ラノベの感想) 掟上今日子の婚姻届

レーベル:講談社BOX
発行日:2016/5/17
著者:西尾維新
イラスト:VOFAN
ISBN:978-4-06-220071-4

今日子さんが講演会を開いていました。
彼女の常連客である隠館厄介が聴衆として参加していました。
講演会では今日子さんが自分の特性などを言葉巧みに紹介してました。
厄介も感じたようですが今日子さんは演説がうまいようですね。
講演会の後半は今日子さんへの質問タイムになっていました。
厄介は場が冷える事を心配して挙手してますね。
そこのカッコイイ髪型の人と指名されてますね。
今日子さんは「カッコイイ髪型」を受け狙いの言葉として使ってました。
指される人すべてに使ってます。
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最後の質問者として綺麗な黒髪の女性が指名されました。
彼女の事もカッコいい髪型の人と言ってます。
質問内容がかわってますよ。
自分は失敗しても同じようなタイプの男性を好きになってしまうとも言ってましたね。
今日子さんに好みの男性のタイプを聞いていました。
好きになった事を忘れても、翌日また同じ人を好きになるのかと聞いていました。
それとも記憶がリセットされるごとに違う人を好きになるのかと。
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今日子さんの回答が痛快でしたね。
誰を好きになろうが大した問題ではないと言ってますね。
「男なんて、どいつもこいつもみんな一緒ですか」と言ってました。
記憶がリセットされるたびに好みが変わるのか、今日子さんの好みの男性像は不明だよな。
ひょっとして回答は本心で好みなんて無いのかもね。
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厄介は雑誌のインタビューを受ける事になりました。
彼の特性である冤罪についての取材でした。
インタビューする人物を見て厄介は驚く事になりました。
インタビュアーの囲井都市子(かこい としこ)さんは今日子さんの講演会で見かけた黒髪の女性でした。
都市子の方が初めましてと挨拶してインタビューが始まったので厄介は今日子さんの講演会で見かけた事を確認するタイミングを逸してしまいました。
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インタビューは厄介が数々の冤罪にどう対処しているかなどを語ることになりました。
厄介は冤罪には三つのパターンがあると言ってますね。
特にやっかいなのは、なんの謂れも無く疑われるパターンだと言ってますね。
彼はこのパターンで疑われる事が多いそうです。
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都市子は厄介が冤罪を行った相手を訴えない事が不思議だったようです。
なぜ訴えを起こさないのかと聞いてますね。
これへの厄介の回答に彼の良い人ぶりが見えてますよ。
厄介は根拠無く人を疑う行為を人々が止められれば冤罪は無くなると言ってますね。
厄介は冤罪を掛けられる度に職を辞する事になるのですが、口止め料込みで結構な退職金を貰えているので訴えないとも言ってます。
それから、裁判になると長期に渡り、気分が沈む事になりそうなので、それも嫌だと言ってますね。
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厄介が強いなと思うところも分かりましたね。
冤罪を掛けられても自分には何ら反省する部分は無いと言い切っている所は強い部分に感じますね。
インタビューは無事に終わったのですが都市子が思わぬ行動に出ますよ。
彼女は厄介を夕食に誘いますよ。
そして高級レストランに連れて行ってくれました。
しかも個室ですよ、ひゅーすげー。
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そこで厄介は都市子から相談を受ける事になりました。
後から思うとこの段階で都市子の計画的な自己保身行動が開始されていたんだよね。
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都市子はこれまでに付き合った6人の男性が全て破滅してしまったと語り始めます。
一番最初のお相手は幼稚園児の頃に好きだった近所のお兄ちゃんでした。
結構あやしい導入ですね。
お兄ちゃんは小学生だったようですけど、信号無視して車に轢かれました。
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二番目の相手は小学校時代に交際していた男子生徒が飛び降り自殺したんだよね。
クラス内でいじめに遭っていて、それを苦に自殺したようなことを言ってましたが、怪しい点がありました。
小学生なので交際と言っても大人のそれとは違うんだけど、仮にも好きな相手がクラス内でいじめに遭っていて、都市子はその事実を知らなかったと言ってました。
二人は同じクラスだよ、これは怪しいですね。
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三番目の相手は高校生時代のサッカー部の先輩です。
彼は試合中に靭帯を断絶して選手生命を絶たれて引退したと言ってました。
この彼とは交際していた訳ではないようですね。
校内でも人気がありファンクラブ的な組織があったそうです。
都市子もそれに参加してたようです。
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四人目は大学時代のサークル仲間でした。
成績優秀だった彼が都市子と付き合った事で成績が下降して留年した挙句ドロップアウトしたそうです。
現在は音信不通で日本に居ないと言ってました。
これは破滅と言えそうですがそうでは無かったんだよ。
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五人目の相手は大手出版社時代の上司でした。
この相手の彼氏は都市子と付き合う事で窓際に左遷されてしまい最終的に自主退職したそうです。
これは因果関係が全くなさそうですけどね。
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六人目は現在の出版社に勤め始めてから出会った若手実業家でした。
都市子と交際を始めると会社の業績が下降して倒産したそうです。
結婚の約束までしていたのに、都市子はフラれる事になったそうです。
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都市子が厄介にそんな話をしたのは何度となく冤罪に見舞われても破滅する事なく復活する厄介なら自分を救ってくれるとおもったからだそうです。
厄介に自分の呪いを解明してほしいと言ってきましたね。
最後に何を思ったのか厄介にプロポーズまでしてきましたよ。
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厄介は親切心から今日子に依頼する事にしました。
彼はホントに人が良いよね、結構な依頼料が発生するのにさ。
置手紙探偵事務所を訪れた厄介は驚いてますね。
事務所は改装中だったね。
今日子さんの居る応接室までに数々のセキュリティーチェックが待ってました。
厳重な警戒態勢ですね。
これは記憶を失うので以前の相手の関係性を忘れている彼女なりの防御手段のようだ。
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厄介は今日子さんへの依頼の仕方で失敗しましたね。
彼は女性である今日子さんに女性である都市子の身辺調査を依頼しましたね。
これで今日子さんに変態と疑われる事になりました。
今日子さんはボディーガードの守に警戒するように電話してました。
さらに今日子さんの警戒心は強かったですね。
彼女は幼稚園に通う子供がいる設定を持ち出したぞ。
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六人の調査なので時間が掛かるかと思ったら、意外と短時間で調査が終わるとの事でした。
厄介は図書館で時間を潰してましたが、気になって仕方なかったですね。
置手紙探偵事務所に戻り調査結果を聞く事になりました。
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これが拍子抜けする結果でしたね。
都市子が自分と交際することで破滅したと言っていた男性は破滅してない人の方が多かったですね。
破滅したのは二人目の自殺した小学校の同級生と五人目の大手出版社時代の上司でした。
二人目の彼氏は死んでしまったので破滅ですが、五人目の彼氏は自業自得でした。
都市子の他にも社内の複数の女性と爛れた関係を持ってたそうです。
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今日子さんは厄介の調査まで行っていましたね。
相当に疑われてますね、今日子さんに冤罪を掛けられている状態でした。
調査すると厄介の冤罪体質に行き当たり、過去に置手紙探偵事務所に依頼した事まで突き止めました。
過去の依頼内容まで掘り返すのは忘却探偵の方針に反するので調査を切り上げたと言ってました。
.
厄介は都市子に彼女が破滅を招く呪いに掛かっていないと報告しました。
しかし都市子は激怒してました。
厄介は勝手に探偵に依頼したから怒っているのかと考えましたが違いました。
都市子はプロポーズを断るのに探偵を使って論理的に拒否しようとした厄介の行いが気に入らないと言ってました。
都市子が不条理な脅しをかけてきましたね。
プロポーズを断る納得いく理由を考えろと言ってますね、出来なければ厄介を破滅させると脅してます。
.
厄介はブルブルと震えて時間を過ごしてました。
ここで幸運の女神が降臨しましたよ。
今日子さんからの電話が掛かってきました、午前2時です。
驚きだったのは、今日子さんは厄介の部屋の前まで来ていると言ってますね。
厄介は動揺しつつも今日子さんを部屋に招き入れました。
.
今日子さんは寝入り端に厄介に報告するのを忘れたことがあると思い出したと言ってます。
依頼料分の仕事が出来ていないと思ったと言ってます。
厄介はお釣りを返してくれれば良いですよと言いますが今日子さんが拒否しますね。
「お釣りを渡すことは、私にとって魂の死です」と言ってます、守銭奴健在です。
深夜に厄介の部屋まできた交通手段も常軌を逸して無いですかね?
ヒッチハイクでやって来たと言ってますよ。
美人は特だを地で行ってますね。
それにしても危険な行動でした。
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彼女が厄介への評価を変えるきっかけとなったのはボディーガードの守の行動にありました。
今日子さんは厄介の調査を途中で中止したのですが、守は継続してたようです。
結果、問題無しと今日子さんに報告したそうです。
今日子さんは言いつけを守らなかった守をクビにしたと言ってますね。
しかし、守がガッツがあれば翌日、何事も無かったように出勤するとも言ってましたね。
それを期待しているとも、恐らく守は来るんだよな。
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今日子さんは厄介を疑っている自分をリセットする為に卑怯な奥の手を使いました。
右腕に厄介の事を大切な人と書いてます。
厄介の胸板に口紅を使って彼をいかに愛しているかを書いていました。
今日子さんは婚姻届けみたいですねといってました。
今日子さんのプランは厄介を大好きな状態、絶好調の状態で推理に当たろうというモノでした。
今日子さんは厄介の部屋で寝るぞ。
急いでやって来たので彼女は薄いパジャマ姿でした。
厄介、役得ですね、酷い目に遭ったけど、幸運ではあったぞ。
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効果てきめんでした。
翌日目覚めた今日子さんは厄介を愛している状態でしたね。
今日子と呼んでとも言ってますね。
タメ口で会話してくれる今日子さんに厄介が感動してますね。
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推理は冴えわたりますよ。
都市子の隠したかった事実が暴露されました。
都市子が厄介に対して激怒した理由は真実が暴露されるのを恐れたからでしたね。
都市子は出来る事ならば今日子さんに依頼したかったと言ってたからね。
依頼すれば真実を突き止められると分かってたのね。
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今日子さんの突き止めた真実はどうしょもない真実でしたね。
二番目の自殺した彼に原因がありました。
遺書を残さなかったのでイジメが原因かもしれないと思われています。
現在も学校を相手取った裁判中だそうです。
しかし事実は違いました。
イジメはあったようですが、それをクラスメートで正義感の強い都市子が助けたそうです。
都市子の方は彼に特別な好意を抱いていなかったようですけど、クラス内で囃し立てられてしまい彼の方が都市子を好きだと思い込んだようだ。
都市子は告白してきた彼を説得したようだね、論理的に。
しかしフラれた彼は、それを苦にして自殺したようです。
遺書が無いので周囲の人にははっきりとした理由が分かりません。
しかし当事者の都市子には自殺の理由が分かっていたんだよね。
誰にも相談できずに抱え込むことになりました。
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後は後付けで自分と交際する相手は破滅するとの設定を作り上げたそうです。
一番目の幼稚園児のときの彼も後付けなのでおかしい筈だよ。
三番目の彼は失敗した人物を好きだったと思い込み設定の補強を始めたんだそうだ。
四人目からは確信的です、今後破滅が予想される人物を選んで好きになったと今日子さんは分析してました。
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一環しているのは二番目の彼氏の死に関係してしまった事実を隠す為の行為だったって事です。
厄介は都市子に事実を聞く前に逃げ出しても良いよと提案してましたが、都市子は逃げずに聞いてしまったね。
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都市子は最後に厄介にプロポーズしたのは彼を素敵だと思ったからだと言ってました。
これは本当かな?
厄介は帰ろうとする都市子に、これから都市子が自殺したとしてもびっくりするくらい気にしませんと言いました。
都市子は「最低」と言い残して帰りましたね。
上手くプロポーズは断れたようです。
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後日、都市子は雑誌上で自身の過去を自白調書として発表しました。
厄介はそれを建設的な決意表明と解釈してました。
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厄介は今日子さんが深夜に突然やってきた場面でモテナシが出来なかった事を反省して部屋の模様替えをしてました。
そこでこれまでの今日子さんへの依頼で貰った名刺を制理しているファイルを発見しました。
そこに新しい名刺が追加されてましたね。
今日子さんに名刺を取ってあることがバレました。
名刺には「恋人ごっこ、楽しかったです」とありました。
今日子さんは自覚的に恋人を演じてたのね。
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厄介は急に恥ずかしくなってるね。
恋人気分の今日子さんの前でドギマギしてたからね。
薄着の今日子さんが積極的にスキンシップして来るんだからそりゃ動揺するよな。
厄介は今日子に釈明しようと考えますが連絡できませんでしたね。
今回は今日子さんに必要以上に警戒されてしまったので彼女に下手な嘘を吐かせる結果となりました。
厄介は反省してますね。
大切な一人娘と、愛してくれる夫。
あんな悲しい嘘は、もうつかせない。
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厄介と今日子さんの関係に変化が訪れる事はあるのだろうか?
今後も探偵と依頼人の関係が続くのか?
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成分美女事件推理恋愛
評価AAAAB
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