ラノベの感想) 大伝説の勇者の伝説 第3巻 青色吐息の大計画 (富士見ファンタジア文庫)

レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2008/5/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:978-4-8291-3292-0
雰囲気:死闘、交渉、作戦失敗、思わぬ助っ人、変態との再会

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幕間 『彼』と『彼女』と
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彼女が自分の事を殺してと懇願しています。
しかし彼は彼女の事が好きなので殺せませんでした。
彼女は、ちゃんとあたしを殺すって約束して、と言い残して消えていきました。
彼も消えていくようです。
しかし次があったとしても彼女の事を殺せそうに無いと思っていました。
彼と彼女は誰なんでしょうね?
この二人の口ぶりから何度も状況を繰り返しているように感じられます。
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第一章 北北東へ進む
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ライナはクラウに殺されそうになっています。
クラウは右腕に施した禁呪祖を発動します。
ライナが複写眼で解析した結果、それは発動者まで死んでしまうような欠陥魔法でした。
クラウが発動させた禁呪祖から黒い蛇が出てきます。
その蛇は猛毒を持っていて噛まれれば死んでしまいます。
しかしクラウは自身の体に蛇を巻き付けて自分の事を噛ませました!!
これによりクラウはパワーアップしたようです。
ライナは禁呪祖が効かないクラウに驚愕しています。
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ライナは以前クラウと戦った事がありました。
その時の感触は自分の方がクラウよりも少しだけ強いってモノでした。
ライナは騙されていました・・・その時クラウは本気では戦っていませんでした。
ライナと本気で戦う時に備えて実力を過少評価させていました。
ライナはジェルメから教えられた戦いの基本である相手を騙す行為を怠った事を後悔しています。
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ライナとクラウは戦闘を始めます。
ライナはクラウの攻撃を何とか交わしてエスタブール王国の魔導騎士から複写した身体能力を向上させる魔法を唱えました。
これでクラウとの身体能力の差を埋められると考えます。
しかし驚いた事にクラウもライナが使った身体能力を向上させるエスタブール王国の魔法を唱えてきました。
ライナはクラウの天才ぶりに驚愕する事になります。
ライナの様な複写眼を使い魔法を解析して複写できる人間以外には他国の魔法体系を理解して使いこなせない筈なんですが・・・
ライナの何でエスタブールの魔法が使えるんだって質問にクラウは自分は天才で努力家だと返答しています。
これで元の身体能力差のまま戦闘に移る事になってしまいます。
クラウはノアに魔法を教えて貰ったのかな?
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ライナとクラウは笑いながら死闘を繰り広げています。
クラウには余裕がありそうですね。
ライナはクラウと取り引きがしたかったので彼を殺す事はできません。
殺さないように手加減して戦っていたのですが、このままでは自分が殺されてしまいそうです。
ライナは止む無くクラウを殺す覚悟で戦う方向に切り替えます。
クラウ相手に舐めていたと言えますね。
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本気になったライナは禁呪祖を使うクラウに拮抗する戦いを展開しました。
クラウはライナの唱える魔法に対してカウンターとなる魔法を唱えて対抗していました。
ここにライナが戦闘中に仕掛けていた罠がありました。
ライナは魔法の詠唱速度をクラウが抗魔法を唱えられる速度に落していました。
それを最大速度に引き上げます。
自分の魔法を完成させたライナはクラウの抗魔法の詠唱中に呪文の改変を行います。
これにはクラウも驚いていました。
クラウは魔法を放棄して禁呪祖から出てきた蛇をライナの背後から近づかせます。
同時にライナは回避不能な距離で雷の魔法を発動状態にしました。
これでお互いが動けなくなります。
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そこにクラウの副官であるシュスを拘束したフェリスが登場しました。
ライナは話を聞いてくれないとシュスを殺しちゃうぞと脅します。
クラウは同士討ちになってもライナの事は此処で殺しておいた方が良いなと高評価しています。
しかしライナと同士討ちになりシュスも殺されてしまうのは割にあわないと判断してライナの話を聞く事になります。
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ライナは自分たちがスターネルを捕まえてくるので時間をくれとお願いしました。
ライナの作戦はスターネルを捕まえてローランドに引き渡し、トアレを国外に逃がすってモノでした。
クラウは出来るのか?と疑ってきますね。
クラウを丸め込む為にライナは極悪な作戦を用意していました。
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ライナはトアレと既に合流している。
そしてトアレが率いる1万の集団にローランド帝国の旗を渡してある。
その集団をルーナ帝国の近くに潜ませてある。
ローランド帝国兵に偽装したトアレたちにルーナ帝国に攻め込ませてルーナ帝国の兵を見つけたら怯えて逃げ出した演技をしてやるぞ、と脅しました。
これは酷い、凄く酷い。
シオンはローランド帝国の強さを他国に見せつけようとしています。
そんな時に敵国の兵士を見て逃げ出したりしたらローランド帝国は意外と弱いぞと思われてしまいます。
クラウは悔しそうな顔をしていました。
彼にはライナの作戦の狡猾さが理解できたようです。
彼はライナの提案を呑みシオンに報告する為に一旦ローランドに帰る事を請け負います。
クラウが帰っている間はネルファでの虐殺を止めるようです。
クラウから多くの人間の命を背負う覚悟はあるのか?と問われたライナは疲れた顔をしているね。
覚悟はできているようですけど辛そうだぞ。
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ライナはシオンへの伝言をお願いしています。
「俺は友達を裏切らない」
これはトアレを救う理由を聞かれたライナが答えた言葉でした。
同じ事をシオンに伝えて欲しいとお願いします。
クラウはそんな臭い台詞は伝えたくないと文句を言っています。
フェリスは便乗してウィニットだんご店の串だんごを二千ケースネルファに届けなさい直ぐに届けなさい、と伝言を伝えます。
クラウはふざけんな!と怒鳴っていました。
クラウはライナとフェリスのウザさに辟易しています。
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クラウの事を丸め込む事には成功しましたがライナとフェリスにはやる事が山積みです。
トアレと合流しているっていうのは嘘でした。
ライナはまだトアレと会っていません。
トアレの元にはキファが向かってくれました。
ライナがキファは大丈夫かな?と問うとフェリスは、あのブリッ子ならば大丈夫だろう、男の扱いがうまそうだ、と返答します。
ライナはフェリスとキファが上手くいっていない事を心配しています。
何故上手くいっていないのかは分かって無いようです。
二人はキファを追いかける事になりました。
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第二章 彼の背負う重荷
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キファは一人でトアレの行方を追っていました。
単独行動だったので独り言が増えていきます。
彼女は諸国を廻っている間に独り言で時間を潰す癖が付いていました。
キファはフェリスがライナと一緒に行動している事に不満を抱いています。
ライナから真剣な顔で作戦の一番重要な部分をキファに任せると言われた事が嬉しいそうでう。
思い出してニヤニヤしていました。
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トアレはキファを殺すような真似はしないが、彼に従っている兵士たちは殺気立っているので気をつけて、とライナは心配していました。
キファはライナに心配されている事も嬉しいようです。
慎重にトアレたちを追いかけているキファはローランドから戻ってきたイリスと再会しました。
イリスは一度ローランドに戻り、作戦の重要アイテムとなるローランドの旗を大量に持ってきました。
さらにローランドに残っていたアルアとククを連れてきました。
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キファはアルアの大人びた雰囲気に彼が苦労して来たんだと感じています。
キファが自己紹介するとアルアは嬉しそうな笑顔を浮かべてライナ先生の弟子ですと自己紹介してくれます。
ククはアルアの婚約者ですと自己紹介しました。
これを聞いたアルアは真っ赤になっていますね。
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アルアはキファが考えていたのと同じ考えを先に説明してくれます。
アルア、クク、イリスが先行してローランドの旗を持ってルーナの国境に向かう。
キファがトアレを探して説得する事になります。
アルアの優秀さにキファは驚いています。
イリスは何も分かっていないような感じで逆立ちしながらだんごを食べていました。
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キファはトアレの部隊を発見します。
そしてトアレに声を掛けました。
トアレは自分を見つめてくるキファにドキドキしています。
彼女の事を綺麗な子と感じています、これをキファに教えてあげたいよね。
現在の彼女はフェリスに対して劣等感を抱きつつあるので。
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キファはライナの真似をして彼の言葉を伝えます。
「おートアレ、久し振りー。でもって、おまえピンチみたいだから、めんどいけど助けにいってやる。理由は友達だから。オッケー?」
言われたトアレはライナならそう言うだろうなと感じてキファの話を信じる事にします。
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キファは入手していた情報よりもトアレの率いる集団が大きい事に驚きます。
最初はスターネルに捨て駒にされた1万の兵だけだったそうですが、トアレが遂に王位に就こうと決断したと勘違いした民衆が合流してきてしまったそうです。
総数は三万数千になっていました。
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トアレは付いてきた民衆も一緒じゃなきゃ話には乗れないと言っています。
キファはライナならばめんどくさい、と言いつつ全てを助けようとするだろうから大丈夫だと請け負っています。
トアレはキファの提案に乗り集団をルーナ国境付近に移動させる事にしました。
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ローランドに居るシオンは別の世界を見つめていました。
シオンは狂った悪魔と混ざり始めているようですね。
現実世界と別の世界が重なって見えるようになっています。
ルシルはライナを喰わないで前に進む事を決めたシオンの判断を面白いと言っていたそうです。
本来ならばライナを喰って扉を開けていなければいけないようです。
ルシルは扉を開けないで前進する事になるので狂った過去を繰り返さない、面白い展開だと言っています。
そこにフロワードが報告にやってきました。
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彼はシオンの様子をみて心配そうにしています。
ライナが逃げた事を報告してきました。
シオンはフロワードが報告する前からライナが出奔した事を知っていました。
シオンはライナがローランドから逃げ出せばわかるようになっていると教えています。
フロワードにはシオンの真意が分からないようです。
フロワードはシオンはルシルから報告を受けたと判断したようです。
シオンはルシルからフロワードのことを得難い優秀な手駒だから大事にするようにと言われたと教えます。
フロワードは嬉しそうにしていますね。
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フロワードはネルファから送られてきたクラウの報告書をシオンに渡します。
そこにはライナが立てた作戦が書かれていました。
シオンはライナが困っている自分を親友として助けようとしていると分かり嬉しくなります。
ライナの考えた作戦は確かに有効でした。
しかしシオンはライナの作戦に乗る事はありませんでした。
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フロワードに命じて皆殺し作戦を展開するようです。
「バユーズも連れていけ。すべてを一瞬で片付けろ」とシオンは命じました。
フロワードは凄く嬉しそうです、シオンが彼の望む理想の王様として動いてくれるのが嬉しくて仕方ないようです。
フロワードだけが充実感に満たされて幸せそうですよ。
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フロワードが出ていくとシオンは別の世界に意識を向けています。
女神の攻撃が激しくなっているようです。
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第三章 僕の背負う重荷
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ライナとフェリスは馬を走らせトアレの元に急いでいました。
フェリスがライナに対して優しさを示してくれます。
ライナが無理をしている事が分かった彼女はだんごが食べたいと我儘を言い出し馬を止めてしまいます。
ライナはフェリスのおフザケに辟易していました。
しかしこれが彼女なりの気遣いだと分かり困ってしまいました。
フェリスは一人で頑張り過ぎるなとライナの事を心配してくれます。
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フェリスは疲れているライナと二人乗りを慣行します。
ライナの事を気絶させて彼女が馬を操る事になりました。
自分だけ休む事を渋るライナを無理やり気絶させて休ませるのがフェリスらしいです。
ライナは安らかな眠りにつく事になります。
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ライナはシオン、フェリス、ライナの三人でシオンの執務室で仕事をしていた頃の事を夢に見ています。
ライナはこの時に戻れるのならばどんな代償を払っても良いと思っていました。
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ライナが目を覚ますとトアレの率いている集団と合流していました。
集団の中をフェリスが操る馬に乗り移動しています。
ライナはフェリスが寝ないで馬を走らせてくれたと理解して彼女に眠るように勧めます。
ライナが目覚めて安心したのかフェリスはライナの背中に頭を預けて寝てしまいました。
フェリスはライナの事を信頼しているね。
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ライナは集団の中にいたネルファの軍服を着た人に声を掛けます。
トアレ・ネルフィの率いている兵だよね?と問いかけると彼はライナの事を知っていました。
カザール・セルエス少佐と名乗った彼はライナをトアレの元に連れて行ってくれます。
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戻ってきたライナを見つけた、イリス、アルア、ククがやって来ます。
ライナはフェリスを起こしますが彼女は「お姫様だっこ」で寝床まで連れて行けと命じてきます。
フェリスはキフェに対して牽制をしようとしたようでね。
ライナを廻る二人の争いは静かに幕を開けたようです。
イリスがお姫様だっこをされているフェリスに飛び付いてきます。
ライナはイリスの重さも加わり苦しそうです。
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キファがトアレを連れてテントから出てきます。
ライナがフェリスをお姫様だっこをしている姿を見て不満そうな顔をしています。
キファはお姫様だっこが羨ましかったようです。
ライナを見て不満そうにしているキファを見てトアレが不機嫌になっています。
ライナにはトアレの機嫌が悪くなった理由が分かりませんでした。
トアレも説明するつもりは無いようですよ。
ことらでもキファを廻る争いが勃発しそうな感じです。
ライナがモテモテ君になっている感じです。
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ライナはトアレを助けに来た理由を教えます。
トアレは最初ライナの事をシオンの手先かも?と疑ったのですが、ライナの目的を聞いて納得してくれます。
ライナはシオンを助ける為にトアレを殺させないと説明しています。
ライナとシオンは考え方が違うと説明します。
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トアレは流石ですね。
ライナとフェリスはトアレの指定したテントの中にいます。
フェリスは寝ています、ライナとトアレは今後の事に付いて話していました。
その周りをネルファの兵に包囲させていました。
彼は指導者らしく周到になっているようです。
殺気に気が付いたフェリスが起きますがライナは問題無いから寝ていろと言っています。
いざとなったらトアレを人質に取れば問題ないとライナが告げるとフェリスは納得して眠り始めます。
彼女は相当疲弊しているようです。
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ライナはシオンが最短の道で世界の争いをなくそうとしている。
その為に多くを救う為に少ない方の命を犠牲にすると教えます。
ライナはその少ない犠牲をだしたくないのでシオンとは別の方法を取りたいと考えていると説明しました。
友達が泣くのは嫌い、と言ったライナの言葉をトアレは信じる事にします。
ライナはシオンを救うのを手伝ってくれるか?と言ってトアレに手を差し出します。
ライナは自分の行動がシオンが自分を勧誘してきた時に似ているなと感じています。
トアレはライナの手を取りました。
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ライナがトアレに計画を説明し始めようって時にシュスがやって来ました。
彼の来るのが速すぎないか?とライナは訝しみます。
シュスの苦し気な表情が嫌な予感を加速させますね。
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シュスはライナの提案に対してシオンからの回答は無かった。
彼はクラウからの伝言を持ってきたと言っています。
クラウは「逃げろ」と言ってきました。
クラウの部隊は二日ほど行軍を止めるそうです。
その間に逃げろと言ってきました。
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ローランドは既にルーナ帝国との戦端を開いたと教えてくれます。
ローランドの部隊を指揮しているのはフロワードとバユーズ元帥だと教えてくれます。
ルーナは降伏を宣言したのにローランド軍は聞き入れないで虐殺を続けているそうです。
クラウがそれをライナに教えてくれたのは彼はシオンのやり方に不満があるからのようですね。
ライナはシオンが自分の提案に乗ると確信していたのですが違いました。
シオンはもうライナが予想できない位に闇に落ちちゃったようです。
シュスは次にあったら敵同士ですと言い残して帰って行きます。
彼にクラウに助かったと言っておいてくれと伝言を託しました。
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自分の計画が狂っちゃった、とライナはトアレに謝っています。
横で話を聞いていたトアレは自分が処刑される事でネルファは助からないか?と問いかけてきます。
ライナは無駄だ、ローランドはネルファの降伏は受け入れない。
どこまで虐殺すれば満足するのか分からないと告げます。
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ライナはクラウの助言に従い逃げる事を決めます。
トアレに付いてきた民衆は西に逃がして自分たちは北にあるカッスラ―自治聖都の方に向かおうと宣言します。
これを聞いたセルエス少佐はライナの事を信用する気になりました。
彼は部下に指示をだして行動を開始します。
トアレは残ってローランドとの交渉をしようと提案してきますがライナが止めます。
トアレが動けば集団の行動力が上がるだろうから彼には先頭で逃げて貰う事になります。
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しかし悲劇は加速します。
逃げる準備が整う前にローランドの先遣隊が大規模魔法を仕掛けてきました。
ライナは驚愕しています。
まさかここまでやってくるとは思っていなかったようですよ。
ライナの認識はまだまだ甘いようです。
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ライナは複写眼を使い次に発動される大規模魔法を解析します。
雷を放つ魔法だと分かります。
傍に居たネルファの魔導兵に抗魔法の準備をさせる事になります。
次にどんな魔法が来るのかライナに何故わかるのか疑問に思われてしまいました。
まあそうだよね。
ライナは自分は複写眼保持者だと教えます。
それを聞いたネルファの魔導兵は、この状況では複写眼を持っているのは心強いと言ってくれます。
結構凄い人なのかも知れないね。
複写眼を持っていると言われても恐慌状態に陥る事はありませんでした。
彼に雷の魔法が来るので水の抗魔法を唱えるようにお願いしました。
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キファが心配そうな顔でやって来ます。
彼女は自分がライナやフェリス程の戦闘能力が無い事を熟知しているので一緒に来るとは言いませんでした。
キファはライナに死んではダメと告げてきます。
彼女はライナはこれから多くの人を救う事になるかも知れないのでここで死んではダメと告げてきます。
何でも自分のせいだと思い込むライナが心配だったようです。
ライナが死んだら自分は自殺するからね、だから死んじゃだめ、と脅してきました。
キファの強い愛を感じますね。
ライナとキファは再会を約束して別れる事になります。
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ライナはフェリスを連れてローランドの先遣隊の元に突撃する事になります。
ライナの元にアルアがやって来て重要なアイテムを渡してきました。
それはライナが用意させたローランドの旗でした。
アルアはこれがあればローランド兵に近づきやすくなると言っています。
ライナはアルアの優秀さに嬉しくなっています。
アルアにクク、キファ、イリスを守れと命じてローランド軍に向かって突撃していきました。
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ライナはフェリスに謝っています。
突撃するのは二人だけです。
相手にするのは三千人近い部隊です、死ぬ可能性が高いです。
二人はライナの考えた作戦とも言えない行動をとる事になりました。
ライナがローランド軍が唱えようとしている大規模魔法を書き換える事にします。
その間ライナが動けなくなるのでフェリスがライナを守る事になります。
フェリスが死んでしまう可能性が高いです。
ライナは危なく成ったら一人で逃げろよとお願いしています。
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二人は行動を開始します。
ライナは大規模魔法の書き換えを始めます。
フェリスは襲い掛かってくるローランド兵の相手を始めます。
直ぐに対処しきれなくなった彼女は攻撃を受けて傷ついていきます。
しかしライナにはフェリスを助けに行く余力はありません。
ライナはフェリスの悲鳴を聞きながら魔法の完成を急ぎました。
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ライナは大規模魔法の書き換えに成功します。
魔法が発動してこの周囲では魔法が発動できない状態となりました。
ライナが使ったのは彼が作り出したオリジナルの魔法です。
ローランドの魔導兵はその構造を知らないので解除は困難です。
フェリスは傷だらけで倒れそうになっています。
その後ろからローランド兵が彼女の首を落とそうとしています。
魔法が使えなくなったのでライナにかかっていた身体強化の魔法も無効化されています。
動きの遅い体に文句を言いながらライナはフェリスを庇いました。
彼は左肩を斬られてしまいます。
フェリスを抱きしめたまま転がり敵から離れます。
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ライナはフェリスを怒鳴りつけます。
「おまえが死んだら俺、泣くって言ってんだろうが!ふざけんじゃねぇぞ、もう!」
フェリスは呆然として少し顔を赤らめています。
そこまでライナに大切にされていると分かり、照れたようです。
フェリスは謝ってきますが、ライナは許しませんでした。
「うう?では、どうすればいい・・・?」
珍しい、フェリスが弱腰になっています、ライナに向かってどうすれば良い、なんて聞いてきましたよ!!
なんだこれ、なんだこれ、すげー可愛いぞ。
キファが今の二人を見たは敗北宣言を出すかもしんない。
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ライナはフェリスを抱きかかえたまま逃走を始めます。
フェリスの右腕は動きます、器用に剣を振って敵を薙ぎ払いながら逃げる事になりました。
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逃げ出すライナはネルファの大規模魔法が発動しつつある事を感知しました。
ライナの放ったオリジナル魔法の効果で魔法が使えなくなっているローランド軍は大混乱に陥ります。
もうライナとフェリスに構っている余裕は無くなります。
自分たちは魔法が使えないのに一方的に大規模魔法の餌食になってしまう。
彼らは壊走を始めました。
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ライナはネルファ軍から発動されそうになっている魔法を見て感心する事になります。
それはアルアが即興で作らせた魔法のようです。
見た目は派手ですが攻撃力皆無の見かけだけの魔法でした。
ライナはアルアに助けられてしまったな、と彼の成長ぶりに嬉しくなっています。
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ライナはこれで逃げ切れると安心したのですがローランド軍には奥の手がありました。
彼らは勇者の遺物を使ってきました。
ライナがルーナ帝国で遭遇した周囲が閃光に包まれた後大破壊を引き起こす遺物です。
トアレが率いていたネルファの集団の三分の一が消えてなくなりました。
ライナは、ふざけんなよシオン、と叫んでいます。
しかし絶望するのはまだ早かったぞ。
ローランド軍は次の勇者の遺物を発動しようとしてきます。
これが発動するとトアレの部隊は全滅してしまいます。
ライナはもう駄目だと絶望する事になります。
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そこに場違いに軽薄な声が響いてきました。
「わー、なんだか緊迫した雰囲気ですねぇライナさん。ここで僕がみんなを救ったら、僕ってば幼女なみなさんから熟女なみなさんまで、モテモテ君になりますかねぇ?」
やって来たのはイエット共和国で知り合ったヴォイス・フューレルでした!!
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ヴォイスはローランドが使おうとしている勇者の遺物を知っているようです。
『魔獣消し(エルアムス)』ですねと言っていました。
ヴォイスは対抗可能な『寄神虫(ユーロス・エルマ)』を使いローランドが放った勇者の遺物の効果を打ち消してしまいました。
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ライナは突然ヴォイスが現れて困惑しています。
何しに来たんだ?と問いかけています。
ヴォイスはライナを助けに来ましたと告げます。
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ヴォイスとは勇者の遺物が暴走してイエット共和国が崩壊してから会っていませんでした。
ライナと離れていた間にヴォイスは『反ローランド連合軍』を組織していたそうです。
そしてライナに自分の作った反ローランド連合軍の王に成って欲しい、と言ってきました。
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ヴォイスは、世界は英雄王シオン・アスタールを必要としていない。
必要とされているのは、シオン・アスタールという呪われた化物を殺す力。
ルシル・エリスという名の、狂った勇者の剣を消滅させる力です、と語ります。
あの狂った悪魔を殺しましょう、彼は世界のバランスを崩す者だ、すべての者の、光を奪うものだ。
『女神』がそれを許さない。
「・・・あなたの手で、シオン・アスタールを、殺してください」
ライナは混乱しています。
訳が分かりませんねー。
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ライナはヴォイスの言った『女神』って単語に反応しています。
酷くライナの心を不快にさせています。
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ヴォイスが「ああ、彼女たちも、きましたね」と告げると頭の中に声が響きました。
《平伏せ、ムシケラ》
ライナは馬に乗っていたのですが抱えている気絶しているフェリス共々転げ落ちます。
そして体が勝手に動いて地面に顔を押し付ける事になりました。
それの姿を見たライナは悲鳴をあげる事になります。
恐らくシオンに襲い掛かっているものと同じものを見たんじゃないでしょうか?
あてはキモイからねー。
ヴォイスがどこで女神の存在を知り得たのか謎ですね?
ヴォイスの登場は、シオンが予想を超えて残虐になっていて、困った状況に陥っているライナの福音となるのでしょうか?
あの悪党ヴォイスですからねー、信用できるのか疑問だけどねー
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成分美女魔法恋愛英雄変態
評価AAAAAAABA
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