ラノベの感想) 百錬の覇王と聖約の戦乙女 第16巻 (HJ文庫)
概略:
ルーネが親衛騎団を率いて炎の族都から大量の食糧を奪いました。同時に種子島と鉄砲職人も拉致しました。炎が行動不能になったので勇斗は東征を決行します。絹の宗主ウートガルドは手ぐすね引いて鋼の到来を待っていました。彼女は鉄の製法を独自に開発しているので自信を持っています。他にも秘策を持っているようです。
レーベル:HJ文庫
発行日:2018/7/1
著者:鷹山誠一
イラスト:ゆきさん
ISBN:978-4-7986-1722-0
雰囲気:絹の暴君、ルーネ開眼、東征、山越え、象の戦車、生意気な奴隷獲得
.
絹の宗主ウートガルドは勇斗からの書状を生意気なと投げつけます。
勇斗の事を僭主(せんしゅ)と罵り従う気が無い事を示しています。
怒りの収まらない彼女は部下に鞭を振るって鬱憤を晴らしていました。
ウートガルドは『鮮血帝』と呼ばれて恐れられています。
彼女の機嫌を損なうと殴られます、場合によっては殺される事もあるので誰も彼女に逆らわなくなっています。
.
勇斗はスカーヴィズを失った悲しみを仕事に邁進する事で忘れようとしています。
幹部を集めて東征する事を発表しました。
炎を倒す前に新たな敵を作るのは不味いとの反対意見が出てきました。
勇斗は炎を倒す方法が思い浮かばないと答えます。
ユグドラシルが沈む時期が迫っているので早々にユグドラシルの東端に到達する必要があります。
ユグドラシルが沈むと言う話は既にしてあるので理解して貰えました。
炎に対する備えとして神都グラズヘイムに20000の兵を配備します。
ヨルゲンを大将、ファグラヴェールを副将、バーラを軍師として残していく事にしました。
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クリスティーナから絹が鋼も知らない絹の製法を知っていて莫大な利益を上げている事が報告されます。
宗主が17歳で世襲により宗主になった事と襲名時に起きた内乱を早々に沈めたと告げられます。
好機と思い攻め込んで虎を撃退した事も告げられます。
戦上手で内政面でも不正役人を一掃して刑罰を強化した事で治安が向上したそうです。
自分の意に沿わない者は粛清する暴君だと伝えられます。
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勇斗は自分の宗主としての甘さを痛感して耳が痛いと呟きます。
ヨルゲンやボドヴィッドからは勇斗程恐ろしい人は知らないと言われてしまい意外感を持っています。
勇斗は未だに自分の中にある覇気が相手に畏怖の念を抱かせていると知らないようです。
.
絹に攻め込まれて劣勢な虎の宗主メングラッドは勇斗に援軍を頼もうと考えています。
彼は勇斗の発した招集令に応じなかったのですが、氏族間の争いを禁じた惣無事令を逆手に取りました。
メングラッドは絹に襲われてる虎を助けざろう得ないと考えました。
彼は鋼が到着するまで籠城する構えでした。
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絹の宗主ウートガルドは虎の幹部を抱き込み味方に引き入れました。
彼との婚姻を考えてやっても良いと言って唆します。
騙されてしまったスィアチと云う幹部が絹を招き入れてしまいました。
虎の重鎮たちは滅ぼされてしまいます。
.
スィアチにはウートガルドを篭絡して虎の実権を取り戻そうとの計画がありました。
しかしウートガルドの方が一枚上手でした。
虎の族都を落とした彼女はスィアチを処断する事にします。
二君に使える者など信用できないと言って彼の部下を処刑させます。
スィアチに部下の処刑を見せて己の嗜虐心を満たしています。
ウートガルドは他人を痛めつける事が大好きな暴君です。
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炎の族都ブリーキンダ・ベルを襲撃したルーネ達は大量の食糧を奪い船に乗せて送り出しました。
一度では積みきれなかったそうで何度も往復したようです。
最後の食糧を積み込み出航させた後、彼女たちは近くの山に隠れました。
予定日になっても迎えはやって来ませんでした。
ビビりのヒルデガルドは不平を零しています。
.
ルーネは文句ばかり言っているヒルダを鍛える事にしました。
この頃の二人はルー姉、ヒルダと愛称で呼び合う仲に成っています。
ルーネはビビりで落ち着きの無いヒルダを鍛えようとしているようです。
ヒルダはエインヘリアルなので期待も大きいようです。
訓練は実戦形式で、木剣を使って打ち合いをしています。
今回ルーネの旗下に配属された波の乙女のスィールが審判をしています。
彼女が引き分けとの判定を下すと親衛騎団から歓声が上がりました。
これまで誰もルーネに攻撃を当てる事は出来なかったようです。
それを成し遂げたヒルダの事を絶賛しています。
しかしヒルダには不満なようですね、自分の攻撃の方が速かったでしょ?と不満を述べています。
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ルーネが負けを認めてヒルダの頭を撫でて褒めてくれます。
ヒルダは嬉しくて滝の様な涙を流しています。
ルーネがようやく本気が出せると不穏な事を言い出します。
これまでルーネは手加減していたようです。
ヒルダは本気になったルーネの恐ろしさを知る事になりました。
ルーネはヒルダを相手にスカーヴィズが使う技を試しました。
ヒルダは成す術なく負けてしまいます。
ルーネが親衛騎団の訓練に取り入れている兵法はスカーヴィズが一から築き挙げたものだと教えます。
ヒルダが国に帰ったら指南して貰おうかな?と言い出します。
ルーネはスカーヴィズにヒルダを紹介する事を決めます。
この時の二人はスカーヴィズの死を知りません。
.
ヒルダの耳が炎の部隊の足音を捉えました。
ルーネは戦闘準備を始めます。
彼女たちは騎馬隊だった敵の足を封じる為に低い柵を作りました。
船に乗って攻め込んできたルーネ達は馬を連れてきていません、移動は徒歩になります。
ルーネは山間部に隠れて矢を射かけます。
馬が使えなくなった炎軍は馬を捨てて突撃してきました。
ルーネはファランクスを使い敵を撃退しました。
.
炎は一旦引いたのですが鉄砲を装備して再攻撃してきました。
ファランクスの先頭部分に銃撃を行い隊列を崩してきました。
炎の大将シバが突撃してきました。
彼の猛攻をルーネが止める事になります。
二人は決闘する事になります。
『最も強き銀狼』の勇名は炎にも轟いています。
シバはルーネとの対決にウキウキしています。
.
シバが使うのは勇斗は信長に献上した日本刀でした。
それはイングリットが打った会心作です。
ルーネの使うのもイングリットが打った会心作でした。
イングリット製の日本刀で斬り合う事に成ってしまいます。
武器の性能差が無いので腕の差が出る事になります。
シバはルーネを上回る凄腕でした。
ルーネでは発動すると出しっぱなしになる神速の境地をシバは好きなタイミングで出せるようです。
ルーネの方が先に疲弊して負けそうです。
ルーネは待望の迎えが来た事に気が付きます。
ルーネは居合術を使いシバに挑みます。
二人の間の緊張感が高まったところに船からの砲撃が届きます。
シバが一瞬衝撃に気を逸らします。
ルーネは必殺の一撃を放ちました。
シバはルーネの一撃を交わしてしまいます。
ルーネはシバの技量に呆れていますね。
ルーネは親衛騎団に船に逃げ込む様に指示しました。
.
当然シバは部下に追いかけさせますが船の巨大さに乗り込めるのが桟橋だけだと気が付きます。
そこに向かおうとすると種子島による砲撃を受けてしまいました。
炎の族都を襲撃したルーネ達は種子島を全て強奪し鉄砲職人を誘拐していました。
シバ達はルーネ達を逃がす事に成ってしまいます。
「覚えておれよ『最も強き銀狼』!この屈辱、必ず返してくれる!」と叫んでいます。
.
神都グラズヘイムに帰還したルーネは勇斗に抱き締められ迎えられます。
ルーネは勇斗が自分の事をそこまで大事に想ってくれいると知り感動に身を震わせています。
フェリシアが冷静な声で人目もありますので程々にと止めてくれます。
勇斗はルーネたち親衛騎団のお陰で炎の本隊を神都グラズヘイムから退ける事が出来たと言って絶賛します。
謙遜しまくるルーネにヒルダが文句を言っています。
彼女は自分たちじゃなきゃ帰ってこれなかったとアピールしています。
ヒルダは謙遜ばかりしていると恩賞を貰えないと思ったようです。
ルーネは自分が与えてやってるだろ、黙ってろと言ってヒルダを押さえつけようとしますよ。
フェリシアからルーネがヒルダの事を可愛く思っていると聞いている勇斗は二人のじゃれ合いを生暖かく見守ります。
.
ルーネは勇斗から褒められたので満足しているようです、シバに襲われて危機的状況に陥った事を言いません。
代わりにヒルダが報告する事になります。
彼女は勇斗から直盃を貰うのが目標なので心証を良くしようと必死です。
ヒルダはブリーキンダ・ベルを襲撃した後、帰りの船を待っている間に炎の騎馬隊に襲われたと報告しました。
騎馬隊を率いていたシバが無茶苦茶な強さだったと報告しました。
ルーネが手も足も出なかったと聞いて勇斗はステインソール並みじゃないかと驚いています。
ルーネはシバは双紋ではなく人間としての強さを極めた感じだと報告しました。
勇斗は厄介な敵が現れたと理解しました。
.
勇斗はスカーヴィズが死んだ事を教えました。
ルーネは残念そうにしています。
勇斗はスカーヴィズの代わりにルーネを豹の宗主にする事を伝えます。
ルーネは宗主になると勇斗の元から離れなければならないと警戒します。
勇斗の側から離れたくない彼女は宗主になるのを拒んできます。
勇斗はルーネ程の美人から傍から離れたくないと言われて嬉しくなっています。
勇斗がルーネに求めたのは人を引き付ける神輿としての役目でした。
ルーネを豹の宗主として人々の眼を引き付けて実際の実務は彼女の副長や今の豹の若頭に任せる事にしました。
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ルーネの襲名式が行われて彼女は《豹》七代目宗主ジークルーネになりました。
ヒルダがワンワン泣いて喜んでいます。
彼女は勲功の高いルーネが後からやって来たぽっと出の奴らに席次で抜かれていくのが悔しかったそうです。
正直過ぎるヒルダの発言をベルブルが咎めてますが彼の本心もヒルダと同じなようです。
勇斗はルーネに良い子分を持ったじゃないかと言っています。
ルーネは自分には過ぎた子分たちですと答えました。
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勇斗は同時に《盾》《鎧》《兜》の宗主を《剣》の弟分にしました。
《盾》《鎧》《兜》の宗主は勇斗の直盃を欲しがっています。
鋼も大きくなったので古参の連中に配慮する必要が出てきています。
そこで《剣》の弟分にする事にしたそうです。
勇斗は大宗主にして神帝である俺の直盃は安くないぞ、欲しいなら、それなりの戦果をあげろと発破をかけています。
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勇斗はフヴェズルングをスカーヴィズの後釜に据える事にしました。
フヴェズルングにスカーヴィズが行っていた嫌われ役をやって貰う事になります。
勇斗はフヴェズルングに嫌われ役を押し付ける事になっています。
フヴェズルングは勇斗が宗主らしく汚い事も厭わない狡さを持った事を誉めています。
スカーヴィズの弟子だったフヴェズルングは引き受けてくれました。
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勇斗は絹の情報を纏めています。
絹が鉄の製法を編み出した事を調べ上げました。
フェリシアが絹には勇斗の様な天の国からの使者が居るのか心配しています。
勇斗は鐙を知らない事から居ないだろうと断定しています。
絹と鉄の生産法を確立して20000の兵を抱える絹は本来ならばユグドラシルを平定できます。
そこに自分と信長の様な未来人がやって来てしまった事で絹はユグドラシルの覇権を狙えなくなりました。
勇斗は申し訳なく思っています。
勇斗とフェリシアは絹は鋼の敵にはならないと結論付けました。
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美月は勇斗の為に親子丼を作って待っています。
彼女の田んぼは上手く機能しているようです。
二人の仲は良好なようです。
勇斗は双子を頼むと言って明日出陣する事を伝えました。
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ルーネの《豹》宗主襲名式と武具四氏族の兄妹結縁の儀に参加する為に神都グラズヘイムに来ていたリネーアに見送られる事になります。
勇斗とリネーアはこの一年ヨトゥンヘイム地方を制圧して東部沿岸を押さえる事を目標にしてきました。
二人の一年越しの悲願に向けて出陣する事になります。
勇斗は後事をリネーアに任せて出陣する事にします。
リネーアが勇斗を呼び止めて熱いキスで送り出してくれました。
「勝利のおまじない、でございます。いってらっしゃいませ、父上!ご武運を!」
リネーアは最高の政治的パートナーですね。
遠距離恋愛を続ける二人の仲も良好のようですね。
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絹のウートガルドは性格に難はありますが名将と言って良いでしょう。
鋼が攻め込めるルートを限定して隘路で罠を張っていました。
虎の残党を捨て駒として利用して勢いの付いた鋼軍が隘路を抜けようとして進軍してくるのを期待していました。
そこを鉄の武器で武装した絹の部隊で撃滅しようと考えていました。
勇斗は虎の部隊が弱過ぎる事から罠の存在を察知して隘路の手前で進撃を止めました。
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捕まえた虎の兵士を尋問すると聞いていない事までペラペラ喋ってくれました。
彼らからウートガルドが苛烈な性格だと知れました。
フェリシアは勇斗と盃を交わしていて良かったと言って胸に手を当て安堵しています。
勇斗がおっぱいに視線を引き寄せられてると知りフェリシアが新技を開発したと教えてくれます。
今夜もお楽しみなされます?と誘われてしまいます。
真面目に新技(おっぱいを使う)の開発を行うスケベ女最高です。
勇斗と一緒に居る時間が長いのでフェリシアが一番勇斗とヤッテルようですね。
そこにクリスティーナが戻って来ました、彼女の気配が察知できなかったフェリシアは慌てています。
勇斗は慣れっこになっているので気にしていません。
クリスティーナに暗殺の意思があれば勇斗は殺されているね。
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クリスティーナは絹の部隊の内情を探って来てくれました。
彼女は絹の部隊が伏兵を潜ませて待ち構えている事を知らせてくれます。
勇斗が絹を打倒する作戦を思い付きました。
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勇斗は本隊を前進させます。
待ち構えていて包囲殲滅を狙っているウートガルドは伏兵の到着が遅れている事に怒りを示します。
伏兵の到着が遅れたのは勇斗が別動隊を組織してそれぞれに奇襲をかけたからでした。
絹の伏兵は2つあり、山岳地帯を背にして配置されていました。
勇斗は二つの強襲部隊を組織して山越えをさせました。
ユグドラシルでは高山病の知識が無く、高い山には神域があると考えられていました。
神域を通ると体調を崩すので進軍経路として山越えは考えないのが前提です。
勇斗は高山病対策を知っていたので鋼の部隊は体調を崩す事はありませんでした。
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一方の部隊に絹に恨みを持つ猟師を道案内に付けました。
もう一方は現地を知る人材が居なかったのでヒルデガルドとクリスティーナに斥候をやらせる事にしました。
ヒルデガルドの鼻がとても役に立っていました。
彼女はクリスティーナ以上の索敵能力を持っていて敵集団の位置を特定しました。
クリスティーナはヒルデガルドを自分の配下に欲しいと考え勧誘しています。
副団長の地位を提示したのですが断られてしまいました。
ヒルデガルドは勇斗とジークルーネ以外の下に付くつもりは無いと断言しています。
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鋼の別動隊が絹の伏兵に襲い掛かりました。
これでウートガルドの計画は瓦解してしまいます。
困った彼女は打開策を考えます。
彼女は秘密兵器を投入する事を決めました。
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ウートガルドが用意していた秘密兵器とは象の戦車(戦象)でした。
30頭の象の戦車が横一列で突っ込んできました。
今度は鋼が対応に追われる事に成ります。
鋼を蹂躙し始めたのでウートガルドはご満悦でした。
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勇斗は焦りまくっていました。
てつはうも別動隊に渡してしまっているので像を止める手立てがありません。
勇斗の手にスカーヴィズの形見の刀が触れます。
勇斗はスカーヴィズが助けに来てくれたと感じています。
冷静になった勇斗は戦場を俯瞰から眺めている気になります。
そうすると戦象の弱点が分かりました。
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勇斗は部隊を戦象から離す事にします。
抵抗する敵が居なくなったので戦象は鋼軍の間を通過する事になります。
ここでウートガルドは戦象を回頭させて再攻撃を指示しました。
ただ巨体である像は方向転換するのに時間が掛かってしまいました。
直進できなくなると脅威度が下がるようです。
回頭に手間取っている戦象に向けて攻撃するように指示しました。
足を攻撃されてしまい戦象は無力化されてしまいました。
フェリシアは勇斗が俯瞰的に戦場を捉えていると知り驚いています。
勇斗はこの力をリーファの置き土産と理解します。
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ウートガルドは焦りまくっていました。
絶対の自信があった戦象を打倒されてしまった彼女は勇斗の恐ろしさを痛感しました。
彼女は手近な砦まで逃げ出す事にします。
セコイ彼女は戦象に自分の影武者を乗せて逃がす事にします。
自分は戦車に乗り逃げていきます。
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追ってきたのはジークルーネ率いる親衛騎団でした。
追いつかれると焦った彼女は御者を放り出して一人で逃げようとしています。
配下の者にルーネを殺せ、褒美は望みのままに与えると叫びます。
しかし彼女の無体さが足を引っ張る事になりました。
配下たちは、やってられるか!降伏する!もう知らん!と口々に裏切りを表明しました。
盃を返されてしまうほどにウートガルドの行いは酷いものでした。
ルーネはウートガルドに人望が無いなと告げています。
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ルーネはウートガルドを殺したくてウズウズしていました。
ウートガルドは、睨み合いを続けている間に勇斗の事を散々罵倒しました。
ルーネは勇斗に命令されたのか、復讐するのを我慢しました。
やっと憎きウートガルドを八つ裂きにできる機会が来ました。
殺す気満々のルーネに対してウートガルドは逃げ腰です。
鉄の剣でルーネの斬撃を受け止めようとして剣に亀裂が走りました。
鉄製の剣を破壊可能な武器を持っているルーネ相手に生き残れる可能性は無いと感じます。
自棄になり振り回した鞭が彼女が乗っていた戦車の馬の顔面を捉えました。
暴れ出した馬がルーネに突進しました。
ルーネは避けようとして剣を手放してしまいます。
ウートガルドは逃げれば良かったのですがルーネを殺そうとして鞭で攻撃してきました。
素手でも強いルーネが一瞬で間合いを詰めてウートガルドの喉首を鷲掴みにします。
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ウートガルドは、助けて、殺さないで、何でもしますから、と命乞いをしています。
ルーネが容赦なく首を絞めていると、お漏らししました。
ルーネはヒルダの事を思い出してしまい、ウートガルドを殺せなくなりました。
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生け捕りになったウートガルドは勇斗の前に引っ立てられます。
怯えきっているウートガルドはカタカタと震えています。
殺さないでと懇願しています。
彼女は自分が助かる為に、製鉄法、象の調教法、絹の生産法を教えると言っています。
勇斗が交渉を始める前に全てを教えると言ってしまいます。
勇斗はウートガルドは自分が可愛いだけの覚悟の無い駄目宗主なんだ、と理解しました。
戦う前は彼女の有能さに期待してたようですが、彼女が全く使えない人材だと分かりガッカリしています。
これまでに彼女がして来た非道さに報いる為に彼女を奴隷階級に落す事にしました。
彼女は、フザケンなと反発しましたが「これは決定事項だ」と反論を封じられました。
勇斗はウートガルドを最底辺に落す事で彼女の反省を促そうとしました。
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勇斗は自分が乗る戦車をウートガルドに引かせて《虎》の族都ガストロープニルに凱旋しました。
虎の民衆は憎きウートガルドを奴隷として使役している勇斗を大歓迎してくれます。
反抗的なウートガルドの事をクリスティーナが鞭を使い調教しています。
クリスティーナはウートガルドに自分と同じS気質を感じてゾクゾクしています。
勇斗はウートガルドをクリスティーナに預けたのは失敗だったか?と自問しています。
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信長は勇斗が絹との戦に勝利したと知り順当だなとの感想を述べています。
ルーネ達に食糧を強奪されたので炎は次の収穫期まで動けないようです。
信長は勇斗がユグドラシルの隣にヨーロッパがあると言ってた事を思い出します。
ユグドラシルの統一が終わってからヨーロッパの東にある日ノ本まで攻め上がるのも面白そうだ、と言っています。
炎は兵糧不足に陥っていると思われるのですが信長には何やら秘策があるようです。
信長がユグドラシルに来てから儲けたホムラと言う娘の頭を撫でながら秘策がある、と言っています。
ホムラの二つの瞳に金色のルーンが輝いています。
彼女も瞳に双紋を持っているようです・・・ってことは神帝になる資質があるって事だよね。
どうなっているんだ?この時代の双紋はリーファから勇斗に譲られた筈なんだが?
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ルーネが親衛騎団を率いて炎の族都から大量の食糧を奪いました。同時に種子島と鉄砲職人も拉致しました。炎が行動不能になったので勇斗は東征を決行します。絹の宗主ウートガルドは手ぐすね引いて鋼の到来を待っていました。彼女は鉄の製法を独自に開発しているので自信を持っています。他にも秘策を持っているようです。
レーベル:HJ文庫
発行日:2018/7/1
著者:鷹山誠一
イラスト:ゆきさん
ISBN:978-4-7986-1722-0
雰囲気:絹の暴君、ルーネ開眼、東征、山越え、象の戦車、生意気な奴隷獲得
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絹の宗主ウートガルドは勇斗からの書状を生意気なと投げつけます。
勇斗の事を僭主(せんしゅ)と罵り従う気が無い事を示しています。
怒りの収まらない彼女は部下に鞭を振るって鬱憤を晴らしていました。
ウートガルドは『鮮血帝』と呼ばれて恐れられています。
彼女の機嫌を損なうと殴られます、場合によっては殺される事もあるので誰も彼女に逆らわなくなっています。
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勇斗はスカーヴィズを失った悲しみを仕事に邁進する事で忘れようとしています。
幹部を集めて東征する事を発表しました。
炎を倒す前に新たな敵を作るのは不味いとの反対意見が出てきました。
勇斗は炎を倒す方法が思い浮かばないと答えます。
ユグドラシルが沈む時期が迫っているので早々にユグドラシルの東端に到達する必要があります。
ユグドラシルが沈むと言う話は既にしてあるので理解して貰えました。
炎に対する備えとして神都グラズヘイムに20000の兵を配備します。
ヨルゲンを大将、ファグラヴェールを副将、バーラを軍師として残していく事にしました。
.
クリスティーナから絹が鋼も知らない絹の製法を知っていて莫大な利益を上げている事が報告されます。
宗主が17歳で世襲により宗主になった事と襲名時に起きた内乱を早々に沈めたと告げられます。
好機と思い攻め込んで虎を撃退した事も告げられます。
戦上手で内政面でも不正役人を一掃して刑罰を強化した事で治安が向上したそうです。
自分の意に沿わない者は粛清する暴君だと伝えられます。
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勇斗は自分の宗主としての甘さを痛感して耳が痛いと呟きます。
ヨルゲンやボドヴィッドからは勇斗程恐ろしい人は知らないと言われてしまい意外感を持っています。
勇斗は未だに自分の中にある覇気が相手に畏怖の念を抱かせていると知らないようです。
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絹に攻め込まれて劣勢な虎の宗主メングラッドは勇斗に援軍を頼もうと考えています。
彼は勇斗の発した招集令に応じなかったのですが、氏族間の争いを禁じた惣無事令を逆手に取りました。
メングラッドは絹に襲われてる虎を助けざろう得ないと考えました。
彼は鋼が到着するまで籠城する構えでした。
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絹の宗主ウートガルドは虎の幹部を抱き込み味方に引き入れました。
彼との婚姻を考えてやっても良いと言って唆します。
騙されてしまったスィアチと云う幹部が絹を招き入れてしまいました。
虎の重鎮たちは滅ぼされてしまいます。
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スィアチにはウートガルドを篭絡して虎の実権を取り戻そうとの計画がありました。
しかしウートガルドの方が一枚上手でした。
虎の族都を落とした彼女はスィアチを処断する事にします。
二君に使える者など信用できないと言って彼の部下を処刑させます。
スィアチに部下の処刑を見せて己の嗜虐心を満たしています。
ウートガルドは他人を痛めつける事が大好きな暴君です。
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炎の族都ブリーキンダ・ベルを襲撃したルーネ達は大量の食糧を奪い船に乗せて送り出しました。
一度では積みきれなかったそうで何度も往復したようです。
最後の食糧を積み込み出航させた後、彼女たちは近くの山に隠れました。
予定日になっても迎えはやって来ませんでした。
ビビりのヒルデガルドは不平を零しています。
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ルーネは文句ばかり言っているヒルダを鍛える事にしました。
この頃の二人はルー姉、ヒルダと愛称で呼び合う仲に成っています。
ルーネはビビりで落ち着きの無いヒルダを鍛えようとしているようです。
ヒルダはエインヘリアルなので期待も大きいようです。
訓練は実戦形式で、木剣を使って打ち合いをしています。
今回ルーネの旗下に配属された波の乙女のスィールが審判をしています。
彼女が引き分けとの判定を下すと親衛騎団から歓声が上がりました。
これまで誰もルーネに攻撃を当てる事は出来なかったようです。
それを成し遂げたヒルダの事を絶賛しています。
しかしヒルダには不満なようですね、自分の攻撃の方が速かったでしょ?と不満を述べています。
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ルーネが負けを認めてヒルダの頭を撫でて褒めてくれます。
ヒルダは嬉しくて滝の様な涙を流しています。
ルーネがようやく本気が出せると不穏な事を言い出します。
これまでルーネは手加減していたようです。
ヒルダは本気になったルーネの恐ろしさを知る事になりました。
ルーネはヒルダを相手にスカーヴィズが使う技を試しました。
ヒルダは成す術なく負けてしまいます。
ルーネが親衛騎団の訓練に取り入れている兵法はスカーヴィズが一から築き挙げたものだと教えます。
ヒルダが国に帰ったら指南して貰おうかな?と言い出します。
ルーネはスカーヴィズにヒルダを紹介する事を決めます。
この時の二人はスカーヴィズの死を知りません。
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ヒルダの耳が炎の部隊の足音を捉えました。
ルーネは戦闘準備を始めます。
彼女たちは騎馬隊だった敵の足を封じる為に低い柵を作りました。
船に乗って攻め込んできたルーネ達は馬を連れてきていません、移動は徒歩になります。
ルーネは山間部に隠れて矢を射かけます。
馬が使えなくなった炎軍は馬を捨てて突撃してきました。
ルーネはファランクスを使い敵を撃退しました。
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炎は一旦引いたのですが鉄砲を装備して再攻撃してきました。
ファランクスの先頭部分に銃撃を行い隊列を崩してきました。
炎の大将シバが突撃してきました。
彼の猛攻をルーネが止める事になります。
二人は決闘する事になります。
『最も強き銀狼』の勇名は炎にも轟いています。
シバはルーネとの対決にウキウキしています。
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シバが使うのは勇斗は信長に献上した日本刀でした。
それはイングリットが打った会心作です。
ルーネの使うのもイングリットが打った会心作でした。
イングリット製の日本刀で斬り合う事に成ってしまいます。
武器の性能差が無いので腕の差が出る事になります。
シバはルーネを上回る凄腕でした。
ルーネでは発動すると出しっぱなしになる神速の境地をシバは好きなタイミングで出せるようです。
ルーネの方が先に疲弊して負けそうです。
ルーネは待望の迎えが来た事に気が付きます。
ルーネは居合術を使いシバに挑みます。
二人の間の緊張感が高まったところに船からの砲撃が届きます。
シバが一瞬衝撃に気を逸らします。
ルーネは必殺の一撃を放ちました。
シバはルーネの一撃を交わしてしまいます。
ルーネはシバの技量に呆れていますね。
ルーネは親衛騎団に船に逃げ込む様に指示しました。
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当然シバは部下に追いかけさせますが船の巨大さに乗り込めるのが桟橋だけだと気が付きます。
そこに向かおうとすると種子島による砲撃を受けてしまいました。
炎の族都を襲撃したルーネ達は種子島を全て強奪し鉄砲職人を誘拐していました。
シバ達はルーネ達を逃がす事に成ってしまいます。
「覚えておれよ『最も強き銀狼』!この屈辱、必ず返してくれる!」と叫んでいます。
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神都グラズヘイムに帰還したルーネは勇斗に抱き締められ迎えられます。
ルーネは勇斗が自分の事をそこまで大事に想ってくれいると知り感動に身を震わせています。
フェリシアが冷静な声で人目もありますので程々にと止めてくれます。
勇斗はルーネたち親衛騎団のお陰で炎の本隊を神都グラズヘイムから退ける事が出来たと言って絶賛します。
謙遜しまくるルーネにヒルダが文句を言っています。
彼女は自分たちじゃなきゃ帰ってこれなかったとアピールしています。
ヒルダは謙遜ばかりしていると恩賞を貰えないと思ったようです。
ルーネは自分が与えてやってるだろ、黙ってろと言ってヒルダを押さえつけようとしますよ。
フェリシアからルーネがヒルダの事を可愛く思っていると聞いている勇斗は二人のじゃれ合いを生暖かく見守ります。
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ルーネは勇斗から褒められたので満足しているようです、シバに襲われて危機的状況に陥った事を言いません。
代わりにヒルダが報告する事になります。
彼女は勇斗から直盃を貰うのが目標なので心証を良くしようと必死です。
ヒルダはブリーキンダ・ベルを襲撃した後、帰りの船を待っている間に炎の騎馬隊に襲われたと報告しました。
騎馬隊を率いていたシバが無茶苦茶な強さだったと報告しました。
ルーネが手も足も出なかったと聞いて勇斗はステインソール並みじゃないかと驚いています。
ルーネはシバは双紋ではなく人間としての強さを極めた感じだと報告しました。
勇斗は厄介な敵が現れたと理解しました。
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勇斗はスカーヴィズが死んだ事を教えました。
ルーネは残念そうにしています。
勇斗はスカーヴィズの代わりにルーネを豹の宗主にする事を伝えます。
ルーネは宗主になると勇斗の元から離れなければならないと警戒します。
勇斗の側から離れたくない彼女は宗主になるのを拒んできます。
勇斗はルーネ程の美人から傍から離れたくないと言われて嬉しくなっています。
勇斗がルーネに求めたのは人を引き付ける神輿としての役目でした。
ルーネを豹の宗主として人々の眼を引き付けて実際の実務は彼女の副長や今の豹の若頭に任せる事にしました。
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ルーネの襲名式が行われて彼女は《豹》七代目宗主ジークルーネになりました。
ヒルダがワンワン泣いて喜んでいます。
彼女は勲功の高いルーネが後からやって来たぽっと出の奴らに席次で抜かれていくのが悔しかったそうです。
正直過ぎるヒルダの発言をベルブルが咎めてますが彼の本心もヒルダと同じなようです。
勇斗はルーネに良い子分を持ったじゃないかと言っています。
ルーネは自分には過ぎた子分たちですと答えました。
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勇斗は同時に《盾》《鎧》《兜》の宗主を《剣》の弟分にしました。
《盾》《鎧》《兜》の宗主は勇斗の直盃を欲しがっています。
鋼も大きくなったので古参の連中に配慮する必要が出てきています。
そこで《剣》の弟分にする事にしたそうです。
勇斗は大宗主にして神帝である俺の直盃は安くないぞ、欲しいなら、それなりの戦果をあげろと発破をかけています。
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勇斗はフヴェズルングをスカーヴィズの後釜に据える事にしました。
フヴェズルングにスカーヴィズが行っていた嫌われ役をやって貰う事になります。
勇斗はフヴェズルングに嫌われ役を押し付ける事になっています。
フヴェズルングは勇斗が宗主らしく汚い事も厭わない狡さを持った事を誉めています。
スカーヴィズの弟子だったフヴェズルングは引き受けてくれました。
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勇斗は絹の情報を纏めています。
絹が鉄の製法を編み出した事を調べ上げました。
フェリシアが絹には勇斗の様な天の国からの使者が居るのか心配しています。
勇斗は鐙を知らない事から居ないだろうと断定しています。
絹と鉄の生産法を確立して20000の兵を抱える絹は本来ならばユグドラシルを平定できます。
そこに自分と信長の様な未来人がやって来てしまった事で絹はユグドラシルの覇権を狙えなくなりました。
勇斗は申し訳なく思っています。
勇斗とフェリシアは絹は鋼の敵にはならないと結論付けました。
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美月は勇斗の為に親子丼を作って待っています。
彼女の田んぼは上手く機能しているようです。
二人の仲は良好なようです。
勇斗は双子を頼むと言って明日出陣する事を伝えました。
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ルーネの《豹》宗主襲名式と武具四氏族の兄妹結縁の儀に参加する為に神都グラズヘイムに来ていたリネーアに見送られる事になります。
勇斗とリネーアはこの一年ヨトゥンヘイム地方を制圧して東部沿岸を押さえる事を目標にしてきました。
二人の一年越しの悲願に向けて出陣する事になります。
勇斗は後事をリネーアに任せて出陣する事にします。
リネーアが勇斗を呼び止めて熱いキスで送り出してくれました。
「勝利のおまじない、でございます。いってらっしゃいませ、父上!ご武運を!」
リネーアは最高の政治的パートナーですね。
遠距離恋愛を続ける二人の仲も良好のようですね。
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絹のウートガルドは性格に難はありますが名将と言って良いでしょう。
鋼が攻め込めるルートを限定して隘路で罠を張っていました。
虎の残党を捨て駒として利用して勢いの付いた鋼軍が隘路を抜けようとして進軍してくるのを期待していました。
そこを鉄の武器で武装した絹の部隊で撃滅しようと考えていました。
勇斗は虎の部隊が弱過ぎる事から罠の存在を察知して隘路の手前で進撃を止めました。
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捕まえた虎の兵士を尋問すると聞いていない事までペラペラ喋ってくれました。
彼らからウートガルドが苛烈な性格だと知れました。
フェリシアは勇斗と盃を交わしていて良かったと言って胸に手を当て安堵しています。
勇斗がおっぱいに視線を引き寄せられてると知りフェリシアが新技を開発したと教えてくれます。
今夜もお楽しみなされます?と誘われてしまいます。
真面目に新技(おっぱいを使う)の開発を行うスケベ女最高です。
勇斗と一緒に居る時間が長いのでフェリシアが一番勇斗とヤッテルようですね。
そこにクリスティーナが戻って来ました、彼女の気配が察知できなかったフェリシアは慌てています。
勇斗は慣れっこになっているので気にしていません。
クリスティーナに暗殺の意思があれば勇斗は殺されているね。
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クリスティーナは絹の部隊の内情を探って来てくれました。
彼女は絹の部隊が伏兵を潜ませて待ち構えている事を知らせてくれます。
勇斗が絹を打倒する作戦を思い付きました。
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勇斗は本隊を前進させます。
待ち構えていて包囲殲滅を狙っているウートガルドは伏兵の到着が遅れている事に怒りを示します。
伏兵の到着が遅れたのは勇斗が別動隊を組織してそれぞれに奇襲をかけたからでした。
絹の伏兵は2つあり、山岳地帯を背にして配置されていました。
勇斗は二つの強襲部隊を組織して山越えをさせました。
ユグドラシルでは高山病の知識が無く、高い山には神域があると考えられていました。
神域を通ると体調を崩すので進軍経路として山越えは考えないのが前提です。
勇斗は高山病対策を知っていたので鋼の部隊は体調を崩す事はありませんでした。
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一方の部隊に絹に恨みを持つ猟師を道案内に付けました。
もう一方は現地を知る人材が居なかったのでヒルデガルドとクリスティーナに斥候をやらせる事にしました。
ヒルデガルドの鼻がとても役に立っていました。
彼女はクリスティーナ以上の索敵能力を持っていて敵集団の位置を特定しました。
クリスティーナはヒルデガルドを自分の配下に欲しいと考え勧誘しています。
副団長の地位を提示したのですが断られてしまいました。
ヒルデガルドは勇斗とジークルーネ以外の下に付くつもりは無いと断言しています。
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鋼の別動隊が絹の伏兵に襲い掛かりました。
これでウートガルドの計画は瓦解してしまいます。
困った彼女は打開策を考えます。
彼女は秘密兵器を投入する事を決めました。
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ウートガルドが用意していた秘密兵器とは象の戦車(戦象)でした。
30頭の象の戦車が横一列で突っ込んできました。
今度は鋼が対応に追われる事に成ります。
鋼を蹂躙し始めたのでウートガルドはご満悦でした。
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勇斗は焦りまくっていました。
てつはうも別動隊に渡してしまっているので像を止める手立てがありません。
勇斗の手にスカーヴィズの形見の刀が触れます。
勇斗はスカーヴィズが助けに来てくれたと感じています。
冷静になった勇斗は戦場を俯瞰から眺めている気になります。
そうすると戦象の弱点が分かりました。
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勇斗は部隊を戦象から離す事にします。
抵抗する敵が居なくなったので戦象は鋼軍の間を通過する事になります。
ここでウートガルドは戦象を回頭させて再攻撃を指示しました。
ただ巨体である像は方向転換するのに時間が掛かってしまいました。
直進できなくなると脅威度が下がるようです。
回頭に手間取っている戦象に向けて攻撃するように指示しました。
足を攻撃されてしまい戦象は無力化されてしまいました。
フェリシアは勇斗が俯瞰的に戦場を捉えていると知り驚いています。
勇斗はこの力をリーファの置き土産と理解します。
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ウートガルドは焦りまくっていました。
絶対の自信があった戦象を打倒されてしまった彼女は勇斗の恐ろしさを痛感しました。
彼女は手近な砦まで逃げ出す事にします。
セコイ彼女は戦象に自分の影武者を乗せて逃がす事にします。
自分は戦車に乗り逃げていきます。
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追ってきたのはジークルーネ率いる親衛騎団でした。
追いつかれると焦った彼女は御者を放り出して一人で逃げようとしています。
配下の者にルーネを殺せ、褒美は望みのままに与えると叫びます。
しかし彼女の無体さが足を引っ張る事になりました。
配下たちは、やってられるか!降伏する!もう知らん!と口々に裏切りを表明しました。
盃を返されてしまうほどにウートガルドの行いは酷いものでした。
ルーネはウートガルドに人望が無いなと告げています。
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ルーネはウートガルドを殺したくてウズウズしていました。
ウートガルドは、睨み合いを続けている間に勇斗の事を散々罵倒しました。
ルーネは勇斗に命令されたのか、復讐するのを我慢しました。
やっと憎きウートガルドを八つ裂きにできる機会が来ました。
殺す気満々のルーネに対してウートガルドは逃げ腰です。
鉄の剣でルーネの斬撃を受け止めようとして剣に亀裂が走りました。
鉄製の剣を破壊可能な武器を持っているルーネ相手に生き残れる可能性は無いと感じます。
自棄になり振り回した鞭が彼女が乗っていた戦車の馬の顔面を捉えました。
暴れ出した馬がルーネに突進しました。
ルーネは避けようとして剣を手放してしまいます。
ウートガルドは逃げれば良かったのですがルーネを殺そうとして鞭で攻撃してきました。
素手でも強いルーネが一瞬で間合いを詰めてウートガルドの喉首を鷲掴みにします。
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ウートガルドは、助けて、殺さないで、何でもしますから、と命乞いをしています。
ルーネが容赦なく首を絞めていると、お漏らししました。
ルーネはヒルダの事を思い出してしまい、ウートガルドを殺せなくなりました。
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生け捕りになったウートガルドは勇斗の前に引っ立てられます。
怯えきっているウートガルドはカタカタと震えています。
殺さないでと懇願しています。
彼女は自分が助かる為に、製鉄法、象の調教法、絹の生産法を教えると言っています。
勇斗が交渉を始める前に全てを教えると言ってしまいます。
勇斗はウートガルドは自分が可愛いだけの覚悟の無い駄目宗主なんだ、と理解しました。
戦う前は彼女の有能さに期待してたようですが、彼女が全く使えない人材だと分かりガッカリしています。
これまでに彼女がして来た非道さに報いる為に彼女を奴隷階級に落す事にしました。
彼女は、フザケンなと反発しましたが「これは決定事項だ」と反論を封じられました。
勇斗はウートガルドを最底辺に落す事で彼女の反省を促そうとしました。
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勇斗は自分が乗る戦車をウートガルドに引かせて《虎》の族都ガストロープニルに凱旋しました。
虎の民衆は憎きウートガルドを奴隷として使役している勇斗を大歓迎してくれます。
反抗的なウートガルドの事をクリスティーナが鞭を使い調教しています。
クリスティーナはウートガルドに自分と同じS気質を感じてゾクゾクしています。
勇斗はウートガルドをクリスティーナに預けたのは失敗だったか?と自問しています。
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信長は勇斗が絹との戦に勝利したと知り順当だなとの感想を述べています。
ルーネ達に食糧を強奪されたので炎は次の収穫期まで動けないようです。
信長は勇斗がユグドラシルの隣にヨーロッパがあると言ってた事を思い出します。
ユグドラシルの統一が終わってからヨーロッパの東にある日ノ本まで攻め上がるのも面白そうだ、と言っています。
炎は兵糧不足に陥っていると思われるのですが信長には何やら秘策があるようです。
信長がユグドラシルに来てから儲けたホムラと言う娘の頭を撫でながら秘策がある、と言っています。
ホムラの二つの瞳に金色のルーンが輝いています。
彼女も瞳に双紋を持っているようです・・・ってことは神帝になる資質があるって事だよね。
どうなっているんだ?この時代の双紋はリーファから勇斗に譲られた筈なんだが?
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役職 | 名前 | 就任時からの変遷 |
宗主 | 周防勇斗 | |
女将 | 志百家美月 | |
舎弟頭 | フェリシア | 側室 |
舎弟 | フヴェズルング | |
序列一位若頭 | 《角》宗主リネーア | 側室 |
序列二位若頭補佐 | 《狼》宗主ヨルゲン | |
序列三位幹部 | 《爪》宗主ボドヴィッド | |
序列四位幹部 | 《灰》宗主ドーグラス | |
序列五位幹部 | 《犲》宗主フンディン | |
序列六位幹部 | 《麦》宗主ラーガスタヴ | |
序列七位若衆筆頭 | スカーヴィズ | 《豹》宗主、戦死 |
序列八位若衆 | イングリット | |
序列九位若衆 | ジークルーネ | 側室、《豹》宗主 |
序列十位若衆 | アルべルティーナ | 提督 |
序列十位若衆 | クリスティーナ | |
《剣》宗主 | ファグラヴェール | |
神帝 | シグルドリーファ | 第二正妃、崩御 |
《牙》宗主 | スヴェン |
成分 | 美少女 | チート | 恋愛 | ラッキースケベ | ハーレム |
評価 | AAA | C | AA | AA | AA |
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