ラノベの感想) 大伝説の勇者の伝説 第9巻 落ちこぼれの悪あがき (富士見ファンタジア文庫)

レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2010/12/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:978-4-8291-3594-5
雰囲気:シオン困惑、フェリス焦燥、優秀なキファ、蒼の公主の友情、レムルス帝国の異様、決断するシオン

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PROLOGUE よろめき
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シオンはレムルス帝国を倒す為に大胆な作戦を実施していました。
自分を囮にする為に最前線に出向いています。
敵の軍勢がシオンを追いかけて突出してくるように仕向け、手薄になった後方からクラウとバユーズが敵の背後を突く作戦です。
シオンはレムルス帝国の兵士が放つ通常の攻撃魔法の射程圏内まで出てきていました。
レムルスの呪いを解くのに忙しいルシルが出てきてシオンを護っています。
ルシルはシオンに後退するようにお願いしています。
シオンを護るのは面倒だ、お願いだから引いてくれと言っています。
しかしシオンはルシルの助言を無視しています。
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シオンはレムルス帝国のある方角で何かが起こっていると察知していました。
シオンはレムルス帝国兵の攻撃を防ぐ為にアスルード・ローランドの力を使います。
『剣よ』と命じると黒い剣が出てきます。
その黒い剣をレムルス帝国が発射しようとしている大規模攻撃魔法の魔方陣に投げました。
すると大規模攻撃魔法の魔方陣は消えてしまいます。
さらに魔法を唱えようとしていた兵士の記憶まで消えていて、何をしようとしていたのか分からなくなっています。
シオンにも己自身で発動できる破格の能力があったのね。
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シオンはレムルス帝国で何が起っているのか知りたいのでアスルード・ローランドの力を使いました。
レムルス帝国で何かが起こったようです。
シオンは世界が書き換えられた事を感じとりました。
レムルス帝国の兵士が撤退を始めます。
これによりシオンはレムルス帝国で何かが起こった事を確信します。
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撤退するレムルス帝国の兵士たちはローランド帝国が放とうとする大規模攻撃魔法への対策をする事無く逃げていきます。
シオンにはまるで追ってきて欲しいように思えました。
ルシルに相談すると彼は追うのが良いのか引くのが良いのか分からないと言っています。
シオンの元にクラウが敵の後方を突く事に成功したとの報告が入ってきました。
更にレムルス帝国は敗北を認めローランドの支配下に入りたいと打診してきたそうです。
シオンは悩む事になります。
レムルスはシオンの中に居るアスルード・ローランドの存在を知っていました。
当然シオンの能力の事も知っていると思われます。
このままローランド帝国の支配下に入れば、レムルス帝国のニンゲンはニンゲンαに書き換えられます。
そうするとシオンの力が一気に大きくなる事になります。
レムルスとしてはそれを止めたい筈なのですが・・・
シオンは戦闘を中止して進軍を止める事を命じます。
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レムルス帝国との戦争には勝利したので勝鬨を上げさせます。
シオンはクラウの元に向かう事にしました。
レムルスはライナを手に入れたのでシオンを誘き出そうとしているかも知れないね。
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第一章 とまどい
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ライナが拉致されたと理解したフェリスは胸が苦しくなります。
それが何でなのか分からないようです。
ライナを探す手掛かりは全くありません。
フェリスはこの場に信頼できる仲間が一人居る事に気が付き彼女の元に向かいます。
フェリスが向かった先はキファの部屋でした。
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キファは自分の部屋でスフェルイエット民国について調べていました。
調べる程ヴォイスが作った制度が良く出来ている事が分かります。
ヴォイスを出し抜いて権力を掌握するのは難しそうな事が分かりました。
しかしキファはライナの為に頑張れる現状に幸せを感じていました。
ドアを乱暴に叩く音が響きます。
キファは敵の襲撃を警戒しますがやって来たのはフェリスでした。
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キファがカギを開けようとしますがフェリスは遅いと言って扉を細切れにして入ってきました。
フェリスは焦った様子でライナが来ているか聞いて来ました。
キファにはフェリスがライナの浮気を疑う奥さんの様に見えました。
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フェリスはライナの部屋に行ったが目の前で化物に連れ去られたと説明してくれます。
腕が七本あり球状の頭に沢山の瞳がある化物だと言っています。
キファは最初冗談かと思ったようですがフェリスの余裕のない表情を見てライナが拉致されたと確信しました。
キファはヴォイスの手の者がライナを拉致した可能性があるか検討します。
キファの部屋を伺っている人間の気配はしませんでした。
ヴォイスが拉致した可能性が低そうだと判断した彼女は手掛かりを探す為にライナの部屋に向かいます。
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ライナの部屋には魔術の痕跡を始めとする手掛かりは何もありませんでした。
フェリスはライナを探しに行くと言って部屋を出て行ってしまいます。
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キファは自分を落ち着けようとしていました。
ここで冷静さを失うと取り返しが付かなくなると考えています。
彼女は必要ならば己の気持ちを殺す事ができる様です。
冷静になったキファは化物について詳く、協力を要請できる人物を思い出しました。
彼女が思い付いたのはレファルでした。
レファルならば協力してくれる筈だと思いフェリスに知らせに行きます。
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フェリスは直ぐに見つかりました。
彼女もライナの捜索を助けてくれそうな人物に心当たりがあると言っています。
キファはヴォイスの名前を上げてくると思ったようです。
フェリスが上げたのはシオンでした。
フェリスは、ライナが化物に拉致されたと知ればシオンは協力してくれる筈だ、と自分に言い聞かせています。
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キファはフェリス程シオンの事を信用していません。
王立特殊学院時代のシオンならば協力してくれるだろうけど今のシオンは協力してくれるのか未知数に思えました。
キファはレファルの名前を出す事はしませんでした。
フェリスが信じているシオンを信じてみる事にしたようです。
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フェリスはキファの事を名前で呼んできました。
急いで出発しようとしているフェリスをキファが呼び止めます。
「フェリスさん」と声を掛けても無視されたので「フェリス」と呼び捨てにしてみる事にしました。
フェリスは嫌そうな顔を向けて立ち止まってくれます。
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キファはライナ、ファリス、キファの分の身分証を偽造していました。
フェリスは優秀だな、とキファを誉めてきます。
キファはフェリスを自分の部屋に連れて行き旅に必要な装備を整える事にします。
キファは素直に付いてくるフェリスの反応を可愛いなと感じています。
恋仇としても彼女は手強いなと感じていました。
キファとフェリスはシオンを訪ねてローランド帝国軍本体に向かう事になるようです。
シオンは二人に会ってくれるのでしょうか?
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第二章 にんげん
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スフェルイエット民国に戻ってきたヴォイスはライナ、フェリス、キファが出奔した事を知らされます。
何なんだよー、と憤りを示しています。
彼の側近のハーミットは自分の力不足でしたと恐縮しています。
いつも冷静な顔をしているハーミットが狼狽えている姿を見てヴォイスは悪戯心が刺激されています。
彼女を虐めて遊んでいました。
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ヴォイスはフェリスの部屋に行ってみる事にします。
そしてハーミットに部屋の中を調べされています。
フェリスは旅支度をしないで出て行った事が判明しました。
ヴォイスはハーミットに命じて残されていたフェリスの下着の色を聞いています。
フェリスの下着は白とピンクだと判明しました。
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次にライナの部屋に行ってみます。
彼の部屋にも荷物は残されていました。
ライナが読んでいたと思われる資料はスフェルイエット民国の裏側が隠されたモノでした。
これによりヴォイスのしている事がライナにバレた可能性が消えました。
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最後にキファの部屋に向かいます。
彼女の部屋はキチンと整理されていて、彼女の荷物が消えていました。
ベッドメイクまで成されていました。
ヴォイスはキファがハーミットの目を盗んで集めたスフェルイエット民国の資料を発見します。
それはヴォイスが隠そうとしている項目を含んだものでした。
ヴォイスはキファの事を軽視していたのですが彼女の優秀さに気が付いたようです。
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ハーミットに秘密にしたかった事柄がキファにバレていた事を伝えます。
ハーミットは消沈していました。
ヴォイスはキファの部屋の調査をハーミットに任せてキファが寝ていたであろうベッドで眠る事にします。
ハーミットに添い寝してとお願いしてから、キファに情報が筒抜けだった罰則として添い寝を禁じます。
自分が目覚めるまでに何らかの手掛かりを発見していなかったら怒るよと言いつけて眠る事にします。
ハーミットは顔面蒼白で手掛かりを探し始めました。
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キファの使っていた枕の匂いを嗅ごうとしてヴォイスはキファからの手紙を発見してしまいます。
手紙にはヴォイスの事が信用できないので国を出て行くと書かれていました。
更にキファへの連絡方法も書かれています。
ハイルムス共和国のスル村の宿屋に連絡して欲しいと書いてあります。
連絡役に尾行を付けた場合、二度とヴォイスの元には戻らないとの脅しまで書いてあります。
キファは世界を放浪している間に独自のネットワークを構築したようです。
ヴォイスはキファの事を自分の部下に欲しいと思うようになっています。
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キファの手紙の本題はライナが化物に拉致されたので探しに行くって事でした。
ライナを拉致したのは腕が七本ある球状の頭に無数の瞳を持つ怪物だったそうです。
そいつがライナを拉致する場面をフェリスが目撃したそうです。
ヴォイスに心当たりがあれば連絡して欲しいと書かれていました。
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ヴォイスは化物がレムルス・レムルド・アークエドだと判断しました。
レムルスは『這い神』と呼ばれる化物で女神から軽く見られていました。
あまり力がないので『女神』『勇者』『悪魔』のような伝説や伝承は残っていません。
ヴォイスもレムルスの事を軽視していました。
レムルスが建国した事は知っていましたが北上してくるローランド帝国の足止めになれば良いな、と軽く考えていました。
ヴォイスは自分の目論見の甘さを反省しています。
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今ライナがスフェルイエット民国に居ないことが世界にバレると不味い事になります。
悪魔王ライナ・リュートが居ることで他国はスフェルイエット民国に攻め込めないでいます。
そのライナが居ないと分かれば他国が攻め込んでくる事が予想されます。
ヴォイスはどう動くのが効果的か考えていました。
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悪いことは重なりますね。
スフェルイエット民国に襲撃者が現れます。
襲撃してきたのはローランド帝国に所属するミラン・フロワードでした。
フロワードは影狼を使いヴォイスを喰おうとしてきます。
ヴォイスは忘却欠片を使いフロワードの影狼を防ぎました。
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ヴォイスとフロワードの駆け引きが始まります。
フロワードは爆発的な破壊力を持つ『魔獣消し(エルアムス)』を放とうとしてきます。
ヴォイスは対抗手段の『寄神虫(ユーロスエルマ)』を持っています。
しかし使うには影狼を防いでいる結界を解く必要がありました。
ヴォイスは迷います。
エルアムスを防がないとスフェルイエット民国の中心地で大爆発が起こり国が崩壊してしまいます。
ヴォイスは結界を切りユーロスエルマで迎撃して、自分は窓から逃げる事にします。
しかしフロワードはエルアムスを使ってきませんでした。
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フロワードはヴォイスが提唱する平和協定が無意味だと教えようとしたようです。
フロワードにヴォイスに取って最悪な情報が齎されました。
ヴォイスの部下を拷問したフロワードの部下がライナが出奔した情報を掴みました。
フロワードをそれを世界中に喧伝してやると言って去っていきます。
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ヴォイスはフロワードを確実に始末する為に自らユーロスエルマを放つ事を決めます。
七方向にユーロスエルマを放ちフロワードの居場所を特定しようと決めました。
フロワードは対抗手段となる忘却欠片を持っているそうなので一方向だけユーロスエルマが阻止される事になります。
ハーミットに命じて自分の部下を集めてからユーロスエルマを放つ事にしました。
ハーミットは慌てて部隊を集結する為に飛び出していきました。
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ヴォイスはこれから数十万の人間の命を奪う事への衝撃に耐える準備をしています。
彼も人を殺す事は気が咎めるようです。
フロワードの言っていた人間は弱いから、あまりの恐怖に手に入れた武器を手放す事ができないってセリフを思い出しています。
そして「・・・ああ~、私は人間だなぁ」と感慨深げに小さく呟きました。
ヴォイスも傷付きながら前進しているようです。
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第三章 レムルス帝国
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ルークはレムルス帝国の内偵を続けていました。
街の雰囲気はとてもローランド帝国と戦争をしているようには見えません。
家族を徴兵された野菜売りのおばさんは、そんなことを感じさせない笑顔を見せています。
出稼ぎに来たといったルークにレムルス帝国で生活していくなら教会に行き教師様に会うと良い、とアドバイスしてくれます。
ルークは宿屋に向かいます・・・そこの店主も教会に行って教師様に会えと言ってきました。
ルークは夜を待ち街の中心にある教会に潜入する事を決めます。
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夜になるとルークは周囲に自分を監視している気配を感じました。
宿屋から逃げ出しますが徐々に囲まれてしまいます。
敵の気配はあるのですが姿が見えません。
ルークの頭に教会に行けとの声が降ってきました。
ルークが抗っていると敵が姿を現します。
出てきたのは街の住民でした、何らかの洗脳が施されているようです。
ルークは囲まれてしまい殴り倒されてしまいます。
気が付い時には教会の中に寝かされていました。
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そこにはルークの他にも人間が寝かされていて洗脳が行われていました。
ルークはリューラから女神などの化物の洗脳を解く方法を教えられています。
リューラとの出会いを思い出す事になります。
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ルークはローランド帝国が行っていた人体実験の被験者でした。
彼の脳は改造されていて感情を失っていました。
ルークは幼い頃からこの世界が何者かに操られている事に気が付いていました。
リューラは感情を持たないルークを使えると思い近づいてきたそうです。
リューラはニンゲンは重要な場面で感情に流されてしまう。
感情の無いルークならば適切な判断力を失う事無く行動できると期待していました。
そしてルークに『勇者』『女神』『司祭』の存在を教えたそうです。
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ルークはミルクが特殊な存在だと最初から知っていたそうです。
リューラはミルクは無意識のうちに周囲の人間を誑かす魔法を垂れ流している、と言っていました。
彼女に好意的な人間が彼女の周囲に溢れているのはそういう理由だったのね。
ルークはミルクに洗脳されていると気づいているのですが、彼女の傍に居続けました。
彼女の事をローランド帝国の核心の一つと判断したから一緒にいたようです。
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ルークの頭の中に彼を呼ぶミルクの声が聞こえてきました。
《ルーク。私のそばに・・・》《ルーク》
ルークはミルクの洗脳を解く事も出来ましたが彼女に従う事を選びます。
ルークは自分が感情に流されたと嬉しそうにしていましたが、どうなんでしょうね?
まだミルクに従っていた方が有利だと判断したのかもしれないね。
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ゾーラとぺリアはライナを助ける為にレムルス帝国に向かっていました。
彼らがライナを助けに行く事になったのはヴォイスから手紙が届いたからでした。
ヴォイスは下ネタを交えながらピアにライナ救出をお願いしてきました。
彼の方はライナの不在がフロワードにバレタので彼を殺すのに忙しいのでライナ救出に手をまわせないそうです。
フロワードの事は任せて欲しい、ライナの事をお願いします、と書かれていました。
ピアは状況が緊急を要すると判断してゾーラとぺリアを差し向けたようです。
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ゾーラとぺリアにはピアはライナに甘すぎるとの不満があるようです。
馬で疾走しながら不平を述べ合っています。
一旦ライナの救出は止めようぜ、と意見の一致を見ましたが、彼らは止まりませんでした。
二人は仲間は見捨てないそうです。
再三の仲間になれって誘いを断り続けたライナに対して随分と親切です。
ライナは思いの外多くの人に愛されているようです。
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途中の国で兵士に襲われますが二人は意に介しません。
敵の馬を奪い取りレムルス帝国に急いでいます。
救出された暁にはライナは二人に大いに感謝するべきだね。
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シオンはクラウがレムルス帝国兵と交戦した場所に向かっています。
近付くにつれてシオンの気分が悪くなり、何かが起こっていると予感しています。
クラウがシオンの事を呼びに来ました。
彼は見せたいものがある、と言ってシオンを丘の上に連れて行きました。
不安になたシオンはルシルにクラウが洗脳されているのか聞いています。
ルシルは洗脳されていないと返答しました。
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丘の上にはミラーとバユーズが待っていました。
シオンの眼前に異様な光景が広がります。
レムルス帝国の兵士が跪くかのように地面に伏せています。
その背中から七本の腕が生えていました。
腕を生やした兵士は互いの手を繋ぎ合っています。
シオンは「なんだ、これは」と言葉を漏らしました。
レムルスが何かをやっているようです。
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不味い事にローランド帝国の兵士も異様な現象に巻き込まれたそうです。
事態が発生したのが一時間程前だそうです。
近付くと近づいた人間も同じ目に遭ってしまうので対策が無いそうです。
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ミラーは忘却欠片を使って吹き飛ばそうと進言します。
シオンは悩んでいますね。
そこにシオンを訪ねて女が二人やって来たとの連絡は届きます。
二人はフェリス・エリス、キファ・ノールズと名乗っていてライナがレムルス帝国に拉致されたので救出を手伝って欲しいと言っています。
シオンはフェリスとキファがやって来てライナが拉致されたと言っていると聞かされて動揺します。
直ぐに動いた方が良いと判断しました。
忘却欠片を使って進軍を続ける事を決めます。
フェリスとキファはレムルス帝国に連れて行く事にしました。
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ミルク・カラード(円命の女神)はレムルス帝国の首都エッテランに居ました。
そこでレムルスのやろうとしている事を観察しています。
彼女にはレムルスが何か大きな魔術を使おうとしている事が分かりました。
レムルスはニンゲンを魔法化しているようです。
ニンゲンの中の魔力を使い大きな術式を起動しようとしているようです。
『這い神』のレムルスには、これほど大きな力は使えないそうですが、レムルスは解決策を見つけたようだ、と予想しています。
解決策とはライナの事なのかも知れないね。
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危機的な状況に陥ったミルクの事を部下たちが守ろうとしています。
円命の女神は自分の中に居るミルクが彼らを守りたいと思っている事を感じます。
自分の中でニンゲンの部分が大きくなっていくのを心地よく感じて楽しい気分になっていました。
ミルクは彼女を護りレムルス帝国から逃げようとしている部下に街の中心にある教会に向かって、と命じました。
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レムルス帝国に捕まったカルネは教会の地下に作られた牢獄の中に居ました。
一昨日の夜から食事を貰っていないそうです。
カルネは誰かいないか期待して声を上げています。
しかし返事はありませんでした、人の気配までしません。
カルネは敵が餓死させようとしているのではと考えます。
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クラウよりも先に自分が死ぬことに成るとは思わなかったと述懐しています。
死んでしまうようなのでエスリナの好意に応えなくて良かった、と考えています。
エスリナに手を出さなかったのでフィオルに褒めて貰えそうだと考えています。
エスリナには真面目に働く良い男を見つけて細やかでも幸せな家庭を築いて欲しいと考えています。
カルネはエスリナに対してお兄さん気分だったのかも知れないね。
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カルネの耳に足音が聞こえてきました。
カルネは脱獄の準備を始めます。
食事はドアの下の方にある扉から入れられます。
カルネは相手を捕縛する『縛呪』という魔法を準備します。
しかし何者かは予想に反してドアを開けてくれました。
そこに立っていたのはライナ・リュートでした。
カルネは吃驚していますね。
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カルネが「あなた、ライナさんですよね?」と質問すると・・・
ライナは「・・・カルネか。監禁して、悪かったな。もう出ていいぞ」と告げてきます。
カルネが何をしているのか質問してもライナは悲しげに微笑むだけです。
ライナはカルネに伝言をお願いしてきました。
「・・・帰って、シオンに伝えてくれ。少し話したいことがあるって。俺はここで、待ってるから、と、そう・・・」
「そう、伝えてくれ」
これはライナでは無いよね、レムルスが幻術を使ってカルネを騙そうとしているよね・・・
ライナからの伝言だ、と伝えればシオンはノコノコやって来てしまいそうです。
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成分美女魔法恋愛英雄変態
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