ラノベの感想) 幼女戦記 第6巻 Nil admirari

東部方面に派遣されたターニャ達サラマンダー戦闘団は越冬の準備を始めます。
しかし後方の補給部隊が用意してくれた防寒具は帝国仕様でした。
帝国内での冬を越す事を想定した作りになっているので東部戦線では薄すぎました。
ターニャ達は独自の伝手を頼って防寒具をかきあつめる事になりました。
困った現状ですが、ターニャと補給部門のウーガ中佐が軍大学時代からのお友達なのでまだましな補給を受けられているそうです。
防寒具の準備は何とかなりましたが、次の問題が噴出しました。
帝国製の武器が寒さにより動作不良を起こし始めます。
ターニャは頭を抱える事になりました。
寒さを想定していると思われる、連邦から鹵獲した武器を調べてみると面白い事がわかりました。

連邦製の武器は構造がとても単純になっていました。
それに比べて帝国製の武器は構造が複雑で緻密な作りになっていました。
ターニャは帝国の武器は独自仕様が強すぎるガラパゴスになっていると嘆きます。
武器が無い事には戦えないのでターニャは武器の確保に動きます。
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ターニャは連邦軍から武器の略奪を行う事にしました。
敵国の所有物を押収することは国際法で認められているのを利用します。
ターニャは慎重です、戦後に裁判沙汰にならないように配慮していました。
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連邦と連合王国は対帝国で連携することになっています。
現場の指揮官同士が仲良くなり始めます。
連合王国のドレイク中佐と連邦のミケル大佐の間に互いを戦友と認める友情が育まれています。
ドレイク中佐は政治将校のタネーチカに反感を抱いていました。
常に監視の目があるのでドレイク中佐とミケル大佐の会話は慎重に行われていました。
ミケル大佐は連合王国の言語が話せるのですが、政治将校の前では通訳を付けています。
連邦の監視体制は強固なようです。
ミケル大佐はタネーチカはまだマシな政治将校だと言ってます。
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連邦と連合王国は帝国が占領した地域への嫌がらせ攻撃をする事になりました。
この戦場でドレイク中佐は反乱分子を降伏させる為に捕虜にする事にしました。
投降した反乱分子は連合王国に護送される事になります。
ドレイク中佐は連邦に拘束されると強制収容時に送還されて殺されないけど酷すぎる扱いを受けると分かっていたので連合王国に護送する事にしました。
これはとても人道的で優しい判断だったと思うのですが、状況を理解していない部下に足元を掬われました。
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協商連合から合衆国に脱出して合衆国の義勇兵になり連合王国軍の配下に入っているスー中尉が余計な事をしてしまいます。
スー中尉は実情が理解できていません。
更に彼女はタネーチカと仲良くなっていました、まあ、友達と言える位には仲良しです。
タネーチカはスーに頼んで連合王国が捕虜にした反乱分子を連邦に引き渡すようにお願いしてきたようです。
おバカさんなスーはそれを認めてしまいました。
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ドレイク中佐がミケル大佐と連携して捕虜を連合王国に連れて行く権利を取り戻しました。
ミケル大佐も捕まった反乱分子が連邦に送還されると、どうなるか分かっているので協力してくれました。
ミケル大佐は共産党の捕虜になっている家族の為に戦っているので党に対する忠誠心は皆無です。
ドレイク中佐は問題行動を起こしたスー中尉に真意を問いただしました。
彼女の真意は吃驚するモノでしたよ。
スー中尉は捕虜を連邦に引き渡すのは良い行いだと信じていました。
彼女は連邦では最高刑に死刑が無いので、連合王国に連れ去られるよりもいい結果になると考えていました。
連合王国では最高刑に死刑もあるんだよね。
帝国でも兵士の訓練時間が短くなり将校の質が低下してきています。
連合王国でも同じようです。
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ドレイク中佐は捕まえた捕虜を連合王国に連れて行き手厚く保護しようと考えてたようですけど、スー中尉には伝えていませんでした。
将校のくせにまるで子供の理屈を振り回すスー中尉に辟易しています。
彼女の所属が微妙なのも問題の一端ではありそうです。
彼女は合衆国の義勇兵だからね、あんまり強く処罰できないようです。
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帝国と同盟関係にあり中立を保っているイルドア王国が動き始めました。
彼らは状況を詳しく認識しているようですよ。
イルドア王国は帝国と連邦、連合王国、共和国の残党軍との戦争が限界点に来ていると考えます。
そこで講和を持ちかけて手数料を取ろうと考えました。
帝国の動向を探る為に国境線での大規模な軍事演習を行う事にします。
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これに対して帝国の参謀本部は驚くことになりました。
共和国にやられたトラウマが蘇ります。
側面強襲の恐怖に囚われてしまいました。
帝国は自国領土を守る事を主眼としているので仕方ないですね。
戦えばイルドア王国には勝てるようですが、連邦との東部戦線での戦闘に兵力を割いているので兵力が足りません。
北の方にも連邦と連合王国の連携部隊が嫌がらせを仕掛けてきています。
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ゼートゥーア中将がイルドア王国の動きを読もうとしていました。
彼は製薬会社の株価に注目してますね、侵攻を意図している場合は医薬品を大量に購入するので株価に変化があるんだね。
しかし株価に大きな変化はありませんでした。
これでは演習なのか侵攻なのか分かりませんね、帝国は安全策を取ります。
イルドア王国は危険と判断して一部の兵をイルドア王国の近くに動かしました。
ターニャ達に帝都への再配置命令が下りました。
ターニャは現状の東部戦線から自分たちが引き抜かれる意図をはかりかねてました。
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レルゲン大佐に密命が降ります。
イルドア王国に行って現地の指揮官の情報を入手するようにと言われます。
スパイの真似事をする事になりました。
ここでレルゲン大佐はヴィルジニオ・カランドロ大佐と出会います。
カランドロはイゴール・ガスマン大将の部下ですね。
レルゲン大佐の案内をしてくれます。
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レルゲン大佐はカランドロ大佐からイルドア王国の状況を聞き出そうとしていました。
参謀将校なのでスパイ活動に成れていない彼はターニャの真似をする事でカランドロ大佐から情報を引き出そうとしています。
レルゲン大佐は上手くやったね、イルドア王国から燃料の供与を受ける事ができました。
軍事物資の提供は国際法違反だとカランドロは言ってましたが民間利用ならば問題ないでしょとレルゲンが返していました。
うーん、ターニャの様な交渉上手でした。
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帝都に戻って来ているターニャ達はウーガ中佐に紹介しれたカフェで楽しんでいました。
出された珈琲に不満を言うとウェイターが声を掛けてきました。
珈琲に不満を言う女児がいれば知り合いなので「とっておき」を出してくれと言われていると言ってきました。
ターニャの元にとっておきの珈琲が出てきましたよ。
ターニャは満足そうに珈琲を満喫していました。
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ターニャはイルドア王国の意図を把握しようとしていました。
ターニャはイルドア王国を良いプレーヤーだと評価しています。
ターニャは帝国の戦略に誤りがあると考えています。
そこで参謀本部に連絡してウーガ中佐を呼び出します。
彼と意見の交換を行う事にしました。
一般的な意見を聞きたくてヴァイス少佐を同行させます。
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ターニャはウーガ中佐に即時講和しかないと己の考えを示します。
ターニャの考えは戦前の国境線を基本として無併合、無賠償、軍縮条約を提出するとのモノでした。
ウーガ中佐ならば分かってくれるのではと期待していたようですけど、彼はターニャの意見に異論を呈しました。
それは講和ではないと言ってます。
ウーガ中佐はこれまでに費やした戦費と兵士の命を無駄にしたくないと考えているようですね。
ターニャはこれ以上の戦争は負債が嵩むばかりなので損斬りしたいと考えているので意見は対立しています。
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ここでヴァイス少佐に意見を求めると彼はターニャの意見を指示しますね。
しかし彼の意見も割り切れてはいないようですよ。
割り切れないヴァイス少佐にターニャは驚いていますね。
理屈の上ではターニャの意見が正しいみたいですが、感情面ではウーガの意見が正しいようだ。
二人の見解は対局でした、これ以上の損害は出したくないとのターニャと、これまでの損害を無駄にしたくないとのウーガです。
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更なる問題もありますね。
帝国の後方でお花畑な雰囲気が醸成されていますよ。
世論は戦争継続に傾いていました。
帝国は後方への情報統制に失敗していました。
後方には帝国は各戦線で勝利していると伝わっています。
後方の市民たちに物資の供与を強いています、これも不味い結果に繋がってますね。
自分たちが物資を提供したので見返りが欲しいと思われています。
これではターニャの考える講和はとても認めて貰えそうにありません。
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ウーガ中佐から更に恐ろしい事実を知らされてしまいます。
帝国には敵地侵攻時のプランがなかったそうです。
そこで共和国から押収したプランを使ったそうですよ。
自分たちで研究したものでは無く敵国のプランを転用したそうです。
これには驚きますね。
しかし、それを上手く転用できてしまう帝国軍も凄いですけど。
これは問題だよね。
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極めつけはゼートゥーア中将が行った東方の分断統治政策も彼の個人芸だったそうです。
帝国の政策は個人事業だったと判明しました、ヤレヤレです。
問題大ありですね、まさか個人的な考えだけで動いていたとは。
帝国の場当たり的な行動もこれで納得できますね。
意外と帝国は脆いようだぞ。
何しろ最終目的が無さそうなのが痛いですね。
このまま行くと世界征服しないといけないんじゃないのか?
それまでに兵站は持ちこたえる事はできるのでしょうかね、まあ、無理っぽいよね。
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ゼートゥーア中将の作戦は中央では不評だそうです、情勢次第ではひっくり返る余地があるそうだ。
ターニャは、分断統治政策をあの場合はあれしかなかったと指示はしてますけどね。
帝国に内部分裂の火種がありそうです。
ターニャはウーガに参謀本部を口説くようにお願いしています。
講和を考えてねって事ですね。
ウーガの反応は芳しくないですね。
レルゲン大佐が居れば話を通しやすいが、彼は今不在だと言ってます。
ウーガは機会があれば自分が提案してみると約束してくれました。
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連邦と連合王国の部隊が協商連合のあったフィヨルド地帯に攻撃を仕掛けて来ました。
直前まで魔導反応がありませんでした。
帝国は敵襲の察知に遅れます。
ターニャ達に迎撃に迎えとの命令がでます。
ターニャは自分たちが行った襲撃作戦を模倣されたなと気がつきます。
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連邦と連合王国は協商連合があった地域に残り抵抗活動を続けているパルチザンと合流しました。
この作戦に従軍しているスー中尉は故郷に戻ってこれたと感動しています。
彼女は祖国を取り戻す為に戦う事が出来ると意気込んでいました。
しかし彼女の期待は裏切られる事になりました。
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スー中尉は全面交戦を訴えますがパルチザンには却下されます。
彼らは自分たちはここで暮らしていくしかないんだ、都市部での戦闘は避けてくれとと訴えます。
スー中尉はガッカリしていました、やっと帝国と戦えると思っていたので、この気持ちは分からなくもないですが。
彼女の意見はここでは、厄介なモノでした。
彼女はパルチザンから厄介者扱いされるのが理解できていませんよ。
スー中尉の行動にドレイク中佐はまたしても悩まされる事になります。
会議の場から彼女を引っ張り出して、説得を試みました。
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パルチザンは都市部から離れた場所への攻撃をお願いしてきました。
彼らは帝国に対して小規模な嫌がらせ攻撃をする事で帝国を疲弊させる事を狙っていました。
この作戦は有効でした、帝国は占領地の安定化に軍を動かしていました。
これが過剰な戦力を動かす事に繋がっていて、帝国は疲弊していました。
ドテイク中佐とミケル大佐はこのパルチザンの攻撃の有効性を認めていました。
二人は都市部から離れた地域への攻撃をする事になりました。
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これを平定する為に派遣されたターニャは敵の狙いに気がつき辟易していました。
パルチザンが堅実な抵抗集団だと分かります。
こそこそと嫌がらせの小規模攻撃を行い逃げて行きます。
帝国軍はそれを追う事になり、疲弊させられることになりました。
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問題も発生してしまいました。
ウーガ中佐のはからいでこの戦場にバイクを持ち込みました。
当初は小回りの利くバイクは有効でしたが、整備に問題を抱える事になりました。
整備部品は潤沢なのですが整備する環境がありませんでした!!
ターニャは帝国軍の構造的欠陥に気がつきます。
人手が足りません。
多くの戦線で勝ち過ぎたのが問題となってますね。
元々帝国は占領地をどうやって支配するかのプランが無かったのが問題ですね。
このままでは帝国は瓦解してしまうと考えます、やはりターニャの主張する講和しか手は無さそうです。
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参謀本部に連邦が大規模な反撃戦を企図しているとの情報が入ります。
さらにこれまで中立を保っていた合衆国の介入があるのかも問題となってます。
合衆国は景気対策の為に空母を建造中です。
合衆国は連合王国の戦費を賄っているので帝国が勝利する事は彼らの利益に反します。
これは介入ありとみるべきでしょうかね?
ゼートゥーアとルーデルドルフは対処する事になります。
この二人が優秀なのが帝国の問題を大きくしている要素になってますね。
場当たり的な作戦が当たってしまうんだよね。
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ターニャの元に連邦が春季攻勢を掛けてくるとの連絡が入ります。
ターニャには連邦の意図がまるで見えません。
連邦は帝国に勝てると思っているのか?
未だに帝国の東部防衛線は崩れていません。
ターニャは「もう、何事にも驚くまいよ」と言ってますね。
これは諦観なのか?
ターニャは講和を諦めたとみるべきか?
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帝国の現状は不味すぎますね。
勝ち続けていますが、疲弊してきています。
貿易に制限が欠けられてターニャの大好きな珈琲の入手も困難になってます。
前線の死傷者が多すぎるので新兵の訓練に時間を掛けられていません。
素人が前線に投入されている状況です。
これは一刻も早い講和が必要に思えますね。
このままでは帝国は動けなくなってしまうのではないでしょうか。
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レーベル:エンターブレイン
発行日:2016/8/10
著者:カルロ・ゼン
イラスト:篠月しのぶ
ISBN:978-4-04-734210-1
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成分幼女美少女おじ様戦略作戦戦術訓練
評価BAAAABAAC
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