良くなりました。
馬の扱いが上手いサンディから馬の扱い方を教わっています。
サンディが馬と話せると知り驚いています。
サンディに馬の表情と泣き声から馬がどんな気持ちでいるのか教えて貰おうと考えました。
意外な程に柔軟で優秀ですね。
サンディも馬の気持ちを伝えられる相手ができて嬉しそうにしています。
ボストルが間に入る事でサンディと一角犀の子供たちが触れ合うようになりました。
馬の扱い方を話題にしています。
ティグルが戻ってきた時にサンディとボストルは二人だけで遠乗りに出掛けていました。
大丈夫なのか?と心配するティグルをリムがおかしそうに見ています。
あなたのような人でもサンディに恋人ができることを容認しないというのですか?と問われます。
ティグルは違うと否定しつつも複雑な感情を抱いています。
これが娘に対する父の思いというものなのかと納得しています。
テトも一緒だと伝えると安心しました。
サンディとボスタルが戻ってきましたね。
馬から降りようとしたサンディが頭から地面に墜落しかけます。
サンディは咄嗟に宙に浮いて上下を反転させて足から地面に降りました。
ボストルの吃驚顔を見てこれは人前でしてはいけない事でした?と反省しています。
ティグルは自分の身を危うくするよりも目立つ方がいいと伝えます。
サンディは危ない時は使いますと答えました。
ティグルはボストルにサンディの異能を言いふらさない欲しいとお願いします。
サンディを普通の子供として育てたいと思っていると伝えます。
ボストルは承諾してくれてできる事ならなんでもしますと言ってくれました。
テトから呆れられています。
どのような子でも子は子でありましょうと言われてしまいました。
猫は細かい事は気にしないようです。
ボストルがティグルに竜殺しの話をせがんできます。
ティグルがどの竜の話だと問うとたくさん竜を殺したんですねと驚かれています。
まあ普通じゃあり得ない体験をしているからなー憧れられるのも頷ける。
翌日ティグルとボストルが弓の練習をしています。
この日も的には命中しましたが狙いが少しずれたようですよ。
ネリーに勝つ為には雲の重さと雨と風も考慮する必要があると伝えると驚かれます。
ボストルがネリーに会いに行ったマシニッサを心配しています。
ティグルはマシニッサは凄い人物なので心配ないさと励ます事しかできませんでした。

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第3話 マシニッサの戦
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マシニッサはネリーと面会する為に赤獅子(ルベリア)の大宿営に向かいました。
決死の覚悟を決めていたのですが歓待されます。
ネリーは留守にしていたのですが翌日には帰還すると言われました。
レア―という赤獅子の弓巫女が接待してくれました。
マシニッサはレア―がネリーを信頼している事に気が付きます。
彼女がネリー頼みで物事を決めていると分かったのでネリーを待つ事にします。
翌日激しい雨の中ネリーが帰還しました。
ネリーは直ぐにマシニッサとの話し合いを始めようとしますがレア―に止められます。
長老への報告がまだです、と言ってネリーの耳を引っ張って連れて行きました。
二人の打ち解けた様子にマシニッサは驚きます。
翌日酒宴が開かれネリーとマシニッサが話し合う事になりました。
ネリーがこの地にティル=ナ=ファを降臨させようとしている事が分かりました。
マシニッサはネリーの目的を認める事ができず話合いは決裂しました。
ネリーは前の生でこの島の人間と酒を酌み交わす約束をしていたそうです。
それが果たせて嬉しいと言ってました。
翌日マシニッサは帰る事にします。
レア―に兵を移動させてあると教えています。
不利になると分かっていて敵に内情を教えてきたマシニッサに驚いています。
マシニッサはネリーなら隠していても見抜くだそうと言っています。
マシニッサの率いる黒鰐、森河馬がネリーの率いる赤獅子、剣歯虎とぶつかります。
矢の届くギリギリの距離での弓矢の撃ちあいから始まります。
マシニッサは風を呼んで追い風になったタイミングで煙幕を焚いて突撃を慣行します。
ネリー目掛けて突進して黒鰐の矢を放ちました。
ネリーは赤獅子の矢で応戦します。
一点で矢同士が激突して粉々になります。
撃ちあいを続け両人とも相手の馬を射殺します。
マシニッサは地面に落下しネリーは宙に浮いて落下を防ぎます。
動きが止まったマシニッサを剣歯虎の矢で撃ち抜きました。
切断能力があるのでマシニッサの身体は上下に分断されました。
マシニッサを失った黒鰐、森河馬は敗走を始めます。
逃げてくる黒鰐、森河馬をボスタル率いる部隊が救いました。
ボスタルはマシニッサが自分をティグルの元に残した意味を正しく理解していました。
ティグルから500の騎兵を借りて敗残者の受け入れに向かいました。
ティグルは若いボスタルが状況を正しく認識できることに驚いています。
マシニッサの教育方針に感心しているようだね。
ティグルはボスタルの護衛としてソフィ―を付ける事にします。
ソフィ―が良い感じに初陣であるボスタルの緊張を和らげているね。
一緒に水浴びしようと誘ったそうですがボスタルは断りました!!愚か者め・・・そこは大喜びで応じるとことだぞ。
ボスタルのアホはソフィーの生乳を見る機会を逸したよ。
ボスタルは生き残りをなるべく多く助け出すとの初期目標を失いませんでした。
逃げる敵を追う事はしなかったので仲間達に認められます。
黒鰐の弓巫女スフォニスベは生き残りました。
森河馬の弓巫女タニ―タも生き残りました。
森河馬の魔弾の神子も戦死したので拠り所を失っています。
ソフィ―が彼女の支えになっています。
黒鰐と森河馬は魔弾の神子を失いました。
スフォニスベはソフィーにマシニッサとネリーの戦いの様子を伝えて欲しいとお願いしてきます。
次に生かして欲しいと言っています。
ネリーの弓の腕に対抗できるのはティグルしか居ないって事になったね。

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第4話 夜が来たる
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天鷲の大宿営地に戻ってきたエリッサはサンディをギュッと抱きしめています。
自分の事をエリッサお姉ちゃんと呼んでねとお願いしていますよ。
サンディはエリッサはお姉ちゃんではないと反論してきました。
テトはサンディにエリッサを詐欺師と教えたようです。
エリッサは自分は詐欺師ではない、猫と私のどちらを信じるの?と問いかけます。
非常です・・・サンディはテトを信じると即答しました。
エリッサのサンディを妹にする計画は失敗に終わりましたが部族内に残っていたサンディに対する警戒心は無くなりました。
弓巫女が恐れずにサンディに接した事で警戒感が無くなったようです。
今後の作戦会議を始めます。
黒鰐と森河馬の弓巫女スフォニスベとタニ―タがティグルに魔弾の神子になって欲しいとお願いしてきます。
それぞれの戦士長も認めたのでティグルは四部族の魔弾の神子になりました。
これにはティグル以上の弓の名手が射なかった事と指揮系統を統一する狙いがありました。
ティグルは四部族の戦士を集めて連携の訓練を始めました。
エリッサがネリーの狙いを予想します。
ネリーは名前を忘れられた神をティル=ナ=ファに見立てて降臨させようとしていると考えます。
建国物語に記されていた七部族の乱戦を引き起こして大量の血を流させて儀式を行おうとしていると予測します。
ティグル達は乱戦にならないように戦おうと考えます。
出陣の前夜、ティグルとリムは激しく求めあったようですよ・・・全裸の上半身が汗だくになっていたとあります。
サンディを連れて三人で必ず故郷に帰ろうと誓いあっています。
ティグル率いる天鷲、一角犀、黒鰐、森河馬(東軍)とネリー率いる赤獅子、剣歯虎、砂蠍(西軍)の戦いが始まりました。
東軍にはエリッサが用意した歩兵部隊が混ざっています。
リムが指揮を任される事になりました。
弓騎兵で構成される西軍は歩兵を弱点と考え攻めてきます。
リムは戦場に罠を張り巡らせていて弓騎兵を落馬に追い込み仕留めていきます。
歩兵に戦力を削られた西軍は味方を助けに来ました。
東軍の隣の弓騎兵部隊が罠に誘導して歩兵を守ります。
ティグルは森河馬の弓騎兵が黒鰐を見て怒りに任せて突出するのを禁じます。
指揮系統が統一されいる事が幸いしました。
乱戦に突入するのを回避できています。
暫く戦っていると西軍の動きが緩慢な事に気が付きました。
ティグルはもしかしてネリーが居ないのでは?と疑います。
まさか、あり得ない、と自分に言い聞かせているとエリッサも同じ事を考えました。
エリッサがネリーは戦場を離れてサンディを攫いに行ったのではないか?と指摘しました。
サンディは戦場から馬で一日の距離に設置した一角犀の大宿営に匿われています。
攫っても戦が終わるまでには間に合わないと考え否定します。
ティグルの勘はネリーが戦場に居ないと告げています。
総攻撃を仕掛ける事を指示しました。
東軍が西軍を圧倒し始め殲滅しようとしている段階で異変が起こりました。
空が暗くなります・・・
ネリーが飛竜に乗って飛んできました。
ネリーは飛竜を使う事で移動時間を短縮してサンディを連れて戦場に戻ってきました。
ティグルはネリーがサンディを使って何かをすると気が付きます。
サンディを巻き込む可能性があったのですが弓巫女の矢を放って飛竜を撃ち落します。
ネリーはサンディーを抱えて宙に舞いティグル達から離れた位置に着地しました。
中間点に飛竜が落ちてきたので戦は終息されます。
飛竜が怖くて馬が動かなくなりました。
ネリーはサンディに何事か指示ていますよ。
サンディが右腕を上げると皆既日食が始まりました。
戦場に大量の血が流れた事で儀式の準備が整ってしまったのね。
サンディにティル=ナ=ファを降臨させる事が可能となりました。
ティル=ナ=ファの降臨を成し遂げたのですがネリーが不満そうな顔をしています。
赤獅子の弓巫女レア―がティグルの元にやってきて理由を教えてくれます。
ネリーは人を愛するティル=ナ=ファを降臨させたかったそうです。
しかし降臨したのは妖精を愛するティル=ナ=ファでした。
ティグルはティル=ナ=ファが三つの顔を持っている事を思い出します。
レア―がネリーの計画を歪めて妖精を愛するティル=ナ=ファが降臨されるように仕向けたんだそうです!!
レア―は元々妖精と仲良くしていました。
しかし弓巫女になってしまい妖精と引き離されました。
彼女はそれが不満だったそうです。
ネリーが魔弾の神子になった事で状況が変わりました。
ネリーは自分の思うままに生きてよいと言ってくれたそうです。
レア―はそれに従い妖精が支配する世界を作ろうと考えたようですよ。
しっかしネリーは腋が甘いよなー、一番近くに居た人物に裏切られていたよ。
サンディは緑の球体に包まれてしまいます。
球体は徐々に強大化していきます。
周囲では妖精が踊り狂っている姿が見えています。
失敗して不貞腐れているネリーをエリッサが説得する事になります。
協力してくれないと自分が困ってしまうと伝えるとネリーは笑い始めました。
窮地でも自分のスタイルを変えないエリッサが面白かったみたいです。
エリッサって本当に大物だよ。
ネリーはティグルに協力する事になります。
弓巫女の矢で球体を射ても何も起こりませんでした。
ネリーから神が相手なのだから弓巫女の矢には何の効果も無いと言ってきます。
ティグルは建国秘話で神が消えた事を思い出します。
降臨した神に退場して貰う事は出来ないだろうか?と考えます。
神から下賜された七本の矢を返上する事で退場して貰えないか?と考えます。
弓巫女に賛成してくれるのか問いかけます。
一番長い間弓巫女だったスフォニスベだけが躊躇を見せています。
スフォニスベはエリッサに人間が変化していけるだろうか?と問いかけます。
エリッサは必要に迫られれば人間は変っていける、それを手助けするのが商人だと答えました。
これはエリッサの持論だそうですよ。
エリッサの前向きな答えにスフォニスベも賛同し七本の矢を返上する事が決まりました。
ティグルが四本、ネリーが三本の矢を同時に緑の球体に向け放ちました。
矢は球体に吸収されます。
緑の球体は膨張から収束に反転しました。
集束が終わるとサンディーの姿に戻り前のめりに倒れ込みます。
ティグルとリムが駆け寄ります。
「お父様、お母様、ありがとう、です」と言ってサンディは赤子の姿に変化しました。
ネリーに滅びの時が迫って来ました。
身体が崩れ始めています。
エリッサはネリーを抱きしめて、今までのお礼とネリーの言葉を忘れないと伝えます。
ネリーは嬉しく思う、今代の友よ、と伝えます。
ネリーがティグルに一騎討を挑んできました。
この地の新しい建国物語を終わらせる為に必要な行為だと力説します。
ティグルが承諾して矢を撃ちあう事になります。
同時に放った矢は互いの身体を捉えましたが精度に差が出ました。
ネリーの放った矢は目標よりも若干下に当たりティグルの胸甲に刺さりました。
ティグルの放った矢はネリーの胸甲のわずかに上を射ぬきました。
ネリーがどうして自分の矢が逸れたのか聞いてきます。
ティグルは雲が重くなっているからだと教えます。
ネリーはそれに気づいていませんでした。
だから自分は負けたんだと納得します。
「さらば」と言い残してネリーの身体は赤黒い光の粒になって消えました。
ティグルの使っていた黒弓も黒い塵となって大気に溶けました。

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エピローグ
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七本の矢が失われても七部族は残りました。
酒宴の席で酒を飲んで気が大きくなったエリッサは双王を引き受けてしまいました。
一年で辞めると強がっていますが新たな歩みを始めたカル=ハダシュト島は問題が山積みです。
エリッサは双王を引き受ける事でジスタートに帰ってからコネとして活かせると自分を納得させています。
エリッサは一人で双王の座に就いています。
神官達が建国物語の真実を書面に纏めました。
神との契約は人々に血を流させ神の為の力を大地に蓄えさせるものだったという真実を記しています。
書面を持ってきた老神官はこれを公開するか秘匿するかはエリッサに任せる。
秘匿する場合は編纂に携わった神官全員で服毒自殺すると言ってきます。
エリッサは自分の統治下では自殺は禁止と伝えました。
書面は当面の間秘匿される事になりました。
弓巫女が居なくなったのでティグルは魔弾の神子を辞めました。
今はリムの補佐をしています。
生き残った弓巫女は自分の部族を統治する事になっています。
リムはおっぱいが出るようになったのね・・・サンディに飲ませています。
身軽なソフィーが先に帰国します。
ティグルとリムはサンディの首が座るまで帰国を待つ事にしました。
ジスタートに向けて旅立ったソフィーがヴァレンティナを連れて戻って来ましたよ。
北大陸行きの船を王都で待っている時にヴァレンティナがやって来たそうです。
ヴァレンティナは竜具の力を使ってカル=ハダシュトに転移してきたそうです。
彼女から皆既日食現象が北大陸でも観測されたと聞かされます。
何が起ったのか探る為にやって来てソフィに会ったそうですよ。
ヴァレンティナはティグルが何かをしたと思っていました。
ティグルとリムの間に子供ができている事にも驚いています。
ティグルはヴァレンティナに一連の出来事を説明しました。
ソフィとヴァレンティナが帰還する事になりました。
サンディの首が座ったのでティグルとリムとサンディも帰還する事になります。
エリッサがお忍びで見送りに来てくれました。
サンディが歩けるようになるまでにジスタートに帰ると言っています。
ティグルはカル=ハダシュトの人々がエリッサを離さないのではないか?と考えますが言えません。
エリッサも強がっていますが段々不安になって来たようです。
エリッサがアルサスとジスタートを結ぶ街道の整備計画を伝えてきました。
アルサスに自分の商館を出させて欲しいと言っています。
ティグルとリムとサンディを乗せた船が出航しました。
エリッサの事をハミルカルが迎えにきましたよ。
彼はエリッサが一緒に船に乗って帰ってしまう可能性を考えていました。
エリッサが残ってくれた事を感謝しています。
エリッサは双王を続ける事になります。
数年が経過した頃に南大陸からアルサスに一人の青年がやって来ました。
アルサスに褐色の肌の女が営む公主お抱えの商家が立派な商館を構えています。
それもあって青年は好奇の目で見られる事はありませんでした。
これはエリッサの商館だよね・・・よかったねー帰ってこられたのね。
双王を務めて作った権益は大きいと見える。
住民に領主の館の場所を聞いています。
領主の館で青年は一人の少女と再会しました。
少女は領主の娘でアレクサンドラと名乗ります。
領主である父と母は留守にしていると言ってます。
青年はアレクサンドラの南大陸時代を知っていました。
アレクサンドラから南大陸の頃の記憶と特別な力を失ったと伝えられます。
少しだけ悲しそうな顔をしますが友だちになってくださいますか?と言って右手を差し出します。
アレクサンドラは青年をの手を取り「ごわごわの手ですね」と言ってきます。
青年が不快ですか?と問うと父の手もごわごわです、と答えました。
嫌じゃないみたいですね。
青年はボスタルだね、アレクサンドラは成長したサンディでしょ。
新たな友情の始まりだね・・・ティグルはボスタルを認めるだろうか?

成分表
成分含有量(5:多い、1:少ない)
美少女5
戦闘5
作戦3
恋愛3
ラッキースケベ2


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