ラノベの感想) 大伝説の勇者の伝説 第12巻 遅れてきた魔眼の王 (富士見ファンタジア文庫)
レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2012/9/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:978-4-8291-3799-4
雰囲気:思案するルーク、シオン監禁、クラウの友情、ライナ徹夜仕事、ヴォイスの主張、ライナの主張
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PROLOGUE 生きる意味について
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ルークとカルネが恋について話しています。
感情を持たないルークがカルネに色々と質問しています。
ルークがレムルスに洗脳されていると思ったカルネを殺そうとしました。
そこでカルネは会いたい人が居るので殺さないで、と命乞いしました。
ルークはその相手であるエスリナに告白するのか聞いています。
カルネは簡単では無いんです、と返答しています。
ルークにはカルネが何で迷っているのか分からないようです。
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二人はこの世界が神に作られたモノで、あと10年で亡ぶことを知っています。
レムルスが語った話はルークから語られたようです。
クラウ、バユーズ、ミラー、カルネで共有される事になっています。
フロワードは真実を知らないって事かな?
ヴォイスを襲撃に行って戻ってないのか?信用されていないのか?どっちだろう?
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ローランド帝国は無傷でレムルス帝国の領土を手に入れました。
レムルスがレムルス帝国の国民を全て使った呪術を実行したのでレムルス帝国にはニンゲンが居なくなってしまいました。
インフラ設備が整っている無人の領土を手に入れた事になります。
凄い幸運ですね。
あれほど中央大陸への足掛かりを得る事を渇望していたローランド帝国は中大陸に大きな領土を得る事になってしまいました。
三大国と言われていたレムルス帝国の領土を手に入れた事になります。
ローランド帝国は首都機能をレムルス帝国に移す事を決めたそうです。
足りない人手を補う為に南大陸から人材を集めているそうです。
でも領土は広がったけど、ニンゲンが居なかったのでニンゲンαは増えなかったって事だよね?
シオンの力は増えなかったって事だよね。
一年間は勇者と悪魔の力は封じられるそうだから、今のシオンとライナは特殊な力は使えないって事だよね。
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ルークはエスリナと抱き合うカルネを見物しながら、自分の事を考えています。
ローランド帝国の中での自分の立ち位置とかですね。
ルークはミルクへの自分の気持ちが恋なのか自問していました。
女神からの干渉は弱まっているのですがルークはミルクに惹かれ続けているようです。
カルネからは、それは恋だと指摘されました。
しかしルークは納得できないようです。
ルークは生きる意味を考えていました。
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第一章 王である理由
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シオンはローランド帝国の牢獄に囚われていました。
自分は王を更迭されたのだ、大事な場面で正しい決断を下せない自分は王に相応しくない、当然だな、と自嘲しています。
ルシルの事を呼んでみると彼は出てきませんでした、彼の存在を感じられなくなっているようです。
シオンは自分の力が封じられた事を悟ったようです。
そこにクラウがやって来ました。
クラウはシオンの気持ちを聞いてきました。
シオンは自分には王は無理だった、殺してくれとお願いしています。
このシオンの弱気な発言を聞いてクラウは怒っています。
シオンの事をぶん殴ってきました。
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クラウは三時間後にシオンの審門会を開く、そこでどうするのかを決めると言っています。
参加者はクラウ、ミラー、ルーク、カルネだそうです。
シオンが革命を起こした時のメンバーだそうですよ。
そこでシオンの今後を決めるそうです。
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ミラーとルークは理詰めで意見を言ってくる。
自分たちだけで世界を変えていけると考えればシオンの事は殺すだろう。
カルネはアホなので、どちらにするか分からん。
クラウはシオンの事を心配して来てくれたようです・・・友達思いの良い奴だよね。
クラウはシオンのやり方を面白いと思ったから彼の革命に参加した。
ここまで来て放り投げるのか、ふざけるな、と怒っています。
クラウはシオンの事を友達なので救いたいと考えているようです。
シオンのヤル気が残っているか聞きに来て、全くヤル気が無くなっていて諦めてしまった彼を見て怒っています。
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クラウはシオンがライナを喰えなかったし殺せなかった事を知っていました。
シオンが悪魔(今はライナね)を喰わないと世界があと10年で滅んでしまう事も知っています。
その上で彼は、神の思惑なんて関係ない、自分たちなりのやり方があるだろ、それでやっていこうぜ、と告げてきました。
シオンはクラウの意見がライナと似ていると感じています。
それをクラウに告げると彼は嫌そうな顔をして、「やっぱりおまえ死刑決定な」と告げてきました。
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シオンは自分に何が残っているのか考えています。
クラウの指摘に従い少しはヤル気を取り戻す事ができたのでしょうか?
それにしてもローランド帝国は怖い国だね、国王を監禁する事を厭いません。
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第二章 眠らない意味
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ライナは王の仕事に勤しんでいました。
ローランド帝国でシオンに仕事を手伝わされていた時と同じように文句たらたらです。
しかし驚くべきことに自主的に徹夜で仕事をしていたようです。
手伝ってくれているキファに少しは寝た方が良いと心配されています。
キファもライナに付き合い殆ど寝ないで仕事をしているようです。
彼女はライナの秘書官的なポジションなんだろうか?
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ライナが頑張っているのには理由がありました。
スフェルイエット民国にはピア、ヴォイス、ライナの三人の王が居る状態です。
傭兵団『蒼の公主』の女王、ピア・ヴァーリエ。
スフェルイエット民国の総統括元首、ヴォイス・フューレル。
悪魔王、ライナ・リュート。
とても変わっていますね、ヴォイスは三王の合議制にでもしたのだろうか。
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ライナの執務室には玉座の代わりに玉ベッドと呼ばれるベッドがあります。
ライナはそこで寝ながら仕事をしているそうです。
疲れると寝落ちするそうです。
ライナが寝落ちするとキファがベッドの周りを掃除してくれています。
読みかけの書類は読みやすいように纏めなおしてくれるそうですよ。
至れり尽くせりです。
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寝ようとしないライナにキファが可愛い攻撃を仕掛けてきます。
添い寝して欲しいの?と問いかけたまでは良いのですが途中で照れてしまいました。
ライナが「おねがい」と返答した場合キファはどうしたのでしょうね?
彼女はライナの為に協力できている事に充足感を得ていました。
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ライナの瞳はレムルスの宣言通りに力をかなり失っていました。
一年間悪魔の力を使えなくすると言っていた通りになり、ライナの瞳はすべての式を解く者の力を失いました。
といっても普通の瞳に変った訳では無く、特殊な複写眼に変化していました。
特殊な複写眼で忘却欠片を見ると解析できるモノもあったそうです。
そして解析結果から量産化が可能なモノも出てきたそうです。
ライナが研究しているのは兵器についてでした。
ローランド帝国がレムルス帝国の領土を手に入れて世界最大の国になってしまいました。
これに対応する為にガスターク帝国はエルトリア共和国と同盟を結びました。
同盟関係にありあますが二国を合わせるとローランド帝国と同じくらいの領土になります。
これに対してスフェルイエット民国は軍備力を強化して攻め込まれた時に自国を護れるようになる必要がありました。
ライナは兵器開発は嫌だと思いつつも王の責任として自国を護る為の方策を取ったって事です。
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ライナはどこの国の魔法言語を使って彼が考案した兵器を実用化するか悩んでいました。
キファにスフェルイエット民国の中で一番大きな魔法を使える勢力はどこなのか聞いています。
キファはエスタブールの魔法が一番うまく扱えるそうです。
ライナも咄嗟の時はローランドの魔法を使うそうですよ。
キファはトアレのネルファ皇国の魔法を使える兵士が一番多いと教えてくれます。
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ピアとヴォイスは好戦的なので考案した兵器を二人に渡すのは躊躇われました。
ライナは比較的温厚なトアレに考案した兵器を託す事にしました。
彼の執務室に赴き相談する事になっています。
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その帰り道でフェリスに出会いました。
ライナは眠い時に一番会いたくない奴に会っちゃった、と失礼な事を考えていました。
フェリスはおいしいだんごを見つけたんだ、と言ってだんごを渡してきました。
逆らうと首を落とされるのでライナはだんごを食べています。
美味しかったようです、ライナがだんごを誉めるとフェリスは嬉しそうにしています。
彼女はライナが心配だったようです。
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彼女はライナはシオンとは違うので疲れたら、私に相談してくれると信じていると伝えてきます。
ライナは困ったらフェリスの助けを求めるよ、と告げます。
フェリスはライナの返答に安堵したようです。
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シオンに勝つためには、相応の覚悟がいると言ってきます。
ライナが居眠るすると首を落とそうとする、スパフェリちゃんをまた作ろうか?と提案してきました。
ライナは丁重に断っています。
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フェリスがローランド帝国がレムルス帝国の領土を手に入れて世界最大の国になったぞ、どうするんだ?と聞いてきます。
これに対してライナはシオンのやろうとしている事を全て潰す、と返答します。
ライナは、シオンは後戻りできない所まで進んでしまっているので、もう止めた、とは言えなくなっていると考えています。
フェリスが戦争をする事になるぞ、人が沢山死ぬことになるぞ、と心配してくれます。
フェリスはライナと一緒に進んでくれると言ってくれます。
一緒に汚い水も綺麗な水も飲めばいい、最悪の結果になったとしてもライナと一緒に頑張れたのなら後悔しないと言ってくれます。
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ライナはフェリスに、いつも救われているよ、と伝えます。
フェリスは私を誰だと思っている?と問いかけてきます。
ライナが誰なの?と聞くとフェリスは「神だ」と返答しました。
更に、ライナの相棒だ、もっと頼れ、と言ってくれます。
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ライナはフェリスの言った言葉をシオンに伝えたいなと言っています。
フェリスが言わなかったのか?と問うと、ライナは聞いて貰えなかったと返します。
フェリスが言う事聞かないなら殴ればいい、と返答します。
ライナは殴ってボコボコにしたんだけど、シオンはマゾだから喜んじゃったようだ、と返答します。
フェリスは変態の相手をするのは中々に難しい、と感想を述べました。
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フェリスとキファは其々にできる事でライナを助けようとしています。
キファは仕事面を手伝いフェリスは精神面を癒しているようです。
ライナが忘却欠片の研究をしている間にヴォイスとピアは旧ゲイルフィックラントを攻めていました。
其々が適材適所な行動を取っているようですね。
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キファが慌てた様子で駆け寄ってきて、ヴォイスからの連絡を伝えてくれます。
「ピアさんが・・・ピアさんが、殺されたって・・・」
旧ゲイルフィックラントを攻めている時に、敵からの攻撃で死んだ、との連絡がきた事を知らせてくれます。
ライナは動揺し「嘘だ!」と叫んでしまいました。
ライナはピアの最強っぷりを熟知しているので彼女が死んだとは思えないようです。
ヴォイスも危機に瀕しているので援軍を送って欲しいと言ってきました。
ヴォイスからの、できるだけ多くの兵を集めて救援に来てくれとの要請にピアは死んだのかも?と思い始めています。
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第三章 迫害される理由
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ピアとヴォイスはスフェルイエット民国の配下に下る事を拒んでいる旧ゲイルフィックラントの貴族と対峙していました。
二人は今後の方針を話し合っています。
ヴォイスはいつもの変態的な態度でピアに接しています。
ピアが冷たい態度で「黙りなさい。じゃないと、殺すわよ?」と告げます。
ヴォイスは「ピア様に殺されるなら、喜んで―?」と応じています。
殺気を込めても全く動じない変態を相手にしてピアは辟易していました。
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ピアは華麗に問題を解決したいぞ、と主張しています。
ヴォイスは皆殺しにするのは簡単だけど、残忍な殺し方をするとライナが拗ねると言っています。
二人は対策を練る事にします。
しかし対策が決まる前に新たな敵がやって来てしまいました。
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やって来たのは『殲滅眼』保持者でした。
ピアはヴォイスを助けながら殲滅眼に対処する事になります。
ヴォイスはティーアと交渉しようとして前に出てきました。
そしてティーアに首を絞められて殺されそうになっています、度胸があり過ぎですよね。
彼女は殲滅眼への対策も持っていたので勝てると確信していました。
しかし『殲滅眼』保持者は無限に魔力を引き出す謎のアイテムを所持していました。
ピアは魔力切れを狙っていたのですが、それが出来なくなり、形勢が逆転してしまいました。
更に黒い霧が出てきます。
霧の向こうに百人近い魔眼保持者が待機している事が分かりました。
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ピアは忘却欠片を使い魔眼保持者と旧ゲイルフィックラントの貴族を一掃しようと考えます。
彼女は忘却欠片を投げる事に全神経を集中していました。
敵に近付かれる事は絶対ない筈だったのですが黒い霧から出てきたライナに似ている紳士に腕を掴まれてしまいます。
ピアは魔法戦を挑みますが、全く歯が立ちませんでした。
相手は何の詠唱もしないでローランド帝国の魔法を次々と発動状態にしてしまいます。
ピアが幻術だと疑うと、予想を超える高度な幻術を見せてくれます・・・余裕が有り余ってますね。
ピアは突如として高高度に放り出されて落下中って状況に陥ります。
ピアはこれは幻術、心を強く持てば打ち破れると、念じます。
しかし幻術は相手により解かれてしまい、ピアは相手の実力が自分よりも数段上にあると理解しました。
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紳士はティーアの仲間の様です。
ニンゲンに対して懐疑的で、好戦的なティーアを諭す為に現れたようです。
紳士はティーアに人間との共存を目指す方が良いとアドバイスを送っています。
紳士は後は任せたと告げて去っていきました。
ティーアの好戦的な態度が少しだか軟化しました。
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ヴォイスはリューラの事を調べていたようです。
彼の事をライナの父親ですよね、とティーアに確認しています。
ピアはリューラがライナの父親だと知り驚いています。
「はぁ!?なにそれ!?あんあかっこいい男が、あの寝坊助の・・・」
相当驚いたようですね、カッコいいか・・・リューラはピアの好みだったのかも知れないね。
これをチャンスだと見てヴォイスがティーアとの交渉を始めました。
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ヴォイスは霧の中に隠れていた魔眼保持者に近付いて行きました。
ティーアが戦闘力皆無のヴォイスの事を警戒しています。
それだけでピアには魔眼保持者がこれまでに受けてきた迫害の激しさが理解できました。
魔眼保持者はヴォイスが何をするのか不安なようですね・・・殺気を放って警戒してきました。
ヴォイスは殺気など全く気にしないで、彼らとの交渉を始めました。
ヴォイスの部下達も魔眼保持者を見て恐れていました。
彼らの事を化物と罵り始めてしまいます。
ここでヴォイスが誰も予想していなかった行動にでます。
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ヴォイスは部下達を怒鳴りました。
これから魔眼保持者は自分の友人になるんだ。
友人を罵倒する事は許さない、もう一度彼らを化物と呼んだ者は自ら処刑してやるぞ、と脅しています。
部下達は困惑してしまいますが、レイルカを始めとする側近たちが部下に従うように命じています。
場の雰囲気が変わりました。
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ヴォイスはローランド帝国とガスターク帝国の国力が上がった現状では魔眼保持者を受け入れてくれる国はライナの居るスフェルイエット民国しかないですよ。
共に未来を築いていきましょう、仲間になりましょう、と訴えます。
しかしヴォイスの説得だけでは納得できなかった魔眼保持者はヴォイスに石をぶつけ始めます。
ヴォイスは彼らにならば自分を殺す事もできたのに、優しいですね、と訴えます。
ヴォイスは自分たちの世代からこれまでの蟠りを解いて行こう。
未来に生まれてくる魔眼保持者が人間に受け入れられるようにしていこう。
手を取り合い一緒に共存可能な未来を目指そうと訴えます。
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一人の魔眼保持者がヴォイスはみんなを惑わせると言って殺そうとしてきます。
これをティーアが止めました。
しかしティーアにもヴォイスは信じられないそうです。
ティーアはヴォイスを人質に取り交渉をする事を決めました。
ヴォイスは魔眼保持者たちに連れ去られてしまいました。
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レイルカがヴォイスの指示だと言ってヴォイスを救おうとしたピアを止めます。
彼女は既にライナに救援を要請する手紙を出したと言っています。
理由はピアが殺された事にしたそうです。
それを聞いたピアはライナならば、絶対にやって来るね、と言っていました。
ピアはライナの到着を待つ事にしました。
ピアは死んでなかったよ、ライナを絶対に呼び寄せる為の口実だったよ。
これは良かったんだけど、ライナはヴォイスに良い様に使われているね。
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ピアは連れ去られるヴォイスを心配そうに見つめるレイルカを見てヴォイスは無いでしょ!
ヴォイスの行動はレイルカが惚れるのも分かるほどカッコよかったですが、若すぎるでしょ、と言ってますね。
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第四章 責任の意味
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シオンの審門会が始まりました。
ミラー、クラウ、ルーク、カルネが出席しています。
ミラーは自分の仲間以外は信用しないと言ってフロワードは呼んでいません。
バユーズは南大陸からエスタブールの兵を移動させるのに忙しいので来ていません。
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ミラーはシオンにどうしたいのか聞いてきました。
シオンはライナを喰う必要があった、喰わないと世界が終わってしまう、でもできなかった。
ライナを殺して次の悪魔を喰う事も出来なかった。
自分はもう駄目だと告げました。
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ミラーはシオンにライナを喰わせる事を決めます。
ルークに指示してシオンの首を絞めさせました。
シオンはライナを喰うくらいなら自殺してやる、と考えてルークの糸を使い首を落とそうとしました
クラウに殴られてシオンの自殺は失敗してしまいます。
クラウは結構な力でシオンを殴ったようですね、シオンは意識が飛びそうなダメージを受けてしまいます。
しかし意識は残っていて四人の会話が聞こえてきました。
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ミラーはシオンが勇者に抵抗できているのか確認したかったようです。
その為にシオンにライナを喰わせると言ってきたみたいです。
シオンの反応から彼が勇者の意識に抵抗している、人間としても意識を保っていると確認できました。
ミラーはシオンに王を継続させる事を決めます。
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シオンが自分は秘密を抱えていた、裏切っていた、と主張します。
ミラーはシオンに対して幾つも秘密を持っている、それでシオンを裏切っているとは思っていない。
そもそもシオンに裏切られたと思うほど信頼していないそうです。
ミラーはシオンの継続を決めると、妻と娘に会ってくると言って出て行ってしまいます。
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シオン、ルーク、クラウ、カルネで当面の方針を決める事になります。
ルークが仕切っている感じですね。
ルークはシオンのやって来た事は正しかったと認めてくれます。
理詰めで行動するだけのミラーや自分では今の状況は作り出せなかったと言っています。
レムルスのお陰で神からの影響が無くなった事を喜んでいます。
それが無ければ、ルークがシオンを殺そうとした時にルシルに殺されていた可能性がありました。
勇者とルシルの影響力が無くなっている今の状況は良い状況だと言っています。
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シオンは自分よりも優主な奴らの王をしていて良いのだろか?自分は王に相応しいのだろうか?と疑問を提示します。
ミラーの方が王に相応しいのではと意見します。
ルークが真相を教えてくれます。
シオンが王になったのは消去法だそうです。
ルークはシオンには王としても魅力もありますからね、と付け足してくれます。
これはルークの本心のようです。
ニンゲンではなくなっているシオンが凄く人間臭いのが羨ましいようです。
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ミラーは元々、シオンに何か不思議な力があり、革命を勧める為にはシオンが必要だと判断したから王にしたそうですよ。
今の状況は全て自分の計画のうちだ、と言っていました。
ミラーたちは自分たちで確認した情報以外は信じないそうです。
シオンが聞かされた勇者が悪魔を食べないと世界が10年で終わる話も、真相を確かめる事になりました。
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カルネはシオンに代わりに書類仕事をする事になります。
クラウはガスターク帝国とスフェルイエット民国に対抗する防衛網敷設を行う事になります。
クラウはバユーズと一緒に防衛網を築く事になり、嫌そうにしています。
クラウには頼もしい助っ人が来てくれたそうです。
カルネが気を利かせてくれて、クラウとノアが会えるようにしてくれたそうですよ。
クラウはいよいよノアの気持ちに応える事になるのでしょうか?
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ルークがシオンに他にも隠し事が無いか聞いてきました。
シオンはローランドのエリス家にアスルード・ローランドの死体がある事を教えます。
本来ならば、ローランドの王族以外がその場所に入ると発狂してしまうそうです。
しかしレムルスの呪術のお陰で神の干渉が無くなっているので、他のニンゲンでも入れる可能性が出てきました。
シオンはそこを調べようと伝えます。
ルークも有効そうだと賛成して、ローランドに戻る事になりそうです。
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ルークたちはライナの事は、もう駄目だ、と考えているようです。
彼らはライナの行動原理はシオンを助けるって事だけになっているので喜んでシオンに喰われると思っています。
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シオンはライナと同盟をしたいと言い出します。
ルークはライナと仲直りしたいためだけに、スフェルイエット民国と同盟しようと考えるシオンの事を、人間的で羨ましいと言っています。
シオンはガスタークとエルトリアが同盟したので、有効だと説明しています。
ルークも同盟には賛成なようですが、問題もあります。
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ヴォイス、ピア、リューラが邪魔してきそうだと考えています。
特にリューラの存在が厄介だと考えています。
シオンはライナへの手紙を書く事にします。
どんな手紙を書いてライナを説得するのでしょうね?
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第五章 生きててもいい理由
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ピアが殺されたと聞いてライナは急いでヴォイスの救援に向かったのですが騙されていました。
ピアはピンピンしていました。
ライナの向かう先から馬に乗ったピアがやって来ました。
再会した彼女は「ちょっとライナ。遅かったじゃないの」と怒っています。
彼女は愛しい愛しい姉弟弟子のピア様が殺されたのに、なんでこんなに遅かったのよ、と怒っています。
ライナは途中からピアの生存を確信させる噂を聞いていたので、半ば彼女は生きていると思っていたので、あまり慌ててはいませんでした。
それをピアに説明すると彼女も納得したようです。
「まあ、そりゃそうよねぇ。天才のあたしを殺せる奴なんて、存在するわけないし」と満足そうにしています。
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ピアにヴォイスの居場所を聞こうとしているとフェリスがやって来てライナにだんごを勧めてきました。
彼女は途中でだんご屋巡りをしてくると言って別行動を取っていました。
彼女は新たに開拓しただんご屋のだんごがパンパンに詰まったリュックを背負っています。
早速ライナにだんごを勧めてきました。
ライナはピアにもだんごを勧めています。
ピアが受け取り、あっさりと食べています。
ピアが「あら、ほんとに美味しいわね」と感想を述べるとフェリスの態度が一変します。
彼女はピアがだんごの味が分かると知ると、途端に仲良くなりました。
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フェリスは上機嫌でお茶会セットを広げてフェリスとピアのお茶会が始まってしまいました。
ライナも加わり仲良くお茶会をしていたのですが、ピアがライナの戦闘力の低さを指摘してきました。
彼女はライナの事が心配なようです。
ライナが魔法を詠唱する間フェリスに守ってもらっていると知り怒っています。
ピアはライナの体術がお粗末な事が気に入らないようです。
フェリスが、自分が守るので問題ないと指摘しましたがピアはフェリスのその態度がライナを弱いままにしているけど、と反論しています。
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ピアがライナの体術のお粗末さを心配したのはライナが相手をする事になる敵を警戒しての事でした。
ピアはティーアとリューラが組んでいる事を教えてくれます。
ライナは二人の事をピアが知っている事に驚いています。
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ピアはリューラが魔眼保持者たちの味方をしようとしていたと教えてくれます。
ヴォイスが魔眼保持者に仲間になれと演説したけどティーアは信じなかった。
条件交渉する為にヴォイスを拉致してライナが来るまで返さないって事になったと教えてくれます。
ライナは人間嫌いな魔眼保持者が交渉を持とうとしている事実から世界情勢が悪くなっていると感じとりました。
肝心なヴォイスの居場所を聞くとピアは知らないと返答してきました。
そこに黒い霧が生まれてリューラがやって来ました。
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ピアは現れたリューラに『忘却神器(ルール・ファジール)』を見せて、これで殺せるかしら?と問いかけます。
リューラはピアの持っている忘却神器の効果をしっているようです。
入手が困難なことも知っていて、手に入れるのは大変だったんじゃない?と聞いてきました。
ピアは私は天才だから、と返答しています。
ピアはリューラが負けを認めたので満足そうにしています。
ピアはライナに体術を鍛えたくないならリューラに魔法を習いなさいよ、と勧めてきます。
リューラ程強ければ、魔法だけが得意なんですー、で通用すると言っています。
これに対してリューラは反対しています。
彼の使っている魔法が得意になると人間味を失うので愛しい息子には勧められないそうです。
リューラはライナを魔眼保持者のもとに連れて行こうとします。
心配したフェリスが、一人で行かせるわけには・・・、と難色を示しました。
リューラはフェリスにも一緒に来るように言ってきました。
そしてライナの事を護って欲しいと言っています。
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二人が知り合いだと知りライナは驚きます。
フェリスはリューラが夢の中に出てきたんだと教えてくれます。
ライナはリューラがフェリスに何を話したのか心配になったので、内容を問いました。
リューラは楽しげにフェリスがライナに恋愛感情を抱いていると指摘しようとしてフェリスに斬りかかられました。
リューラは体を数百枚の紙のようなものに変えてフェリスの斬撃を避けてしまいます。
「いやー、顔真っ赤にしちゃって、かわい・・・」と揶揄おうとして斬られています。
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ピアは体を紙のようなものに変える魔法に興味を持ち教えて欲しいとお願いしています。
リューラは、これもお勧めできない魔法だよ、と言って教える気は無いようです。
代償として魂を犠牲にするそうです。
ライナはフェリスにもリューラとどんな話をしたのか聞いてますがフェリスは「世間話だ」と言って教えてくれませんでした。
まあ、そうだよね、言えないよね。
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ライナ、フェリス、リューラの三人で魔眼保持者の元に向かう事になりました。
道中でもリューラはフェリスの事を揶揄っています。
「この二日の道中で、僕の息子とラブラブにいちゃつくことを許・・・」
「死ね!」やはりフェリスの斬撃は通用しませんでした・・・
フェリスはライナに「私はおまえの父親が嫌いだ」と正直な気持ちを訴えています。
フェリスが愚痴を零すしか対処方法が無い相手とはリューラ凄い人です。
ライナが、その気持ちはすげぇわかるよ、と返答するとリューラの揶揄いが炸裂します。
「そうやって、若い二人は親に逆らって駆け落ちとかするのかな?」
ライナとフェリスはリューラの揶揄いを無視する事にしました。
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魔眼保持者の村に到着すると、そこには魔導トラップが仕掛けられていました。
ライナとフェリスは警戒しながら村に入ろうとしますがリューラが、その必要は無いと指摘します。
魔眼保持者たちはライナがやって来ることを知っていたと言っています。
ライナがティーアと話すのか?と聞くと、『夢置眼(エブラ・クリプト)』の能力を持つ代表者と話す事になると教えてくれます。
ティーアが出てきてライナを迎えてくれます。
しかしティーアはフェリスは人間なので呼んでいないと言ってきました。
フェリスを攻撃しようとしているティーアに対してリューラが対応する事になります。
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リューラは魔眼保持者の子供たちの心をプレゼントで掴んでしまいます。
クマのぬいぐるみとか馬車の模型を使って子供達を手懐けてしまいます。
それを見てティーアが悔しそうにしていました。
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ティーアがフェリスを殺そうとしてきたのでライナが体当たりでティーアと止める事になります。
ティーアの上に乗り、フェリスの大切さを訴えています。
ティーアが「んもぉ、ライナはそんなに、あんな人間の女が大事なのか?」と聞いてきます。
ライナは「大事だよ。決まってんだろ」「フェリスは・・・俺の大事な、仲間だ」と返答しています。
ライナはフェリスがどんな顔をしているのか怖くて見れなかったぞ。
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暴走した自分の事をフェリスが正気に戻してくれた事や、暴走したライナが大勢の人間を殺したのを見ても、顔色一つ変えずに仲間だと言ってくれた。
勝手に化物と蔑んで、自分の前からいなくならないでくれって、涙まで流すんだぞ、と訴えます。
ティーアが追い詰められてしまい、ライナを殴ってきます。
しかしライナはティーアの体を放しません、殴られ続けても、訴えを続けます。
ライナはティーアたちは、人間を怖がって逃げているだけだ、と指摘します。
本当は人間が好きなのに、嫌いなふりをして逃げるのは止めろ。
自分は化物だと思い込んで逃げ回るのは止めろ。
俺たちは愛されてもいいんだ、俺たちは化物じゃない、俺たちも生きててもいい、人間なんだよ!と訴えました。
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ライナのフェリスへの告白ともとれる熱烈な演説が終わるとティーアが白けた感じになります。
彼はライナが感動的な演説をする事を知っていたそうです。
未来を見通せる魔眼保持者たちの集落の主が夢に見ていたと教えてくれます。
ライナはこれまでのティーアの行動がヤラセだと知り、脱力する事になりました。
リューラはライナの演説をフェリスへの熱烈な告白だったと揶揄います。
フェリスの様子を確かめると彼女は照れくさそうに目を反らします。
困ったライナはリューラに、自分とフェリスをどうしたいのよ?と問いかけます。
リューラはライナの恋を応援したいと返答しています。
ライナが余計なお世話なんですけど?と答えると、キファちゃんの方が好きって事かい?もしくはピアちゃん?と聞いてきました。
ライナは辟易していますね。
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そこにヴォイスが現れます。
ヴォイスは囚われの姫である自分を助けに来た白馬の王子の様ですね、と言ってキスを迫ってきました。
ライナはヴォイスが無事な事に驚いています。
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ライナはティーアに自分の演説の効果を聞いています。
ティーアは『夢置眼』や『複写眼』の子たちには効果があったと思うけど、他の魔眼保持者の子の説得は難しいと言っています。
ティーア本人は綺麗ごとに過ぎないと感じたようです。
ティーアは魔眼保持者が生き残る為にはスフェルイエット民国に頼るしか無いと認識しています。
ライナは魔眼保持者たちに信頼されているティーアに反対する魔眼保持者の説得を任せる事にしました。
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拷問されなかったか?と心配するライナにヴォイスは夢を覗かれたと返答します。
夢を覗かれ女神を騙してその力を利用していたと知られて好評価されたと言っています。
ライナはエーネと呼ばれる夢置眼と会う事になります。
彼女は地下に居るそうですよ。
ティーアは彼女は日の光の下に出ると焼かれてしまうと教えてくれました。
ライナは未来を視れる能力にしては代償が小さいような?と不思議に思っていました。
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エーネは十二三歳位の外見をしています。
彼女は能力の代償として寿命を失うので年を取らないんだと教えてくれました。
エーネは眼を閉じていました。
自分の眼を見ると怖がられてしまうので閉じているんだ、と言っています。
ライナは怖がったりしないから眼を開いてくれとお願いしています。
エーネは眼を開いてくれました。
彼女の眼は夢置眼の代償として視力を失っているそうです。
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エーネはライナの事を優しい人だと告げてきます。
彼女はライナがした演説の内容を未来視により見て知っていました。
そしてそれを仲間の魔眼保持者たちに聞かせたかったそうです。
エーネはライナの事を普通じゃないと言っています。
『悪魔』に取りつかれた人間は普通『勇者』に喰われる事だけを考えるようになり、周りが見えなくるそうです。
しかしライナは人間が好きだと言っている、そんなライナはこの世界を変える鍵になると考えたそうです。
ライナは『勇者』と『悪魔』の話しになったのでエーネから詳しく聞きたかったようです。
しかしエーネは残り時間が無くなったと言って、勝手に必要な事だけを語り始めます。
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今後、ライナは大きな絶望を見る事になるそうです。
そして暴走してすべての人間を殺そうとするそうです。
暴走したライナを止めるためには、今日ライナが言った言葉を思い出すしかないそうです。
どんな状況でもみんな、あなたを愛している、それを思い出して、と伝えてきました。
ライナがもう少し詳しく教えてくれとお願いすると、エーネは詳しく教え過ぎると未来が変わってしまうと言ってきました。
未来が変わり、ライナが邪魔をする事で世界の消滅が防げなくそうです?
いまのまま進めば世界の消滅はなくなるそうです。
エーネの言葉は「最後の心残りはあなたが絶望して、泣きながらこの世界を呪っ・・・」で終わってしまいます。
そこにティーアの悲鳴があがります。
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「ライナ、そいつを止めてくれ!エーネを!エーネを守ってくれっ!」血まみれのティーアが必死の形相で走ってこようとしています。
何者かがライナの横を走り抜けエーネの心臓に長い剣を突き刺しました。
エーネは穏やかな顔をしています・・・彼女は役目を終えていたので満足だったのだろうか?
「う、う、うわぁあああああ!?」ティーアの悲鳴があがります。
ライナは動けませんでした、体術が大したこと無いのが災いしていますね。
エーネを殺したのはルシルでした。
ルシルは「やあ、私の片割れじゃないか。こんなところにいたのか」と言って薄く笑いました。
ルシルは少し雰囲気が変わったように思えますね。
何があったんだろうか?
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AmazonLink: 大伝説の勇者の伝説12 遅れてきた魔眼の王 (富士見ファンタジア文庫)
発行日:2012/9/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:978-4-8291-3799-4
雰囲気:思案するルーク、シオン監禁、クラウの友情、ライナ徹夜仕事、ヴォイスの主張、ライナの主張
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PROLOGUE 生きる意味について
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ルークとカルネが恋について話しています。
感情を持たないルークがカルネに色々と質問しています。
ルークがレムルスに洗脳されていると思ったカルネを殺そうとしました。
そこでカルネは会いたい人が居るので殺さないで、と命乞いしました。
ルークはその相手であるエスリナに告白するのか聞いています。
カルネは簡単では無いんです、と返答しています。
ルークにはカルネが何で迷っているのか分からないようです。
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二人はこの世界が神に作られたモノで、あと10年で亡ぶことを知っています。
レムルスが語った話はルークから語られたようです。
クラウ、バユーズ、ミラー、カルネで共有される事になっています。
フロワードは真実を知らないって事かな?
ヴォイスを襲撃に行って戻ってないのか?信用されていないのか?どっちだろう?
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ローランド帝国は無傷でレムルス帝国の領土を手に入れました。
レムルスがレムルス帝国の国民を全て使った呪術を実行したのでレムルス帝国にはニンゲンが居なくなってしまいました。
インフラ設備が整っている無人の領土を手に入れた事になります。
凄い幸運ですね。
あれほど中央大陸への足掛かりを得る事を渇望していたローランド帝国は中大陸に大きな領土を得る事になってしまいました。
三大国と言われていたレムルス帝国の領土を手に入れた事になります。
ローランド帝国は首都機能をレムルス帝国に移す事を決めたそうです。
足りない人手を補う為に南大陸から人材を集めているそうです。
でも領土は広がったけど、ニンゲンが居なかったのでニンゲンαは増えなかったって事だよね?
シオンの力は増えなかったって事だよね。
一年間は勇者と悪魔の力は封じられるそうだから、今のシオンとライナは特殊な力は使えないって事だよね。
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ルークはエスリナと抱き合うカルネを見物しながら、自分の事を考えています。
ローランド帝国の中での自分の立ち位置とかですね。
ルークはミルクへの自分の気持ちが恋なのか自問していました。
女神からの干渉は弱まっているのですがルークはミルクに惹かれ続けているようです。
カルネからは、それは恋だと指摘されました。
しかしルークは納得できないようです。
ルークは生きる意味を考えていました。
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第一章 王である理由
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シオンはローランド帝国の牢獄に囚われていました。
自分は王を更迭されたのだ、大事な場面で正しい決断を下せない自分は王に相応しくない、当然だな、と自嘲しています。
ルシルの事を呼んでみると彼は出てきませんでした、彼の存在を感じられなくなっているようです。
シオンは自分の力が封じられた事を悟ったようです。
そこにクラウがやって来ました。
クラウはシオンの気持ちを聞いてきました。
シオンは自分には王は無理だった、殺してくれとお願いしています。
このシオンの弱気な発言を聞いてクラウは怒っています。
シオンの事をぶん殴ってきました。
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クラウは三時間後にシオンの審門会を開く、そこでどうするのかを決めると言っています。
参加者はクラウ、ミラー、ルーク、カルネだそうです。
シオンが革命を起こした時のメンバーだそうですよ。
そこでシオンの今後を決めるそうです。
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ミラーとルークは理詰めで意見を言ってくる。
自分たちだけで世界を変えていけると考えればシオンの事は殺すだろう。
カルネはアホなので、どちらにするか分からん。
クラウはシオンの事を心配して来てくれたようです・・・友達思いの良い奴だよね。
クラウはシオンのやり方を面白いと思ったから彼の革命に参加した。
ここまで来て放り投げるのか、ふざけるな、と怒っています。
クラウはシオンの事を友達なので救いたいと考えているようです。
シオンのヤル気が残っているか聞きに来て、全くヤル気が無くなっていて諦めてしまった彼を見て怒っています。
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クラウはシオンがライナを喰えなかったし殺せなかった事を知っていました。
シオンが悪魔(今はライナね)を喰わないと世界があと10年で滅んでしまう事も知っています。
その上で彼は、神の思惑なんて関係ない、自分たちなりのやり方があるだろ、それでやっていこうぜ、と告げてきました。
シオンはクラウの意見がライナと似ていると感じています。
それをクラウに告げると彼は嫌そうな顔をして、「やっぱりおまえ死刑決定な」と告げてきました。
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シオンは自分に何が残っているのか考えています。
クラウの指摘に従い少しはヤル気を取り戻す事ができたのでしょうか?
それにしてもローランド帝国は怖い国だね、国王を監禁する事を厭いません。
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第二章 眠らない意味
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ライナは王の仕事に勤しんでいました。
ローランド帝国でシオンに仕事を手伝わされていた時と同じように文句たらたらです。
しかし驚くべきことに自主的に徹夜で仕事をしていたようです。
手伝ってくれているキファに少しは寝た方が良いと心配されています。
キファもライナに付き合い殆ど寝ないで仕事をしているようです。
彼女はライナの秘書官的なポジションなんだろうか?
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ライナが頑張っているのには理由がありました。
スフェルイエット民国にはピア、ヴォイス、ライナの三人の王が居る状態です。
傭兵団『蒼の公主』の女王、ピア・ヴァーリエ。
スフェルイエット民国の総統括元首、ヴォイス・フューレル。
悪魔王、ライナ・リュート。
とても変わっていますね、ヴォイスは三王の合議制にでもしたのだろうか。
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ライナの執務室には玉座の代わりに玉ベッドと呼ばれるベッドがあります。
ライナはそこで寝ながら仕事をしているそうです。
疲れると寝落ちするそうです。
ライナが寝落ちするとキファがベッドの周りを掃除してくれています。
読みかけの書類は読みやすいように纏めなおしてくれるそうですよ。
至れり尽くせりです。
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寝ようとしないライナにキファが可愛い攻撃を仕掛けてきます。
添い寝して欲しいの?と問いかけたまでは良いのですが途中で照れてしまいました。
ライナが「おねがい」と返答した場合キファはどうしたのでしょうね?
彼女はライナの為に協力できている事に充足感を得ていました。
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ライナの瞳はレムルスの宣言通りに力をかなり失っていました。
一年間悪魔の力を使えなくすると言っていた通りになり、ライナの瞳はすべての式を解く者の力を失いました。
といっても普通の瞳に変った訳では無く、特殊な複写眼に変化していました。
特殊な複写眼で忘却欠片を見ると解析できるモノもあったそうです。
そして解析結果から量産化が可能なモノも出てきたそうです。
ライナが研究しているのは兵器についてでした。
ローランド帝国がレムルス帝国の領土を手に入れて世界最大の国になってしまいました。
これに対応する為にガスターク帝国はエルトリア共和国と同盟を結びました。
同盟関係にありあますが二国を合わせるとローランド帝国と同じくらいの領土になります。
これに対してスフェルイエット民国は軍備力を強化して攻め込まれた時に自国を護れるようになる必要がありました。
ライナは兵器開発は嫌だと思いつつも王の責任として自国を護る為の方策を取ったって事です。
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ライナはどこの国の魔法言語を使って彼が考案した兵器を実用化するか悩んでいました。
キファにスフェルイエット民国の中で一番大きな魔法を使える勢力はどこなのか聞いています。
キファはエスタブールの魔法が一番うまく扱えるそうです。
ライナも咄嗟の時はローランドの魔法を使うそうですよ。
キファはトアレのネルファ皇国の魔法を使える兵士が一番多いと教えてくれます。
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ピアとヴォイスは好戦的なので考案した兵器を二人に渡すのは躊躇われました。
ライナは比較的温厚なトアレに考案した兵器を託す事にしました。
彼の執務室に赴き相談する事になっています。
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その帰り道でフェリスに出会いました。
ライナは眠い時に一番会いたくない奴に会っちゃった、と失礼な事を考えていました。
フェリスはおいしいだんごを見つけたんだ、と言ってだんごを渡してきました。
逆らうと首を落とされるのでライナはだんごを食べています。
美味しかったようです、ライナがだんごを誉めるとフェリスは嬉しそうにしています。
彼女はライナが心配だったようです。
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彼女はライナはシオンとは違うので疲れたら、私に相談してくれると信じていると伝えてきます。
ライナは困ったらフェリスの助けを求めるよ、と告げます。
フェリスはライナの返答に安堵したようです。
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シオンに勝つためには、相応の覚悟がいると言ってきます。
ライナが居眠るすると首を落とそうとする、スパフェリちゃんをまた作ろうか?と提案してきました。
ライナは丁重に断っています。
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フェリスがローランド帝国がレムルス帝国の領土を手に入れて世界最大の国になったぞ、どうするんだ?と聞いてきます。
これに対してライナはシオンのやろうとしている事を全て潰す、と返答します。
ライナは、シオンは後戻りできない所まで進んでしまっているので、もう止めた、とは言えなくなっていると考えています。
フェリスが戦争をする事になるぞ、人が沢山死ぬことになるぞ、と心配してくれます。
フェリスはライナと一緒に進んでくれると言ってくれます。
一緒に汚い水も綺麗な水も飲めばいい、最悪の結果になったとしてもライナと一緒に頑張れたのなら後悔しないと言ってくれます。
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ライナはフェリスに、いつも救われているよ、と伝えます。
フェリスは私を誰だと思っている?と問いかけてきます。
ライナが誰なの?と聞くとフェリスは「神だ」と返答しました。
更に、ライナの相棒だ、もっと頼れ、と言ってくれます。
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ライナはフェリスの言った言葉をシオンに伝えたいなと言っています。
フェリスが言わなかったのか?と問うと、ライナは聞いて貰えなかったと返します。
フェリスが言う事聞かないなら殴ればいい、と返答します。
ライナは殴ってボコボコにしたんだけど、シオンはマゾだから喜んじゃったようだ、と返答します。
フェリスは変態の相手をするのは中々に難しい、と感想を述べました。
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フェリスとキファは其々にできる事でライナを助けようとしています。
キファは仕事面を手伝いフェリスは精神面を癒しているようです。
ライナが忘却欠片の研究をしている間にヴォイスとピアは旧ゲイルフィックラントを攻めていました。
其々が適材適所な行動を取っているようですね。
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キファが慌てた様子で駆け寄ってきて、ヴォイスからの連絡を伝えてくれます。
「ピアさんが・・・ピアさんが、殺されたって・・・」
旧ゲイルフィックラントを攻めている時に、敵からの攻撃で死んだ、との連絡がきた事を知らせてくれます。
ライナは動揺し「嘘だ!」と叫んでしまいました。
ライナはピアの最強っぷりを熟知しているので彼女が死んだとは思えないようです。
ヴォイスも危機に瀕しているので援軍を送って欲しいと言ってきました。
ヴォイスからの、できるだけ多くの兵を集めて救援に来てくれとの要請にピアは死んだのかも?と思い始めています。
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第三章 迫害される理由
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ピアとヴォイスはスフェルイエット民国の配下に下る事を拒んでいる旧ゲイルフィックラントの貴族と対峙していました。
二人は今後の方針を話し合っています。
ヴォイスはいつもの変態的な態度でピアに接しています。
ピアが冷たい態度で「黙りなさい。じゃないと、殺すわよ?」と告げます。
ヴォイスは「ピア様に殺されるなら、喜んで―?」と応じています。
殺気を込めても全く動じない変態を相手にしてピアは辟易していました。
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ピアは華麗に問題を解決したいぞ、と主張しています。
ヴォイスは皆殺しにするのは簡単だけど、残忍な殺し方をするとライナが拗ねると言っています。
二人は対策を練る事にします。
しかし対策が決まる前に新たな敵がやって来てしまいました。
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やって来たのは『殲滅眼』保持者でした。
ピアはヴォイスを助けながら殲滅眼に対処する事になります。
ヴォイスはティーアと交渉しようとして前に出てきました。
そしてティーアに首を絞められて殺されそうになっています、度胸があり過ぎですよね。
彼女は殲滅眼への対策も持っていたので勝てると確信していました。
しかし『殲滅眼』保持者は無限に魔力を引き出す謎のアイテムを所持していました。
ピアは魔力切れを狙っていたのですが、それが出来なくなり、形勢が逆転してしまいました。
更に黒い霧が出てきます。
霧の向こうに百人近い魔眼保持者が待機している事が分かりました。
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ピアは忘却欠片を使い魔眼保持者と旧ゲイルフィックラントの貴族を一掃しようと考えます。
彼女は忘却欠片を投げる事に全神経を集中していました。
敵に近付かれる事は絶対ない筈だったのですが黒い霧から出てきたライナに似ている紳士に腕を掴まれてしまいます。
ピアは魔法戦を挑みますが、全く歯が立ちませんでした。
相手は何の詠唱もしないでローランド帝国の魔法を次々と発動状態にしてしまいます。
ピアが幻術だと疑うと、予想を超える高度な幻術を見せてくれます・・・余裕が有り余ってますね。
ピアは突如として高高度に放り出されて落下中って状況に陥ります。
ピアはこれは幻術、心を強く持てば打ち破れると、念じます。
しかし幻術は相手により解かれてしまい、ピアは相手の実力が自分よりも数段上にあると理解しました。
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紳士はティーアの仲間の様です。
ニンゲンに対して懐疑的で、好戦的なティーアを諭す為に現れたようです。
紳士はティーアに人間との共存を目指す方が良いとアドバイスを送っています。
紳士は後は任せたと告げて去っていきました。
ティーアの好戦的な態度が少しだか軟化しました。
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ヴォイスはリューラの事を調べていたようです。
彼の事をライナの父親ですよね、とティーアに確認しています。
ピアはリューラがライナの父親だと知り驚いています。
「はぁ!?なにそれ!?あんあかっこいい男が、あの寝坊助の・・・」
相当驚いたようですね、カッコいいか・・・リューラはピアの好みだったのかも知れないね。
これをチャンスだと見てヴォイスがティーアとの交渉を始めました。
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ヴォイスは霧の中に隠れていた魔眼保持者に近付いて行きました。
ティーアが戦闘力皆無のヴォイスの事を警戒しています。
それだけでピアには魔眼保持者がこれまでに受けてきた迫害の激しさが理解できました。
魔眼保持者はヴォイスが何をするのか不安なようですね・・・殺気を放って警戒してきました。
ヴォイスは殺気など全く気にしないで、彼らとの交渉を始めました。
ヴォイスの部下達も魔眼保持者を見て恐れていました。
彼らの事を化物と罵り始めてしまいます。
ここでヴォイスが誰も予想していなかった行動にでます。
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ヴォイスは部下達を怒鳴りました。
これから魔眼保持者は自分の友人になるんだ。
友人を罵倒する事は許さない、もう一度彼らを化物と呼んだ者は自ら処刑してやるぞ、と脅しています。
部下達は困惑してしまいますが、レイルカを始めとする側近たちが部下に従うように命じています。
場の雰囲気が変わりました。
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ヴォイスはローランド帝国とガスターク帝国の国力が上がった現状では魔眼保持者を受け入れてくれる国はライナの居るスフェルイエット民国しかないですよ。
共に未来を築いていきましょう、仲間になりましょう、と訴えます。
しかしヴォイスの説得だけでは納得できなかった魔眼保持者はヴォイスに石をぶつけ始めます。
ヴォイスは彼らにならば自分を殺す事もできたのに、優しいですね、と訴えます。
ヴォイスは自分たちの世代からこれまでの蟠りを解いて行こう。
未来に生まれてくる魔眼保持者が人間に受け入れられるようにしていこう。
手を取り合い一緒に共存可能な未来を目指そうと訴えます。
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一人の魔眼保持者がヴォイスはみんなを惑わせると言って殺そうとしてきます。
これをティーアが止めました。
しかしティーアにもヴォイスは信じられないそうです。
ティーアはヴォイスを人質に取り交渉をする事を決めました。
ヴォイスは魔眼保持者たちに連れ去られてしまいました。
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レイルカがヴォイスの指示だと言ってヴォイスを救おうとしたピアを止めます。
彼女は既にライナに救援を要請する手紙を出したと言っています。
理由はピアが殺された事にしたそうです。
それを聞いたピアはライナならば、絶対にやって来るね、と言っていました。
ピアはライナの到着を待つ事にしました。
ピアは死んでなかったよ、ライナを絶対に呼び寄せる為の口実だったよ。
これは良かったんだけど、ライナはヴォイスに良い様に使われているね。
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ピアは連れ去られるヴォイスを心配そうに見つめるレイルカを見てヴォイスは無いでしょ!
ヴォイスの行動はレイルカが惚れるのも分かるほどカッコよかったですが、若すぎるでしょ、と言ってますね。
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第四章 責任の意味
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シオンの審門会が始まりました。
ミラー、クラウ、ルーク、カルネが出席しています。
ミラーは自分の仲間以外は信用しないと言ってフロワードは呼んでいません。
バユーズは南大陸からエスタブールの兵を移動させるのに忙しいので来ていません。
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ミラーはシオンにどうしたいのか聞いてきました。
シオンはライナを喰う必要があった、喰わないと世界が終わってしまう、でもできなかった。
ライナを殺して次の悪魔を喰う事も出来なかった。
自分はもう駄目だと告げました。
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ミラーはシオンにライナを喰わせる事を決めます。
ルークに指示してシオンの首を絞めさせました。
シオンはライナを喰うくらいなら自殺してやる、と考えてルークの糸を使い首を落とそうとしました
クラウに殴られてシオンの自殺は失敗してしまいます。
クラウは結構な力でシオンを殴ったようですね、シオンは意識が飛びそうなダメージを受けてしまいます。
しかし意識は残っていて四人の会話が聞こえてきました。
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ミラーはシオンが勇者に抵抗できているのか確認したかったようです。
その為にシオンにライナを喰わせると言ってきたみたいです。
シオンの反応から彼が勇者の意識に抵抗している、人間としても意識を保っていると確認できました。
ミラーはシオンに王を継続させる事を決めます。
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シオンが自分は秘密を抱えていた、裏切っていた、と主張します。
ミラーはシオンに対して幾つも秘密を持っている、それでシオンを裏切っているとは思っていない。
そもそもシオンに裏切られたと思うほど信頼していないそうです。
ミラーはシオンの継続を決めると、妻と娘に会ってくると言って出て行ってしまいます。
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シオン、ルーク、クラウ、カルネで当面の方針を決める事になります。
ルークが仕切っている感じですね。
ルークはシオンのやって来た事は正しかったと認めてくれます。
理詰めで行動するだけのミラーや自分では今の状況は作り出せなかったと言っています。
レムルスのお陰で神からの影響が無くなった事を喜んでいます。
それが無ければ、ルークがシオンを殺そうとした時にルシルに殺されていた可能性がありました。
勇者とルシルの影響力が無くなっている今の状況は良い状況だと言っています。
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シオンは自分よりも優主な奴らの王をしていて良いのだろか?自分は王に相応しいのだろうか?と疑問を提示します。
ミラーの方が王に相応しいのではと意見します。
ルークが真相を教えてくれます。
シオンが王になったのは消去法だそうです。
ルークはシオンには王としても魅力もありますからね、と付け足してくれます。
これはルークの本心のようです。
ニンゲンではなくなっているシオンが凄く人間臭いのが羨ましいようです。
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ミラーは元々、シオンに何か不思議な力があり、革命を勧める為にはシオンが必要だと判断したから王にしたそうですよ。
今の状況は全て自分の計画のうちだ、と言っていました。
ミラーたちは自分たちで確認した情報以外は信じないそうです。
シオンが聞かされた勇者が悪魔を食べないと世界が10年で終わる話も、真相を確かめる事になりました。
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カルネはシオンに代わりに書類仕事をする事になります。
クラウはガスターク帝国とスフェルイエット民国に対抗する防衛網敷設を行う事になります。
クラウはバユーズと一緒に防衛網を築く事になり、嫌そうにしています。
クラウには頼もしい助っ人が来てくれたそうです。
カルネが気を利かせてくれて、クラウとノアが会えるようにしてくれたそうですよ。
クラウはいよいよノアの気持ちに応える事になるのでしょうか?
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ルークがシオンに他にも隠し事が無いか聞いてきました。
シオンはローランドのエリス家にアスルード・ローランドの死体がある事を教えます。
本来ならば、ローランドの王族以外がその場所に入ると発狂してしまうそうです。
しかしレムルスの呪術のお陰で神の干渉が無くなっているので、他のニンゲンでも入れる可能性が出てきました。
シオンはそこを調べようと伝えます。
ルークも有効そうだと賛成して、ローランドに戻る事になりそうです。
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ルークたちはライナの事は、もう駄目だ、と考えているようです。
彼らはライナの行動原理はシオンを助けるって事だけになっているので喜んでシオンに喰われると思っています。
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シオンはライナと同盟をしたいと言い出します。
ルークはライナと仲直りしたいためだけに、スフェルイエット民国と同盟しようと考えるシオンの事を、人間的で羨ましいと言っています。
シオンはガスタークとエルトリアが同盟したので、有効だと説明しています。
ルークも同盟には賛成なようですが、問題もあります。
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ヴォイス、ピア、リューラが邪魔してきそうだと考えています。
特にリューラの存在が厄介だと考えています。
シオンはライナへの手紙を書く事にします。
どんな手紙を書いてライナを説得するのでしょうね?
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第五章 生きててもいい理由
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ピアが殺されたと聞いてライナは急いでヴォイスの救援に向かったのですが騙されていました。
ピアはピンピンしていました。
ライナの向かう先から馬に乗ったピアがやって来ました。
再会した彼女は「ちょっとライナ。遅かったじゃないの」と怒っています。
彼女は愛しい愛しい姉弟弟子のピア様が殺されたのに、なんでこんなに遅かったのよ、と怒っています。
ライナは途中からピアの生存を確信させる噂を聞いていたので、半ば彼女は生きていると思っていたので、あまり慌ててはいませんでした。
それをピアに説明すると彼女も納得したようです。
「まあ、そりゃそうよねぇ。天才のあたしを殺せる奴なんて、存在するわけないし」と満足そうにしています。
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ピアにヴォイスの居場所を聞こうとしているとフェリスがやって来てライナにだんごを勧めてきました。
彼女は途中でだんご屋巡りをしてくると言って別行動を取っていました。
彼女は新たに開拓しただんご屋のだんごがパンパンに詰まったリュックを背負っています。
早速ライナにだんごを勧めてきました。
ライナはピアにもだんごを勧めています。
ピアが受け取り、あっさりと食べています。
ピアが「あら、ほんとに美味しいわね」と感想を述べるとフェリスの態度が一変します。
彼女はピアがだんごの味が分かると知ると、途端に仲良くなりました。
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フェリスは上機嫌でお茶会セットを広げてフェリスとピアのお茶会が始まってしまいました。
ライナも加わり仲良くお茶会をしていたのですが、ピアがライナの戦闘力の低さを指摘してきました。
彼女はライナの事が心配なようです。
ライナが魔法を詠唱する間フェリスに守ってもらっていると知り怒っています。
ピアはライナの体術がお粗末な事が気に入らないようです。
フェリスが、自分が守るので問題ないと指摘しましたがピアはフェリスのその態度がライナを弱いままにしているけど、と反論しています。
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ピアがライナの体術のお粗末さを心配したのはライナが相手をする事になる敵を警戒しての事でした。
ピアはティーアとリューラが組んでいる事を教えてくれます。
ライナは二人の事をピアが知っている事に驚いています。
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ピアはリューラが魔眼保持者たちの味方をしようとしていたと教えてくれます。
ヴォイスが魔眼保持者に仲間になれと演説したけどティーアは信じなかった。
条件交渉する為にヴォイスを拉致してライナが来るまで返さないって事になったと教えてくれます。
ライナは人間嫌いな魔眼保持者が交渉を持とうとしている事実から世界情勢が悪くなっていると感じとりました。
肝心なヴォイスの居場所を聞くとピアは知らないと返答してきました。
そこに黒い霧が生まれてリューラがやって来ました。
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ピアは現れたリューラに『忘却神器(ルール・ファジール)』を見せて、これで殺せるかしら?と問いかけます。
リューラはピアの持っている忘却神器の効果をしっているようです。
入手が困難なことも知っていて、手に入れるのは大変だったんじゃない?と聞いてきました。
ピアは私は天才だから、と返答しています。
ピアはリューラが負けを認めたので満足そうにしています。
ピアはライナに体術を鍛えたくないならリューラに魔法を習いなさいよ、と勧めてきます。
リューラ程強ければ、魔法だけが得意なんですー、で通用すると言っています。
これに対してリューラは反対しています。
彼の使っている魔法が得意になると人間味を失うので愛しい息子には勧められないそうです。
リューラはライナを魔眼保持者のもとに連れて行こうとします。
心配したフェリスが、一人で行かせるわけには・・・、と難色を示しました。
リューラはフェリスにも一緒に来るように言ってきました。
そしてライナの事を護って欲しいと言っています。
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二人が知り合いだと知りライナは驚きます。
フェリスはリューラが夢の中に出てきたんだと教えてくれます。
ライナはリューラがフェリスに何を話したのか心配になったので、内容を問いました。
リューラは楽しげにフェリスがライナに恋愛感情を抱いていると指摘しようとしてフェリスに斬りかかられました。
リューラは体を数百枚の紙のようなものに変えてフェリスの斬撃を避けてしまいます。
「いやー、顔真っ赤にしちゃって、かわい・・・」と揶揄おうとして斬られています。
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ピアは体を紙のようなものに変える魔法に興味を持ち教えて欲しいとお願いしています。
リューラは、これもお勧めできない魔法だよ、と言って教える気は無いようです。
代償として魂を犠牲にするそうです。
ライナはフェリスにもリューラとどんな話をしたのか聞いてますがフェリスは「世間話だ」と言って教えてくれませんでした。
まあ、そうだよね、言えないよね。
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ライナ、フェリス、リューラの三人で魔眼保持者の元に向かう事になりました。
道中でもリューラはフェリスの事を揶揄っています。
「この二日の道中で、僕の息子とラブラブにいちゃつくことを許・・・」
「死ね!」やはりフェリスの斬撃は通用しませんでした・・・
フェリスはライナに「私はおまえの父親が嫌いだ」と正直な気持ちを訴えています。
フェリスが愚痴を零すしか対処方法が無い相手とはリューラ凄い人です。
ライナが、その気持ちはすげぇわかるよ、と返答するとリューラの揶揄いが炸裂します。
「そうやって、若い二人は親に逆らって駆け落ちとかするのかな?」
ライナとフェリスはリューラの揶揄いを無視する事にしました。
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魔眼保持者の村に到着すると、そこには魔導トラップが仕掛けられていました。
ライナとフェリスは警戒しながら村に入ろうとしますがリューラが、その必要は無いと指摘します。
魔眼保持者たちはライナがやって来ることを知っていたと言っています。
ライナがティーアと話すのか?と聞くと、『夢置眼(エブラ・クリプト)』の能力を持つ代表者と話す事になると教えてくれます。
ティーアが出てきてライナを迎えてくれます。
しかしティーアはフェリスは人間なので呼んでいないと言ってきました。
フェリスを攻撃しようとしているティーアに対してリューラが対応する事になります。
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リューラは魔眼保持者の子供たちの心をプレゼントで掴んでしまいます。
クマのぬいぐるみとか馬車の模型を使って子供達を手懐けてしまいます。
それを見てティーアが悔しそうにしていました。
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ティーアがフェリスを殺そうとしてきたのでライナが体当たりでティーアと止める事になります。
ティーアの上に乗り、フェリスの大切さを訴えています。
ティーアが「んもぉ、ライナはそんなに、あんな人間の女が大事なのか?」と聞いてきます。
ライナは「大事だよ。決まってんだろ」「フェリスは・・・俺の大事な、仲間だ」と返答しています。
ライナはフェリスがどんな顔をしているのか怖くて見れなかったぞ。
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暴走した自分の事をフェリスが正気に戻してくれた事や、暴走したライナが大勢の人間を殺したのを見ても、顔色一つ変えずに仲間だと言ってくれた。
勝手に化物と蔑んで、自分の前からいなくならないでくれって、涙まで流すんだぞ、と訴えます。
ティーアが追い詰められてしまい、ライナを殴ってきます。
しかしライナはティーアの体を放しません、殴られ続けても、訴えを続けます。
ライナはティーアたちは、人間を怖がって逃げているだけだ、と指摘します。
本当は人間が好きなのに、嫌いなふりをして逃げるのは止めろ。
自分は化物だと思い込んで逃げ回るのは止めろ。
俺たちは愛されてもいいんだ、俺たちは化物じゃない、俺たちも生きててもいい、人間なんだよ!と訴えました。
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ライナのフェリスへの告白ともとれる熱烈な演説が終わるとティーアが白けた感じになります。
彼はライナが感動的な演説をする事を知っていたそうです。
未来を見通せる魔眼保持者たちの集落の主が夢に見ていたと教えてくれます。
ライナはこれまでのティーアの行動がヤラセだと知り、脱力する事になりました。
リューラはライナの演説をフェリスへの熱烈な告白だったと揶揄います。
フェリスの様子を確かめると彼女は照れくさそうに目を反らします。
困ったライナはリューラに、自分とフェリスをどうしたいのよ?と問いかけます。
リューラはライナの恋を応援したいと返答しています。
ライナが余計なお世話なんですけど?と答えると、キファちゃんの方が好きって事かい?もしくはピアちゃん?と聞いてきました。
ライナは辟易していますね。
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そこにヴォイスが現れます。
ヴォイスは囚われの姫である自分を助けに来た白馬の王子の様ですね、と言ってキスを迫ってきました。
ライナはヴォイスが無事な事に驚いています。
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ライナはティーアに自分の演説の効果を聞いています。
ティーアは『夢置眼』や『複写眼』の子たちには効果があったと思うけど、他の魔眼保持者の子の説得は難しいと言っています。
ティーア本人は綺麗ごとに過ぎないと感じたようです。
ティーアは魔眼保持者が生き残る為にはスフェルイエット民国に頼るしか無いと認識しています。
ライナは魔眼保持者たちに信頼されているティーアに反対する魔眼保持者の説得を任せる事にしました。
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拷問されなかったか?と心配するライナにヴォイスは夢を覗かれたと返答します。
夢を覗かれ女神を騙してその力を利用していたと知られて好評価されたと言っています。
ライナはエーネと呼ばれる夢置眼と会う事になります。
彼女は地下に居るそうですよ。
ティーアは彼女は日の光の下に出ると焼かれてしまうと教えてくれました。
ライナは未来を視れる能力にしては代償が小さいような?と不思議に思っていました。
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エーネは十二三歳位の外見をしています。
彼女は能力の代償として寿命を失うので年を取らないんだと教えてくれました。
エーネは眼を閉じていました。
自分の眼を見ると怖がられてしまうので閉じているんだ、と言っています。
ライナは怖がったりしないから眼を開いてくれとお願いしています。
エーネは眼を開いてくれました。
彼女の眼は夢置眼の代償として視力を失っているそうです。
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エーネはライナの事を優しい人だと告げてきます。
彼女はライナがした演説の内容を未来視により見て知っていました。
そしてそれを仲間の魔眼保持者たちに聞かせたかったそうです。
エーネはライナの事を普通じゃないと言っています。
『悪魔』に取りつかれた人間は普通『勇者』に喰われる事だけを考えるようになり、周りが見えなくるそうです。
しかしライナは人間が好きだと言っている、そんなライナはこの世界を変える鍵になると考えたそうです。
ライナは『勇者』と『悪魔』の話しになったのでエーネから詳しく聞きたかったようです。
しかしエーネは残り時間が無くなったと言って、勝手に必要な事だけを語り始めます。
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今後、ライナは大きな絶望を見る事になるそうです。
そして暴走してすべての人間を殺そうとするそうです。
暴走したライナを止めるためには、今日ライナが言った言葉を思い出すしかないそうです。
どんな状況でもみんな、あなたを愛している、それを思い出して、と伝えてきました。
ライナがもう少し詳しく教えてくれとお願いすると、エーネは詳しく教え過ぎると未来が変わってしまうと言ってきました。
未来が変わり、ライナが邪魔をする事で世界の消滅が防げなくそうです?
いまのまま進めば世界の消滅はなくなるそうです。
エーネの言葉は「最後の心残りはあなたが絶望して、泣きながらこの世界を呪っ・・・」で終わってしまいます。
そこにティーアの悲鳴があがります。
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「ライナ、そいつを止めてくれ!エーネを!エーネを守ってくれっ!」血まみれのティーアが必死の形相で走ってこようとしています。
何者かがライナの横を走り抜けエーネの心臓に長い剣を突き刺しました。
エーネは穏やかな顔をしています・・・彼女は役目を終えていたので満足だったのだろうか?
「う、う、うわぁあああああ!?」ティーアの悲鳴があがります。
ライナは動けませんでした、体術が大したこと無いのが災いしていますね。
エーネを殺したのはルシルでした。
ルシルは「やあ、私の片割れじゃないか。こんなところにいたのか」と言って薄く笑いました。
ルシルは少し雰囲気が変わったように思えますね。
何があったんだろうか?
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