ラノベの感想) へヴィーオブジェクト 天を貫く欲望の槍 (電撃文庫)

概略:
資本企業を牛耳る7thコアの一社が主導してエレベーター連盟という組織を作りアフリカに宇宙エレベーターを建設しました。その煽りを受けて正統王国が欲している希少生物が絶滅の危機に瀕する事になります。正統王国を統治している王国貴族は自分たちの命を救うかも知れない薬の原材料を守るために破壊する事を決めました。宇宙エレベータ側が衛星軌道からゴミを落として攻撃してきたのでお姫様のオブジェクトは接近する事ができません。エレベーター連盟は地元の住民をゲリラとして雇い宇宙エレベーターの防衛をさせています。クウェンサーとヘイヴィア達はゲリラの相手をしながら宇宙エレベータの根元まで向かう事になります。電波攪乱をされてしまい味方の戦車砲に巻き込まれる事になりました。気絶したクウェンサーとヘイヴィアはゲリラに参加している医師に救われる事になりました。

レーベル:電撃文庫
発行日:2020/9/10
著者:鎌池和馬
イラスト:凪良
ISBN:978-4-04-913450-6
雰囲気:空爆、宇宙ステーション、体操服と赤いブルマ、宇宙型オブジェクト、二十万トンの落下物、地球滅亡の危機、世界の歪み
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序章
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アフリカに宇宙エレベーターを建設する事になるようです。
人的鉱脈が残っていると主張して計画を推進したようだね・・・
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第一章 序曲>>トゥルカナ方面宇宙エレベーター攻略戦・Grベース
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三十七機動整備大隊は資本企業が建てた宇宙エレベーターを破壊する為にアフリカに来ています。
この地域には正統王国の王族や貴族が欲する珍しい昆虫などが生息していました。
しかし宇宙エレベーターが建設された事で生態系が破壊されて絶滅しそうです。
自分たちを病気から救う薬の研究に必要なので破壊する事を決めました。
宇宙エレベーター・マザーレディは動けません。
高速移動が可能なお姫様のオブジェクトならば簡単に叩けると思っていたようです。
しかし敵は宇宙空間からゴミを落下させて攻撃してきました。
ピンポイント攻撃が可能なのでお姫様のオブジェクトでも当たれば破壊されます。
ヘイヴィアとクウェンサーは徒歩で、ミョンリは戦車に乗って攻略に向かう事になります。
マザーレディを運用している資本企業はアフリカに莫大な富を齎しました。
世界中どこへでも商品を宅配する事ができます。
その利益は莫大で建設された地域に還元されたようです。
5ドルのワクチンが買えずに蚊に刺されたら死を覚悟していた人々はマザーレディを歓迎しました。
自分たちに利益を齎したマザーレディを守るためにゲリラとなって正統王国軍と対峙します。
クウェンサーとヘイヴィアは激しい爆撃の中徐々に前進しようとしています。
敵が大掛かりな電波攪乱を行ったので正統王国軍の戦車隊の砲撃に巻き込まれる事になりました。
気絶したクウェンサーとヘイヴィアはゲリラに所属する医師に助けられる事になりました。
マザーレディを攻撃できないお姫様は退屈しています。
しかもエアコンが故障していて暑さに参っています。
パイロットスーツを脱いでブラを晒しながら操縦しています。
味方への支援砲撃しかやる事が無いのでM字開脚しながら足で操縦しています。
やり過ぎて足を吊ってますね・・・
クウェンサーとヘイヴィアの影響なのかいい加減な性格に変化している?
そう言えばミョンリも二人のF語が乱舞する会話に付いてきていたね。
助けてくれたブラスカイン=ミントフラッペから自分たちは資本企業に騙されていたと聞かされました。
ゲリラ達は利用されていると気が付いたそうですがマザーレディの恩恵を捨てられずに協力しているそうです。
ゲリラ達を掃討しても意味が無いと判明しました。
クウェンサーはマザーレディを冷却している地下水を堰き止めれば破壊可能だと気が付きました。
正統王国に無駄な殺しをさせない為に整備基地ベースゾーンに戻る事にします。
クウェンサー、ヘイヴィア、ブラスカインの三人で向かう事になりました。
資本企業の爆撃によってブラスカインが亡くなってしまいます。
彼はマザーレディの開発に関わったルイジアナって女の子と知り合いのようです。
ルイジアナもこんな事をする為にマザーレディを作ったのではないと言ってました。
マザーレディを破壊してくれとクウェンサーに頼んで死にました。
クウェンサーとヘイヴィアが整備基地に辿り着き正しい破壊方法を伝えました。
正統王国は宇宙に向かいマザーレディを攻略する事を決めました。
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マザーレディを作った資本企業の七大企業7thコアの一つ。
ラファエロ=ゴールデンクリッパー(多分CEO)とセレナーデ=ブラックローズ(戦略秘書)が相談しています。
話し合いの結果マザーレディの運用継続を決めました。
全ては儲ける為です。
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第二章 破綻>>トゥルカナ方面宇宙エレベーター攻略戦・SPステーション
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宇宙に行く事になったクウェンサー達はマザーレディが建っているアフリカの裏側アマゾンから宇宙に行こうとします。
そこには複数の勢力が来ていて打ち上げの順番待ちをしていました。
情報同盟のレンディも来ていてフローレイティアと喧嘩を始めています。
額を突き合わせて殴り合いに発展しそうです。
双方の部下が決死の覚悟で止めていました。
ヘイヴィアはフローレイティアの握っていた炭酸飲料のボトルで殴られる事になりました。
顔に掛かった炭酸飲料を飲んでしまい打ち上げ中にヘルメットの中で盛大にゲロを吐く事になっています。
ミョンリが落ち着いた様子でポンプで吸い出してくれたので窒息を免れました。
ヘイヴィアは不幸な目に遭いましたがクウェンサーには幸運が舞い込みます。
クウェンサーは薄い布で囲ったスペースで宇宙服を着ようとしている少女に出会いました。
少女から着替えに必要な物を取って欲しいとお願いされて直に渡す事になりました。
布の隙間からにゅーっと少女の手が出てきました。
覗こうと思えば覗けるのですがロリコン趣味が無さそうなクウェンサーは魅力を感じなかったようです。
恐らくこの少女はおほほだったと思うのですが両人とも相手が誰か気が付きませんでした。
色々と惜しい!
無事に宇宙区間に到着したクウェンサー達をエレベーター連盟が攻撃してきました。
小型の自動で動く兵器に攻撃されて乗っていた宇宙船を破壊されてしまいます。
パニックに陥りかけましたがクウェンサーが冷静な指示を出してますね。
宇宙に漂うゴミを掴んでマザーレディまで漂っていく事にしました。
マザーレディに近付くとパワードスーツを着たエレベーター連合の兵士の攻撃を受けました。
何とかマザーレディへの侵入を果たしたクウェンサー達は酸素ボンベを探しています。
大量に見つかったのですが宇宙服との接続規格が合わずに使えない事が判明します。
クウェンサーは地球に落下しないようにマザーレディのバランスを取っている中央ブロックを目指す事にします。
そこで半袖体操服+赤ブルマ+黒ニーソに白衣を纏った少女と出会いました。
彼女の使っている板状コンピュータにルイジアナと書かれています。
クウェンサーはブラスカインが恋人風に語っていた相手の名前だと思い出しました。
ブラスカインにロリコン疑惑が浮上して絶叫する事になりました。
何でも色恋沙汰にするクウェンサーの思考にルイジアナは辟易しています。
ルイジアナはマザーレディを使い世界の自然環境を均一化しようと考えていました。
彼女の様子から推察するに恋人関係って訳ではないようです。
ヘイヴィア達が銃口をルイジアナに向けるのですが彼女は余裕の表情を崩しません。
武器らしい武器を持っていないのでクウェンサー達は油断したね。
ヘイヴィアの発砲した弾が彼の真横を通り過ぎました。
ルイジアナの傍にはカーボンナノチューブが存在しました。
彼女はカーボンナノチューブを使って弾丸を反射しました。
カーボンナノチューブに意図的に振動を与えクウェンサー達を吹き飛ばしました。
クウェンサー達は再び宇宙空間に放り出されてしまいます。
そこにはエレベーター連盟が作り出した宇宙型第二世代オブジェクトが待ち構えていました。
クウェンサー達はエレベーター連盟が宇宙エレベータを隠れ蓑にしてオブジェクトを作っていたと誤認しました。
正統王国の上層部はこのオブジェクトにワールズエンドというコード名を付けます。
ワールズエンドは酸素を使い爆発を起こして攻撃してきました。
ルイジアナはスラッダー=ハニーサックルの年の離れた妹でした。
スラッダーは自分の理想を追求する余りに失敗したと断じてます。
ルイジアナは目的を叶える為に必要な修正を受け入れました。
世界の自然環境を均一化するのに必要なのはマザーレディだけのようです。
しかしそれでは資金が集まらないので隠れ蓑としてワールズエンドを開発したそうです。
武装も何でも良かったと言っているので彼女の趣味に走ったようです。
オブジェクトの設計士を目指しているクウェンサーには夢のような環境だね。
クウェンサー達の掃討をワールズエンドに任せたルイジアナは運動を始めます。
自転車を濃いで必要な運動を熟しています。
そこに7thコアの協力者から連絡が入りました。
連絡してきたのは戦略秘書のセレナーデ=ブラックローズです。
ルイジアナは彼女の事をシルクS(シルクスパイダー、島国の言葉で女郎蜘蛛)と呼んでいます。
二人の会話からマザーレディ建設を主導した企業(ウェンディゴビークル)はシルクSによって空洞化されていました。
その企業は幽霊株を売って株主から資金調達を行っているそうです。
持っていた資産は全てシルクSによって売られた後です。
時価総額は六兆ドルを超えているのですが実際の資産総額は0セントでした。
社長室以外の全てのフロアは空っぽで固定電話が一つ置いてあるだけです。
酷すぎますね。
シルクSは個人の力で世界レベルの大会社を丸ごと喰らった成功者でした。
シルクSは自分と同じ目線で世界を眺める事ができる仲間が欲しいそうです。
ルイジアナが成功すればそこに到達できるようですね。
ルイジアナが同じ場所に立ちたいと考えているかは微妙だね。
クウェンサーがワールズエンドを破壊する方法を思いつきました。
暇を持て余し猫耳と尻尾を付けて遊んでいたお姫様に連絡が入ります。
クウェンサーはベイビーマグナムを激しく動かし大量の静電気を発生させてもらいました。
マザーレディの存在する一体の静電気が飽和して宇宙に向かって漏れ出す事になりました。
ヘイヴィア達が一生懸命にミサイルなどで攻撃してワールズエンドの装甲に小さな傷を付けます。
そこに静電気が集まり大爆発しました。
脅威を排除したクウェンサー達は再びマザーレディに乗り込みルイジアナを包囲します。
ルイジアナはマザーレディを解体する知識は自分しか持っていないと言って余裕の態度をとっています。
怒り心頭のヘイヴィアは非人道的な方法で吐かせてやると威嚇します。
ルイジアナから爆発前にエリナベル(資本企業側が使うワールズエンドの名前)が既に大量の酸素とガスを撒いたと教えます。
総重量二十万トンの落下物(エリナベル)を地球に向けて落としたそうです。
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ルイジアナはマザーレディを建設したトゥルカナ方面の動植物を宇宙ステーションに保存していました。
それを使って何かをするつもりのようですね。
喜びを分かち合うべきブラスカインは亡くなりました。
残された彼女は目的を叶える為に歪な常識を正そうとしています。
歪な常識って何のことだ?
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第三章 急火>>トゥルカナ方面宇宙エレベーター攻略戦・???
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クウェンサー達は落下を始めたワールズエンドを破壊する為にマザーレディを使い地球に降下する事にします。
地上に着くまでの複数ポイントでワールズエンドの破壊を目論む事にしました。
ルイジアナがクウェンサーの目の前で体操服を脱いで全裸になります。
宇宙服に着替えると言ってますね。
驚きであわあわしているクウェンサーの口の中に直前まで穿いていたパンティーを突っ込み黙らせました!!
クウェンサーは役得だな。
幸いヘイヴィアには見られなかったよ、見ていたら盛大に羨ましがったに違いない。
クウェンサーからの要請によりお姫様が地上から砲撃を行いました。
ワールズエンドに直撃したのですが破壊する事はできませんでした。
ワールズエンドの動力炉は既に停止していたので誘爆を誘う事ができませんでした。
地上に二十万トンのワールズエンドが落下して来るとの報告を受けたフローレイティアは近くにあるシェルターに向かいました。
12歳の飛び級秘書が生き残るために媚びを売りフローレイティアに同行する事になります。
シェルターに向かう途中でレンディに遭遇しました。
彼女もシェルターを目指していました。
フローレイティアが連れている秘書を一目見て12歳だと見抜きました。
小さな女の子が大好きなレンディは羨ましそうにしています。
正統王国がそっち方面への開発を始めたと誤解しています。
地球滅亡の危機なので一緒にシェルターに向かいました。
シェルターの中で正統王国の貴族と出会う事になります。
フローレイティアを見つけた貴族が自慢げにシェルターの性能を自慢してきました。
シェルターは自給自足が可能になっているので外の世界が滅亡しても関係ないと言ってます。
彼はフローレイティアも自分に同調すると思っていたようですね。
フローレイティアは宇宙開発に使われるべき資産を勝手に別な目的に使用した彼らを許しませんでした。
エレベーター連盟に通じている事を喋らせるのに一人を残して皆殺しにしました。
レンディ―もフローレイティアに同調します。
危険を承知していて大切な女の子(多分おほほの事)が宇宙空間でライブを開く事を止めなかった彼らを許しませんでした。
フローレイティアと一緒になって銃撃を行いました。
私腹を肥やしていた連中は掃討されました。
クウェンサー達は乗り込んだ宇宙エレベータを伝い落下中のカーゴを停止させて攻撃を行います。
携行ミサイルを使ったようですが微弱ながら重力がある空間で使ったので標的に向かって真っすぐ飛んでくれませんでした。
ヘイヴィアとミョンリは絶望に囚われていますがクウェンサーは考え続けます。
ルイジアナはこの期に及んでも余裕を失っていませんでした。
クウェンサーはルイジアナが宇宙エレベータに使っているワイヤーが常に振動していると言ってたのを思い出します。
クウェンサーはマザーレディのワイヤーに意図的に振動を与えて振動の揺れ幅を増幅しました。
自分たちの乗っているカーゴの他にもマザーレディにはカーゴが吊るされていました。
クウェンサーは振動を増幅して兵器が満載されたカーゴをマザーレディから撃ちだす事にしました。
カーゴをぶつけてもワールズエンドは破壊できませんでした。
手詰まりだと皆が思った時にワイヤーが切れました。
切れたワイヤーに電気が集まりワールズエンドを直撃しました。
ワールズエンドは破壊され小さな塊となって地球に落ちる事になりました。
クウェンサーは地球滅亡を救ったと確信しますがルイジアナから可能性は潰えたと言われます。
ここでルイジアナが宇宙エレベーターを建造した目的が語られました。
地球上ではオブジェクト同士の戦いが頻発しています。
凄まじい破壊力が惑星の地盤や地殻に影響を与えていて既に地軸がずれているそうです。
ルイジアナが、宇宙エレベーターを使って乱れた地軸を調律しようとしていた、と語りました。
クウェンサーには自分とは違う才能があると評しています。
自分の手段は失敗したがクウェンサーになら世界が抱える根本的な欠陥を壊せるかも知れないと期待を寄せてますよ。
クウェンサーの事を破壊神と呼び難題を破壊してみたまえ、と挑発してますね・・・
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終章
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正統王国に捕まったルイジアナを整備兵の婆さんが尋問する事になります。
婆さんが島国の出身だと知るとルイジアナが興味を示しました。
ここで情報を喋らないとベルト付きの椅子と得体の知れない薬液が待っていると脅してます。
婆さんは破壊されてばら撒かれたワールズエンドの破片を回収するのに現地のゲリラを雇った事を伝えます。
5ドルのワクチンが買えるようになったと知りルイジアナは少し安心しました。
ルイジアナは7thコアを操っていたシルクSに言及しています。
7thコアのCEOに見切りを付けた彼女は次の手の足掛かりとしてルイジアナの計画を利用したそうです。
ルイジアナは狙われているようです。
いつまで生きられるか分からないと言ってます。
婆さんでは真実を教えても固定観念に縛られていて受け入れられないと言ってます。
クウェンサーにならば受け入れる事ができるのかな?
シルクSが戦略秘書を務めていたウェンディゴビークルは心筋梗塞で死にました。
自分の会社のからっぽのオフィスを見てショック死しました。
クウェンサーはルイジアナの計画を潰した事が正しかったのか悩んでいます。
世界を歪めている元凶がオブジェクトだと言われました。
オブジェクトの設計士を目指している彼にはオブジェクトを排斥するのは難しそうです。
なによりオブジェクトの操縦士をしているお姫様の人生を否定できるのか?と悩んでいます。
世界を牛耳っている人々はメーリングリストを作っているようです。
メンバーとして情報同盟を仕切っている人工知能のアナスタシアプロセッサーまでメンバーに入れられています。
メーリングリストは知り過ぎた人間を始末したいと言ってます。
まだまだオブジェクトによるクリーンな戦争を継続する気満々です。
アナスタシアprは人工知能の自分が一番真面だと感じています。
どう動くのが良いのか検討してますよ。
いずれにしろ真面な世界では無いね。
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