ラノベの感想) 大伝説の勇者の伝説 第5巻 悪魔王、降臨 (富士見ファンタジア文庫)

レーベル:富士見ファンタジア文庫
発行日:2009/2/25
著者:鏡貴也
イラスト:とよた瑣織
ISBN:978-4-8291-3376-7
雰囲気:嘘つきヴォイスの大作戦、甘ちゃんライナは迷走中、気遣いの人フェリス、シオンとレファルは落ち込み中、ピアの激怒

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葛藤ーその、レポートについて。
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ライナは、自分が書いたレポートの内容を思い出して葛藤しています。
シオンの絶望に気が付かなかった自分に何ができる?
大切な人たちを救えなかった自分に何ができる?
「・・・俺はいったい、なにをしているんだ?」と言っていました。
そして、人ではない悪魔の王が降臨しました。
ライナは覚悟を決めたのかな?
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第一章 雨降りの中
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ライナとフェリスは襲撃してきた蒼の公主(ひめ)の刺客を発見します。
刺客はたった一人でヴォイスの部隊に殴り込みをかけていました。
自分の事を天才だとか、五秒で逃げないと殺しまーす、だとか間抜けな発言を繰り返していました。
ライナは刺客が使っている魔法がローランドの魔法の改良版である事に驚いています。
ライナは刺客が放った魔法をローランドの魔法を使い迎撃しました。
刺客はライナの姿を見て驚いています。
彼はライナの事をしっているようでした。
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ライナとフェリスの二人掛かりで刺客に襲い掛かります。
刺客は二人を相手にするのは不利と判断して味方の兵に攻撃を命じて後ろに下がってしまいます。
敵の部隊が出てきたのヴォイスの部隊も攻撃魔法の準備を始めてしまいます。
ライナは互いに攻撃魔法を撃ち合うと大きな被害が出ると判断して指揮官と思われる刺客を呼び戻す事にします。
ライナは指揮官を挑発して自分との一騎打ちを申し出ました。
指揮官はライナの挑発に乗って戻ってきてくれます。
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ライナは指揮官の声に聞き覚えがありました。
しかしその人物はルシルに殺された筈でした。
ライナはゾーラと呼び掛けてみます・・・そうすると彼は返事をしてくれました。
指揮官の正体はルシルに殺されたと思われていたゾーラ・ロムでした。
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ゾーラはライナに友達は選べって忠告したよな、と文句を言ってきます。
シオンに裏切られて国を出て最初に味方に付けたのがヴォイス・フューレルかよ、お前いい加減にしろよ、と盛大に文句を言ってくれます。
ゾーラはヴォイスの事を女神に世界を売った屑だぞ、と言っています。
ライナは色々と問題を抱えていたんだと言い訳しています。
ゾーラは勿論ライナの言い訳を聞いてはくれません。
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彼は現在、蒼の公主に仕えています。
ゾーラはライナが強ければ仲間に迎え入れようと思ってたけど弱いと分かったのでもう要らないと言ってます。
ライナは力を証明する為にゾーラと一騎打ちをする事になりました。
そしてゾーラに負けてしまいます。
ゾーラが蹴りを放ってきた時にライナは蹴りを受けて、その反動を利用して後方に下がり魔法戦を行おうとしました。
しかしゾーラは蹴りを途中で止めてしまいます。
ゾーラの靴底には毒の塗られたナイフが仕込まれていました。
蹴りを受けていたらライナは死んでいました。
ライナのこの対応にゾーラは呆れたようです。
ライナはまだここが戦場だとの覚悟ができていないようです。
フェリスにも戦場で油断するなと怒られています。
彼女の方は戦場に出ている自覚があるようです、流石エリス家の剣士ですね。
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ゾーラは反ローランド連合軍の首領であるヴォイスの抹殺を命じられていたのですが、ライナが混ざっていたので引く事にします。
彼の部下は不服そうでしたが、ライナは蒼の公主の首領である公主のお気に入りだそうです。
勝手にライナを殺すと自分が公主に殺されると言っていました。
彼の部下も公主の機嫌が悪くなる事を恐れて納得してくれました。
ゾーラは公主に惚れていて愛の奴隷だと言っていました。
ライナが公主とは誰なんだと聞くとゾーラはヴォイスに聞いてみろと言って去っていきました。
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ゾーラにあっさり負けたライナの事をヴォイスが叱ってきます。
集団の王であるライナが簡単に負けると士気が下がると怒っています。
更にライナがゾーラを殺さないように手加減していた事も怒っていました。
未だに王としての覚悟が持てない事も怒っています。
ヴォイスは必要ならば子供でも平気で殺せる強さを身につけて欲しいと言ってきます。
ライナは簡単には割り切れないと反論しています。
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ヴォイスはライナと蒼の公主が知り合いだと知っていたようです。
ライナを使って蒼の公主との繋がりを得ようと考えていたそうです。
ゾーラを殺さずに逃がしたライナの判断は百点満点だったそうです。
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ローランドはルーナを制圧して拠点をルーナに移しました。
既にバユーズ・ワイトとクラウ・クロム両元帥がカッスラ―への進軍を始めています。
ヴォイスは急いで移動しましょう、話し合いは移動しながらと言って行動を始めます。
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フェリスがライナを励ましています。
彼女はライナの、馬鹿で、間抜けで、うじうじ悩む弱っちい部分が、嫌いじゃないと言ってくれます。
シオンと自分は既にライナの事を認めている、私たちは私たちが進む道を歩けばいい、もう少し胸を張れ馬鹿が。
私以外の誰かに勝手に負けたりするな、イライラするだろうが、と言っていました。
ライナはちょっと嬉しかったみたいですよ。
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優しいライナは雨の中、疲れ切っている子供や老人を連れて行軍するのは、しんどいな、と思っています。
これは甘さではないよな。
彼らは無事に目的地に到着できるのでしょうか?
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第二章 ぬかるみの中
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シオンはルーナに居城を移す為に移動しています。
そして錯覚にとらわれています。
ローランド帝国の領土が広がったのでエスタブール王国、ネルファ皇国、ルーナ帝国の人間が人間αに書き変わりました。
シオンは悲しい気分になっています。
もう人ではない自分が悲しいって?と自嘲しています。
自嘲しながらシオンは北上を続ける事になります。
悲しい、悲しすぎます。
シオンは益々孤独になっているようです。
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レファルはエロン神都の制圧を完了しました。
戦端を開く前にレファルはエロン神都に降伏を勧告しました。
しかし彼らはそれに応じませんでした。
一定の攻撃を加えた後、再度降伏を勧告したのですが、それにも応じませんでした。
理由を調べさせると最低の状況が判明しました。
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エロン神都の王族と軍の高官はゲイルフィックラント帝国に亡命した後でした。
そしてエロン神都をゲイルフィックラント帝国が戦準備を整えるまでの捨て駒にした事が判明しました。
エロン神都に残っていた兵士は勝てないと分かっていながら必死の抵抗を見せる事になりました。
レファルは無意味に死んでしまった多くのエロン神都の兵士を思い悲しい気分になっています。
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レファルとリーズはゲイルフィックラント帝国をどうやって屈服させるのか?
グロウヴィルの使いどころが難しいと相談していました。
ゲイルフィックラント帝国には蒼の公主が雇われています。
蒼の公主は忘却欠片を使ってくるので苦戦が予想されます。
グロウヴィルの効果を最大限に発揮できる戦略が必要となります。
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グロウヴィルを使えばゲイルフィックラント帝国を圧倒できるのですが多くの人が死ぬことになります。
レファルはなるべく人を殺さないで最大限の効果を出したいと考えています。
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話題が魔眼保持者の事に移ります。
エルトリア共和国に潜入させて同国の動向を調べているスイとクゥに合わせて探らせているそうです。
二人からの報告では魔眼保持者の居場所は分からないそうです。
魔眼保持者の王である『すべての式を解く者』がローランドを出国したとの情報を得ています。
行方の分かっていない魔眼保持者がライナと合流すると厄介だなと考えています。
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レファルはライナの元に向かわせたキファの事を心配しています。
リーズはキファを何故ライナの元に向かわせたのか質問してきました。
レファルは本気でキファに惚れているからだと答えています。
レファルはキファがライナを連れて自分の元に戻ってくると確信しています。
ライナを助けるにはレファルの手を借りるしか無いからだそうです。
レファルはキファが泣きながらライナを呪いから助ける為に彼を殺してくれと懇願してくると予想しています。
優しいレファルはそうなる前にシオン・アスタールを殺せればいいんだが、と考えていました。
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レファルはかなりいい奴だね。
キファが惚れているライナと二人で幸せに暮らせる世界を自分が作れればいいのだが、と思っています。
キファは本気で惚れられているようだぞ。
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レファルは死体の山を乗り越えて進む事になります。
彼が中央大陸に覇を唱える最初の標的はゲイルフィックラント帝国になりました。
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第三章 希望の中
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ライナたちはゲイルフィックラント帝国に向かう馬車の中に居ました。
べリス主国が用意してくれた大きな馬車で中に大きな机が備え付けられています。
馬車の中にはライナ、フェリス、トアレ、キファ、ヴォイス、レイルカ・レデーナが乗っています。
レイルカはヴォイスの側近です、そしてヴォイスの事が好きなようですよ。
ライナはヴォイスは無いだろ、此奴は変態だぞ、とレイルカの趣味の悪さに驚いています。
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トアレが連れてきたネルファの民はべリス主国に正式な民として受け入れられました。
ネルファ兵はトアレとセルエスが反ローランド連合軍に幹部と少将として受け入れられたので反ローランド連合軍に参加する事になりました。
ライナたちとは別行動でセルエスに率いられてゲイルフィックラント帝国に向かっています。
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トアレとキファはヴォイスが反ローランド連合軍をゲイルフィックラント帝国に向かわせる意図が分かりませんでした。
普通ならばベリエ主国に残り北上してくるローランドと対峙するはずだと思ったようです。
ヴォイスは質問は纏めてくれと言うので他にも知りたいことを考える事になります。
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質問が決まるとヴォイスはレイルカに作らせた報告書を見せてくれます。
そこにはライナたちの質問への回答が書かれていました。
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ゲイルフィックラント帝国に向かうのは今の反ローランド連合軍には数回ローランドの攻撃を防ぐ力はあるが、壊滅させる力は無いからだそうです。
その為にゲイルフィックラント帝国の支援が必要なんだそうです。
ゲイルフィックラント帝国は北から南下してきたガスターク帝国との戦争を控えています。
そのゲイルフィックラント帝国に蒼の公主が取り入ろうとしています。
同じくゲイルフィックラント帝国の支援を必要としている反ローランド連合軍は利権を独占されるわけにはいきません。
よって反ローランド連合軍は対ガスターク帝国との戦争に参加する必要があります。
ネルファ兵には即戦力として参加して貰う必要がある。
と書かれていました。
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これを読んだライナはヴォイスがゲイルフィックラント帝国と蒼の公主の両方を利用しようとしていると気が付きました。
ヴォイスはガスターク帝国を討つためにゲイルフィックラント帝国、蒼の公主、反ローランド連合軍が共闘する必要があると考えていました。
ヴォイスは今しかガスターク帝国を倒すチャンスは無いと言っています。
ヴォイスはガスターク帝国に統一されたメノリス大陸の地図を見せてくれます。
これは今ガスターク帝国を討たなかった場合に起こりうる未来だそうです。
ガスターク帝国には既にそれだけの力があるそうです。
一同は沈黙してしまいます。
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ライナはガスターク帝国を倒した場合の蒼の公主への対処を聞いています。
ヴォイスは何もしないと言っていますね。
ヴォイスは質問ばかりして時間を浪費するライナにレイルカの報告書を呼んで下さい、と言ってきます。
そしてヴォイスはレイルカに後を任せて馬車から飛び降りました。
ヴォイスはレイルカの指示に従ってくださいと言っています。
更にゲイルフィックラント帝国との交渉は全てライナに任せると言っていました。
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レイルカはヴォイスは既にゲイルフィックラント帝国の国王に親書を送っていると教えてくれます。
ゲイルフィックラント帝国の王は反ローランド連合の王の顔を見て戦争に参加させるか決めると言っているそうです。
ライナはレイルカから国王との面会が上手く行くように指導を受ける事になります。
まずは猫背の矯正から始めるそうです。
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ヴォイスは当初今のレムルス帝国から支援を受けていたそうです。
支援を受けている間はヴェイオール聖国というヴェイオール教を信仰する宗教国家だったそうです。
それが半年前にふらりと英雄がやってきて国を乗っ取ってしまったそうです。
英雄の名前はレムルス・レムルド・アークエドというそうです。
このレムルスが人間ではないそうですよ、そして女神とも相性が悪いそうです。
女神の下僕の振りをしているヴォイスはレムルス帝国から離れてゲイルフィックラント帝国に支援を求めようと決めたそうです。
レイルカにレムルス帝国について質問すると彼女は『神学』についての情報は持っていないと言っていました。
ライナは女神や化物が関わってくる話を神学と呼ぶんだなと理解します。
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ライナはこれから行う戦争が人間同士が争う普通の戦争じゃないんだなと沈んだ気分になっています。
化物相手の戦争になるので普通の人間であるフェリス、キファ、トアレたちの事が心配になります。
彼らが死んでしまったらどうしようと震えています。
彼らを化物から守る力が自分にあるのか問いかけ、無いな、と判断します。
ライナはゲイルフィックラント帝国に到着するまでの間に怠けていた戦闘訓練を再開する事を決めました。
ライナはちょっと用があると言い残して馬車から飛び降りました。
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一人に成ったライナはジェルメに教えられた戦闘訓練を行い始めます。
身体能力を強化するエスタブールの魔法を唱えて体に負荷をかけた状態で行ってますね。
ライナは飛び降りた馬車を追いかけています。
走り込みによって体力の強化を行っていますね。
ライナは走りながらレイルカの報告書を読んでいます。
そこにヴォイスが答えなかった蒼の公主の首領の事が書いてありました。
蒼の公主の首領はピア・ヴァーリエでした。
彼女の側近としてぺリア・ペルーラとゾーラ・ロムが所属しています。
ライナは「あいつらかよっ!」と叫んでいました。
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ローランドを出奔してから数年間はピアとぺリアはライナに手紙を送ってくれていました。
ピアはライナの事を国外に出てこい、自分たちに合流しろ、と誘ってきていました。
しかし当時のライナはピアの誘いからも逃げてしまいました。
散々彼女の誘いを断ったライナが敵として現れたら彼女は怒るだろうな、とライナは苦笑しています。
ライナはピアを説得するのはゲイルフィックラント帝国の国王と対峙するのよりも難しそうだと嫌になっています。
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一人で修行しているライナをフェリスが待っていました。
彼女はライナが馬車を飛び出し修行をしていると理解していました。
彼女はライナの修行に付き合うと申し出てくれます。
ローランドを出てからフェリスはライナの事をよく見ているようです。
ライナはフェリスとの修行を開始しました。
二人は本気での殺し合いを行っているようです・・・時間が無いからと言って無茶な事をしているよねー。
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ライナたちと別れたヴォイスは今後の方針を練っていました。
ガスターク帝国との戦争を終わらせて戻て来る頃にはベリエ主国はローランドに占領されているよね、と予想しています。
このことを彼はライナに伝えていません。
べリア主国がローランドに滅ぼされる事を知っているのに教えなかったとバレたらライナは怒るよねと思っています。
非情なヴォイスはベリエ主国を切り捨てる事を決めました。
更に南大陸も捨てる事を決め、そこに配置している反ローランド連合軍を集結させる事にしました。
全軍を二手に分けて一方をヴォイスが率いてガスターク帝国との戦場に向かう事にします。
残りの一方をダル平原という場所に待機させておいてガスタークと戦い混乱しているゲイルフィックラント帝国の南側を襲わせる事にします。
この作戦が上手くいくと中央大陸には領土が半分になったゲイルフィックラント帝国、エルトリア共和国、レムルス帝国、反ローランド連合軍の四大国が出現する事になります。
ヴォイスは「間に合った」と呟いていたので作戦は上手くいくように思えます。
それにしてもヴォイスのやり方は汚いですね。
ヴォイスの元に女神が現れようとしています。
ヴォイスは今は私の事を奴隷だと思っているがいいさ、すぐに裏切ってその醜い顔にナイフを突き立ててやると罵っています。
ヴォイスの肝の座り方が凄いよね、甘ちゃんなライナを補佐する良い参謀になりそうだよね。
ライナにとってヴォイスはシオンにとってのルーク的ポジションなんだろうか?
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第四章 錯綜の中
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ピアはゲイルフィックラント帝国の王城で待たされていました。
彼女は国王との面会を求めているのですが忙しいと言って会って貰えないでいました。
彼女は『先天性魔導異常』という能力を持って生まれたので気が短いようです。
イライラしていますよ。
彼女たち蒼の公主はゲイルフィックラント帝国から仕事を請け負って十分なゴマすりを行います。
そのお陰でやっと目通りが叶ったのですが何日も待たされていました。
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ゲイルフィックラント帝国はピアが連れてきた二千人の部下を好待遇で迎えてくれています。
援助をする気がないわけでもなさそうなのでピアは暴れるのを我慢しています。
暇な彼女の日課は王城の散歩になっています。
彼女は物凄い美少女なので王宮に来ている貴族からお世事を言われています。
ピアは完璧なまでに美しい微笑を浮かべて応対しています。
心の中では馬鹿の発言にいちいち付き合うのは恥ずかしいと思っています。
それを顔に出さないのは流石です。
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ピアの元にぺリアがやって来ました。
彼はピアの着ている高級なドレスを誉めてくれます。
ぺリアはピアに国王が会ってくれない理由を調べるように命じられていました。
彼は問題が起きたみたいだ、と言っています。
ぺリアはゾーラがヴォイスの暗殺に失敗したと報告しました。
ピアはこれをぺリアの嘘だと思ったようですが本当でした。
ゾーラがやって来ます。
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ピアを見たゾーラは彼女の美しさに参ってしまいます。
「ど、ドレス姿が半端なくかわいい・・・」と素直過ぎる感想を述べました。
最初の一言がそれなのか?とピアは呆れていますがゾーラの素直な賛辞は嬉しいようです。
再会したぺリアとゾーラが喧嘩を始めてしまいました。
この二人は戦場で互いの命を救い合った事もあるのですが暇になると喧嘩を始めます。
主にピアを廻る争いをしています。
ピアは二人が本当は仲が良い事を知っているので喧嘩を止めるのはやめる事にしたそうです。
彼女は二人が仲良く喧嘩している姿を見るのが好きなそうですよ。
奇妙な関係になっているようですね。
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ピアはゾーラがヴォイスの暗殺に失敗した事が不思議だったようです。
彼に与えた『忘却神器(ルール・ファジール)』を使えば暗殺は可能だったでしょう?と問いかけます。
ヴォイスに付いている女神は『未臓』でしょう?と言ってる事からライナの出会った女神はあんまり強くないのかもしれません。
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ゾーラは女神よりも厄介な奴が出てきたと教えます。
ゾラからライナが現れたと報告されてピアとぺリアは言葉を失いました。
ライナがヴォイスと組んでいると知り困惑しているピアの元にダームという女の部下が現れます。
ダームは明晩ゲイルフィックラントの王が会ってくれる事になったと報告しました。
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ピアは反ローランド連合軍の使者もここに来ているのか?と問います。
待たされていたのは反ローランド連合軍の使者の到着を待っていたからだな、と考えたようです。
ダームからゲイルフィックラントの王はどちらか片方を支援すると言っていると教えられました。
ピアは怒り心頭です、話が違うじゃないと怒っています。
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ピアは反ローランド連合軍の代表であるヴォイスを脅して来ると言い出します。
しかしダームから来ているのはヴォイスじゃないと聞かされ困惑します。
ゲイルフィックラントの王はプライドが高いので代表者としか会わないはずだと言っています。
ダームはヴォイスが反ローランド連合軍の代表の座をライナ・リュートと名乗る男に譲ったと返答しました。
ピア、ぺリア、ゾーラは言葉を失ってしまいます。
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自分の邪魔をしようとしているのがライナだと分かったピアは歓迎の準備を始めます。
ライナとヴォイスが何をしようとしているのか調べる事にします。
ピアはライナがヴォイスと組んだ事で世界が転がり始めると感じたようですよ。
ピアはヴォイスの事を世界を人間でないモノに売ろうとしている狂人と思っています。
それと組んだライナの事も良く思っていないだろうね、虐められそうな予感がしますね・・・
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第五章 運命の中
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ゲイルフィックラントの王宮に到着したライナは客間を与えられて国王に会う準備をしています。
客間の広さはローランド帝国の玉座の間よりの少し小さい位でした。
ライナはゲイルフィックラントが大国なんだと納得しています。
ライナはレイルカに手伝われて礼服に着替えていました。
首が苦しいと文句を言っていますね。
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レイルカがライナの顔を引っ張って笑顔の練習をさせていました。
彼女の指導の後、鏡に写った自分の姿をみてライナは「きもちわるい」との感想を述べています。
それでもレイルカは満足したようです。
着飾ったライナを見て、ぎりぎりヴォイス様の恥じになるような事はないでしょう、と感想を述べます。
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そこに着飾ったキファとフェリスがやって来ました。
キファは胸のあいた赤いドレスを着ています。
どこから見ても、いいところのお嬢様にしか見えません。
ライナが綺麗綺麗と褒めると照れています、可愛いですね。
フェリスは白いドレスを着ていました。
普段から人間離れした美貌を誇る彼女は、それはもう凄い美しさでした。
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フェリスが、ライナはどこだ?と問いかけてきます。
彼女はいつもと違い真面目ぶっているライナの事を心配してくれます。
彼女に言われてライナが、猫背で眠そうな目をして負け犬オーラを出すと安心してくれました。
レイルカとフェリスはライナが敬語を使えるのか心配しています。
キファは自分は信じていると言ってくれますが信用はしていない風でした。
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ライナはフェリス、キファ、レイルカを引き連れて国王との会談に向かいます。
国王が待っている部屋までの距離が物凄く長かった。
これだけでもゲイルフィックラントの権勢が分かります、城も巨大なようです。
途中の通路でやって来た蒼の公主の一向に出くわしました。
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ライナがぎこちない口調で挨拶をしています。
ぺリアは気さくに挨拶を返してくれますがゾーラは会いたくなかったと返答してくれます。
ライナが再会を恐れていたピアは不機嫌なようです。
フェリスとキファの事を挑発してきました。
フェリスがピアの挑発に乗ってしまいそうでライナはヒヤヒヤしています。
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ピアが巨大な殺気を放ってライナの陣営の力量を計ってきました。
ライナとフェリスはピアの殺気に反応する事ができましたが、キファとレイルカは反応できませんでした。
これでピアにライナの陣営は自分たちよりも弱いと分かってしまいます。
ピアはライナに近づいてきました。
そしてフェリス、キファ、レイルカに見えない角度でナイフを突き出してきます。
ライナがナイフを持ったピアの腕を掴むと、いきなり手をつかんでくるなんて、随分と大人になったのね、と言ってきます。
その間にもライナの背後でフェリスの殺気が膨れ上がります。
ピアは伝言は終了したと言ってぺリアとゾーラの元に戻ってしまいます。
そしてライナを無視して会談場所に向けて歩き出してしまいました。
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ピアがライナが浮気していると言ったのでキファが反応しています。
彼女は昔ライナとピアが付き合っていたのか心配に成ったようです。
ライナはピアは昔から周りを振り回すのが好きな女でさーと返答します。
これに対してキファはフェリスの方を見てライナは、そういう子のこと結構好きそうだから・・・と言っています。
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ここでフェリスがライナに質問してきました。
彼女はライナが女神や化物の事を説明してくれるまで待っていたそうです。
しかしライナが一向に説明しないので不安の限界にきたようです。
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ライナは自分も良く分かっていないから説明しなかった、フェリスは何か聞いているか?と聞き返しています。
フェリスはライナの瞳が女神に呪われているせいで異常な状態になっていると聞いたと教えてくれます。
キファにも聞いてみると彼女はヴォイスからは何も聞かされていないそうです。
しかし彼女は世界を放浪している時に入手した女神に関する知識を持っていました。
彼女は、いくつかの説があるが、どれも最後は女神が世界を喰らって終わる、と教えてくれます。
これがライナ陣営の持っている女神に関する知識のすべてのようです。
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ライナはフェリスとキファに返答するふりをしながらぺリアに説明していました。
全結界の能力を持っている彼にはライナ達の会話が聞こえています。
レイルカが居るので誰にも聞こえない程の小声でヴォイスの事と自分の考えをぺリアに伝えます。
ヴォイスは女神に従う振りをして裏切るつもりだ、そんなヴォイスを利用しようとライナは考えていると伝えます。
ぺリアにピアへの伝言を頼んだのですが彼からピアが聞いてくれないとのゼスチャーが返ってきます。
そしてぺリアはライナの胸のあたりを指しました。
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ライナが確認するとポケットにピアが仕掛けた手紙は入っていました。
そこにはライナの事を試すので書かれた魔方陣を解除してみろと書いてありました。
魔方陣が発動してしまいます。
ライナは複写眼を使いそれを解除しました。
解除すると文面が変化します。
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使われた魔方陣はゾーラがライナを驚かせようと苦心して作った魔方陣だったそうです。
魔方陣の解除に成功したのでピアはライナを仲間にする価値があると認めます。
謝罪と釈明の為に自分たちの砦までやって来い。
土下座して状況を説明しないと釈明は聞いてあげない。
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ヴォイスがエルトリア共和国を誘ってゲイルフィックラントを攻めさせようと画策している。
エルトリアと組んで戦のどさくさに紛れてゲイルフィックラントを一緒に喰い潰す気かしら?
これはライナにも初耳でした。
最後にヴォイスに利用されるのは嫌だから帰ります、と書かれていました。
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ライナはピアにガスタークとの戦に参加して貰わなければなりません。
更にローランドと一緒に戦ってとお願いする必要があります。
慌てて彼女を追いかける事になりました。
フェリスとキファにピアからの手紙を投げ渡してピア達を追いかけます。
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ライナがピア達を先導していたゲイルフィックラントの使者に彼女の居場所を聞くと帰ってしまいました、と教えられます。
ライナはピアがライナに会うためだけにここに来た事を悟りました。
しかし困った事になったぞ、ピアをガスタークとの戦争に参加させる事が出来なくなりました。
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そこにヴォイスが現れます。
彼はピアが帰ったと知り出てきたそうです。
ライナはヴォイスを詰問し始めます。
嘘を吐いていたな、と迫ります。
それに対してヴォイスは複数の作戦を同時に進行していただけですよと説明します。
ライナには敢えて彼が喜びそうな作戦だけを教えたと返答します。
ライナはゲイルフィックラントを騙すようなヴォイスのやり方が嫌なようです。
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ヴォイスはガスタークは忘却欠片なんて足元にも及ばない神のような力を手に入れていると教えてくれます。
ライナにはヴォイスの言っている事が信じられないようです。
ヴォイスは世界中にそういった卑怯な武器を使うのは危ないからやめろと警告する必要がある。
だからこそライナはこの戦争に参加しなければならないと言っています。
ライナは益々混乱してしまいます。
そこに殺気を放つ集団が現れました。
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襲ってきたのはゲイルフィックラントの魔法騎士でした。
ライナが彼らの唱えていたゲイルフィックラントの魔法を解析して無効化します。
フェリスが手刀を使い魔法騎士を気絶させました。
そこに魔法騎士よりも強そうな男が現れます。
彼はヴォイスに向かって問いかけます。
「その『複写眼』保持者が、おまえの言っていた、対ガスターク戦で使える我らの切り札というわけか?」
これに対してヴォイスは平伏して「そうでございます、グラフド・エブルルド陛下」と答えました。
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ライナは驚いています。
彼の知っている国王とは権力に溺れた腐った奴か、仕事中毒のシオンだけです。
新しいタイプの王様の登場に驚いています。
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グラフド陛下は、そいつを連れてこい、と言って颯爽と歩き去ってしまいます。
登場から退場までカッコイイ王様でしたねー。
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ライナはヴォイスを問い詰める事になります。
ヴォイスはグラフド陛下とは会った事が無いと言っていました。
しかし今の会話を聞く限り二人は旧知だったように思われます。
これに対してヴォイスは状況が変化したので、すぐにでもグラフド陛下と話す必要があったと返答します。
ヴォイスの言う状況の変化とはガスターク帝国が彼の予想を超えて強かったって事でした。
ピア達がゲイルフィックラントに力を貸す事をやめたいと思うほど強いんですと告げます。
ヴォイスにピアの性格ならばライナたちと張り合って屈服させようとする筈です、と言われてしまいライナはヴォイスの言っている事を信じる事になります。
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しかしライナにはヴォイスの考えが分かりません。
ピアがビビって逃げ出す程強いガスタークに対抗する手段を持っているのか?と問いかけます。
ヴォイスはライナの複写眼が対抗手段だと告げます。
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ライナは複写眼は魔法騎士が何人かいれば止められると反論します。
ヴォイスは何度も暴走しているのに、その度に正気に戻り、未だに理性を保っているライナの複写眼は特別だ。
ライナは本物の化物だと告げてきました。
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本物の化物と言われてしまいライナは愕然としています。
ライナの事を化物と言ったヴォイスにフェリスが激怒しています、「いい気になるのも、いい加減にしろ、ガキが」
ライナはフェリスを止めヴォイスに質問します。
ヴォイスがライナを仲間にしようと考えたのは、ガスタークが使う兵器に対抗できるだけの力を持った化物だからか?と聞いています。
ヴォイスはそうです、と返答しています。
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ライナは自分の存在が何であるのか分かるかも知れない、正体を知る事から逃げていては仲間を傷付けてしまうかもしれない。
そう考えてヴォイスに自分の正体を聞いてみる事にします。
しかしヴォイスは厳しい答えを返してきました。
「・・・そんなことはあなたが自分で決めてくださいよ」
そこからのヴォイスが凄かったですね。
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ヴォイスはフェリスにライナの事をどう思っているのか問いかけます。
フェリスは「どこの誰が化物と呼んでいたとしても・・・一番大切な相棒だと思っている」と返答します。
続けてヴォイスに向かって警告もしています、次にライナを化物と呼んだら容赦しないぞ、フェリスの強い愛を感じますね。
しかし、この発言は男と女の立場が逆な様にも感じますね、フェリスは男前です。
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ヴォイスはキファにもライナをどう思っているか聞いています。
キファは聞くまでも無くライナを化物と言ったヴォイスに怒っていました。
彼女は「当然でしょ?」と答えます。
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これを踏まえてヴォイスはライナに自分の事をどう思っているのか問いかけます。
ライナは、自分の事を化物だと思っているが、役に立つ化物になりたい、そばにいたいと言ってくれた奴らを守れるだけの力を手に入れたい、と答えます。
そして・・・
「俺は何者なんだ。」
「なぜ、俺はこんな呪われた瞳で生まれた。」
「シオンはあんなに泣きながら俺を殺そうとした。」
「なぜ女神が俺の事を知っていた。」
「その全てに答えろヴォイス。」
「どういる理由でいま、俺はここに立っている?」
と一気に知りたいことを叫びました。
.
これに対してヴォイスは「その答えは、いまから向かう戦場にありますよ」と返答します。
戦争に参加することでライナは二度と化物と呼ばれなくなる。
ガスタークとの戦場でライナは目覚める。
目覚めたライナは数百、数千万の人を救う英雄になる。
そんな英雄を、誰が化物と呼ぶんですか?と告げてきます。
そして急がないと先行しているトアレたちが本当に死んでしまいますよ、と告げて歩き出しました。
.
ライナは自分が何なのか確認する為にガスタークとの戦に赴く事を決めます。
これは生存率の低そうな戦なのでライナはフェリスとキファを置いていこうと考えます。
しかしフェリスが先に警告してきました。
「・・・おまえ、くだらないことを吐かすつもりなら、殺すぞ?」
彼女はイリスが既に戦場に移動しているので助けに行くと言って歩き出します。
フェリスはプリプリと怒っていました。
.
キファがフェリスが怒るのも無理ないと言ってきました。
キファに、みんなライナの事が好きで心配しているのにライナは全然自分の事を心配しない、と怒られてしまいます。
勿論彼女も付いてくる気です。
キファは独りでほっとくとすぐに無理して、死んでしまいそうで心配だから付いてくると言っています。
キファも歩き出してしまいます。
最後にライナが一人残されますが、自分を心配して付いてきてくれる仲間の存在に、泣きそうな顔で嬉しそうに笑いました。
ライナが少し強くなったように感じますね。
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ヴォイスはやっぱり隠し事をしていたね。
彼はライナの中に眠っている力が何なのか知っているようです。
人々の心に、穴が空いてしまうほどに深く、鋭い、闇が降りてくるのだ。
そして世界のすべてが変わる。
誰もライナ・リュートを化物だなんて呼ばなくなる。
まだ誰も見たこともないほどの大規模な殺戮と絶望を撒き散らして、悪魔と呼ばれるようになる。
「悪魔の、王とね・・・」と少しだけ悲しいげに、笑いました。
まあグロウヴィルに対抗可能な能力らしいので相当な破壊力を持っているでしょうけど。
ライナはその事実に耐えられるのかな?ちょっと心配だよね。
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成分美女魔法恋愛英雄変態
評価AAAAAAABAA
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