ラノベの感想) 妹さえいればいい。第11巻 (ガガガ文庫)

概略:
伊月のスランプの原因が自分なのではないか?と不安になった千尋が春斗に相談する事になります。千尋を悩ませる事を嫌った春斗は伊月を冷たく突き放す言動をして千尋を助けようとしました。利口な千尋は春斗の優しさを理解して彼に恋する事になってしまいます。女の子としての経験値が足りない彼女は恋をしている事を理解できませんでした。伊月に指摘されて春斗に恋している事を自覚します。理系女子の彼女はモヤモヤを解消する為に速攻で告白する事を決めます。春斗が京に片思い中と知っているのでフラれる事を前提にしていたようですが闇落ちする事になりました。スランプに陥っている伊月は周囲の人間の主人公性を知り自分を見限る事にします。拘りを捨てた伊月は小説を書けるようになったのですが那由多はそれを認めません。

レーベル:ガガガ文庫
発行日:2018/12/23
著者:平川 読
イラスト:カントク
ISBN:978-4-09-451765-1
雰囲気:スランプ、千歳の初恋、アシュリーの過去、闇落ち、実家、悪乗り、主人公達、諦め、機械の様に、本音、破局
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千尋が女の子だったと知った伊月は小説がかけなくなっています。
スランプの理由を千尋に知られたくない伊月は必死に誤魔化しています。
現実に義妹ができた伊月は妹ものを嫌悪するようになっています。
薄々自分の存在が伊月のスランプの原因では無いかと思っている千尋は春斗に相談する事にしました。
春斗は千尋の事を友達だと思っているので彼女の憂いを晴らしてあげようとして本当の事を教えます。
伊月の事を冷たく突き放したような言動を発し千歳に責任が無い事を強調しています。
春斗としては兄想いの妹を助けたかったようですが春斗の優しさを強調する結果となってしまいます。
春斗の優しさに触れた千尋は彼への恋心を自覚する事になりました。
しかしここで問題が発生します。
これまで伊月の為に弟を演じていた千尋には女の子としての経験値が足りませんでした。
春斗の事を考えてドキドキしている自分の変化を理解できずに悩む事になります。
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新人賞のパーティーに出席した伊月が海津と再会する事になります。
小説を書けなくなった伊月に対して海津がアドバイスを送る事になりました。
海津はスランプに陥った事は一度も無いそうです。
それは自分が小説家を職業の一つと捉えているからだと説明しています。
スランプに陥っている伊月は彼の話を神妙に聞いていました。
自分に憧れて小説家になった新人を紹介されて重苦しく感じている伊月に対して彼らの思いに責任を感じる必要は無いと諭します。
落ち込んでいる伊月の心に染みわたってしまったようですね。
ある意味では正しい意見ですが小説家羽島伊月の死期を早めているような。
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デビュー作が大ヒットして調子に乗っている作家が伊月と海津の元にやって来ました。
彼は審査員の海津に評価されてデビューしました。
海津にお礼を言ってきますが調子に乗っています。
大金を手にした彼は色々と散財してしまったようです。
海津に税金の準備をしているか問われて真っ青になっていますよ。
面倒見の良い海津は彼をアシュリーの元に連れて行く事にします。
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海津への恋心を抱いているアシュリーは海津に会えると喜んだそうですが期待を裏切られます。
海津はアシュリーに顧客を紹介するつもりでした。
ビジネスライクに接する海津に不満を募らせたアシュリーは伊月を呼び出し憂さ晴らしをする事にしました。
呼び出された伊月はアシュリーの機嫌が悪い事を察し逃げ出したそうにしています。
海津から小説が書けなくなった事を聞いたそうです。
指摘された伊月が泣きそうな顔をしているのを見て彼を虐めるのを止めました。
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アシュリーなりに伊月を励まそうとしたのかな?一緒に彼女の部屋で飲む事になります。
アシュリーから中学生の頃の伊月がバイブルにしていた幽の小説がアシュリーと幽をモデルにしたものだと教えられます。
幽の小説はエロ成分が多めで中学生の伊月は登場人物の一人をオカズとして使っていたそうです。
そのモデルになったのがアシュリーだと告白される事になりました。
アシュリーの残念さを知っている伊月は夢を壊されてしまいました。
幽に憧れて小説家になった伊月はアシュリーから幽との思い出を聞く事にします。
小説内で描かれている痴態は幽とアシュリーが実際に行った行為だと聞いて驚いています。
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伊月の元に天使撫子がやって来ました。
食事を作りに来た青葉と一緒にゲームをして遊ぶことになります。
撫子から図書委員になり伊月の本を紹介したと教えられます。
伊月はエロ成分が多めの自分の著作を友人に勧めたのかと不安になっています。
撫子の話を聞いているうちに自分が嘘を吐いていた事を思い出しました。
撫子に著書はどれかと聞かれて伊月は有名作家の著書を自分のものだと言ってしまった事を思い出しました。
無垢な表情で嬉しそうに語る撫子を騙し続ける事は出来ないと判断し事実を教える事にします。
最初撫子は伊月の発言を信じなかったのですが青葉が伊月の話を真実と認めたので納得するしかなくなります。
嘘を吐かれていた事が余程ショックだったのか撫子は闇落ちしてしまいました。
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撫子を伊月に預けている間に木曽は土岐と京と著書の宣伝用帯広告を相談していました。
人生経験豊富な木曽は煮詰まっている土岐を見かねて違法行為と思えるアイディアに付き合っています。
土岐が余りにもヒートアップしすぎて大声で吠えてしまったので編集長の神戸が見に来ました。
土岐は素晴らしい帯ができたと報告しますが違法だと諭されます。
落ち込む土岐を木曽が慰めていますね。
京が土岐は伊月の担当なんだなと変な納得をしていました。
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千尋の成績が落ちた事を心配した伊月は理由を聞いてみる事にします。
千尋から春斗の事を考えて集中できなくなると聞いて驚く事になります。
更に千尋が自分が春斗に恋をしていると理解できていない状況に驚きます。
千尋は伊月から春斗に恋をしていると指摘されて驚いていますよ。
これが恋なのかと納得している千尋が物凄く可愛いです。
集中力が無くなる原因が分かったので千尋は問題を取り除くために告白する事を決めます。
理系女子の論理的思考に伊月の方が驚いています。
春斗は京への好意を隠していないので千尋も彼が京を愛している事を知っています。
それを指摘すると那由多がめげずにアタックする事で伊月をゲットした事を例に出し自分も頑張ると言われます。
伊月は千尋を止める事が出来なくなりました。
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大方フラれると分かっていたのですが春斗は千尋を振りました。
真摯な態度で千尋を振る事が出来る春斗がカッコいいですね。
結果報告が無い事を心配した伊月がメッセージを送ると闇落ちした面白ポエムが返って来ました。
伊月は千尋の事が心配なのですが行動に移す踏ん切りが付きません。
それを聞いた青葉が伊月の背中を押しました。
妹が悲しんでいると知ったら伊月の小説の主人公なら会いに行くはずだと教えます。
伊月は千尋に会う為に実家に向かう事にしました。
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実家に戻った伊月は躊躇いながら呼び鈴を押します。
応対に出た棗は伊月が帰ってきたと知り喜んでいます。
啓輔(伊月の実父)も出てきて伊月を招き入れました。
千尋の様子と聞くと大泣きして帰ってきた日から部屋に閉じ籠る事が増えたそうです。
普段よりも食事の量は増えているそうですよ・・・伊月はやけ食いしているのか?と心配になりました。
伊月はドア越しに千尋に呼びかける場面を想定していたのですが部屋からは出てくるようです。
棗が夕食が出来たと呼ぶと虚ろな表情で出てきましたよ。
髪はぼさぼさで顔にはガンプラのシールが貼りついています・・・可愛い!!
伊月の存在を認めた千尋は真っ赤になって驚いています。
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4人でテーブルを囲む事になりました。
千尋の夢がかなったのですが喜んでいる場合ではなくなります。
千尋を心配している啓輔が理由を問う事になります。
棗は千尋の行動から失恋した事を察していました。
初恋だったんだから落ち込むのも仕方ないと告げます。
啓輔は千尋が伊月に告白して振られたのか?と考えましたが二人から強く否定されました。
伊月は千尋が告白したのが自分の友人である事を教えました。
啓輔が千尋を女の子だと偽っていた事を誤って来ました。
棗もそれに続きます。
伊月は自分の著書を読んで心配になったのは無理もないと思えるようになっています。
伊月は謝罪の必要は無い事を告げました。
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4人で夕食を取り千尋が元気を取り戻す事になりました。
ポジティブな彼女は遅れを取り戻すと言って自室に引き上げ勉強する事にします。
啓輔と伊月は二人で飲む事にします。
啓輔から交際している相手の事を聞かれて伊月は結婚を考えている事を教えます。
啓輔は楽しみにしているようですね、いつごろになると聞いてきます。
プロポーズの参考になるかな?と考えた伊月は啓輔と棗の馴れ初めを聞いてみる事にしました。
話しを振ると啓輔が嬉しそうにしています。
啓輔からドラマのような出会いからプロポーズまでの経緯が語られました。
聞いた伊月はドラマの主人公かよと叫ぶことになりました。
啓輔の話を聞いた伊月は自分の周りには主人公ばかりが存在すると感じています。
自分は主人公になれないと思い始めているような?
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悪酔いした二人は千尋を振った春斗に電話する事にしました。
バツの悪そうな感じで電話に出た春斗に啓輔が不満をぶちまけます。
千歳のどこが不満なんだと怖い声で迫ります。
春斗は自分には片思いの相手が居る事を説明しています。
スピーカーモードにしていたので部屋に居た千尋に会話内容が聞こえたようです。
慌てて部屋から飛び出してきました。
真っ赤になった千尋が伊月と啓輔を叱りつけています。
千尋は春斗に謝罪し慌てて電話を切りました。
春斗は困惑してますね。
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翌日の昼前に伊月は実家から帰る事にします。
乗り込んだバスで初恋の相手である三田洞彩音と再会する事になりました。
話しを聞くと彼女は京が就職する事になるブランチヒルで編集者をしている事が判明しました。
高校時代の彼氏がラノベ作家志望で彼女が編集者になり二人で頑張ろうと約束したそうです。
彼氏は途中でラノベ作家を諦めてしまい二人は別れる事になったそうですが彩音は目標を変えなかったそうです。
ラノベの存在を教えてくれた伊月に感謝してきました。
伊月は涙が浮かぶのを堪えられなかったぞ。
心配する彩音を誤魔化し別れる事になりました。
彩音が仕事のオファーを出すから前向きに考えてと言ってきたよ、結構本気かな?
彩音との再会で伊月は彼女の主人公性を感じています。
これが決定打になったようだね、伊月は自分は主人公にはなれないと自分で自分を見限る事にします。
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自分を見限った伊月はこれまで培った技能を使い機械的に妹のすべてを書き始めます。
悩む事もなく順調に筆が進み書き上げる事ができました。
原稿を読んだ土岐は伊月の特性が失われている事に気が付きます。
しかし商品としてのクオリティーは充分に満たしていました。
これまでの尖り過ぎた部分が無くなり多くの読者に受け入れられると判断します。
それでも不安を感じている彼は伊月に本当に出版しても良いのか?と問いました。
伊月から出来るだけ急いで出版して欲しいとお願いされます。
土岐は出版する事を決めました。
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小説が書けるようになったと誤認している伊月は那由多を呼び出し彼女にプロポーズする事にします。
伊月の原稿を見つけた那由多は嬉々として読み始めます。
伊月は那由多が原稿を読み終わたらプロポーズする事にします。
恐らく那由多が原稿を喜んでくれると思っています。
甘いな、伊月は那由多の愛の大きさを舐めているとしか言えないな。
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原稿を読み終えた那由多は激怒しています。
伊月が葛藤を乗り越えて書き上げた原稿をゴミ呼ばわりしてきました。
彼女は伊月が羽島伊月を辞めた事が分かったのね。
小説家羽島伊月を救世主と崇める那由多には伊月の行為が許せなかったようです。
AIが書いたようだと酷評してきました。
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那由多なら理解してくれると思っていた伊月は混乱しているようだ。
那由多がこんなものを書くくらいなら書けないままのほうが良かったと言ってしまいます。
追い詰められている伊月は彼女の言葉に過剰に反応してしまいました。
才能がある那由多には理解できないんだ、凡人の俺にはこれが限界だと叫んでいます。
自分を卑下する伊月の言葉を那由多が許せるはずが無いよな。
伊月にはオンリーワンの才能があると叫び返しています。
那由多のヒーローには成れないと告げる伊月とヒーローになってと懇願する那由多。
己の主張を理解しろと相手に迫りましたが平行線に終わります。
伊月の口から「別れようか俺たち」とのセリフが自然に飛び出します。
那由多は弱々しい笑みを浮かべて頷いてしまいます。
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プロポーズする予定が別れる事になってしまいました。
伊月は自分には主人公性は無いと思ってるようですが完璧に主人公だよね。
伊月は那由多の事を眩しくて妬ましいと思っている本心を暴露したよね。
今度は那由多の想いが試される事になるのかな?
那由多が伊月に依存している事も分かったね。
伊月との関係が断たれた事で彼女も駄目子に戻るのだろうか?
それとも奮起して益々輝き始めるのだろうか?
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