ラノベの感想) 大伝説の勇者の伝説 第4巻 虚々実々の大幻惑 (富士見ファンタジア文庫)
レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2008/9/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:978-4-8291-3327-9
雰囲気:世界の秘密の一部開示、ルークが意外と博識
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幕間 もう一人の勇者について
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レファル・エディアはガスタークを侵略したストオル帝国に人質として囚われていました。
レファルがストオルの図書館で歴史書を読んでいると一人の美人さんに声を掛けられます。
彼女はガスタークには居ない綺麗な金髪をしていました。
彼女はレファルの事が気になる様です。
彼女はレファルの事を誘ってきますね、意外とレファルはモテるようです。
レファルも彼女の事が気に入ったので上手くいきそうでしたが邪魔する者が現れます。
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邪魔をしてきたのはレファルと一緒に人質になっているリーグルワーズ・ペンテスト(リーズ)でした。
リーズは彼女の事を頭にパン屑が詰まったストオルのアバズレと罵ります。
レファルには相応しくないと断言してしまいます。
これを聞いた彼女は真っ赤になって怒っています。
彼女はセプル公爵の娘だそうです。
父親に言いつけて二人を処刑してやると出て行ってしまいます。
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上手くいきそうだった所を邪魔されたレファルはリーズとどちらが女の子を沢山落とせるか勝負する事になります。
不毛な言い争いをしている二人の元に最後の仲間が戻ってきました。
彼の名前はリル・オルラ。
リルはストオル帝国の内情を探っていました。
他にもガスタークに戻り何らかの準備を進めていました。
その為しばらくレファルとリーズの元から離れていました。
戻ってきたリルはストオル帝国の国王が人間では無かったと報告しています。
ストオル帝国の国王は女神だったそうです。
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レファルはストオル帝国に殺された父親が話してくれたお伽噺を思い出しています。
レファル・エディアというのはエディア家の始祖だそうです。
その彼が世界の外側『エレル』から出てきた司祭に『再生の剣(グロウヴィル)』を渡されました。
それを使って世界を再生しろと言われます。
世界は『狂った女神』『異次元の悪魔』『堕ちて狂った、黒い勇者』に侵されているそうです。
司祭は再生の剣を使いそれを再生する『救世の勇者』になれと言ってきました。
再生の剣はエディア家の血筋しか使う事が出来ないそうです。
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渡した再生の剣はまだ完成していないと言われます。
レファルは再生の剣を握らされて母親を殺す事を強要されました。
レファルは激しく抵抗したのですが、体が勝手に動いてしまいます。
母親はレファルに自分を殺させない為に自ら再生の剣を自分に突き刺しました。
レファルを残して全ての人間は死に絶えてしまいます。
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一人に成ったレファルの前に桃色の髪をした美女が現れます。
彼女はレファルに向かって自分と子供を作れと命じてきました。
悪魔を殺せる者を、女神どもを蹂躙する者を、勇者に絶望を与える者を。
レファルはこの美女と子供を作ったようですよ。
それがガスタークの始まりのようです。
以来、世代を重ねてガスターク地方でひっそりと暮らしていました。
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始祖であるレファル・エディアは生涯を通じて再生の剣は使わなかったそうです。
それにちなんでレファルの父親は彼に始祖であるレファルの名を与えました。
父親はレファルに幸せになって欲しいと願ったんでしょうねー。
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レファルにこのお伽噺を語った父親は、もし再生の剣を振るう必要が出てきても逃げろと教えました。
世界の行く末なんかクソくらえだ、自分の大切な者を守り幸せに暮らせと言っていました。
レファルは父親の言いつけを守っていたのですが、事態は彼の希望を裏切る方向に進んでしまいます。
ストオル帝国が女神に乗っ取られていると知ったレファルは再生の剣を使い女神を抹殺する覚悟を決めます。
リーズとリルがレファルに付いていくと言ってくれました。
行動を起こせば幸せに笑えなくなります。
それが分かっていても付いてきてくれるリーズとリルにレフェルは感謝しています。
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まずは眠っている再生の剣を目覚めさせる為に仲間の命を捧げる事になります。
リルがガスタークに戻っていたのは誰が生け贄になるのか決める為でした。
ガスタークの人々は仲間意識が強く賢いようです。
少しでも力の強い仲間を残す為に老人達が率先して生け贄になると志願しました。
リーズに唯一残された肉親である彼の祖母も生け贄に志願したそうです。
レファルは仲間の血を使い行動に出るのだから絶対に失敗できないと覚悟を決めています。
ガスタークは世界を守る為に行動を始めたようです。
これは悲劇だね。
シオンが敵だと思っている彼らも目指しているモノは平和なんだね。
上手くいかないな。
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第一章 呪いの『α』
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女神の姿を見たライナは悲鳴をあげます。
しかし恐怖からではありませんでした。
彼の目が裂けるような強烈な痛みが走ったからでした。
ライナは複写眼が女神を知っていると感じています。
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ライナの目から出現した複写眼が女神と会話を始めます。
女神は『未臓の女神』という名前です。
ライナの中に居る複写眼は『α』という名前でした。
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彼女はここでαに出会うのはいつもと手順が違うと言っています。
αは『悪魔』が『勇者』を裏切ったと言っていました。
女神は複写眼の事を自分たちを模したニセモノと言っているぞ。
αはライナの事を『すべての式を解く者』で間違いないと紹介しています。
女神はαにすべての式を解く者を殺すのがお前の役割だろ、なんで死んでいないと問いかけます。
αはライナの母親がアートフェールの呪いを使って守っている。
お陰で自分は正常に機能しなくなったと説明しています。
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ライナはこの話を聞いているうちに封印されていた五歳以前の記憶を思い出しました。
ライナは自分の内部のような夢のような場所で自分を助けてくれたのが母親だと理解します。
そして父親と母親の名前を思い出します。
リューラ・リュートルーとイルナ・リュートルー。
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αはΩ(オメガ)もエリス・リードを喰らう事に失敗して逆に喰われてしまったと報告します。
女神は『すべての式を編む者』にはそんな力は無い筈だと言ってますね。
αは理由は分からないがルシル・エリスは自分たちが知っているエリス・リードではないようだ、と告げます。
ルシルは余りにも大きな力を持ちすぎていると説明しています。
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女神はどうすると問いかけてきます。
このままライナを殺さないでいると、狂った勇者が『すべての式を解く者』と『すべての式を編む者』を喰らい何もかもが終わる。
彼女は醜悪な顔をしているくせに妙に人間臭い仕草をしています。
何者なんでしょうね?
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αはすべての式を編む者が異常な力をつけている代わりに、我が宿主(ライナ)が勇者(シオン)への愛を失った。
勇者に並び、競い、救おうと考え始めた、堕ちて狂った勇者を、正義の淵に引き上げるつもりだ、と説明します。
女神がライナはこちら側なのか?と問いかけます。
αはそうだ、と返答するね。
女神はヴォイスに確認をとっています。
ヴォイスは女神の下僕をしているようですよ。
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ヴォイスはライナはシオンを殺す為に前に進もうとしています、と返答しました。
女神は自分の役に立つのか?と確認してくるね。
ヴォイスは、そう思います、と返答しています。
女神はヴォイスの言う事を信じてくれます。
ヴォイスは人間を裏切り、女神に味方しているようです。
ヴォイスは信用されているようですね、一体どうやって取り入ったのでしょうね?
ヴォイスは「シオン・アスタールの首をあなたに捧げましょう」と約束しています。
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女神は消える前にαに新たな命令(システム)を与えます。
αはライナを見張り、必要ならば力を貸す事になりました。
αは自分が悪魔に力を貸すのか、なるほど、世界は狂い始めている、と笑っています。
女神は世界が狂っていないときはなかったと言って消えました。
この発言するとこの世界には救いは無いのかもしれないよ。
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女神とαの会話が終わるとライナは気絶しそうです。
彼は肩に死ぬほどの傷を負っています。
ヴォイスの、傷は塞いでおくので、ゆっくり寝てください、詳しい話は、起きてからまた、との言葉を聞いてライナは気絶します。
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意識を取り戻したフェリスは周囲の警戒を行います。
彼女はライナが自分を庇って重傷を負った事を覚えていました。
彼女はライナの事が心配で仕方なくなっています。
フェリスは覚醒した事を気付かれないように起き上がります。
するとヴォイスの声が掛かってきました。
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ヴォイスは忘却欠片を使いフェリスの治療を行ったと告げます。
まれに体質に合わない人もいるんです。
パンツが腐って消滅したりはしていませんか?と言いながらフェリスのスカートをめくろうとしてきます。
流石ヴォイス、怖いもの知らずの変態です。
フェリス相手にこれができるヴォイスは尊敬に値するよね、変態の鏡だ。
当然ですがヴォイスはフェリスに蹴られています。
ヴォイスは「ぎゃぁあああああ♡」と嬉しそうな悲鳴をあげて飛んでいきました。
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フェリスは迅速な行動でヴォイスを人質に取ります。
周囲の見慣れない黒い鎧を着た兵士を威嚇します。
黒い兵士たちはヴォイスに従っているようですね、彼を助けようとフェリスに殺気を放ってきます。
フェリスは彼らでは自分に勝てないと判断してヴォイスを脅します。
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フェリスは自分を不安にさせる最大の原因を解消するために質問を始めます。
「・・・ライナは・・・ライナはいったいどこにいる?」
ヴォイスはフェリスが一番にライナの事を聞いてきた事を、二人は仲良しですねー、と揶揄いますよ。
フェリスは本気なのでヴォイスの無駄口に付き合いません。
ヴォイスはライナは後ろの荷車の上ですよ、と教えてくれます。
フェリスはヴォイスを連れたままライナの元に飛びます。
ヴォイスは髪の毛を引っ張られて引き摺られるのが嬉しそうです。
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ライナの無事を確認したフェリスは精神状態が突然安定します。
彼女はヴォイスから現状を聞き出す事にします。
ヴォイスの言った忘却欠片って言葉から彼の事をガスタークの手の者か?と疑います。
ヴォイスは、反ローランド連合軍の代表という事になっている嘘つきです、と告げます。
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ヴォイスは自分は全てに嘘をついている、人に、仲間に、世界に、神に。
この世界には神が存在しているんですよ、と教えてくれます。
フェリスは信じられなかったようですね、頭がおかしくなったのか?と聞き返しています。
それに対してヴォイスは真顔で神が存在するのは本当の事だ。
世界の真理に触れてしまったので、見過ごす事ができなくなってしまったと語ります。
ヴォイスはフェリスがライナに酷く大変な事が起こっていると不安になったのには理由があると言ってきます。
彼はライナの複写眼に女神がかけた呪いが掛かっていると教えてくれます。
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ヴォイスが親指大のガラス玉を渡してきます。
それを通してライナの事を見てみろと言ってきました。
ファリスが覗いてみると、ライナの体を小さな女神が拘束しいるのが見えました。
ライナの胸の内側から何千人もの小さな全裸の女がとびだしてきます。
彼女たちはキーキーと気味の悪い声を上げてライナの体に絡みついています。
小さな女神はαだそうです、女神がライナの中にある力を殺す為に送り込んで呪いだそうです。
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フェリスはヴォイスに何者なのか問いかけます。
ヴォイスは女神の味方の振りをしている敵だと返答します。
ヴォイスは「ダダでは決して施ししない」フューレル家の家訓ですと言います。
フェリスは「借りは剣で斬り付けて返せ」エリス家の家訓だと返答します。
ヴォイスがメリットがあるのでライナの味方をすると答えるとフェリスは彼を信じる事にします。
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フェリスはヴォイスから全ての説明をして貰う事になります。
しかしヴォイスに都合の悪い事は隠されるそうです。
ヴォイスはネルファの群れと合流してカッスラ―自治聖都の受け入れ部隊と合流するつもりの様です。
カッスラ―自治聖都の受け入れ部隊を用意しているので彼が作った反ローランド連合軍は実在するようです。
移動しながらフェリスはヴォイスの話を聞く事になるようです。
別れている間にヴォイスは色々と動き回って体勢を整えていたようです。
彼は頼れる味方になるのでしょうか?
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第二章 ニンゲン『α』
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シオンは異世界で女神の放った刺客と戦っていました。
シオンは女神に誘惑されています。
彼女は自分の体を好きにしていいと言っています。
シオンは取り合わないで彼女の首をゴキリと折ってしまいます。
しかし彼女は死にませんね。
シオンへの誘惑を続けてきます。
シオンに彼女の髪の毛が絡みついてきました。
シオンは彼女の誘惑に負けそうになっています。
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後ろで見ていたルシルから声が掛かりました。
彼はシオンを助ける気は無いようです。
これしきの誘惑に負けるのならば死んでしまえ、と言ってシオンを突き放しています。
シオンは自分の中にある女神を殺す呪い『狂った勇者』を効率的に使えるように意識を集中します。
女神の刺客を撃退する事に成功しました。
女神を撃退したシオンが玉座の間で「寂しいな」と呟きます。
自分の元からライナとフェリスが去ってしまった事を寂しく思っています。
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シオンの元にミルク・カラードがやって来ました。
彼女はシオンに聞きたいことがあると言っています。
シオンはミルクが、ライナとはどうなったのか?この国で何が起っているのか?と質問してくると予想します。
しかしその質問には意味が無いと感じています。
既に事態は動き出していて手遅れなんだと感じてます。
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シオンの様子を見たミルクはシオンに常識外れな問題が降りかかっていると理解したようです。
ミルクが質問しようとしていると、異世界で変化が起こりました。
シオンを襲おうと女神の手先がやって来てしまいます。
ルシルが異世界で女神の対処をするのでシオンにミルクの質問の答えていろと言ってきます。
シオンは異世界の対処をルシルに任せてミルクの質問に答える事にします。
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ミルクはシオンに向かって、何と戦っているのか?と質問してきました。
シオンにとっては予想外の質問でした。
ミルクにその真意を問いかけます。
ミルクはシオンの見ている前で意識を失い倒れていきます。
優しいシオンは慌ててミルクを抱きとめようと彼女に走り寄ります。
しかし彼女に届きそうもありません、彼女は顔から床に激突しそうです。
そこに彼女の背後からルークが出てきました。
ルークはミルクを抱き留めます。
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シオンはルークが手引きしてミルクが玉座の間に入って来たんだと理解しました。
今のシオンは玉座の間に入れる人間を限定しているようです。
シオンはルークの事を警戒しています。
彼に何をしに来たのか問いかける事になりました。
ルークはニコニコ笑顔を浮かべてシオンの事を試しに来たと言っています。
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シオンはルークの上司であるミラーに自分の置かれている現状を説明しました。
自分が勇者になってしまい、この世界を食い散らかそうとしている女神を倒す必要があること。
女神が人間という魔法を使い勇者を南大陸に閉じ込めた事。
それを覆すためにはシオンが北上してローランド帝国の領土を広げる必要がある事。
ローランドの領土になると人間が人間αに書き換えられる事。
中央大陸の西部までローランド帝国の領土が広がれば女神の駆逐が完了する事を教えました。
その説明でミラーは納得してくれて協力を約束してくれました。
しかしルークはミラーが疑わない部分を疑うのが自分の役割だと言っています。
彼は自分の目で見た事しか信じないと言って実験を始めます。
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既に一つ目の実験はクリアしました、と告げてきます。
ルークはミルクを気絶させて、それを見たシオンが彼女を助ける為に動くか試したと言ってきます。
シオンはミルクが入ってきた段階から既にルークの手の上で踊らされていたのね、と辟易しています。
シオンはルークの事を高く評価しているのですが優秀過ぎる彼に危機感も持っていました。
人間の中では一番厄介な相手だと思っています。
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ルークは二つ目のテストを始めます。
玉座の間に仕掛けてあった糸を使いシオンの首を絞めてきます。
これはシオンを殺そうとするとルシルが出てくるのか確認する実験でした。
シオンはルークがルシルに殺されてしまうと心配になっています。
ルークはシオンを殺そうとして糸の締め付けを強めてきました!!
しかしルシルは現れません!!
シオンがおかしいと思っているとルークが別の世界を見てみろと言ってきます。
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シオンが別な世界に目を向けるとそこではルシルが女神に殺されそうになっていました。
女神の手先だと思っていた刺客は女神だったようです。
ルシルは数々の魔を自分の中に吸収して力を付けていました。
しかしまだ女神に対抗するだけの力は無かったようです。
ルシルが苦しそうな声を上げて、シオンに来るなと告げてきます。
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女神がシオンに語り掛けてきました。
《ああ、アスルード・ローランド・・・またあなたは、このように進むのですね》
彼女は自分だけがあなたたちを愛した女、と言っていました。
そしてシオンに自分の事を抱けと言ってきます。
シオンの中にいる『狂った勇者』アスルード・ローランドが彼女を抱きたいと騒ぎ立てます。
シオンはその誘惑に耐えています。
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女神の姿はミルク・カラードにそっくりでした。
ミルクにそっくりな女神はシオンに自分を抱けと迫ってきます。
シオンは誘惑に抗い続けます。
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女神は天井を見上げて離れた場所で起こった出来事を教えてくれます。
彼女は『悪魔』が『未臓の女神』に出会ってしまったと告げます。
これでαが消えて『すべての式を解く者』の枷が減ると言っています。
ライナの事だと理解したシオンは焦っていました。
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女神はシオンがライナの心を捉えないから『寂しがりの悪魔(ライナ・エリス・リード)』が『女神』の手に落ちたと言っています。
彼女はライナの元に現れた女神とは別な勢力の様ですね。
さらにルシルの事も非難してきました。
ライナと一つにならないまま自分だけが強くなった事を非難します。
一人で強くなっても『寂しがりの悪魔』に戻れないと言っています。
ルシルがお前らの筋書きから離れてやると告げると彼女は筋書きを書いているのは自分ではないと返答しています。
ミルクにそっくりな女神はシオンとルシルに力を貸すと言ってきます。
予定調和しか愛せない、貪欲な『女神』たちを殺して、今度こそ、あなたたちが愛を手に入れられるように手を貸すと言っています。
良く分かりませんねー。
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シオンは彼女の提案を拒否します。
自分たちだけの力で前に進むと言い張ります。
何故ミルクの姿を真似たのか質問すると女神は、自分の本当の姿だと教えてくれます。
ミルクは女神の入れ物だったようですよ。
人間として生まれてしまったので、無駄な人間としての人格も存在していると言っています。
ミルクも生まれながらにして特殊な存在だったようです。
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彼女は『円命の女神』と言うようです。
ルシルはシオンの中に居るアスルード・ローランドはシオンに喰われていると教えます。
円命の女神には信じられなかったようです。
しかしシオンの中を探りアスルード・ローランドの意識が小さすぎる事を確認するとルシルの言葉を信じる事にしました。
彼女はシオンとルシルが何をしたのか知りたがります。
シオンはルシルがアスルードを喰えるだけの適合者が現れるまでアスルードに取りつかれた依代を殺し続けただけだと教えます。
ルシルは円命の女神に自分たちの書く筋書きに参加したいか?と問いかけます。
円命の女神はルシルの提案に乗る事にしました。
シオンとルシルの行く末を見守る事に決めたようです。
しかし最後には絶望しかない、と警告しています。
最後に自分を抱きたいと泣き叫ぶ事になると言っています。
シオンがそうはならないと告げると彼女は、愚かな、寂しい、悲しいシオンの道を信じてあげましょう、と言って消えました。
シオンはミルク・カラードの事を美しいと思ってしまいました。
これは意外と不味い事になるかもしれないよ。
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女神が帰ったのでシオンはルシルを慰めています。
ルシルは自分の力が女神に及ばなかった事に絶望しています。
ルシルは妹を闇に巻き込まない為に、家族を絶望に巻き込まない為に、世界を不条理な化物から救い出す為に人間をやめてしまったそうです。
彼は本質的に優しい人間だったようですね。
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シオンが現実世界に戻るとルークが合格ですと告げてきます。
ルークはシオンがミルクを抱かなかったので合格だと言っています。
ミルクには何らかの呪いを仕掛けて置いたそうです、彼女を抱いていたらシオンは死んでいたそうですよ。
シオンは異形の化物である勇者を殺せる呪いとはなんだ?と疑問に思っています。
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勇者の殺すほどの呪いを知っていたルークがリューラの手先だと予想します。
シオンはリューラの事を調べたようですね。
リュラ―は自分の息子を救う為に、世界と妻を生け贄に捧げたそうです。
そしてフェルナという息子を『悪魔(ライナ)』にしてしまったそうです。
フェルナが複写眼の暴走で死なない様にする為に何らかの措置を施したようです。
その影響でライナは悪魔になったようです。
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ルークはリューラとは取引しただけだと返答します。
リューラから情報を引き出す為に、彼がライナを追えるように逃亡の手助けとライナの居場所を教えたそうです。
シオンもリューラもライナを助けたいと思っているなら利害は一致しているので問題ないでしょう?と言っています。
シオンもそれで問題ないと認めています。
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ルークの解説が始まります。
彼はシオンとルシルと女神が知らない事を知っていました。
『女神』と『勇者』とシオンを本当の意味で操っている存在を知っていると言い出します。
その存在は『司祭』と名乗っていると告げます。
リューラに協力しているうえ、ガスターク帝国に忘却欠片を与えたのも彼らだと告げます。
シオンは驚いていますね。
更にルシルに驚くほどの力を与えたのも司祭だと告げました。
ルシルが出てきましたよ。
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ルークはルシルに向かって、「自分の力で千の魔と契約できたと勘違いしている、間抜けな『剣』-ルシル・エリスさん」と挑発しているぞ。
ルシルはルークの言葉に何も言い返しませんでした・・・恐らくルークの指摘が事実なんだと思われます。
ルークは、役者が揃ったので司祭の操る筋書きから外に出る為の相談をしましょうと言っています。
ここに来てシオンの陣営が強化される事になりそうです。
ルークは切れ者なので味方に成ってくれればシオンは心強いだろうね。
彼に心酔していないだけに頼りがいがありそうです。
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第三章 はじまりの『α』
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ライナは夢を見ていました。
封印されていた記憶が呼び起こされて幼い頃の記憶が一部蘇ります。
ライナは自分の名前がフェルナ・リュートルーだったと思い出します。
そして両親に愛されていた事も思い出しました。
ライナの父親が複写眼の呪いからフェルナを守る為に女神と取り引きしました。
更に女神を騙す為に母親がライナを守る為の生け贄に成った事も思い出します。
ライナの父親が女神としたのは二番目の契約でした。
最初に誰かと契約したそうなのですがライナには教えていませんでした。
父親の計画が実行されるとライナは記憶を封印されてしまうからです。
幼いライナは父親と母親を忘れてしまう事を怖がっていました。
父親は、心配するなライナが忘れても自分たちは忘れない、すべての困難を排除してライナを迎えに行く、だから安心しなさいと言いました。
ライナは絶対だよ?と約束して眠りについたようです。
幼いライナは純真で可愛かったみたいだね。
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ライナが荷車の上で目を覚まします。
ライナの周りには彼の仲間は誰も居ませんでした。
ライナは近くを歩いていた老人に状況がどうなっているのか聞く事にします。
老人は国境を二つほど越えて今はカッスラ―の北にあるアリ南方国を通過中だと教えてくれます。
更にヴォイス・フューレルがべリス主国に受け入れ先を用意してくれていると教えてくれました。
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老人は少女の手を引いていました。
ライナがお孫さん?と問いかけると、家族は全員、突然の光で死んだ、と教えてくれます。
手を引いている少女の家族も、死んだと教えてくれました。
ライナには「そうか」としか言えませんでした。
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ライナは自分の仲間も忘却欠片の攻撃に巻き込まれて死んでしまったのではないか?と不安になります。
そして自分の仲間だけは生き残っていて欲しいと思ってしまいました。
ライナは集団を率いているのが誰なのか聞く事にします。
老人はセルエス少佐だと答えました。
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ライナはトアレが死んでしまったのではないか?と不安に駆られます。
セルエスの元まで走って行ってトアレの無事を確認する事になります。
セルエスはライナの姿を見て喜んでくれます。
そしてヴォイスの言っていた事は本当だったんだな、と言っています。
ライナの受けた傷は腕を斬り落として焼くしか止血の方法がない程の怪我でした。
しかしヴォイスが持っていた忘却欠片を使って治療する事ができたそうです。
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セルエスはヴォイスがライナの仲間なのか確認してきました。
どうやらローランドに襲われている時にライナとフェリスを連れてヴォイスが現れたようです。
そして自分の事をライナの仲間だと説明したそうです。
ライナはヴォイスは知り合いだけど信じるには嘘をつき過ぎると説明しました。
しかし現状ではヴォイスに付いていくしかないと二人の見解は一致します。
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ライナはトアレの居場所を聞きます。
セルエスがトアレの乗っている馬車を教えてくれたので彼は生きていると分かりました。
ライナは安心しています。
しかしセルエスが最悪な情報を追加してくれます。
トアレは忘却欠片の攻撃で右半身を失ったと教えてくれました。
トアレは今にも死にそうだそうです。
そしてライナに泣き叫ぶなよ、と警告してきました。
集団は敵の勢力圏を抜けて順調に行軍中です。
疲労困憊の中なんとか行軍している人々に余計な混乱を与えるなと警告してきました。
トアレが難民たちの心の拠り所となっているので死んだと知られると歩けなくなると言われてしまいます。
ライナは表情に感情を出し過ぎると言われてしまいます。
ライナはトアレの乗っている馬車に向かいました。
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馬車の中にはトアレ、キファ、フェリス、アルア、ククが居ました。
キファがヴォイスに借りた忘却欠片をトアレの傷に当てています。
キファはライナの姿を見るとトアレが自分を庇って半身を失ったと泣き始めます。
ライナはトアレに話しかけます。
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キファを守ってくれたお礼を言っています。
死にかけているトアレは最後の力を振り絞ってライナに後事を託しています。
トアレは伝えるべきことを言い終えると死んでしまいます。
トアレの死を目撃したライナはトアレの代わりに彼を慕って付いてきた人々の命を背負う覚悟を決めます。
フェリスが大丈夫か?と問いかけてきました。
ライナがフェリスに同じ事を聞くと、彼女はダメだと答えます。
ライナは暫く休んでいろと言いヴォイスの元に向かいました。
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ヴォイスはニヤニヤしながらライナの事を待っていました。
ヴォイスはライナの事を弱いと馬鹿にします。
大した人材でもないトアレの死で動揺していると馬鹿にします。
ライナはヴォイスを殴りつけようとしますが、ヴォイスがトアレは死んでいませんよ、と言ってきました。
ライナはヴォイスを殴るのを止めるのですがヴォイスは自分から殴られに来て嬉しそうに悲鳴をあげて吹き飛びます。
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ヴォイスがライナに施した茶番の意図を説明します。
ヴォイスはライナに甘さを捨てさせたかったそうですよ。
ローランドに対してヴォイスが忘却欠片を使い反撃しようとしたのをライナは止めました。
ヴォイスにしてみれば戦争をしているのに、何甘い事をしているんだって事だそうです。
更にライナには自分の選択で付いてくる多くの人間が死ぬかもしれないと自覚して欲しかったそうです。
更にトアレに自分の後任としてライナを指名して欲しかったそうです。
トアレは一度ライナに後事を任せたので目覚めてもこの集団の王はライナであると認めるだろうと予想しています。
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ライナに命を選ぶ事も学んでほしかったそうです。
ライナを救った忘却欠片『死の転移(デルニオ)』は四つしかないそうです。
それを使ってライナ、フェリス、トアレ、少女を助けたそうです。
この選択はライナがするであろう選択をしてみたそうです。
これでライナは救う命を選んだ事になりました。
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死の転移には血を捧げる必要があるそうです。
ライナはヴォイスが自分の配下の兵士を生け贄にしたのか疑います。
ヴォイスは百人の兵の血を少しずつかけてまかなったと説明しました。
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ヴォイスはライナに命の上に立つ覚悟が出来たか聞いてきます。
ライナはまだだと返答しました。
ライナが覚悟を決める前に敵の敵襲がありました。
ヴォイスは『蒼の公主(ひめ)』と呼ばれる傭兵団に狙われていると教えてくれます。
ライナはヴォイスが自分を反ローランド連合軍の王に押すのは彼らから目を反らす為だと理解しました。
ヴォイスは良い性格をしていますね。
ライナに向かって、陛下、刺客を撃退してください、とお願いしてきましたよ。
ライナはフェリスを連れて迎撃に出る事になります。
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レファル・エディアは北大陸を平定して中央大陸に攻め込もうとしています。
中央大陸には三つの大国と沢山の小国があります。
小国はいずれかの大国の庇護下にあります。
彼は二つの国のどちらに攻め込むのか考えています。
エロン神都とデルリローザルー・クスラーの二つから一方を選ぶことになります。
エロン神都はゲイルフィックラント帝国の傘下です。
デルリローザルー・クスラーはエルトリア共和国の傘下です。
ゲイルフィックラント帝国の東側が海に面しているので戦っている間、東側に気を配る必要はありません。
レファルは攻めやすいエロン神都を攻める事に決めました。
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北大陸を制覇したガスターク帝国は吸収した国の軍隊を取り込んだ混成部隊となっています。
洗脳系の忘却欠片を使い統率しているそうです。
それだけでは足りないので国を失った兵士に新たな存在証明を与えて操っているそうです。
これはリーズの功績だそうです。
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進軍を開始しようとしている彼の元に刺客がやって来ます。
刺客は青い髪の美少女でした。
レファルは気配を感じさせないで自分に接近してきた彼女の力量に驚いています。
彼女は大軍が見事に統率されているのを見て忘却欠片を使ってもこうはいかないと言っています。
彼女は忘却欠片を知っていますね。
彼女はレファルを殺そうとしてナイフを投げてきます。
レファルには避けられないタイミングだったのですが彼の持っているグロウヴィルが勝手にナイフを弾きました。
彼女はレファルの持っているのがグロウヴィルだと分かると彼の事を『真の勇者』じゃないと言ってきました。
グロウヴィルを持っているレファルと無手で戦う事はできないと言い出します。
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レファルは彼女がグロウヴィルを知っていることから女神の手先か?と問いかけます。
彼女はあんな化物ではない、と返答しています。
この口ぶりからレファルは彼女が『司祭』についても知っていると判断しています。
彼女がレファルに警告を発してきました。
「エロン神都にきちゃあだめ。あたしがお金もらえなくなるからね」と告げます。
この発言で彼女の正体が判明しました。
彼女は傭兵団『蒼の公主』を率いるピア・ヴァーリエでした。
幼いライナがジェルメの元で一緒に訓練した女の子だよね。
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レファルはリルが来るのを待っています。
リルがやって来て忘却欠片『來獣の指輪』を使います。
雷の獣がピアに襲い掛かりました。
レファルはピアを殺せたと確信したようですが彼女はあっさりと雷の獣を撃退してしまいます。
彼女の真紅の付け爪から光が伸びで雷の獣を細切れにしてしまいました。
ピアは優れた武器まで所持しているようですね。
彼女を戦場で出会うようなら次は殺すと言い残して消えました。
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警告を受けたレファルはリルとリーズに相談しています。
彼女の警告に従った方が良いように思うのですがレファルたちは当初の予定通りエロン神都を攻める事にしました。
ローランドも忘却欠片を使用しているので、ピアとの戦いはローラドとの戦いに備える練習になると言っています。
過信ではないと良いよね・・・ピアはまだまだ奥の手を残してそうだよ。
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AmazonLink: 大伝説の勇者の伝説4 虚々実々の大幻惑 (富士見ファンタジア文庫)
発行日:2008/9/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:978-4-8291-3327-9
雰囲気:世界の秘密の一部開示、ルークが意外と博識
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幕間 もう一人の勇者について
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レファル・エディアはガスタークを侵略したストオル帝国に人質として囚われていました。
レファルがストオルの図書館で歴史書を読んでいると一人の美人さんに声を掛けられます。
彼女はガスタークには居ない綺麗な金髪をしていました。
彼女はレファルの事が気になる様です。
彼女はレファルの事を誘ってきますね、意外とレファルはモテるようです。
レファルも彼女の事が気に入ったので上手くいきそうでしたが邪魔する者が現れます。
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邪魔をしてきたのはレファルと一緒に人質になっているリーグルワーズ・ペンテスト(リーズ)でした。
リーズは彼女の事を頭にパン屑が詰まったストオルのアバズレと罵ります。
レファルには相応しくないと断言してしまいます。
これを聞いた彼女は真っ赤になって怒っています。
彼女はセプル公爵の娘だそうです。
父親に言いつけて二人を処刑してやると出て行ってしまいます。
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上手くいきそうだった所を邪魔されたレファルはリーズとどちらが女の子を沢山落とせるか勝負する事になります。
不毛な言い争いをしている二人の元に最後の仲間が戻ってきました。
彼の名前はリル・オルラ。
リルはストオル帝国の内情を探っていました。
他にもガスタークに戻り何らかの準備を進めていました。
その為しばらくレファルとリーズの元から離れていました。
戻ってきたリルはストオル帝国の国王が人間では無かったと報告しています。
ストオル帝国の国王は女神だったそうです。
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レファルはストオル帝国に殺された父親が話してくれたお伽噺を思い出しています。
レファル・エディアというのはエディア家の始祖だそうです。
その彼が世界の外側『エレル』から出てきた司祭に『再生の剣(グロウヴィル)』を渡されました。
それを使って世界を再生しろと言われます。
世界は『狂った女神』『異次元の悪魔』『堕ちて狂った、黒い勇者』に侵されているそうです。
司祭は再生の剣を使いそれを再生する『救世の勇者』になれと言ってきました。
再生の剣はエディア家の血筋しか使う事が出来ないそうです。
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渡した再生の剣はまだ完成していないと言われます。
レファルは再生の剣を握らされて母親を殺す事を強要されました。
レファルは激しく抵抗したのですが、体が勝手に動いてしまいます。
母親はレファルに自分を殺させない為に自ら再生の剣を自分に突き刺しました。
レファルを残して全ての人間は死に絶えてしまいます。
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一人に成ったレファルの前に桃色の髪をした美女が現れます。
彼女はレファルに向かって自分と子供を作れと命じてきました。
悪魔を殺せる者を、女神どもを蹂躙する者を、勇者に絶望を与える者を。
レファルはこの美女と子供を作ったようですよ。
それがガスタークの始まりのようです。
以来、世代を重ねてガスターク地方でひっそりと暮らしていました。
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始祖であるレファル・エディアは生涯を通じて再生の剣は使わなかったそうです。
それにちなんでレファルの父親は彼に始祖であるレファルの名を与えました。
父親はレファルに幸せになって欲しいと願ったんでしょうねー。
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レファルにこのお伽噺を語った父親は、もし再生の剣を振るう必要が出てきても逃げろと教えました。
世界の行く末なんかクソくらえだ、自分の大切な者を守り幸せに暮らせと言っていました。
レファルは父親の言いつけを守っていたのですが、事態は彼の希望を裏切る方向に進んでしまいます。
ストオル帝国が女神に乗っ取られていると知ったレファルは再生の剣を使い女神を抹殺する覚悟を決めます。
リーズとリルがレファルに付いていくと言ってくれました。
行動を起こせば幸せに笑えなくなります。
それが分かっていても付いてきてくれるリーズとリルにレフェルは感謝しています。
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まずは眠っている再生の剣を目覚めさせる為に仲間の命を捧げる事になります。
リルがガスタークに戻っていたのは誰が生け贄になるのか決める為でした。
ガスタークの人々は仲間意識が強く賢いようです。
少しでも力の強い仲間を残す為に老人達が率先して生け贄になると志願しました。
リーズに唯一残された肉親である彼の祖母も生け贄に志願したそうです。
レファルは仲間の血を使い行動に出るのだから絶対に失敗できないと覚悟を決めています。
ガスタークは世界を守る為に行動を始めたようです。
これは悲劇だね。
シオンが敵だと思っている彼らも目指しているモノは平和なんだね。
上手くいかないな。
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第一章 呪いの『α』
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女神の姿を見たライナは悲鳴をあげます。
しかし恐怖からではありませんでした。
彼の目が裂けるような強烈な痛みが走ったからでした。
ライナは複写眼が女神を知っていると感じています。
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ライナの目から出現した複写眼が女神と会話を始めます。
女神は『未臓の女神』という名前です。
ライナの中に居る複写眼は『α』という名前でした。
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彼女はここでαに出会うのはいつもと手順が違うと言っています。
αは『悪魔』が『勇者』を裏切ったと言っていました。
女神は複写眼の事を自分たちを模したニセモノと言っているぞ。
αはライナの事を『すべての式を解く者』で間違いないと紹介しています。
女神はαにすべての式を解く者を殺すのがお前の役割だろ、なんで死んでいないと問いかけます。
αはライナの母親がアートフェールの呪いを使って守っている。
お陰で自分は正常に機能しなくなったと説明しています。
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ライナはこの話を聞いているうちに封印されていた五歳以前の記憶を思い出しました。
ライナは自分の内部のような夢のような場所で自分を助けてくれたのが母親だと理解します。
そして父親と母親の名前を思い出します。
リューラ・リュートルーとイルナ・リュートルー。
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αはΩ(オメガ)もエリス・リードを喰らう事に失敗して逆に喰われてしまったと報告します。
女神は『すべての式を編む者』にはそんな力は無い筈だと言ってますね。
αは理由は分からないがルシル・エリスは自分たちが知っているエリス・リードではないようだ、と告げます。
ルシルは余りにも大きな力を持ちすぎていると説明しています。
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女神はどうすると問いかけてきます。
このままライナを殺さないでいると、狂った勇者が『すべての式を解く者』と『すべての式を編む者』を喰らい何もかもが終わる。
彼女は醜悪な顔をしているくせに妙に人間臭い仕草をしています。
何者なんでしょうね?
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αはすべての式を編む者が異常な力をつけている代わりに、我が宿主(ライナ)が勇者(シオン)への愛を失った。
勇者に並び、競い、救おうと考え始めた、堕ちて狂った勇者を、正義の淵に引き上げるつもりだ、と説明します。
女神がライナはこちら側なのか?と問いかけます。
αはそうだ、と返答するね。
女神はヴォイスに確認をとっています。
ヴォイスは女神の下僕をしているようですよ。
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ヴォイスはライナはシオンを殺す為に前に進もうとしています、と返答しました。
女神は自分の役に立つのか?と確認してくるね。
ヴォイスは、そう思います、と返答しています。
女神はヴォイスの言う事を信じてくれます。
ヴォイスは人間を裏切り、女神に味方しているようです。
ヴォイスは信用されているようですね、一体どうやって取り入ったのでしょうね?
ヴォイスは「シオン・アスタールの首をあなたに捧げましょう」と約束しています。
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女神は消える前にαに新たな命令(システム)を与えます。
αはライナを見張り、必要ならば力を貸す事になりました。
αは自分が悪魔に力を貸すのか、なるほど、世界は狂い始めている、と笑っています。
女神は世界が狂っていないときはなかったと言って消えました。
この発言するとこの世界には救いは無いのかもしれないよ。
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女神とαの会話が終わるとライナは気絶しそうです。
彼は肩に死ぬほどの傷を負っています。
ヴォイスの、傷は塞いでおくので、ゆっくり寝てください、詳しい話は、起きてからまた、との言葉を聞いてライナは気絶します。
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意識を取り戻したフェリスは周囲の警戒を行います。
彼女はライナが自分を庇って重傷を負った事を覚えていました。
彼女はライナの事が心配で仕方なくなっています。
フェリスは覚醒した事を気付かれないように起き上がります。
するとヴォイスの声が掛かってきました。
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ヴォイスは忘却欠片を使いフェリスの治療を行ったと告げます。
まれに体質に合わない人もいるんです。
パンツが腐って消滅したりはしていませんか?と言いながらフェリスのスカートをめくろうとしてきます。
流石ヴォイス、怖いもの知らずの変態です。
フェリス相手にこれができるヴォイスは尊敬に値するよね、変態の鏡だ。
当然ですがヴォイスはフェリスに蹴られています。
ヴォイスは「ぎゃぁあああああ♡」と嬉しそうな悲鳴をあげて飛んでいきました。
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フェリスは迅速な行動でヴォイスを人質に取ります。
周囲の見慣れない黒い鎧を着た兵士を威嚇します。
黒い兵士たちはヴォイスに従っているようですね、彼を助けようとフェリスに殺気を放ってきます。
フェリスは彼らでは自分に勝てないと判断してヴォイスを脅します。
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フェリスは自分を不安にさせる最大の原因を解消するために質問を始めます。
「・・・ライナは・・・ライナはいったいどこにいる?」
ヴォイスはフェリスが一番にライナの事を聞いてきた事を、二人は仲良しですねー、と揶揄いますよ。
フェリスは本気なのでヴォイスの無駄口に付き合いません。
ヴォイスはライナは後ろの荷車の上ですよ、と教えてくれます。
フェリスはヴォイスを連れたままライナの元に飛びます。
ヴォイスは髪の毛を引っ張られて引き摺られるのが嬉しそうです。
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ライナの無事を確認したフェリスは精神状態が突然安定します。
彼女はヴォイスから現状を聞き出す事にします。
ヴォイスの言った忘却欠片って言葉から彼の事をガスタークの手の者か?と疑います。
ヴォイスは、反ローランド連合軍の代表という事になっている嘘つきです、と告げます。
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ヴォイスは自分は全てに嘘をついている、人に、仲間に、世界に、神に。
この世界には神が存在しているんですよ、と教えてくれます。
フェリスは信じられなかったようですね、頭がおかしくなったのか?と聞き返しています。
それに対してヴォイスは真顔で神が存在するのは本当の事だ。
世界の真理に触れてしまったので、見過ごす事ができなくなってしまったと語ります。
ヴォイスはフェリスがライナに酷く大変な事が起こっていると不安になったのには理由があると言ってきます。
彼はライナの複写眼に女神がかけた呪いが掛かっていると教えてくれます。
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ヴォイスが親指大のガラス玉を渡してきます。
それを通してライナの事を見てみろと言ってきました。
ファリスが覗いてみると、ライナの体を小さな女神が拘束しいるのが見えました。
ライナの胸の内側から何千人もの小さな全裸の女がとびだしてきます。
彼女たちはキーキーと気味の悪い声を上げてライナの体に絡みついています。
小さな女神はαだそうです、女神がライナの中にある力を殺す為に送り込んで呪いだそうです。
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フェリスはヴォイスに何者なのか問いかけます。
ヴォイスは女神の味方の振りをしている敵だと返答します。
ヴォイスは「ダダでは決して施ししない」フューレル家の家訓ですと言います。
フェリスは「借りは剣で斬り付けて返せ」エリス家の家訓だと返答します。
ヴォイスがメリットがあるのでライナの味方をすると答えるとフェリスは彼を信じる事にします。
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フェリスはヴォイスから全ての説明をして貰う事になります。
しかしヴォイスに都合の悪い事は隠されるそうです。
ヴォイスはネルファの群れと合流してカッスラ―自治聖都の受け入れ部隊と合流するつもりの様です。
カッスラ―自治聖都の受け入れ部隊を用意しているので彼が作った反ローランド連合軍は実在するようです。
移動しながらフェリスはヴォイスの話を聞く事になるようです。
別れている間にヴォイスは色々と動き回って体勢を整えていたようです。
彼は頼れる味方になるのでしょうか?
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第二章 ニンゲン『α』
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シオンは異世界で女神の放った刺客と戦っていました。
シオンは女神に誘惑されています。
彼女は自分の体を好きにしていいと言っています。
シオンは取り合わないで彼女の首をゴキリと折ってしまいます。
しかし彼女は死にませんね。
シオンへの誘惑を続けてきます。
シオンに彼女の髪の毛が絡みついてきました。
シオンは彼女の誘惑に負けそうになっています。
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後ろで見ていたルシルから声が掛かりました。
彼はシオンを助ける気は無いようです。
これしきの誘惑に負けるのならば死んでしまえ、と言ってシオンを突き放しています。
シオンは自分の中にある女神を殺す呪い『狂った勇者』を効率的に使えるように意識を集中します。
女神の刺客を撃退する事に成功しました。
女神を撃退したシオンが玉座の間で「寂しいな」と呟きます。
自分の元からライナとフェリスが去ってしまった事を寂しく思っています。
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シオンの元にミルク・カラードがやって来ました。
彼女はシオンに聞きたいことがあると言っています。
シオンはミルクが、ライナとはどうなったのか?この国で何が起っているのか?と質問してくると予想します。
しかしその質問には意味が無いと感じています。
既に事態は動き出していて手遅れなんだと感じてます。
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シオンの様子を見たミルクはシオンに常識外れな問題が降りかかっていると理解したようです。
ミルクが質問しようとしていると、異世界で変化が起こりました。
シオンを襲おうと女神の手先がやって来てしまいます。
ルシルが異世界で女神の対処をするのでシオンにミルクの質問の答えていろと言ってきます。
シオンは異世界の対処をルシルに任せてミルクの質問に答える事にします。
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ミルクはシオンに向かって、何と戦っているのか?と質問してきました。
シオンにとっては予想外の質問でした。
ミルクにその真意を問いかけます。
ミルクはシオンの見ている前で意識を失い倒れていきます。
優しいシオンは慌ててミルクを抱きとめようと彼女に走り寄ります。
しかし彼女に届きそうもありません、彼女は顔から床に激突しそうです。
そこに彼女の背後からルークが出てきました。
ルークはミルクを抱き留めます。
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シオンはルークが手引きしてミルクが玉座の間に入って来たんだと理解しました。
今のシオンは玉座の間に入れる人間を限定しているようです。
シオンはルークの事を警戒しています。
彼に何をしに来たのか問いかける事になりました。
ルークはニコニコ笑顔を浮かべてシオンの事を試しに来たと言っています。
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シオンはルークの上司であるミラーに自分の置かれている現状を説明しました。
自分が勇者になってしまい、この世界を食い散らかそうとしている女神を倒す必要があること。
女神が人間という魔法を使い勇者を南大陸に閉じ込めた事。
それを覆すためにはシオンが北上してローランド帝国の領土を広げる必要がある事。
ローランドの領土になると人間が人間αに書き換えられる事。
中央大陸の西部までローランド帝国の領土が広がれば女神の駆逐が完了する事を教えました。
その説明でミラーは納得してくれて協力を約束してくれました。
しかしルークはミラーが疑わない部分を疑うのが自分の役割だと言っています。
彼は自分の目で見た事しか信じないと言って実験を始めます。
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既に一つ目の実験はクリアしました、と告げてきます。
ルークはミルクを気絶させて、それを見たシオンが彼女を助ける為に動くか試したと言ってきます。
シオンはミルクが入ってきた段階から既にルークの手の上で踊らされていたのね、と辟易しています。
シオンはルークの事を高く評価しているのですが優秀過ぎる彼に危機感も持っていました。
人間の中では一番厄介な相手だと思っています。
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ルークは二つ目のテストを始めます。
玉座の間に仕掛けてあった糸を使いシオンの首を絞めてきます。
これはシオンを殺そうとするとルシルが出てくるのか確認する実験でした。
シオンはルークがルシルに殺されてしまうと心配になっています。
ルークはシオンを殺そうとして糸の締め付けを強めてきました!!
しかしルシルは現れません!!
シオンがおかしいと思っているとルークが別の世界を見てみろと言ってきます。
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シオンが別な世界に目を向けるとそこではルシルが女神に殺されそうになっていました。
女神の手先だと思っていた刺客は女神だったようです。
ルシルは数々の魔を自分の中に吸収して力を付けていました。
しかしまだ女神に対抗するだけの力は無かったようです。
ルシルが苦しそうな声を上げて、シオンに来るなと告げてきます。
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女神がシオンに語り掛けてきました。
《ああ、アスルード・ローランド・・・またあなたは、このように進むのですね》
彼女は自分だけがあなたたちを愛した女、と言っていました。
そしてシオンに自分の事を抱けと言ってきます。
シオンの中にいる『狂った勇者』アスルード・ローランドが彼女を抱きたいと騒ぎ立てます。
シオンはその誘惑に耐えています。
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女神の姿はミルク・カラードにそっくりでした。
ミルクにそっくりな女神はシオンに自分を抱けと迫ってきます。
シオンは誘惑に抗い続けます。
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女神は天井を見上げて離れた場所で起こった出来事を教えてくれます。
彼女は『悪魔』が『未臓の女神』に出会ってしまったと告げます。
これでαが消えて『すべての式を解く者』の枷が減ると言っています。
ライナの事だと理解したシオンは焦っていました。
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女神はシオンがライナの心を捉えないから『寂しがりの悪魔(ライナ・エリス・リード)』が『女神』の手に落ちたと言っています。
彼女はライナの元に現れた女神とは別な勢力の様ですね。
さらにルシルの事も非難してきました。
ライナと一つにならないまま自分だけが強くなった事を非難します。
一人で強くなっても『寂しがりの悪魔』に戻れないと言っています。
ルシルがお前らの筋書きから離れてやると告げると彼女は筋書きを書いているのは自分ではないと返答しています。
ミルクにそっくりな女神はシオンとルシルに力を貸すと言ってきます。
予定調和しか愛せない、貪欲な『女神』たちを殺して、今度こそ、あなたたちが愛を手に入れられるように手を貸すと言っています。
良く分かりませんねー。
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シオンは彼女の提案を拒否します。
自分たちだけの力で前に進むと言い張ります。
何故ミルクの姿を真似たのか質問すると女神は、自分の本当の姿だと教えてくれます。
ミルクは女神の入れ物だったようですよ。
人間として生まれてしまったので、無駄な人間としての人格も存在していると言っています。
ミルクも生まれながらにして特殊な存在だったようです。
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彼女は『円命の女神』と言うようです。
ルシルはシオンの中に居るアスルード・ローランドはシオンに喰われていると教えます。
円命の女神には信じられなかったようです。
しかしシオンの中を探りアスルード・ローランドの意識が小さすぎる事を確認するとルシルの言葉を信じる事にしました。
彼女はシオンとルシルが何をしたのか知りたがります。
シオンはルシルがアスルードを喰えるだけの適合者が現れるまでアスルードに取りつかれた依代を殺し続けただけだと教えます。
ルシルは円命の女神に自分たちの書く筋書きに参加したいか?と問いかけます。
円命の女神はルシルの提案に乗る事にしました。
シオンとルシルの行く末を見守る事に決めたようです。
しかし最後には絶望しかない、と警告しています。
最後に自分を抱きたいと泣き叫ぶ事になると言っています。
シオンがそうはならないと告げると彼女は、愚かな、寂しい、悲しいシオンの道を信じてあげましょう、と言って消えました。
シオンはミルク・カラードの事を美しいと思ってしまいました。
これは意外と不味い事になるかもしれないよ。
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女神が帰ったのでシオンはルシルを慰めています。
ルシルは自分の力が女神に及ばなかった事に絶望しています。
ルシルは妹を闇に巻き込まない為に、家族を絶望に巻き込まない為に、世界を不条理な化物から救い出す為に人間をやめてしまったそうです。
彼は本質的に優しい人間だったようですね。
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シオンが現実世界に戻るとルークが合格ですと告げてきます。
ルークはシオンがミルクを抱かなかったので合格だと言っています。
ミルクには何らかの呪いを仕掛けて置いたそうです、彼女を抱いていたらシオンは死んでいたそうですよ。
シオンは異形の化物である勇者を殺せる呪いとはなんだ?と疑問に思っています。
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勇者の殺すほどの呪いを知っていたルークがリューラの手先だと予想します。
シオンはリューラの事を調べたようですね。
リュラ―は自分の息子を救う為に、世界と妻を生け贄に捧げたそうです。
そしてフェルナという息子を『悪魔(ライナ)』にしてしまったそうです。
フェルナが複写眼の暴走で死なない様にする為に何らかの措置を施したようです。
その影響でライナは悪魔になったようです。
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ルークはリューラとは取引しただけだと返答します。
リューラから情報を引き出す為に、彼がライナを追えるように逃亡の手助けとライナの居場所を教えたそうです。
シオンもリューラもライナを助けたいと思っているなら利害は一致しているので問題ないでしょう?と言っています。
シオンもそれで問題ないと認めています。
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ルークの解説が始まります。
彼はシオンとルシルと女神が知らない事を知っていました。
『女神』と『勇者』とシオンを本当の意味で操っている存在を知っていると言い出します。
その存在は『司祭』と名乗っていると告げます。
リューラに協力しているうえ、ガスターク帝国に忘却欠片を与えたのも彼らだと告げます。
シオンは驚いていますね。
更にルシルに驚くほどの力を与えたのも司祭だと告げました。
ルシルが出てきましたよ。
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ルークはルシルに向かって、「自分の力で千の魔と契約できたと勘違いしている、間抜けな『剣』-ルシル・エリスさん」と挑発しているぞ。
ルシルはルークの言葉に何も言い返しませんでした・・・恐らくルークの指摘が事実なんだと思われます。
ルークは、役者が揃ったので司祭の操る筋書きから外に出る為の相談をしましょうと言っています。
ここに来てシオンの陣営が強化される事になりそうです。
ルークは切れ者なので味方に成ってくれればシオンは心強いだろうね。
彼に心酔していないだけに頼りがいがありそうです。
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第三章 はじまりの『α』
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ライナは夢を見ていました。
封印されていた記憶が呼び起こされて幼い頃の記憶が一部蘇ります。
ライナは自分の名前がフェルナ・リュートルーだったと思い出します。
そして両親に愛されていた事も思い出しました。
ライナの父親が複写眼の呪いからフェルナを守る為に女神と取り引きしました。
更に女神を騙す為に母親がライナを守る為の生け贄に成った事も思い出します。
ライナの父親が女神としたのは二番目の契約でした。
最初に誰かと契約したそうなのですがライナには教えていませんでした。
父親の計画が実行されるとライナは記憶を封印されてしまうからです。
幼いライナは父親と母親を忘れてしまう事を怖がっていました。
父親は、心配するなライナが忘れても自分たちは忘れない、すべての困難を排除してライナを迎えに行く、だから安心しなさいと言いました。
ライナは絶対だよ?と約束して眠りについたようです。
幼いライナは純真で可愛かったみたいだね。
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ライナが荷車の上で目を覚まします。
ライナの周りには彼の仲間は誰も居ませんでした。
ライナは近くを歩いていた老人に状況がどうなっているのか聞く事にします。
老人は国境を二つほど越えて今はカッスラ―の北にあるアリ南方国を通過中だと教えてくれます。
更にヴォイス・フューレルがべリス主国に受け入れ先を用意してくれていると教えてくれました。
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老人は少女の手を引いていました。
ライナがお孫さん?と問いかけると、家族は全員、突然の光で死んだ、と教えてくれます。
手を引いている少女の家族も、死んだと教えてくれました。
ライナには「そうか」としか言えませんでした。
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ライナは自分の仲間も忘却欠片の攻撃に巻き込まれて死んでしまったのではないか?と不安になります。
そして自分の仲間だけは生き残っていて欲しいと思ってしまいました。
ライナは集団を率いているのが誰なのか聞く事にします。
老人はセルエス少佐だと答えました。
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ライナはトアレが死んでしまったのではないか?と不安に駆られます。
セルエスの元まで走って行ってトアレの無事を確認する事になります。
セルエスはライナの姿を見て喜んでくれます。
そしてヴォイスの言っていた事は本当だったんだな、と言っています。
ライナの受けた傷は腕を斬り落として焼くしか止血の方法がない程の怪我でした。
しかしヴォイスが持っていた忘却欠片を使って治療する事ができたそうです。
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セルエスはヴォイスがライナの仲間なのか確認してきました。
どうやらローランドに襲われている時にライナとフェリスを連れてヴォイスが現れたようです。
そして自分の事をライナの仲間だと説明したそうです。
ライナはヴォイスは知り合いだけど信じるには嘘をつき過ぎると説明しました。
しかし現状ではヴォイスに付いていくしかないと二人の見解は一致します。
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ライナはトアレの居場所を聞きます。
セルエスがトアレの乗っている馬車を教えてくれたので彼は生きていると分かりました。
ライナは安心しています。
しかしセルエスが最悪な情報を追加してくれます。
トアレは忘却欠片の攻撃で右半身を失ったと教えてくれました。
トアレは今にも死にそうだそうです。
そしてライナに泣き叫ぶなよ、と警告してきました。
集団は敵の勢力圏を抜けて順調に行軍中です。
疲労困憊の中なんとか行軍している人々に余計な混乱を与えるなと警告してきました。
トアレが難民たちの心の拠り所となっているので死んだと知られると歩けなくなると言われてしまいます。
ライナは表情に感情を出し過ぎると言われてしまいます。
ライナはトアレの乗っている馬車に向かいました。
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馬車の中にはトアレ、キファ、フェリス、アルア、ククが居ました。
キファがヴォイスに借りた忘却欠片をトアレの傷に当てています。
キファはライナの姿を見るとトアレが自分を庇って半身を失ったと泣き始めます。
ライナはトアレに話しかけます。
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キファを守ってくれたお礼を言っています。
死にかけているトアレは最後の力を振り絞ってライナに後事を託しています。
トアレは伝えるべきことを言い終えると死んでしまいます。
トアレの死を目撃したライナはトアレの代わりに彼を慕って付いてきた人々の命を背負う覚悟を決めます。
フェリスが大丈夫か?と問いかけてきました。
ライナがフェリスに同じ事を聞くと、彼女はダメだと答えます。
ライナは暫く休んでいろと言いヴォイスの元に向かいました。
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ヴォイスはニヤニヤしながらライナの事を待っていました。
ヴォイスはライナの事を弱いと馬鹿にします。
大した人材でもないトアレの死で動揺していると馬鹿にします。
ライナはヴォイスを殴りつけようとしますが、ヴォイスがトアレは死んでいませんよ、と言ってきました。
ライナはヴォイスを殴るのを止めるのですがヴォイスは自分から殴られに来て嬉しそうに悲鳴をあげて吹き飛びます。
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ヴォイスがライナに施した茶番の意図を説明します。
ヴォイスはライナに甘さを捨てさせたかったそうですよ。
ローランドに対してヴォイスが忘却欠片を使い反撃しようとしたのをライナは止めました。
ヴォイスにしてみれば戦争をしているのに、何甘い事をしているんだって事だそうです。
更にライナには自分の選択で付いてくる多くの人間が死ぬかもしれないと自覚して欲しかったそうです。
更にトアレに自分の後任としてライナを指名して欲しかったそうです。
トアレは一度ライナに後事を任せたので目覚めてもこの集団の王はライナであると認めるだろうと予想しています。
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ライナに命を選ぶ事も学んでほしかったそうです。
ライナを救った忘却欠片『死の転移(デルニオ)』は四つしかないそうです。
それを使ってライナ、フェリス、トアレ、少女を助けたそうです。
この選択はライナがするであろう選択をしてみたそうです。
これでライナは救う命を選んだ事になりました。
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死の転移には血を捧げる必要があるそうです。
ライナはヴォイスが自分の配下の兵士を生け贄にしたのか疑います。
ヴォイスは百人の兵の血を少しずつかけてまかなったと説明しました。
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ヴォイスはライナに命の上に立つ覚悟が出来たか聞いてきます。
ライナはまだだと返答しました。
ライナが覚悟を決める前に敵の敵襲がありました。
ヴォイスは『蒼の公主(ひめ)』と呼ばれる傭兵団に狙われていると教えてくれます。
ライナはヴォイスが自分を反ローランド連合軍の王に押すのは彼らから目を反らす為だと理解しました。
ヴォイスは良い性格をしていますね。
ライナに向かって、陛下、刺客を撃退してください、とお願いしてきましたよ。
ライナはフェリスを連れて迎撃に出る事になります。
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レファル・エディアは北大陸を平定して中央大陸に攻め込もうとしています。
中央大陸には三つの大国と沢山の小国があります。
小国はいずれかの大国の庇護下にあります。
彼は二つの国のどちらに攻め込むのか考えています。
エロン神都とデルリローザルー・クスラーの二つから一方を選ぶことになります。
エロン神都はゲイルフィックラント帝国の傘下です。
デルリローザルー・クスラーはエルトリア共和国の傘下です。
ゲイルフィックラント帝国の東側が海に面しているので戦っている間、東側に気を配る必要はありません。
レファルは攻めやすいエロン神都を攻める事に決めました。
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北大陸を制覇したガスターク帝国は吸収した国の軍隊を取り込んだ混成部隊となっています。
洗脳系の忘却欠片を使い統率しているそうです。
それだけでは足りないので国を失った兵士に新たな存在証明を与えて操っているそうです。
これはリーズの功績だそうです。
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進軍を開始しようとしている彼の元に刺客がやって来ます。
刺客は青い髪の美少女でした。
レファルは気配を感じさせないで自分に接近してきた彼女の力量に驚いています。
彼女は大軍が見事に統率されているのを見て忘却欠片を使ってもこうはいかないと言っています。
彼女は忘却欠片を知っていますね。
彼女はレファルを殺そうとしてナイフを投げてきます。
レファルには避けられないタイミングだったのですが彼の持っているグロウヴィルが勝手にナイフを弾きました。
彼女はレファルの持っているのがグロウヴィルだと分かると彼の事を『真の勇者』じゃないと言ってきました。
グロウヴィルを持っているレファルと無手で戦う事はできないと言い出します。
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レファルは彼女がグロウヴィルを知っていることから女神の手先か?と問いかけます。
彼女はあんな化物ではない、と返答しています。
この口ぶりからレファルは彼女が『司祭』についても知っていると判断しています。
彼女がレファルに警告を発してきました。
「エロン神都にきちゃあだめ。あたしがお金もらえなくなるからね」と告げます。
この発言で彼女の正体が判明しました。
彼女は傭兵団『蒼の公主』を率いるピア・ヴァーリエでした。
幼いライナがジェルメの元で一緒に訓練した女の子だよね。
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レファルはリルが来るのを待っています。
リルがやって来て忘却欠片『來獣の指輪』を使います。
雷の獣がピアに襲い掛かりました。
レファルはピアを殺せたと確信したようですが彼女はあっさりと雷の獣を撃退してしまいます。
彼女の真紅の付け爪から光が伸びで雷の獣を細切れにしてしまいました。
ピアは優れた武器まで所持しているようですね。
彼女を戦場で出会うようなら次は殺すと言い残して消えました。
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警告を受けたレファルはリルとリーズに相談しています。
彼女の警告に従った方が良いように思うのですがレファルたちは当初の予定通りエロン神都を攻める事にしました。
ローランドも忘却欠片を使用しているので、ピアとの戦いはローラドとの戦いに備える練習になると言っています。
過信ではないと良いよね・・・ピアはまだまだ奥の手を残してそうだよ。
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