ラノベの感想) 勇者は、奴隷の君は笑え、と言った (Novel 0)
転生した勇者グレイン・ズーランダーがオーリという村で少年と出会いました。
ヴィスリットと呼ばれるこの少年は不幸な境遇にありました。
オーリの村があるヘテルオルド皇国には最悪な制度がありました。
落牧と呼ばれる奴隷を各村に配り村民の不満の捌け口にしていました。
落牧の仕事は村民に殴られる事です。
グレインは1500年ぶりに現世に転生したので落牧の存在を知りませんでした。
彼はこの村の外れに居を構え落牧の少年を見守る事にしました。
最初は落牧の少年の存在に興味が沸いた事が動機でした。
別段彼を助けようとは思っていなかったようです。
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グレインは村長にお金を渡して自分への食事を週一で届けさせる事にしました。
剣聖のグレインは食事を必要とはしません、食べなくても生きていけます。
食事を配達する係にヴィスリットを指名します。
ここからグレインとヴィスリットの交流が始まりました。
グレインは自分の事をグレンと呼ばせる事にしました。
ヴィスリットの事をヴィスと呼ぶことにします。
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ヴィスは人間が持っている色々な感情が抜け落ちていました。
グレンはヴィスに笑う事を教えます。
ヴィスは自分で考える事をしないので素直にグレンのいう事を聞いていました。
そんな可哀想な境遇のヴィスにも味方になってくれる村人が一人いました。
村長の娘である、ミアン・シニアンシはヴィスを殴ったり彼に罵声を浴びせる事はしませんでした。
彼女は何をされても村人を恨まないでね、それが正義だと教えてくれました。
ヴィスにとって唯一まともに口を聞いている人間だったので彼はミアンを大切な存在だと思っていました。
しかしミアンのこの態度には裏があるんだよね、とても辛い真実が後でわかるよ。
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村に転機が訪れます。
この世界では聖霊を信仰しています。
そして封印されていますが魔族も存在します。
ミアンが魔族を倒す事の出来る聖剣の器、天上法具に選ばれました。
村に法王庁から白獅子の師団って騎士団が送り込まれてきて儀式を始めました。
ミアンは自分が聖女に選ばれたとヴィスに自慢気に話していました。
ヴィスはそれをグレンに教えるとグレンの表情が険しくなります。
グレンは天上法具になるって事の意味を知っていました。
天上法具になる為にミアンは死んでしまうそうです。
それを教えられたヴィスはミアンを助ける為に儀式が行われている祭壇に向かう事になります。
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儀式中に魔族が襲撃してきました。
ヴィスの驚きの行動がありました。
ミアンを守ろうとしていた白獅子の師団の団員を何の躊躇もなく殺してしまいます。
ヴィスの中では人間の命は軽いもののようです。
ミアンは大切な人なので重要ですがそれ以外の人間はどうでも良いようです。
魔族ククルガンにミアンを奪われてしまいました。
ククルガンとグレンは旧知のようです。
この魔族の襲撃で村は壊滅してしまいます。
元々、ヴィスは碌精と呼ばれる呪いが掛けられていました。
この呪いがあると村から出られない事になっていたんだけど、村が壊滅したので動けるようになりました。
グレンはヴィスに世界を見せる為に旅に出る事にします。
ミアンを取り戻したいヴィスはグレンに師事して付いて行く事になりました。
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グレンとヴィスが向かったのは且つてグレンと一緒に魔族を討伐したパーティーのメンバーの所でした。
魔法使いのドーレル・ハードゥラの住む森に向かいました。
途中でドーレルの孫娘と出会います、ニーニリュースと言います。
出会いは最悪でしたね。
ニーニも魔法使いなので碌精の反応を検知できます。
随分と離れた位置にいるヴィスの碌精を検知して警戒していたのですが、背後を取られてしまいました。
ヴィスはニーニの首筋に短剣を突きつけて静かにしてね、騒げば殺すよと言います。
口調は普通ですね、脅している感じはしませんよ。
このヴィスの態度をグレンが咎めますよ、なんでも殺せば良いってわけではない。
ヴィスはグレンの教えを素直に受け入れますけど、何故殺してはいけないのか分かっていませんでした。
グレンはニーニに黒のドーレルを知ってるねと尋ねます。
ニーニはグレンが祖母を知っている事に驚きましたが、グレンがグレイン・ズーランダーと名乗るとドーレルの元に案内しれくれました。
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グレンとドーレルが今後の事について何事か話し合っていました。
その間にニーニにヴィスの治療が命じられます。
ヴィスはニーニが彼の拘束を解くときに使った魔法を受けて負傷してたんだよね。
ニーニが呼ぶとヴィスは素直に従い治療を受けていました。
ニーニはヴィスの背中に刻まれた多くの傷を見て驚いています。
ニーニの魔法で付いた傷は大したことはなかったのですが落牧として虐待されいたときの傷に驚いていました。
ニーニは人里離れた森の中でドーレルと二人で暮らしていたので落牧制度を知りませんでした。
彼女はこの制度を酷いと憤りを見せていました。
これが普通の反応だよね。
ニーニは最初こそヴィスに対して苦手意識を持っていましたが彼の事を蔑んだりする事はありませんでした。
ニーニの中ではヴィスは風変わりな人間、変人って判断しているようです、あくまでも変わった人として見てますよ。
ドーレルはグレンとヴィスが暫くドーレルの家で暮らす事になったとニーニに告げます。
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グレンがドーレルの元にやって来たのにはヴィスの碌精を解除してもらおうとの意図がありました。
ドーレルはこれをニーニに任せる事にしました。
ニーニは一生懸命に碌精を刻印するのに使われている古代文字の解読をしていました。
しかし完全な解除はできず効果を弱めることまでしかできませんでした。
ニーニには困った習性がありました。
彼女は人間と朱眼族って呼ばれる種族のハーフなのですが、異種族間での交配は禁忌とされている時代だったようです。
両親は迫害を受け殺されてしまいました。
一人になり泣いているニーニを拾ったのがドーレルでした。
この経験からニーニは一人になるのを怖がる性格になってしまいます。
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ニーニは自分がドーレルの孫なのかとの疑いを抱いていました。
もし違ったらと心配していました。
ニーニはドーレルとグレンが話している会話を立ち聞きしてしまいます。
そこでドーレルがニーニに嘘を吐いていた事をしってしまいました、ドーレルの孫ではなかった。
ニーニは衝撃を受けてしまいます。
森の中に一人で駆け込み泣いていました。
落ち込むニーニを救ったのはヴィスの言った言葉でした。
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一人になったニーニは森の中で小鬼(魔族の一種だね)に襲われます。
それを助けたのがヴィスでした。
ニーニは何でと思いましたが、ヴィスがストレートな返答をします。
彼はニーニとの会話で彼女が困っている時は助けると言っていたのでそれに従ったと答えます。
ニーニはドーレルの孫では無いと知って自分には価値が無くなったと思っていたようですね。
ニーニは小鬼に襲われた恐怖心が残っているようで動きが緩慢でした。
ヴィスはニーニを抱えて逃げ出す事にしました。
彼の素直過ぎる感想が酷いですね、ニーニを担ぎ上げた彼は正直に「けっこう重い」と言ってしまいました。
ニーニは自分がドーレルの血縁者じゃなかった事を知り不安になっている事を打ち明けます。
ヴィスの返答が素敵です。
ヴィスはニーニを育ててくれたのはドーレルだろ、何か問題があるのかと彼女に言いました。
ヴィスにニーニを励まそうとの意図があったのかは、怪しいのですが、事実だけを見ると正しい意見だね。
ドーレルはニーニを大切にしている、それって家族だよな。
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ヴィスとニーニはグレンとドーレルに合流しました。
そして4人で襲ってきたモンスターたちを退治し始めます。
襲ってきたモンスターを率いていたのは、魔族ダナンと言います。
ダナンはドーレルの中に刻まれた呪法を返してもらうと言ってます。
この戦闘でドーレルは犠牲になりました。
元々ドーレルは強力な魔法を使い過ぎて体が変化(老化)できない状態に陥っていました。
精神は年月と共に摩耗するようでしたが、肉体は若さを保ったままでした。
ドーレルは1500年間生き続けていたようです。
彼女は天命を全うできる事を喜んでいる節がありました。
ドーレルはニーニの事をグレンに託し亡くなりました。
亡くなる寸前にニーニに、一緒に暮らせてよかった、自慢の孫娘だ、愛していると残しました。
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一人になったニーニはグレンとヴィスに同行する事にしました。
一緒に世界を回って立派な魔法使いになると決意します。
一行が向かった先はヘテルオルド皇都でした。
到着早々グレンが問題を提起します、金が無い!!
ヴィスとニーニは貨幣経済についての認識が殆ど無い状態でした。
ヴィスは落牧なので権利は無かったので当然、仕事に対する報酬を受け取るって概念は無いんだよ。
ニーニも森の中で暮らしていたので自給自足が原則でした。
食糧が無ければ森で獲れば良いって話だね。
グレンは二人に都市での暮らしにはお金が必要だと説明して仕事をする事になりました。
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グレンとヴィスは肉体労働に就くことになります。
ニーニは食堂で給仕をする事になりました。
仕事は順調に行ったようです。
予想外に多くの稼ぎを得ましたよ、これでベッドで寝られると喜ぶニーニでしたが、グレンの発言に絶望します。
グレンは稼いだお金で綺麗なお姉ちゃんがお酌してくれる店に飲みに行こうと言い出し飲みに行く事になりました。
ニーニは付いて行くしかありませんでした。
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お店では若いヴィスとニーニはお姉さんたちに可愛がられていました。
ニーニはお姉さんに触られて照れていますね、対するヴィスは無反応でした。
グレンはヴィスにニーニを見習い初々しい反応を示すべきだと指摘しました。
グレンが酒をするめるとヴィスは素直に飲んでいます。
酒を飲んだ経験は無かったようで、直ぐに酔ってしまい寝てしまいます。
ニーニは酔いつぶれたヴィスを介抱しつつ、お姉さんたちに触られるって苦行に耐える事になりました。
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皇都に逗留している間にグレンが儲け話を持ってきました。
彼は人身売買の話をしている一団が居た、こっそり後をつけてアジトを見つけ出し、脅してお金を獲ろうと提案します。
密売の交渉をしていると思われる場所を二つに絞りました。
グレン、ヴィスとニーニの二手に別れる事になります。
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ヴィスとニーニの向かった先が当たりでした。
二人は後をつけてアジトを発見しました。
二人での行動中にニーニはヴィスにグレンに付いて行く理由を聞きました。
ヴィスはミアンを助ける為だと言いますよ。
ニーニはミアンが羨ましいと返しますね、そこまで思ってくれる人が居てと。
ドーレルを亡くした自分にはもう、そんな人は居なくなってしまったと言いますよ。
これを聞いたヴィスはニーニが落ち込んでいると思ったようだね。
彼女を抱きしめますよ!!
ニーニが驚愕していました、ニーニはヴィスはミアン一筋なので、他の女の子を抱きしめるなんて行為をするとは思っていなかったと言ってます。
ニーニは誤解をしていたね。
ヴィスはミアンを愛している訳では無いようだ、ニーニもミアンと同じくらい大切だと言ってます。
ヴィスの発言が過激です、ニーニが殺された場合は殺した奴らを皆殺しにすると言ってますね。
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二人は暁森民(エルフ)を発見しました。
彼女が人身売買の対象のようです。
ヴィスはニーニにグレンを呼んでくるように頼みます。
ヴィスはグレンを待つ気は無かったね一人で侵入してエルフ娘の元まで行ってしまいます。
ヴィスは落牧として過ごした経験から気配を消せる技能を持っていました。
誰にも見つからずにエルフ娘の元まで辿り着きます。
エルフ娘は人間を嫌っているようです、助けると言っているヴィスを警戒していますね。
何故助けるのかと聞かれて、お金になるからだとグレンに言われたままを答えてしまったヴィスの対応にも問題はあったけどね。
騒いでいたので見張りに見つかってしまいました。
ヴィスは躊躇なく見張りを殺します、あまりにも躊躇しないヴィスの行動にエルフ娘は恐怖を抱くね。
牢の鍵を針金を使って開けようとしていますね、ヴィスは多芸です。
そこに剣聖エインが現れえます、彼とはオーリの村でミアンを廻って争った経験がありました。
お互いに覚えていたね。
エインはヴィスを止めようとして襲い掛かてきました。
オーリの村での対決時はエインがヴィスを上回っていましたが、グレンとの修行でヴィスは強く成っていますね。
エインを圧倒していました。
ヴィスはエルフ娘を連れて逃げ出します。
名前を聞くとユーナリア・エピルシゴネンと教えてくれました。
そこにエインの師匠であるオルガノが現れます。
オルガノはグレンと同じ元勇者で聖霊神によりこの世界に転生された存在です。
彼は正義を行う為に動いていました。
そこにグレンとニーニがやって来ます。
グレンとオルガノは旧知ですね、二人で今回の誘拐事件についての真相を語ってます。
どうも皇国はユーナリアをエルフとの戦争の交渉材料にしたいようだね。
オルガノとエインは法王庁よりエルフ娘の警護を依頼されていたようですが、戦争の交渉材料の護衛など御免だと帰ってしまいます。
オルガノとグレンが話している隙に誘拐犯のリーダーであるハカノヴァは逃げてしまいました。
ハカノヴァを脅してお金を毟り獲ろうと考えていたグレンの作戦は失敗しました。
ヴィスはハカノヴァの屋敷から金品を強奪すれば良いんじゃないのと提案しますがグレンが難色を示します。
彼の中では金品を強奪する事と交渉(脅し)によりお金を得る事は別な行為のようです。
ヴィスの言っているように悪事って事では似たようなものだと思うけどね。
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助けられたユーナリアはグレンとヴィスに口を開いてくれません。
彼女の事情が分からないので困ってますね。
そこでグレンは女性同士なので話し易いだろうと云う雑な理由でニーニに彼女から話を聞いて貰う事にします。
グレンとヴィスは部屋の外に出て待つことになりました。
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グレンがヴィスにどっちの娘が好みなんだと問いかけます。
ヴィスは何を基準に判断すればいいのか分からないと答えます。
グレンは顔が好みだとかおっぱいが大きいのが好きとかあるだろと問いますがヴィスはイマイチ理解してないね。
グレンはどっちの子に自分の子供を産んで欲しいのかと問いますよ。
ヴィスは両方に産ませるのが効率的だと言ってますね。
これは愛とか好みとか全く関係ない答えだね。
グレンはヴィスの事を野心家だなと言ってますね、確かにハーレム願望と受け取れるね。
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この会話をニーニに聞かれてしまったね、ニーニは赤くなってたね。
ちょっと嬉しかったんだろうか?
ニーニは役目をはたしてユーナリアから事情を聞きだしました。
彼女は人間との停戦を求める為の使者団の一員でした。
道中魔物に襲われてしまし彼女だけが生き残りました、そこで人間に捕まってしまい売られるところだったそうです。
ユーナリアを故郷の暁森まで送る事になりました。
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暁森までの道中は険しいものでした。
エルフと人間は敵対しあっているので交流がありません。
ですので道がないんだよね、巨木の上に登りそこを通る事になりました。
巨木は人間が余裕で歩ける程の幅がありましたが下を見ると足が竦むほどの高さになります。
ニーニが恐怖で歩けなくなりました。
ヴィスが彼女を担いで行く事になります、正直なヴィスはまたもニーニを重いと言ってますね。
グレンとヴィスは高所にある巨木を恐れてはいませんでした。
グレンは且つてこの場所には来たことがあると言ってます。
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暁森に近づくと皇国軍の野営地がありました。
皇国はエルフたちとの戦争を始める積りの様です。
ニーニは幻術を使って野営地を迂回して行こうと提案しましたがグレンに却下されます。
軍の中には幻術に惑わされない兵士も居るので迂回して移動距離が長くなると見つかってしまうと言いました。
グレンに作戦があると言われて彼の指示に従う事になりました。
離れた場所で狼煙を上げて敵を分散させて野営地の中央を突破しようとの作戦でした。
野営地に入ると見張りの兵士に見つかります。
グレンはエルフを捕まえたので責任者に合わせて欲しいと言い出しました。
裏切られたと思いユーナリアは絶望していますね。
ユーナリアは責任者のエレジア将軍に会う事になりました。
エレジア将軍は正義の人でした、彼女はユーナリアを捕虜として扱うのではなく客人として扱うと言ってます。
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エレジアは捕虜を使った卑怯な交渉で戦争を有利にすすめる気は無いと言ってます。
エレジアは部門の出のようで正々堂々の戦いを望んでいるね。
ユーナリアはエレジアの態度に人間にもマシな者はいるんだなと考えを改めています。
裏切り者のグレンとは大違いだとでも思ったようですね。
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グレンの行動は計算されたモノでした。
野営地の中でユーナリアの連れて行かれた場所を特定して彼女を救い出します。
ユーナリアを突き出す事にしたのは全員が戦う事無く野営地に入る事が目的でした。
ニーニに幻術を使って貰い野営地に混乱を招きます。
その隙にユーナリアを連れ出して野営地を抜け出す事に成功しました。
助け出されたユーナリアは最初から教えて欲しかったと言ってますね、まあ、そうだよな。
グレンは仲間に作戦を内緒にしていたのは演技力が無さそうだからだと言ってます。
これも正しい意見だね。
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エルフの住む場所、エルフの床に到着しました。
グレン達はエルフを束ねているカタン長老に会いました。
グレンはカタンに且つての仲間だったポトルの墓参りをしたいと申し出ました。
ポトルはグレンと共に魔王と戦ったエルフの英雄です。
カタル長老はグレンの正体が且つての勇者、グレイン・ズーランダーだと気がつきました。
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グレンとカタンは現状を確認する話し合いをしていました。
皇国の軍に囲まれている事への対策と森の中に碌精を発生する何かが多数仕掛けられていることへの対策を話し合ってたようです。
グレンはニーニに森の中にあると思われる碌精を発生している魔法陣の場所が分かるか聞いてきました。
ニーニが凄い能力を持っている事が分かりますね。
彼女は使い魔を森中に放ち碌精を発生している魔法陣の場所を全て突き止めました。
これまでエルフたちが探しても見つけられなかったのですが特定できてしまいましたね。
ニーニは魔法陣には何の意味も無いと告げます。
碌精を発生させるだけで意味は無いと不思議そうにしていました。
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ユーナリアを逃がしてしまったエレジア将軍は今回のエルフ討伐作戦に疑問を持ちます。
配下の一団が数週間森の中に入り偵察していた事に疑問を持ちました。
彼らが何をしていたのか探る事にしました。
彼らは森に入り碌精を発生させる魔法陣を描いていました。
この一団の指揮官を呼び出し、作戦について問いただす事にします。
指揮官であるクラック少尉はエレジアの詰問に魔法陣を描いていた事を認めます。
クラックはエレジアの事を馬鹿な女だと言いますね、開き直ったようです。
クラックは皇帝の勅命により森に魔法陣を描いたと言ってます。
クラックは皇帝が魔族と取り引きをしていると暴露しました。
皇帝の目的はなんだと問いただすと八大天魔王を復活させる事だと言いました。
クラックは自分を殺したければ殺せと言ってますね。
エレジアはクラックを邪教徒と罵りますけど、クラックに言わせれば聖霊神信仰こそ邪教だと言ってます。
これは気になる発言です。
エレジアはクラックをバッサリ斬りました。
クラックは死ぬ寸前まで笑ってました、彼は八大天魔王の為に死ねる事に意義を見出していました。
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エレジアは直ぐに行動にでます。
魔族がこの地に攻めてくると分かったのでエルフとの和睦と共闘を申し出ました。
エレジアはまだ皇帝の事を信じています。
皇国の起こした不始末の後処理をするつもりですね彼女は立派な軍人ですね。
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森に配置されている意味の無い魔法陣に関してその意味を考えていたニーニが気がつきました。
これは召喚魔術で何かを召喚しようとしているのではないかと。
エルフ総出で魔法陣を消すかって話になりましたがヴィスが冷静に問題点を指摘しました。
それでは床の守りが手薄になり魔族に攻め込まれてしまうと分析していました。
ヴィスの成長にグレンが嬉しそうにしていました。
そこにエレジアから休戦と共闘の申し出がありました。
エレジアとカタンは直ぐに会談を持ちエレジア配下の軍とエルフで共闘する事になりました。
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魔族が攻めてきました。
乱戦になりますがエレジア達は優位に迎撃していました。
魔族の出現数が物凄くて次第に押され始めます。
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グレンたちは予備兵力として残っています。
魔族の別動隊の気配を察知しました。
別動隊は大きな湖の近くに集結しているようです。
グレン、ヴィス、ニーニは其方の迎撃に向かいました。
そこにはミアンを連れ去ったククルガンが来ていました。
ヴィスはククルガンに飛び掛かりミアンを返せと戦闘を始めます。
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ヴィスはククルガンを追い詰めますね。
ククルガンはミアンを返すと言いますよ。
異空間から彼女を引っ張り出しました。
そしてミアンの体に曲刀を突き刺しました。
ミアンから彼女の体内に集められていた聖霊が溢れ出します。
膨大な聖霊に周囲のモノは消し飛ばされてしまいます。
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ニーニは魔法で防壁を張り仲間を助けようとしています。
ヴィスが動けなくなってますね彼はミアンに話しかけています、彼女から噴き出す膨大な聖霊に晒されても影響を受けてないね。
ニーニはヴィスを見ていて彼の能力に気がつきました。
ヴィスは聖霊と碌精に触れても破壊される事はありませんでした。
彼の身体がミアンと同じく天上法具の器になれる事を知りました。
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ヴィスはミアンに助けに来たと言います。
ミアンの反応が予想外でした。
倒れているミアンを助け起こし声を掛けると触らないでとの返答がありました。
ミアンは自分はヴィスの事を嫌っていたと教えてくれます。
彼女はヴィスに親切にしていたのは父親に言われたからだと言います、酷い。
落牧のヴィスが絶望して自殺してしまうと皇国から贖い金を取られるのでそれを防ぐ為にヴィスに優しくしていたと真実を暴露します。
ミアンは自分も他の村人たちと同じ様にヴィスに向かった罵声を浴びせたり、石を投げつけたかったと言ってます。
それが普通の女の子が経験する幼少期の想い出らしいね、酷い世界だよまったく。
ミアンに真実を吐露されたのですがヴィスはさして落胆してないよ。
哀しい事実が判明するね、ヴィスはミアンが自分を嫌っている事を知っていたと語ります。
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優しくしてくれても、ミアンは決してヴィスの目を見る事は無かったそうだよ。
彼に触れられないように話す時も一定の距離を保っていたそうだ。
成程ねそりゃ気がつくか、ミアンはヴィスの事を馬鹿だと思っていたようだ。
ヴィスはそれでもミアンを助けると言ってます。
彼女の教えてくれた正義が正しいのか分からなくなったけど、正義を教えてくれからと言ってます。
一途ですね、愛している訳では無さそうだけど。
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それでもミアンはヴィスを拒みました。
ミアンは自分が聖女として死ぬことを受け入れていましたよ。
聖霊信仰に毒されていますね。
ミアンは体内に溜まった聖霊を全て吐き出して死んで行きました。
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ミアンの死でヴィスの心に隙間ができてしまったようだね。
そこに付け込んでククルガンがヴィスの体を乗っ取りました。
ククルガンはヴィスの体が気に入ったようです。
放出された聖霊の力を使って空間に亀裂を生みだします。
そこから八大天魔王が見えてますね。
しかし魔王たちは現世に出てこようとしませんよ。
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不審に思ったククルガンが理由を尋ねると恐ろしい事実が隠されていました。
今回の作戦は聖霊神により画策されたものだと教えられます。
これは驚きでした。
聖霊神がエルフを材料にして魔王を倒す為に有効な武器を大量に作ろうとしていると教えられます。
更に今の世界に出ていく事は面白く無いとも言ってました。
ククルガンは己の浅はかさにガッカリしています。
しかし魔王に対する忠誠心は本物です、何をすればいいのか問いますね。
魔王は剣聖候補のエインを倒せと言いました。
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ククルガンがエインを殺そうとしていますね。
エインは強い正義の心で対抗しようとしていましたが無理でしたね。
死にそうになっています。
エインの絶望がとても美味だとククルガンは楽しそうにしていました。
エインが止めを刺されそうな所にニーニがやってきてヴィスを返せと言ってきます。
ニーニは魔法でククルガンを拘束してヴィスを取り返そうとしましたが魔法が破られてしまいます。
そこにグレンが到着します。
グレンは魔剣を抜いてククルガンの額(ヴィスの身体ね)に切り付けました。
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グレンとニーニがククルガン(ヴィスの身体ね)に飛びついてヴィスを呼び戻そうと叫びます。
「なにをしているっ!君はこんな所で終わるたまかっ!?いいや、違う!知っている!僕は知っているぞ!ヴィス!聞こえているんだろう!」
「ヴィスは私と子供を作るんですよね!そう言いましたもんね!」
ニーニが熱烈なラブコールを送っていますね。
ニーニはヴィスが好きになったのね。
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ヴィスは戻って来ましたよ、精神世界でミアンに別れを告げていました。
邪魔するなら殺すねと言ってたのでミアンとは完全に別れたようだぞ。
ククルガンは出てこられたヴィスに驚いています。
ヴィスはククルガンを呑み込んでしまします。
ヴィスはグレンと再会しましたがグレンは死にかけでした。
元々彼は1500年ぶりに転生した元勇者で、聖霊神の命に従い時代の剣聖を育てる義務がありました。
しかしグレンはそれをしないでヴィスを見守っていたんだよ。
聖霊神に逆らっていたので彼は終始苦痛に苛まれていました。
聖霊の残りも尽きてしまい元になっていた木片に戻ってしまいました。
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ククルガンまで呑み込んだヴィスの存在に魔王たちは狂喜乱舞しています。
器が見つかったと言ってますね。
全ての不条理を呑み込む大器と言ってるね。
ヴィスは八大天魔王に向かい全員倒すねと宣言して戦いを挑みましたが負けるね。
戦いの最中にグレンの持っていた魔剣を手にして一太刀入れる事に成功しましたがそれだけでした。
魔王を倒す事は出来ず、魔王は魔剣は人の世に有って良いものではないと言い魔剣を持って異世界に戻って行きました。
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魔王たちが異世界に戻ると襲ってきていた魔族も消えました。
追い詰められていたエレジア将軍は生き延びました。
敗色濃厚とみて途中で逃がしたエルフたちの行方を捜しましたが彼らの姿を見つける事はできませんでした。
恐らく彼らは逃走先に配置されていた法王庁の白獅子の師団に捕まってしまい天上法具の材料になったのでしょう。
酷い話だよ全く。
こうなってくると聖霊も良い存在とは言えないよね。
この世界には正義や悪と言った普遍的な概念は無いようだね。
所属する勢力が掲げる意見が正義になるようだぞ。
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エレジアは皇都に戻り皇帝への謁見を願い出ます。
皇帝に今回のエルフとの戦いの真意を問いました。
皇帝は自分は魔族と取り引きをしている事を認めます。
それは皇国を守る為だと言ってます。
エレジアは皇帝の意に反する事にします、皇帝はエレジアを従わせようと懐柔したけど彼女の正義は揺らぎませんでした。
皇帝はエレジアのジダール家を解体する事にしました。
エレジアは権限を剥奪されてしまいました。
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彼女は家に戻ると近習のサラサが待っていました。
エレジアは自分が軍での権限を失った事を教えサラサに後の事を任せると言いますね。
しかしサラサはエレジアに付いて行くと言い出します。
彼女の忠誠心はエレジアに向けてのモノであり皇帝に対するモノでは無いと言いますね、これって問題発言だよね。
サラサは更にエレジアに付いて行く兵も多数おりますとも言ってくるぞ。
更にサラサは皇帝が魔族と取り引きしているならば、誰かが皇帝を撃たねばならない、それはエレジアをおいて他に居ないと言ってきますね。
反乱を勧めていますよエレジアは迷ってますね。
彼女は従う配下を連れて皇国に反旗を翻す事になるのでしょうか?
確固たる自分の正義があるのでやっちゃいそうだよね。
エレジアは主君に弓を引くなどあり得ないと言いますけどサラサはエレジアにはもう主君はいませんよと返答しています。
これはやるな。
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生き残ったユーナリアは仲間のエルフと一緒に森を捨てて北のダークエルフに頼る事にしました。
ダークエルフに協力を仰ぎ、新たな森を探す事になりました。
ユーナリアは森を救う為に一緒に戦ってくれたグレン、ヴィス、ニーニを探しますが彼らに会う事はありませんでした。
ちょっと可哀想です。
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ククルガンに半殺しにされたエインはオルガノに手当されていました。
損傷がひどかったようだね、オルガノは聖霊で繋ぎとめた命と言ってます。
オルガノはエインは負けたわけでは無い弱さを知ったのだと言ってます、元に戻るまで暫くかかる休めと言ってるね。
エインは剣聖になったのかな?
二人の修行は続くようです。
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グレンは満足して二度目の生を終えたようだね。
彼はヴィスと過ごした日々に満足していました。
ヴィスの成長をもっと見ていたかったようですけど満足はしているね。
これだけがグレンの行いに対する救いになったね。
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ヴィスとニーニは二人で旅を続けていました。
今は砂漠を越えようとしています。
砂嵐が来て洞窟でやり過ごす事になります。
そこでニーニがヴィスに尋ねました。
グレンが死んで以来ヴィスが無理をしていると言ってきます。
ヴィスは無理はしていないと反論しますけどね。
ヴィスはグレンが死んだからといって自分は変わっていないと言います。
ニーニが変わるんですよと教えてくれます。
ニーニはグレンが苛まれていた体の毒について教えれくれました。
グレンは楽しそうにしていましたが、本当は何も感じられていなかったと教えてくれます。
楽しさも分からず、料理の味も分からなかったと教えれくれます。
それを聞いたヴィスに変化が起こりました。
ヴィスは自分はグレンに大切にされていたんだなと気がついて涙が零れ始めました。
グレンのやって来たことは無駄じゃなかったね。
最後にヴィスに感情を取り戻させる事に成功しました。
哀し過ぎる結末ですね。
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ヴィスはグレンとの出会いから色々なモノを得ました。
最後に感情と自分の事を本気で愛しれくれるニーニを得ましたね。
ニーニがヴィスに惚れているのは確実でしょ。
グレンを取り戻す時に子作り宣言してたからね、あれは熱烈でした。
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天上法具になれる素質を持っているヴィスの変化も気になりますね。
碌精が残っている間は天上法具になれないようだけど問題が解消された場合、彼は天上法具になるのでしょうかね?
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ヴィスとニーニの旅程は今後どうなるんでしょうね。
二人ともまだ人間世界の常識に欠けていると思うんだよね。
グレンは色々と教えてたけどまだまだ足りないように思えるよ。
大丈夫なんだろうか?
別れてしまったユーナリアとの再会はあるのかな?
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成分 | 美少女 | 戦闘 | ヒーロー気質 | ハーレム |
評価 | AAA | AA | AAA | C |
AmazonLink: 勇者は、奴隷の君は笑え、と言った (NOVEL 0)
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