ラノベの感想) 86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉 (電撃文庫)
レーベル:電撃文庫
発行日:2017/7/7
著者:安里アサト
イラスト:しらび
ISBN:978-4-04-893232-5
シン達を送り出したレーナは共和国で戦い続けていました。
シン達を支援する為に命令違反を犯してしまったレーナは降格人事を受けます。
少佐だった彼女は大尉に降格されています。
彼女が幸運だったのは直属の上司が無能なのですが権力志向の強い人だったことです。
疎まれていますが彼女が戦果を上げれば彼の手柄になるので庇ってくれています。
レーナはプロセッサーを支援する為に出来る事はすべて行っています。
彼女以外の軍人はレギオンが活動停止すると考えているので危機感がまるでありません。
エイティシックスを指揮してレギオンを精力的に狩っているレーナは鮮血の女王と呼ばれるようになりました。
彼女に従っているプロセッサーたちは女王の家臣団と呼ばれるようになっています。
レーナはシンたちが任務の果にレギオンに捕獲される事無く無事に死ねたのか心配していました。
.
レーナと別れてからのシンたちの行軍は順調なものとなりました。
シンのジャガーノートだけが稼働可能な状態だったので交互に操縦する事になっていました。
レギオンに遭遇した場合は、その時操縦していた人が戦闘を行う事になっています。
ここでシンが仲間に対してちょっとした嘘を吐きました。
シンはレギオンに捕獲されて脳をコピーされてしまった人間の声が聞こえます。
彼にはレギオンの襲撃がある事が分かっていました。
アンジュが操縦しているときに早めに交代する事を提案して操縦を代わります。
その後レギオンの襲撃がありました。
シンはレギオンとの交戦を始め仲間を逃がそうとしました。
ライデンを始めとする仲間はシンを援護する為に自動小銃を握り追いかけます。
レギオン相手では効果は皆無なのですが仲間を見捨てる事が出来ませんでした。
シンはもう少し彼らの思考を考えるべきだったね。
シンを見捨てて逃げ出す筈がないじゃないか!
.
レギオンがシンを狙ってきたのは彼を捕獲して脳のコピーを手に入れようと考えたからです。
シンは攻撃を受けて気絶してしまいました。
それを助けてくれたのが破壊したと思っていたシンの兄レイの脳をコピーされたレギオンでした。
レイは半壊状態で意識が消えかけていましたがシンたちが無事に連邦領に到着できるように見守っていました。
レイはレギオンを裏切りシンを護りました。
.
シン達はレギオンの支配地域を抜けギアーデ連邦領の近くまで進出しました。
そこを哨戒任務に就いていた連邦軍に保護される事になりました。
シンが目覚めたのは連邦軍の野戦病院でした。
ライデン、アンジュ、クレナ、セオも一緒に保護されていました。
シンが最後に目覚めたようです。
目覚めた彼は最後の戦闘で皆を守ろうとして犠牲になろうとした事を咎められます。
まあ当然だよね、シンは大いに反省するべきだ!!
.
シンたちの元に連邦の暫定大統領がやって来ます。
彼はエルンスト・ツィマーマンと名乗りました。
戦時下なので選挙を行う余裕はないようです、革命時の司令官だった彼が未だに暫定大統領をしています。
この国もレギオン相手の戦争で余裕は無いみたいです。
それでも国民は共和国の白ブタとは違いまともな思考能力を有していました。
志願制の兵役制度になっていて国を護る為に兵役に志願する人が多くいる様です。
連邦にも強制的に兵役に就かされる階層はあるのですが、彼らは人権は認められているみたいです。
シンたちは、回復したら兵役に就く事を志願しましたが、エルンストはそれを認めませんでした。
彼はとても人道的な考えをもっている人のようです。
共和国でエイティシックスという人権を剥奪された家畜扱いされていたシンたちに人間らしい暮らしを経験させようと考えます。
シン、ライデン、アンジュ、クレナ、セオはエルンストの屋敷に迎えられ平和な暮らしを体験する事になりました。
.
エルンストの屋敷で一人の少女を紹介されました。
フレデリカ・ローゼンフォルトちゃんです。
彼女、書類上はエルンストの娘って事になっています。
シン達もエルンストの養子ってことになりました。
エルンストは「お父さん」って呼んでも良いんだよと、優しく微笑みますが、否定されてしまいます。
可哀想ですね。
.
フレデリカは十歳位の女の子で歳に似合わない偉そうな口調で喋るのが特徴的でした。
彼女にはちょっとした秘密がありました。
彼女はギアーデ帝国の王族で最後の女帝でした。
革命時に配下の者に匿われて砦で徹底抗戦していたそうです。
フレデリカには近しい護衛が居ました。
キリヤ・ノウゼンという近衛兵でフレデリカと最も歳が近く仲良くしていたそうです。
しかし革命時の戦闘は苛烈だったようです。
キリヤは次第におかしくなってしまい、敵の返り血を浴びてドロドロになっている姿でフレデリカに微笑みかけるようになってしまいました。
フレデリカは怖くなってしまい配下の者たちの元を脱走してしまいました。
簡単に革命軍に捕まってしまい、エルンストの養女になったそうです。
キリヤはシンとは遠縁の親戚のようです。
ノウゼン家は王家に仕える部門の家だそうです。
シンに備わっている異能はノウゼン家の血が持たせた物のようです。
キリヤにも何らかの能力があるのでしょうか?
.
エルンストは色々と気が回る人のようです。
フレデリカは処刑された事になっているみたいですよ。
キリヤはその後レギオンに捕獲されて彼らの制御装置になってしまったようです。
フレデリカはキリヤを取りこんだレギオンを破壊して彼を解放してあげようと考えていました。
フレデリカにはシンと似たような特殊な能力があるようです。
彼女には知り合った人間の過去から現在に至るまでの姿が見える様です。
.
シンたちはエルンストの下で平和な生活を始めます。
シンは図書館通いを始めます。
ライデンはアルバイトを始めました、彼が一番平和な暮らしに馴染んでいる感じです。
アンジュはお料理教室に通い始めています。
クレナは街をブラブラしてウィンドウショッピングを楽しんだりしています。
セオは絵を描き始めました、これはちょっと意外でした、彼は芸術家肌だったようです。
其々が平和な生活を始めたのですが、彼らの心は決まっていました。
平和な世界は自分たちには似合わないって確認する事になってしまったぞ。
.
シンは図書館で一人の少年と出会いました。
学校がある時間帯に図書館に来ているシンに興味を惹かれたそうです。
シンが軍事関係の資料を漁っている時に目撃したので自分と同じように士官学校を目指しているのかと思ったそうです。
彼の名前はユージンと言います。
彼には妹が一人居ます。
彼らはギアーデ帝国の元貴族でした。
革命後、有力貴族は自分の所有する施設を使い商売を始めているそうですが、爵位を持っているだけの貴族は貧しくなってしまいました。
帝国時代、市民との間に軋轢があったそうで、革命後は就職難だそうです。
彼は士官学校でシンと相部屋となり、訓練ではバディになりました。
.
シン達が連邦に保護された時に彼らの乗っていたジャガーノートとファイドが回収されました。
連邦にはジャガーノートに大いに興味をもつ変人が居ました。
グレーテ・ヴェンツェル中佐です。
彼女は幼い事から従軍していたので二十代で中佐になっていました。
彼女の実家は兵器産業を営んでいます。
.
彼女は連邦の主力兵器ヴァナルガンドとは設計思想が異なる兵器の開発に勤しんでいました。
彼女の目指す兵器とは軽量で機動力のある機体でした。
連邦のヴァナルガンドは装甲が厚く強力な砲塔を備えています。
そのぶん移動速度が犠牲になり動きがのろくなっていました。
レギオンの攻撃を厚い装鋼で防ごうとの設計思想のようです。
小型のレギオンに対しては有効なようですが大型相手では動きがのろいので的になってしまいます。
そこで、レギオンの攻撃は俊敏な動きで回避、接近して砲撃する事で撃破を狙う機体を作ろうと考えたようです。
そんなグレーテにとってはジャガーノートは素晴らしい教材だったようです。
彼女はレギンレイヴと呼ばれる連邦製のジャガーノートを開発しました。
自信作だったようですが、実際に戦闘に使用しているシンから、ちょっとましなジャガーノートだと言われてしまいます。
シンは実直だからね、素直過ぎる感想を述べてしまいました。
しかし彼女はメゲマセン、次の改修では、驚かせてやると言っていました。
彼女はプロセッサーを部品扱いはしていません。
あくまでもレギンレイヴがレギオンに対して有効な兵器だと信じています。
プロセッサーの生存確率を上げられると信じているようですよ。
ちょっと変人ですが、良い人だと思います。
.
彼女の実家の後ろ盾があるのでレギンレイヴの補給や整備は十全なものになっていました。
シンはそこは素晴らしいと言っていましたが、彼の副官は共和国を基準にしないでくれと嘆いていました。
乗り手を選ぶレギンレイヴ部隊は人数が少ないので忙しいんだよ。
.
ある日、ライデンがアルバイトから帰ると屋敷にはフレデリカ一人でした。
彼女のお腹がグーと鳴ります。
そこでライデンがフレデリカに食事を作ってあげる事になりました。
彼は料理が得意なようです、横で見ていたフレデリカは目を輝かせていました。
.
シンはカイエの夢を見ました。
レギオンとの戦闘で戦死して彼らに捕獲されたカイエは己の頭部を抱えた姿で登場しました。
彼女はシンに「どうか私達も、助けてくれないか」とお願いしてきました。
これはレギオンに脳をコピーされた仲間を、コピー先のレギオンを破壊する事で解放してくれって事ですね。
シンは「ああ」とカイエに返答していました。
決まりだね。
.
シン達はエルンストに従軍したいと伝えます。
エルンストは折角、共和国から脱出して平和を手に入れたのに、戦場に戻ろうとする彼らを止めますが、彼らの決意を変えることは出来ないと理解して認める事になります。
しかしエルンストは志願するにしても士官学校は出るようにと言ってきます。
士官学校を出ている方が戦後の選択肢を広げられると伝えます。
シンたちは士官学校に通う事になったようです。
そこでシンはユージンと相部屋になりバディとなったようです。
.
シン達が従軍する事になったのでフレデリカは彼らについて行くと主張しました。
彼女はシン達の隊のマスコットとして従軍する事になりました。
マスコットとは、妹や姉の様な存在となり、隊員に疑似家族を体験させるための制度です。
家族を守る為に頑張ろうと思わせる心理的効果を狙っています。
連邦も非道な事をしている様に思われますが、それだけ戦況が悪いって事だよね。
.
マスコットは本来は基地に常駐して戦場には出てこないみたいです。
しかしフレデリカは、度々、戦場までやってきてしまうようです。
戦闘は夜間も行われるので幼いフレデリカは寝不足なようですよ。
あるとき、兵舎を寝ぼけた姿で徘徊していました。
シンの買ってあげたヌイグルミを引き摺りながらシャツが半分脱げている姿で歩いていました。
彼女はアンジュに連れられて着替えに向かいました。
セオが着替えを届けたそうですが、ドアを開けると全裸のフレデリカが居て、問答無用でモノを投げられたそうです。
セオは災難でしたね。
しかし元女帝の全裸を拝めたのでラッキーとも言えるね。
セオは己の幸運に感謝すべきかも知んない!!!
.
シンたちはグレーテの指揮する試験部隊に配属になりました。
グレーテはレギンレイヴの開発に協力してくれるだけで満足だったそうですが操縦兵として志願されてしまいました。
シンたちにすれば、連邦の主力機であるヴァナルガンドは重すぎたようです。
レギオンを前にしてろくに動けない機体は嫌だったようです。
.
彼らは危機に瀕している友軍を支援する即応部隊となりました。
フレデリカからの通信でユージンが死にかけている事を知らされたシンは救援に向かいました。
そこでユージンを人間として見送る事になります。
発見したユージンは下半身が無い状態でした。
頭部は無事なので捕獲されるとレギオンの思考回路になってしまいます。
シンはユージンの頭部を撃ち抜き、人間として送る事になりました。
「悪い。・・・ありがとう」
シンは相変らず辛い役目を担っているようです。
.
レギンレイヴは乗り手を選ぶ機体でした。
ジャガーノートを参考にしたので当然ですかね。
シンが配属された部隊の隊長は早々に戦死してしまったのでシンは繰り上げで戦隊長になっています。
シンの副官になったのが傭兵のベルノルトでした。
傭兵たちは器用にレギンレイヴを乗りこなしているようです。
.
レギオンの声が聞こえるシンは近々レギオンの大攻勢がある事を察知していました。
シンは共和国時代に使っていた拳銃を所持する事を認められています。
これは連邦の兵士が所持している自殺用の拳銃よりも大型です。
これを使って各方面の担当者を脅してレギオンの攻勢に備えていました。
シンが早い段階でレギオンの警戒準備を行わせていたのが効果を発揮しました。
.
フレデリカがシンにプレゼントを贈る事になりました。
回収されてファイドの中枢機関を移植した新たなファイドを作ってくれました。
ボディが大型化されています。
ファイドはシンに再会できたのが嬉しそうです。
シンに抱き着こうとして突進してきました。
シンはファイルの行動を予想できていたので逃げていました。
まあ大型のファイドに抱き着かれたりしたらシンはぺしゃんこになってしまうので仕方ないよな。
ファイドは不思議な機体だよね、知能が異様に高そうだよ。
.
予想通りにレギオンの大攻勢が掛かり、西部戦線瓦解の危機が発生します。
シン達エイティシックスが戦場を駆けまわりレギオンの大部隊を破壊して周りました。
戦闘は激しいものとなり、補給が間に合わない状況に陥ります。
シン達は戦場で動けなくなった味方機から武器弾薬を補給して戦闘を継続しました。
この凄まじい戦いぶりに連邦の兵士は恐れ戦いていました。
エイティシックスの事を「化け物め」と言っていました。
これは、連邦兵に共通の感想のようです、可哀想な彼らを誹謗したとは思われなかったようです。
戦闘機械のような人間を作り出してしまった共和国の罪は重いよ。
.
戦闘終了後にシンは上層部に呼び出されて咎められる事になりました。
シンが拳銃をチラつかせて命令にない哨戒活動を強要した事が問題となりました。
シンが何故、レギオンの動きを察知できるのか、聞かれる事になります。
グレーテはシンを庇おうとしてますが、黙っていろと止められてしまいます。
.
シンを呼び出した少将はレギオンの声が聞こえるシンの能力を確認する事になります。
シンにレギオンの配置を地図上で示せと言ってきました。
シンが指摘する場所にレギオンが観測されているか観測班から情報を貰い確認しています。
シンがレーダーで捕捉できないレギオンまで把握していると分かり驚く事になります。
シンの能力の有用性を認めた少将は彼の行動を不問にしました、この辺は柔軟性がありますね。
今後は同様の危機を察知した場合は報告を上げる事になりました。
その為の手順も作ってくれるようです、連邦は優秀な軍隊なようですね。
.
シンの元に慌てた様子のフレデリカが走ってきます。
シンは「殺してやる」との恐ろしい声を聴きました。
フレデリカは「伏せよ!キリがー」と叫んでいました。
シンとフレデリカの居る要塞が砲撃を受けたようですよ。
キリが攻めてきたのでしょうか?
.
同じころ共和国でもレギオンの大攻勢が発生していました。
レギオンから己を護る為に建造した最終防衛線が陥落してしまいました。
呑気な共和国の軍人はレギオンを見た事がありません。
雪崩れ込んでくる大量のレギオンを見ても「なんだこれ。映画か?面白そうだ」と呑気にしていました。
レーナはレギオンが最終防衛線を突破したんだと理解して即座に対応に移りました。
彼女は生き残っているプロセッサーに呼びかけました。
「”鮮血の女王”より、全戦線のプロセッサー各位!」
悲惨な戦いになりそうですね。
AmazonLink: 86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉 (電撃文庫)
発行日:2017/7/7
著者:安里アサト
イラスト:しらび
ISBN:978-4-04-893232-5
シン達を送り出したレーナは共和国で戦い続けていました。
シン達を支援する為に命令違反を犯してしまったレーナは降格人事を受けます。
少佐だった彼女は大尉に降格されています。
彼女が幸運だったのは直属の上司が無能なのですが権力志向の強い人だったことです。
疎まれていますが彼女が戦果を上げれば彼の手柄になるので庇ってくれています。
レーナはプロセッサーを支援する為に出来る事はすべて行っています。
彼女以外の軍人はレギオンが活動停止すると考えているので危機感がまるでありません。
エイティシックスを指揮してレギオンを精力的に狩っているレーナは鮮血の女王と呼ばれるようになりました。
彼女に従っているプロセッサーたちは女王の家臣団と呼ばれるようになっています。
レーナはシンたちが任務の果にレギオンに捕獲される事無く無事に死ねたのか心配していました。
.
レーナと別れてからのシンたちの行軍は順調なものとなりました。
シンのジャガーノートだけが稼働可能な状態だったので交互に操縦する事になっていました。
レギオンに遭遇した場合は、その時操縦していた人が戦闘を行う事になっています。
ここでシンが仲間に対してちょっとした嘘を吐きました。
シンはレギオンに捕獲されて脳をコピーされてしまった人間の声が聞こえます。
彼にはレギオンの襲撃がある事が分かっていました。
アンジュが操縦しているときに早めに交代する事を提案して操縦を代わります。
その後レギオンの襲撃がありました。
シンはレギオンとの交戦を始め仲間を逃がそうとしました。
ライデンを始めとする仲間はシンを援護する為に自動小銃を握り追いかけます。
レギオン相手では効果は皆無なのですが仲間を見捨てる事が出来ませんでした。
シンはもう少し彼らの思考を考えるべきだったね。
シンを見捨てて逃げ出す筈がないじゃないか!
.
レギオンがシンを狙ってきたのは彼を捕獲して脳のコピーを手に入れようと考えたからです。
シンは攻撃を受けて気絶してしまいました。
それを助けてくれたのが破壊したと思っていたシンの兄レイの脳をコピーされたレギオンでした。
レイは半壊状態で意識が消えかけていましたがシンたちが無事に連邦領に到着できるように見守っていました。
レイはレギオンを裏切りシンを護りました。
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シン達はレギオンの支配地域を抜けギアーデ連邦領の近くまで進出しました。
そこを哨戒任務に就いていた連邦軍に保護される事になりました。
シンが目覚めたのは連邦軍の野戦病院でした。
ライデン、アンジュ、クレナ、セオも一緒に保護されていました。
シンが最後に目覚めたようです。
目覚めた彼は最後の戦闘で皆を守ろうとして犠牲になろうとした事を咎められます。
まあ当然だよね、シンは大いに反省するべきだ!!
.
シンたちの元に連邦の暫定大統領がやって来ます。
彼はエルンスト・ツィマーマンと名乗りました。
戦時下なので選挙を行う余裕はないようです、革命時の司令官だった彼が未だに暫定大統領をしています。
この国もレギオン相手の戦争で余裕は無いみたいです。
それでも国民は共和国の白ブタとは違いまともな思考能力を有していました。
志願制の兵役制度になっていて国を護る為に兵役に志願する人が多くいる様です。
連邦にも強制的に兵役に就かされる階層はあるのですが、彼らは人権は認められているみたいです。
シンたちは、回復したら兵役に就く事を志願しましたが、エルンストはそれを認めませんでした。
彼はとても人道的な考えをもっている人のようです。
共和国でエイティシックスという人権を剥奪された家畜扱いされていたシンたちに人間らしい暮らしを経験させようと考えます。
シン、ライデン、アンジュ、クレナ、セオはエルンストの屋敷に迎えられ平和な暮らしを体験する事になりました。
.
エルンストの屋敷で一人の少女を紹介されました。
フレデリカ・ローゼンフォルトちゃんです。
彼女、書類上はエルンストの娘って事になっています。
シン達もエルンストの養子ってことになりました。
エルンストは「お父さん」って呼んでも良いんだよと、優しく微笑みますが、否定されてしまいます。
可哀想ですね。
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フレデリカは十歳位の女の子で歳に似合わない偉そうな口調で喋るのが特徴的でした。
彼女にはちょっとした秘密がありました。
彼女はギアーデ帝国の王族で最後の女帝でした。
革命時に配下の者に匿われて砦で徹底抗戦していたそうです。
フレデリカには近しい護衛が居ました。
キリヤ・ノウゼンという近衛兵でフレデリカと最も歳が近く仲良くしていたそうです。
しかし革命時の戦闘は苛烈だったようです。
キリヤは次第におかしくなってしまい、敵の返り血を浴びてドロドロになっている姿でフレデリカに微笑みかけるようになってしまいました。
フレデリカは怖くなってしまい配下の者たちの元を脱走してしまいました。
簡単に革命軍に捕まってしまい、エルンストの養女になったそうです。
キリヤはシンとは遠縁の親戚のようです。
ノウゼン家は王家に仕える部門の家だそうです。
シンに備わっている異能はノウゼン家の血が持たせた物のようです。
キリヤにも何らかの能力があるのでしょうか?
.
エルンストは色々と気が回る人のようです。
フレデリカは処刑された事になっているみたいですよ。
キリヤはその後レギオンに捕獲されて彼らの制御装置になってしまったようです。
フレデリカはキリヤを取りこんだレギオンを破壊して彼を解放してあげようと考えていました。
フレデリカにはシンと似たような特殊な能力があるようです。
彼女には知り合った人間の過去から現在に至るまでの姿が見える様です。
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シンたちはエルンストの下で平和な生活を始めます。
シンは図書館通いを始めます。
ライデンはアルバイトを始めました、彼が一番平和な暮らしに馴染んでいる感じです。
アンジュはお料理教室に通い始めています。
クレナは街をブラブラしてウィンドウショッピングを楽しんだりしています。
セオは絵を描き始めました、これはちょっと意外でした、彼は芸術家肌だったようです。
其々が平和な生活を始めたのですが、彼らの心は決まっていました。
平和な世界は自分たちには似合わないって確認する事になってしまったぞ。
.
シンは図書館で一人の少年と出会いました。
学校がある時間帯に図書館に来ているシンに興味を惹かれたそうです。
シンが軍事関係の資料を漁っている時に目撃したので自分と同じように士官学校を目指しているのかと思ったそうです。
彼の名前はユージンと言います。
彼には妹が一人居ます。
彼らはギアーデ帝国の元貴族でした。
革命後、有力貴族は自分の所有する施設を使い商売を始めているそうですが、爵位を持っているだけの貴族は貧しくなってしまいました。
帝国時代、市民との間に軋轢があったそうで、革命後は就職難だそうです。
彼は士官学校でシンと相部屋となり、訓練ではバディになりました。
.
シン達が連邦に保護された時に彼らの乗っていたジャガーノートとファイドが回収されました。
連邦にはジャガーノートに大いに興味をもつ変人が居ました。
グレーテ・ヴェンツェル中佐です。
彼女は幼い事から従軍していたので二十代で中佐になっていました。
彼女の実家は兵器産業を営んでいます。
.
彼女は連邦の主力兵器ヴァナルガンドとは設計思想が異なる兵器の開発に勤しんでいました。
彼女の目指す兵器とは軽量で機動力のある機体でした。
連邦のヴァナルガンドは装甲が厚く強力な砲塔を備えています。
そのぶん移動速度が犠牲になり動きがのろくなっていました。
レギオンの攻撃を厚い装鋼で防ごうとの設計思想のようです。
小型のレギオンに対しては有効なようですが大型相手では動きがのろいので的になってしまいます。
そこで、レギオンの攻撃は俊敏な動きで回避、接近して砲撃する事で撃破を狙う機体を作ろうと考えたようです。
そんなグレーテにとってはジャガーノートは素晴らしい教材だったようです。
彼女はレギンレイヴと呼ばれる連邦製のジャガーノートを開発しました。
自信作だったようですが、実際に戦闘に使用しているシンから、ちょっとましなジャガーノートだと言われてしまいます。
シンは実直だからね、素直過ぎる感想を述べてしまいました。
しかし彼女はメゲマセン、次の改修では、驚かせてやると言っていました。
彼女はプロセッサーを部品扱いはしていません。
あくまでもレギンレイヴがレギオンに対して有効な兵器だと信じています。
プロセッサーの生存確率を上げられると信じているようですよ。
ちょっと変人ですが、良い人だと思います。
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彼女の実家の後ろ盾があるのでレギンレイヴの補給や整備は十全なものになっていました。
シンはそこは素晴らしいと言っていましたが、彼の副官は共和国を基準にしないでくれと嘆いていました。
乗り手を選ぶレギンレイヴ部隊は人数が少ないので忙しいんだよ。
.
ある日、ライデンがアルバイトから帰ると屋敷にはフレデリカ一人でした。
彼女のお腹がグーと鳴ります。
そこでライデンがフレデリカに食事を作ってあげる事になりました。
彼は料理が得意なようです、横で見ていたフレデリカは目を輝かせていました。
.
シンはカイエの夢を見ました。
レギオンとの戦闘で戦死して彼らに捕獲されたカイエは己の頭部を抱えた姿で登場しました。
彼女はシンに「どうか私達も、助けてくれないか」とお願いしてきました。
これはレギオンに脳をコピーされた仲間を、コピー先のレギオンを破壊する事で解放してくれって事ですね。
シンは「ああ」とカイエに返答していました。
決まりだね。
.
シン達はエルンストに従軍したいと伝えます。
エルンストは折角、共和国から脱出して平和を手に入れたのに、戦場に戻ろうとする彼らを止めますが、彼らの決意を変えることは出来ないと理解して認める事になります。
しかしエルンストは志願するにしても士官学校は出るようにと言ってきます。
士官学校を出ている方が戦後の選択肢を広げられると伝えます。
シンたちは士官学校に通う事になったようです。
そこでシンはユージンと相部屋になりバディとなったようです。
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シン達が従軍する事になったのでフレデリカは彼らについて行くと主張しました。
彼女はシン達の隊のマスコットとして従軍する事になりました。
マスコットとは、妹や姉の様な存在となり、隊員に疑似家族を体験させるための制度です。
家族を守る為に頑張ろうと思わせる心理的効果を狙っています。
連邦も非道な事をしている様に思われますが、それだけ戦況が悪いって事だよね。
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マスコットは本来は基地に常駐して戦場には出てこないみたいです。
しかしフレデリカは、度々、戦場までやってきてしまうようです。
戦闘は夜間も行われるので幼いフレデリカは寝不足なようですよ。
あるとき、兵舎を寝ぼけた姿で徘徊していました。
シンの買ってあげたヌイグルミを引き摺りながらシャツが半分脱げている姿で歩いていました。
彼女はアンジュに連れられて着替えに向かいました。
セオが着替えを届けたそうですが、ドアを開けると全裸のフレデリカが居て、問答無用でモノを投げられたそうです。
セオは災難でしたね。
しかし元女帝の全裸を拝めたのでラッキーとも言えるね。
セオは己の幸運に感謝すべきかも知んない!!!
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シンたちはグレーテの指揮する試験部隊に配属になりました。
グレーテはレギンレイヴの開発に協力してくれるだけで満足だったそうですが操縦兵として志願されてしまいました。
シンたちにすれば、連邦の主力機であるヴァナルガンドは重すぎたようです。
レギオンを前にしてろくに動けない機体は嫌だったようです。
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彼らは危機に瀕している友軍を支援する即応部隊となりました。
フレデリカからの通信でユージンが死にかけている事を知らされたシンは救援に向かいました。
そこでユージンを人間として見送る事になります。
発見したユージンは下半身が無い状態でした。
頭部は無事なので捕獲されるとレギオンの思考回路になってしまいます。
シンはユージンの頭部を撃ち抜き、人間として送る事になりました。
「悪い。・・・ありがとう」
シンは相変らず辛い役目を担っているようです。
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レギンレイヴは乗り手を選ぶ機体でした。
ジャガーノートを参考にしたので当然ですかね。
シンが配属された部隊の隊長は早々に戦死してしまったのでシンは繰り上げで戦隊長になっています。
シンの副官になったのが傭兵のベルノルトでした。
傭兵たちは器用にレギンレイヴを乗りこなしているようです。
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レギオンの声が聞こえるシンは近々レギオンの大攻勢がある事を察知していました。
シンは共和国時代に使っていた拳銃を所持する事を認められています。
これは連邦の兵士が所持している自殺用の拳銃よりも大型です。
これを使って各方面の担当者を脅してレギオンの攻勢に備えていました。
シンが早い段階でレギオンの警戒準備を行わせていたのが効果を発揮しました。
.
フレデリカがシンにプレゼントを贈る事になりました。
回収されてファイドの中枢機関を移植した新たなファイドを作ってくれました。
ボディが大型化されています。
ファイドはシンに再会できたのが嬉しそうです。
シンに抱き着こうとして突進してきました。
シンはファイルの行動を予想できていたので逃げていました。
まあ大型のファイドに抱き着かれたりしたらシンはぺしゃんこになってしまうので仕方ないよな。
ファイドは不思議な機体だよね、知能が異様に高そうだよ。
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予想通りにレギオンの大攻勢が掛かり、西部戦線瓦解の危機が発生します。
シン達エイティシックスが戦場を駆けまわりレギオンの大部隊を破壊して周りました。
戦闘は激しいものとなり、補給が間に合わない状況に陥ります。
シン達は戦場で動けなくなった味方機から武器弾薬を補給して戦闘を継続しました。
この凄まじい戦いぶりに連邦の兵士は恐れ戦いていました。
エイティシックスの事を「化け物め」と言っていました。
これは、連邦兵に共通の感想のようです、可哀想な彼らを誹謗したとは思われなかったようです。
戦闘機械のような人間を作り出してしまった共和国の罪は重いよ。
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戦闘終了後にシンは上層部に呼び出されて咎められる事になりました。
シンが拳銃をチラつかせて命令にない哨戒活動を強要した事が問題となりました。
シンが何故、レギオンの動きを察知できるのか、聞かれる事になります。
グレーテはシンを庇おうとしてますが、黙っていろと止められてしまいます。
.
シンを呼び出した少将はレギオンの声が聞こえるシンの能力を確認する事になります。
シンにレギオンの配置を地図上で示せと言ってきました。
シンが指摘する場所にレギオンが観測されているか観測班から情報を貰い確認しています。
シンがレーダーで捕捉できないレギオンまで把握していると分かり驚く事になります。
シンの能力の有用性を認めた少将は彼の行動を不問にしました、この辺は柔軟性がありますね。
今後は同様の危機を察知した場合は報告を上げる事になりました。
その為の手順も作ってくれるようです、連邦は優秀な軍隊なようですね。
.
シンの元に慌てた様子のフレデリカが走ってきます。
シンは「殺してやる」との恐ろしい声を聴きました。
フレデリカは「伏せよ!キリがー」と叫んでいました。
シンとフレデリカの居る要塞が砲撃を受けたようですよ。
キリが攻めてきたのでしょうか?
.
同じころ共和国でもレギオンの大攻勢が発生していました。
レギオンから己を護る為に建造した最終防衛線が陥落してしまいました。
呑気な共和国の軍人はレギオンを見た事がありません。
雪崩れ込んでくる大量のレギオンを見ても「なんだこれ。映画か?面白そうだ」と呑気にしていました。
レーナはレギオンが最終防衛線を突破したんだと理解して即座に対応に移りました。
彼女は生き残っているプロセッサーに呼びかけました。
「”鮮血の女王”より、全戦線のプロセッサー各位!」
悲惨な戦いになりそうですね。
成分 | 美少女 | 正義 | 非道 | 友情 | 敵 | ラッキースケベ |
評価 | AAA | A | C | AAA | B | B |
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