ラノベの感想) 幼女戦記 第7巻 Ut sementem feceris, ita metes

ターニャ達は東部戦線に戻ってきました。
そこで恐ろしい目に遭ってしまいます。
連邦軍が攻勢に出てきました、戦闘中に現地の司令官が戦死してしまいます。
指揮系統が混乱して部隊は瓦解してしまうところでした。
ここでターニャが頑張りました。
拳銃を空に向けて撃ちます、傾注!!
督戦隊の真似事をして自分に指揮権がある、従えと命令しました。
よっぽど怖かったのね。
混乱中の部隊はターニャの指揮下に入り逃げる事ができました。
危なかったですねー危機一髪でした。

レルゲン大佐が密命を受けてターニャの元にやって来ました。
レルゲン大佐はイルドア王国との交渉を行うようですね。
そこで彼の偽装身分が必要になったみたいです。
レルゲン大佐が指揮官のレルゲン戦闘団なる集団が作られた事になりました。
ターニャの率いるサラマンダー戦闘団はレルゲン戦闘団の指揮下に入る事になったそうです。
対外的には。
レルゲン大佐が指揮官でターニャはその指揮下に入る事になりました。
これはあくまでも対外的な身分であり実際の戦闘指揮を執るのはターニャって事になります。
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ここでレルゲン大佐はターニャに頭を下げてきました。
サラマンダー戦闘団のあげる功績は公式記録でレルゲン戦闘団の功績となる事を謝ってきますよ。
彼の態度にターニャは驚いていました。
参謀本部は実際の功績を正しく評価してくれるとの説明もあったのでターニャはそれ程気にしていませんでした。
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レルゲン大佐からは追加で厄介事を頼まれました。
ターニャは寧ろこっちは断りたかったみたいです。
イルドア王国からの観戦武官を受け入れて欲しいとお願いされてしまいます。
ターニャは珈琲とチョコレートと戦闘団の人数分だけ靴下を要求して引き受けます。
レルゲン大佐は東部戦線の実情を報告書で知っているだけだったので靴下を欲しがるターニャの意見に驚いていました。
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イルドア王国の観戦武官であるカランドロ大佐はターニャの見立てでは有能な軍人でした。
ターニャは戦闘前の会議に彼が入ってくるのでやり難さを感じますがきちんと相手をしていました。
ターニャは置いて行きたかったですがカランドル大佐がどうしてもと言うので連邦軍の基地を攻める作戦に同行させました。
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作戦中のターニャ達のやり取りを聞きながらカランドル大佐は驚くことになりました。
ターニャ達は教会施設への攻撃を平然と行おうとしていました。
勿論、そこに民間人が居ない事は確認ずみです、戦時国際法を破るような真似は絶対にしませんよ。
しかし、カランドロ大佐の感覚では、教会施設や居住地への攻撃に忌避感を抱いていました。
カランドロ大佐は連邦の制度にも疎かったようです。
連邦には私有財産などないので問題ないですよとターニャに説明されて渋々納得してました。
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ターニャ達は連邦の施設を占領して勝利を祝おうとしていましたが、そこに砲撃が降ってきました。
敵が居るのかと戸惑う事になります。
大慌てで確認すると味方の帝国軍が誤射したとの事でした。
ターニャが通信で脅して誤射を止めました。
攻撃を辞めないならば部隊ごと全滅させてやると脅していました。
帝国軍の兵員の質的低下が甚だしいですね。
誤射で壊滅してたら笑い話にもならないぞ。
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イルドア王国で連邦に講和を打診して貰う為に活動中のレルゲン大佐の交渉は上手くいっていませんでした。
イルドア王国側は帝国の出してきた講和計画が多くを望み過ぎだといってます。
レルゲン大佐は帝国からの意見を言う為に色々と苦労していました。
強面風を装う為に鏡の前で練習してたようです、彼も苦労してますね。
レルゲン大佐の帝国が欲しているのは安全ですって発言は切実ですね。
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東部戦線で連邦の使用する兵器を鹵獲する事に成功しました。
そこで大変な事が分かりました。
連邦の戦車は装鋼が厚くなっていますね、強化されて来ています。
今までは魔導師が撃ち抜けた装鋼が撃ち抜くのに苦労する事になっていました。
他にも連邦の魔導師が使用するT3476型演算宝珠を入手しました。
この演算宝珠は防御に特化していました。
分析の結果、この演算宝珠は機能が限定的でした。
防御能力を上げることを主眼しているようで、射撃精度が低かったです。
連邦は練度の低い魔導師でも扱える演算宝珠を開発して魔導師の数を増やそうとしたようです。
結論としては敵ではないと判明しました。
これは帝国としてはよかったですね、魔導師の練度不足を補う高性能な演算宝珠を開発されたら目も当てられませんでした。
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連邦との停戦交渉が難航している現状で、参謀本部は逆転の一手を打つことにしました。
東部戦線の部隊を後退させて戦線の整理を行います。
その後、一気に攻め込んで連邦軍を包囲殲滅する作戦を立てました。
作戦のルーデルドルフ中将は自信がありそうですがゼートゥーア中将は反対したいようです。
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この段階では帝国の兵站事情はギリギリです。
攻撃が不発に終わった場合の予備プランは立案できていませんでした。
博打と言っても良い計画でした。
ゼートゥーア中将は他に手は無いんだよとルーデルドルフ中将に説得されてしまいました。
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作戦は基本に忠実な堅実なものでしたが、ダイナミックでもありました。
大きな河川の連邦側に空挺降下して連邦軍の背後を突きます。
連邦の逃げ道を塞いでいる間に河川の帝国側から地上部隊を急行して包囲殲滅する作戦でした。
ここでターニャはちょっとして工夫を行いました。
これが効果てきめんでした。
ターニャは魔導師を戦車に乗せて運びました。
戦車の上に乗っているので全周の索敵が可能で、予想外に早く降下部隊との合流地点に到着できました。
連邦の魔導師との戦闘になりましたが奴らには明確な弱点がありました。
連邦の魔導師は近接戦闘が苦手でした、ターニャはそこを突いて連邦の魔導師を撃破しました。
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包囲殲滅を狙ったので戦線を薄く配置する事になり負けそうになっている部隊を救援する事になりました。
ここで移動に戦車を使った事がいきました。
長距離を飛行していなかったのでターニャの二〇三魔導大隊には余力がありました。
大勝利です。
ゼートゥーア中将は完全な勝利を捥ぎ取りたかったようでターニャ達に連邦の司令部を強襲するように命じました。
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ターニャ達は司令部と思しき場所に急行しましたが、観測すると囮のようだったので一旦、退却する事にしましたが、周辺を索敵して本物の司令部を発見してしまいました。
ターニャはリスクを取りたくないので攻撃したくないなと思ってたのですが見つけてしまったので仕方なしに攻撃をしました。
連邦の司令部は破壊されて、これで完全な包囲殲滅作戦が完成したなと思ってたようです。
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ここで予想外の出来事が発生しました。
ターニャ達は連邦軍は上からの命令に忠実に従う軍隊だと思っていました。
そんな連邦軍が司令部を破壊されたので残存部隊は烏合の衆になるだろうと予想していました。
ところが、連邦軍の中に気の利く将校が居たようです。
指揮系統が瓦解している状況で相互に連絡を取り合い帝国の包囲網を突破してしまいました。
これにはターニャも驚いていました。
少しの連邦部隊を逃がす事になってしまいましたが、概ね作戦は成功しました。
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帝国の包囲網から突破して退却を指揮した政治将校代理のホブロフさんと代理指揮官マルコフ中将は連邦軍参謀本部に電文を送っていました。
そこには今後の連邦に向けての改善要求が書かれていました。
それをロリヤが読みました。
ロリヤは連絡役の将校に電文内容が事実か問いただしていました。
連絡将校は魔導師の有効性は本当だと言ってます。
ロリヤは魔導師を使う事にしたようです。
ロリヤは帝国が情報統制が取れていない事実を知り笑ってますね。
講和条件が欲張り過ぎだなと思ってますね。
ロリヤは帝国は政治交渉が下手だ、今後は政治的に戦おうと考えるね。
これは帝国にとっては少し不味い展開になりそうですよ。
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北方でパルチザンに協力していた連合王国と連邦の混成部隊に移動も命令が来ました。
東部戦線に魔導師を投入する事になるようです。
帝国が東部戦線に主軸を移していたのでパルチザンの活動は結構うまく行ってたようです。
混成部隊とパルチザンの間に信頼関係が生まれつつあったようです。
そのような状況下での移動命令にスー中尉が反論しました。
またしてもドレイク中佐は彼女の説得に苦労する事になりました。
故郷を離れたくないとのスー中尉の意見も理解できますが、命令ですからね。
ドレイク中佐は説得を試みましたがスー中尉を納得させる事はできませんでした。
彼女は除隊してパルチザンに参加しようと思ってたようです。
苦肉の策としてドレイク中佐は連邦の政治将校、タネーチカ中尉にスー中尉の説得をお願いすることにしました。
ドレイク中佐が嘆いてますよ、コミーに頼る事になるとはね・・・
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帝国の参謀本部は東部戦線からの勝利の知らせに沸き返りました。
報告が入るまで心配で仕方なかったようです、それだけ博打の要素が大きかったのね。
ルーデルドルフ中将とゼートゥーア中将もほっとしていました。
参謀本部は帝国との講和条件の草案を作成済みです、共和国戦で行った失敗は踏まないぞとの決意です。
講和条件も妥当性の高いものであると自信を持っていました。
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戦後政策を話し合う最高統帥会議が開かれました。
ゼートゥーア中将とルーデルドルフ中将が出席しました。
二人は講和条件に自信があったので会議で承認が貰えるだろうと思ってたようです。
しかし二人の見解は甘かったですね、甘すぎました。
最高統帥会議は講和条件が不満なようでした。
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文官たちはこれまでに費やした帝国の戦費を回収したいと言ってきました。
戦費を使い過ぎていて財政破綻寸前なのでどうしても戦費を回収したいと言ってますよ。
これは困りました。
更に悪いことに帝室までももっと良い条件での講和を望んでいると言われてしまいます。
ゼートゥーアはこれ以上の作戦行動は兵站が持たないので無理ですと言いますが聞いてはくれませんね。
文官たちは占領地から現地挑発して賄えばいいではないかと言ってます。
これ以上の損害は出せないので損斬りするべしとのゼートゥーアの意見は受け入れて貰えませんでした。
分かってない、本当に現状を分かってない、帝国にはもう戦う金は無いんだぞ!!
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ルーデルドルフ中将は勝つのは難しいとゼートゥーアを援護してくれましたが、真意は文官には伝わりませんでした。
文官たちは兵站を準備できれば勝てるんだねと解釈してますよ。
ヤレヤレですね。
ゼートゥーアは呆れて発言できなくなっていました。
これが不味かったですね、ルーデルドルフは戦う準備を整えてくれるのならば勝って見せようと言ってしまいました。
ここでルーデルドルフの発言を止められなかったのが悔やまれますね。
折角の大勝利が無駄になってしまったね。
これで戦争を続ける事になりそうです。
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イルドア王国に駐在していたレルゲン大佐は帝国から齎された東部戦線での勝利の報告に喜びを爆発させていました。
秘蔵の連合王国の酒を飲んでいますよ。
イルドア王国の帝国大使館の大使も秘蔵の酒を持ち出して飲んでますね。
大使館に喜びが充満していました。
これでようやく長かった戦争が終わると思っています。
まあ、やっと目的を達成できそうなので気持ちは分かります。
そこに嬉しくない報告が帝国から届きました。
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ほろ酔い加減のレルゲン大佐は当直の将校から暗号電文を受け取ります。
自室に戻りコードブックを片手に暗号の解読を行いました。
レルゲン大佐は途中で、あれ、これ、おかしくないかと気がつきます。
自分が酔ってるせいではと、何度か解読をやり直したようです。
しかし、現実は非情でした。
解読結果を読んでレルゲン大佐は嘆くことになりました。
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最高統帥会議はレルゲン大佐が纏めた講和を無効としています。
再交渉して大幅な譲歩を引き出すようにと言ってきました。
これは困った事になりましたね。
レルゲン大佐は頑張って交渉したんだけどね、更なる譲歩を引き出せとは。
レルゲン大佐は東部で勝ったのが不味かったなとまで考えてしまいました、負ければよかったとも。
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確かに帝国は勝ち過ぎてしまったようですね。
情報統制も満足にできていない状況なので実際に戦地に赴いた事のない後方の人々に幻想を抱かせてしまったようです。
戦えばもっと勝てると思い込ませてしまったようです。
帝室まで世間知らずな事を言っているのも不味すぎますね。
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帝国は軍と政治が明確に分離されています。
国家体制としてはとてもまともな体制に思えます。
しかし軍部の見解と政治(民意を含む)の見解が分離してしまいました。
これは不味い状況です。
まともな感覚を持っているのが軍部の人だけのように思えてきますね。
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最高統帥会議の決定を知らないターニャは占領地でノンビリとしていました。
陣地を構築しながら次の命令を待っています。
ターニャ達は浮かれていました。
現地で入手したカメラで記念撮影までしていました。
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ターニャは今回の東部での勝利でやっと戦争が終わると思ってます。
更に戦勝国の一員になれたと喜んでいますよ。
ターニャは戦後の安定した生活に思いを馳せているようですけど、最高統帥会議の決定を知ったらどうなるんだろうか?
きっと激高しそうですね、なんて馬鹿なんだーと。
今回の東部戦線でもターニャは大きな功績を上げたんだよね。
それもこれも帝国が破綻しない為だったのに。
これではあんまりな結果ですね。
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帝国の文官たちは戦費の入手先に心当たりでもあるのでしょうか?
ルーデルドルフに戦費の用意ができるような感じで言ってましたが?
まさかとは思いますが本気で占領地から徴収をするつもりなのでしょうか?
そうなると折角立ち上げた連邦内の現地自治機構が吹っ飛んでしまうぞ。
それともルーデルドルフは戦費不足で作戦実行不可能と抵抗してくれるのでしょうか?
すでに人的資源は限界に来ていますからね。
兵員をどうするのかって問題もあるね、連邦内の自治機構から徴兵するんだろうか?
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レーベル:エンターブレイン
発行日:2016/12/28
著者:カルロ・ゼン
イラスト:篠月しのぶ
ISBN:978-4-04-734407-5
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成分幼女美少女おじ様戦略作戦戦術訓練
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