ラノベの感想) 最強魔法師の隠遁計画 第7巻 (HJ文庫)
概略:
アルス達は生き残りの魔法師を発見しました。それは魔物の仕掛けた罠で、魔法師の中から魔物が飛び出してきました。交戦を始めると魔物が且つて人類を滅ぼしかけた悪食だと判明しました。アルスが単独で討伐に乗り出す事になりました。祝賀会場でロキが悩んでいました。悩めるロキにフローゼが適切なアドバイスを贈る事になりました。ロキはアルスの元に駆けつける事にしました。
レーベル:HJ文庫
発行日:2018/9/1
著者:イズシロ
イラスト:ミユキルリア
ISBN:978-4-7986-1762-6
雰囲気:生き残り発見、勧誘合戦、ロキの決意、悪食討伐、暴走した異能、ロキの本音
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第37章 不吉なる静寂
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アルス達は外界に居る不審な魔法師の存在を感知しました。
クラマの魔法師と思われる集団にアルスとレティが【極致級】に分類される大魔法を放ちました。
炎をまき散らして周囲一帯を誘爆する魔法です。
しかしこの魔法が無効化されてしまいました。
クラマと思われる一団からの反撃の魔法が飛んできましたよ!!
これをアルスが片手を突き出して吸収してしまいました。
レティたちは初めて見る異様な光景に驚いていました。
魔法の構成をレティたちよりも深く感知できるリンネがアルスが使った魔法の正体に気付いたようです。
震えだしたリンネに向かって、黙っていて下さいね、とアルスが警告を発しました。
アルス達はバルメスの討伐隊が交戦したと思われる場所で生き残りの魔法師を発見しました。
彼らが消息を絶って2ヵ月が経過しています。
普通に考えれば生きている筈はないのですが発見した魔法師には息がありました。
不自然過ぎると判断したアルスは彼の事を無視しようかと考えますが、今回の任務にシセルニアが絡んでいるので政治的な配慮を行う事になります。
レティが生き残っていた魔法師の正体に気が付きました。
彼はバルメスに所属する第9位ダンカル・コンツェルだと断定しました。
アルファの体面を保つためにアルスが近付いて確認作業を行う事になりました。
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第38章 綺羅びやかな戦場
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優勝した第2魔法学院の宿舎で祝賀会が開催される事になりました。
祝賀会は2部構成になっていて1部では軍関係の人達が優秀な学生を勧誘する事が許可されています。
優勝したテスフィアや活躍したアリスやロキは多くの人から勧誘を受ける事になっていました。
テスフィアは貴族の振る舞いから外れないように苦労していました。
勧誘は断ると決めているようですが、余りに素気無く断ると貴族としての品位が疑われるようです。
アリスの方は人からチヤホヤされる事に慣れていないようですね。
角が立たないように断るのに難儀していました。
ロキの態度が一番ハッキリとしていました。
彼女はアルスに尽くす事だけを生き甲斐としているので誰の勧誘も受ける積りはありませんでした。
ハッキリと誰の勧誘も受ける積りは無いと宣言していました。
ロキの覚悟を聞き無理だと判断したようです・・・彼女を勧誘する軍関係者は居なくなりました。
2部が始まり貴族が会場にやって来ました。
彼らは自分の子共の結婚相手を探す目的でやって来ています。
軍関係者は2部が始まると退出する事に成っているのですがしつこくアリスを勧誘する人物が居ました。
彼はルサールカでAWR開発の責任者の地位にある人でした。
試合でアリスが使ったAWRに興味を持ち是非解析させて欲しいとお願いしてきました。
押しに弱いアリスは断り切れないでオロオロしていました。
アリスの事を助けてくれたのはフローゼでした。
退役してからもアルファの軍と強いパイプを持ち、自身も優れた軍人であった彼女の異名は他国にも轟いていました。
フローゼの登場と叱責によりシツコイ勧誘者は逃げていきました。
テスフィアはフローゼが会場に来ている事に驚いています。
フローゼはテスフィアと交わした約束の結論を告げる事にします。
フローゼとテスフィアは7ヵ国親善魔法大会で活躍出来れば学院に通わせるか再考すると約束していました。
試合を観戦したフローゼはテスフィアの成長に驚き感激しています。
フローゼは卒業までテスフィアを学院に通わせる事を条件付きで認めました。
彼女の提示した条件はアルスの指導を受け続ける事でした。
アリスにもアルスの指導を受け続けるようにアドバイスしていました。
フローゼはテスフィアとアリスを短期間に成長させたアルスの実力を認めています。
彼女はできるならばアルスをテスフィアの婿に向かえてフェーヴェル家を発展させたいと考えています。
フローゼはロキにも興味を持っていました。
テスフィアとアリスに紹介してくれるように頼んできました。
テスフィアはロキとフローゼが会うと激突必至と警戒しています。
誤魔化そうとしましたが視線の先にロキを見つけてしまいました。
ロキは何故ここに居るのだろう?と自問していました。
アルスの傍を離れて祝賀会に出席している事に違和感を抱いているようです。
アルスから離れてしまい機嫌が悪いロキに声を掛けてくる貴族が現れました。
彼は自分の息子の嫁にしてやる、キミにとっても悪い話ではないぞ、と偉そうに勧誘してきました。
尊大な態度でロキが断る可能性を全く考えていませんでした。
ロキはアルスの名前を出さないで、ある人のパートナーだから無理です、と断りました。
しかし馬鹿な貴族は「くだらぬ縛り」と言ってしまいました。
アルスとの関係をくだらないと言われたロキが激怒して殺気を放ちました。
彼女の殺気に当てられて馬鹿貴族は悲鳴を上げる事になりました。
ロキが自分を惰眠を貪る豚のつがいにするつもりなら命を懸ける覚悟があるのか?と問い質しています。
馬鹿貴族はロキの暴言に激怒して彼女の事を適当な罪状をでっち上げて捕まえようと計画しています。
そこにフローゼがやって来て馬鹿貴族の行いを咎めてくれました。
馬鹿貴族は元はアルファの貴族だったらしいのですがフローゼにより追い落とされてハルカプディアに都落ちしたそうです。
フローゼがロキの味方をすると告げると逃げ帰る事になりました。
フローゼはロキの容姿と能力を知り、テスフィアがアルスを攻略する段階でライバルになる、と考えています。
しかしロキの実直さを見て彼女に好感を抱いたようです。
アルスの命令に従わねばと云う理性とアルスの傍に行きたいとの感情の間で悩んでいるロキを助ける事にしました。
フローゼは悩めるロキに若いなら行動あるのみとのアドバイスを贈りました。
フローゼから後悔の無い生き方をする様に助言されたロキはアルスの元に向かう事になりました。
しかし感情的になりきる事は出来ず、アルスと交わした第2魔法学院を優勝させるという約束は果たした、これで彼の傍に居る権利を獲得したんだ、と自分の行動を正当化しています。
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第39章 奥深くに蠢くもの
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アルスは警戒しながらダンカルに近づきました。
呼び掛けてもダンカルは応答を返しませんでした。
怪しさが増してきましたよ。
ある程度罠の可能性を考慮していたのですが予想が当たりました。
ダンカルの体から魔物が出てきました。
この魔物が通常の魔物とは違い攻撃しても瞬時にダメージを回復してしまいました。
最初はレティの部隊員のサジークとムジェルも交えて4人で攻撃しました。
しかしサジークとムジェルが攻撃を貰い負傷してしまったのでアルスとレティで対処する事になります。
アルスが魔物の行動を抑え込んでいる間にレティが極致魔法に匹敵する威力の魔法の詠唱を始めます。
レティが《カグツチ》と云う蒼い6本の鬼火で対象を焼く魔法を放ちました。
対象に刻印を施してそれを起点に発動する魔法で掛けられた相手は逃げられないようです。
6本全ての鬼火が破裂すると魔法発動が終わるみたいです。
レティとアルスはこれで魔物を倒せたと思ったのですが違いました。
焼け残った魔物の体から魔法が発動されました。
使われたのが魔物に捕食されたと思われるジリーダの得意とする魔法でした。
魔物は捕食した魔法師の知識を読み取りその人物が使えた魔法を使えるようになるそうです。
アルスは魔物から出てきたのが悪食と呼ばれる魔物だと確信しました。
レティたちでは対処できないと判断したアルスは単独での討伐を行う事に決めました。
レティたちに魔物との戦闘の余波が届かない場所まで退避して貰う事にします。
アルスは強敵と戦える事にワクワクしていました。
レティはアルスの犠牲者を出したくないから1人で戦うとの子供らしい理想論に危機感を抱いています。
1人で戦っていればそのうち失敗すると心配しています。
それを防ぐ為にはアルスに仲間を持つ事の大切さを知って欲しいと考えています。
レティはロキ、テスフィア、アリスがアルスの仲間になる事を期待しているようです。
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第40章 背反の忌み子/デミ・アズール
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アルスは【砂国の世界《ヘルヘイム》】と云う周辺を砂地に変える魔法を発動しました。
それによって足場を悪くして悪食が高速移動できないようにしたようです。
アルスと悪食の激しい戦闘が始まりました。
アルスの攻撃を受けた悪食は瞬時に再生してしまい中々倒せませんでした。
徐々に魔法師を捕食してため込んだ魔力は減っているようですが底が見えてきません。
アルスは悪食にデミ・アズールと云う名前を付けました。
新種の魔物は発見者が命名しても良いようです。
アルスは砂地に大穴を作りだし、そこにデミ・アズールを落として《クロイカズチ》と云う極致級魔法を撃ち込みました。
デミ・アズールの魔核を破壊して倒せたと思われたのですが予想外の出来事が発生しました。
魔核を失いバランスを崩したデミ・アズールの魔力が大爆発を起こしそうになってしまいます。
それを「超反性魔力爆発」と呼ぶようです。
大爆発が起こると退避して貰ったレティ達も巻き込まれてしまいます。
アルスは奥の手を使い爆発を抑え込む事にしました。
アルスは彼の異能【暴食なる捕食者《グラ・イーター》】を使い余剰魔力の吸収を試みました。
しかし残されていたデミ・アズールの蓄積魔力は予想外に巨大でした。
アルスは《グラ・イーター》の制御を失ってしまいます。
異能はそれを発動した人間が死ねば解除されると考えられています。
アルスは最終手段として自決する覚悟を決めています。
突如現れたグラ・イーターを見たレティが混乱しています。
異能についての知識を持たない彼女にリンネがアルスの持つ異能が暴走状態になっていると教えます。
グラ・イーターのヤバさが分かっているリンネが即時撤退を推奨しました。
しかしレティはアルスを助けると言い出しました。
レティはアルスの事を人類の希望と考えています。
彼を失えば魔物に対抗できなくなると考えていました。
彼女の部下達もレティの意見に賛成していました。
レティは色々と助ける理由を言ってましたが究極的にはアルスを見捨てられないと言っています。
リンネはレティの想いに感化されたようです。
彼女も救出に同行する事を決めました。
一行はアルスの元に向かい一直線に駆けだしました。
その途中でリンネがアルスの元に駆け寄るレキの存在を感知しました。
リネンはレキならばアルスを助ける事ができるのではないか?と期待しています。
やって来てしまったレキを見たアルスはどうして来たんだと彼女を非難しました。
レキはアルスと交わした第2魔法学院を優勝させるという約束を果たした。
アルスの傍に居る権利を得たのでやって来たと主張しました。
アルスはもうできる事は無い、逃げろとロキに告げました。
一度俺に助けられたからと言って恩義を感じる必要は無いんだ、と告げます。
ロキはアルスがロキを助けた事を覚えていた事に感激しています。
アルスは何とかロキに逃げて貰えるように説得するのですが拒否されてしまいます。
ロキは自分が自分でいる為にアルスが必要だと言っています。
ふざけるな!と激情に駆られたアルスの集中が乱れてグラ・イーターに自由を与えてしまいました。
グラ・イーターはロキを捕食しようと襲い掛かって来ました。
ロキは【フォース】を使い身体能力を向上させてグラ・イーターの攻撃を避けました。
アルスはロキが【フォース】を使えるようになっている事に驚いています。
ロキはアルスと一緒に死ねるなら満足だそうです。
彼女の充足した微笑を見てアルスは全てを諦めかけていた自分を腹立たしく感じました。
アルスは生き延びる為に悪あがきを始める事にしました。
アルスはグラ・イーターに芽生えた自我を脅す事で大人しくさせました。
「従え」と命じたアルスにグラ・イーターは本能的に恐怖を感じたようです。
グラ・イーターは大人しくなりアルスの身体のに吸収される事になりました。
グラ・イーターの魔力が大きすぎたのでアルスは意識を失う事になりました。
アルスが死んだと思い込んだロキは泣き崩れています。
全身ボロボロの状態のロキは辛うじて動く腕を使い砂地を這ってアルスの元まで移動しました。
力尽きたロキはアルスの傍で意識を失いました。
リンネは最後の手段としてアルスを殺す覚悟を固めていました。
彼女なりに出来る事をしようと考えた結果です。
異能の力が消えた現場に到着したレティたちがアルスとロキを回収しました。
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第41章 黄昏に潜む傍観者
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アルスとデミ・アズールが戦った現場にメクフィスと云う男がやって来ました。
彼はイリイスの仲間のようですね。
イリイスがアルスを倒してくれればよかったんだが、と独り言を言っています。
そこにイリイスとハンザはルサールカの貴公子とやり合っていたわよ、と言ってダキアが現れました。
ダキアはメクフィスと知り合いのようです。
メクフィスはダキアが且つてアルスに殺されていると言っています。
ジャンを仕留められなかったイリイスは四尾を使わなかったのでしょうと推測しています。
なんだ?イリイスには何らかの秘密が有りそうです。
ダキアとの会話を続けながらメクフィスは戦場に残っていたアルスの血を採取していました。
メクフィスは血液を取り込む事で取り込んだ魔法師の姿に変身できるそうです。
そして自分が使える範囲ならば取り込んだ魔法師が習得していた魔法を使えるようになるそうです。
メクフィスの発言を聞く限り問題の悪食を用意したのはダキアのようです。
メクフィスがダキアにどちらに付くのか質問してきました。
ダキアは都合の良い方に付くと答えました。
この事からダキアはクラマから離れているように思われます。
お暇させていただくわ、と言ってダキアは自分の身体を爆発させました。
その時に「フェゲル四書、第四章【オーデオゲヒト】」と唱えました。
ダキアはフェゲル四書を持っているようですね。
ダキアは死体を傀儡として操れるそうです。
今回も本体は安全な場所に居て借りの身体を遠隔操作していたそうです。
バルメスの本部に帰還したレティはべリックにアルスの力の説明を求めました。
そこにジャンまでやって来て一緒に説明を聞きたいと言ってきました。
他国の魔法師である彼に話すのは憚られる話題です。
困っているべリックを助けたのはイベリス元首ハオルグ・メゾン・ジェコフェレスでした。
バルメスの魔法師が壊滅状態にある緊急事態です。
防備を固める方が先決だと言ってジャンを諭してくれました。
レティはべリックからアルスの持つ特殊な能力について説明されました。
魔力のみを喰らう魔力であるグラ・イーターの行動原理は魔物の様だと心配になっています。
彼女はアルスのお姉さん的なポジションに居るので心配事が増えてしまいました。
レティの愛が試される場面がやってくるのでしょうか?
今のところアルスのお姉さん的なポジションに留まるつもりのようですが、自分がアルス攻略に乗り出すのでしょうか?
アルスとロキは緊急治療室に運び込まれて世界最高の治癒魔法師の治療を受けています。
ロキの治療は終わりましたがアルスは目覚めませんでした。
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第42章 静寂の密度
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アルスが治療室に入り2週間が経過しました。
ロキはバルメスに残りアルスの看病をしていました。
ロキは毎日アルスの眠る部屋に通い彼の傍らで過ごしていました。
ロキの独白が始まりました。
ロキは抱えていたアルスへの想いを語っています。
ロキはアルスの為に自分の命の全てを使うと吐露しています。
アルスの為に死にたかったと呟いたところでアルスが目覚めました。
「・・・そんなこと、させんさ」とアルスが返事を返しました。
目覚めたアルスにロキは、もっと、もっと頑張るので傍に居させて欲しい、とお願いしています。
アルスは今回はロキに助けられた、ありがとう、これからも・・・よろしく頼む、と答えました。
ロキがアルスに一つの約束をして欲しいと言ってきました。
アルスは、俺にできる事なら約束すると言って、続きを促しました。
ロキは「私より先に、死なないでください」とお願いしてきました。
「アルス様がこの世界からいなくなってしまうことに、私は耐えられませんから」
ロキが熱烈なアピールをしてきましたよ・・・強烈ですねー。
アルスが真っ当な感情を持っていたら落とされていたね。
アルスのロキに対する態度に変化があるのか注目ですね。
ロキは自分の感情を多少は素直に表現できるようになったようです。
ロキがぐいぐいアルスに好き好きアピールをするようになるのかも注目です。
ロキはテスフィアの強力なライバルに成長してしまったように思われます。
フローゼさんは自分の計画の障害となる強敵を目覚めさせてしまったようです。
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AmazonLink: 最強魔法師の隠遁計画7 (HJ文庫)
アルス達は生き残りの魔法師を発見しました。それは魔物の仕掛けた罠で、魔法師の中から魔物が飛び出してきました。交戦を始めると魔物が且つて人類を滅ぼしかけた悪食だと判明しました。アルスが単独で討伐に乗り出す事になりました。祝賀会場でロキが悩んでいました。悩めるロキにフローゼが適切なアドバイスを贈る事になりました。ロキはアルスの元に駆けつける事にしました。
レーベル:HJ文庫
発行日:2018/9/1
著者:イズシロ
イラスト:ミユキルリア
ISBN:978-4-7986-1762-6
雰囲気:生き残り発見、勧誘合戦、ロキの決意、悪食討伐、暴走した異能、ロキの本音
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第37章 不吉なる静寂
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アルス達は外界に居る不審な魔法師の存在を感知しました。
クラマの魔法師と思われる集団にアルスとレティが【極致級】に分類される大魔法を放ちました。
炎をまき散らして周囲一帯を誘爆する魔法です。
しかしこの魔法が無効化されてしまいました。
クラマと思われる一団からの反撃の魔法が飛んできましたよ!!
これをアルスが片手を突き出して吸収してしまいました。
レティたちは初めて見る異様な光景に驚いていました。
魔法の構成をレティたちよりも深く感知できるリンネがアルスが使った魔法の正体に気付いたようです。
震えだしたリンネに向かって、黙っていて下さいね、とアルスが警告を発しました。
アルス達はバルメスの討伐隊が交戦したと思われる場所で生き残りの魔法師を発見しました。
彼らが消息を絶って2ヵ月が経過しています。
普通に考えれば生きている筈はないのですが発見した魔法師には息がありました。
不自然過ぎると判断したアルスは彼の事を無視しようかと考えますが、今回の任務にシセルニアが絡んでいるので政治的な配慮を行う事になります。
レティが生き残っていた魔法師の正体に気が付きました。
彼はバルメスに所属する第9位ダンカル・コンツェルだと断定しました。
アルファの体面を保つためにアルスが近付いて確認作業を行う事になりました。
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第38章 綺羅びやかな戦場
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優勝した第2魔法学院の宿舎で祝賀会が開催される事になりました。
祝賀会は2部構成になっていて1部では軍関係の人達が優秀な学生を勧誘する事が許可されています。
優勝したテスフィアや活躍したアリスやロキは多くの人から勧誘を受ける事になっていました。
テスフィアは貴族の振る舞いから外れないように苦労していました。
勧誘は断ると決めているようですが、余りに素気無く断ると貴族としての品位が疑われるようです。
アリスの方は人からチヤホヤされる事に慣れていないようですね。
角が立たないように断るのに難儀していました。
ロキの態度が一番ハッキリとしていました。
彼女はアルスに尽くす事だけを生き甲斐としているので誰の勧誘も受ける積りはありませんでした。
ハッキリと誰の勧誘も受ける積りは無いと宣言していました。
ロキの覚悟を聞き無理だと判断したようです・・・彼女を勧誘する軍関係者は居なくなりました。
2部が始まり貴族が会場にやって来ました。
彼らは自分の子共の結婚相手を探す目的でやって来ています。
軍関係者は2部が始まると退出する事に成っているのですがしつこくアリスを勧誘する人物が居ました。
彼はルサールカでAWR開発の責任者の地位にある人でした。
試合でアリスが使ったAWRに興味を持ち是非解析させて欲しいとお願いしてきました。
押しに弱いアリスは断り切れないでオロオロしていました。
アリスの事を助けてくれたのはフローゼでした。
退役してからもアルファの軍と強いパイプを持ち、自身も優れた軍人であった彼女の異名は他国にも轟いていました。
フローゼの登場と叱責によりシツコイ勧誘者は逃げていきました。
テスフィアはフローゼが会場に来ている事に驚いています。
フローゼはテスフィアと交わした約束の結論を告げる事にします。
フローゼとテスフィアは7ヵ国親善魔法大会で活躍出来れば学院に通わせるか再考すると約束していました。
試合を観戦したフローゼはテスフィアの成長に驚き感激しています。
フローゼは卒業までテスフィアを学院に通わせる事を条件付きで認めました。
彼女の提示した条件はアルスの指導を受け続ける事でした。
アリスにもアルスの指導を受け続けるようにアドバイスしていました。
フローゼはテスフィアとアリスを短期間に成長させたアルスの実力を認めています。
彼女はできるならばアルスをテスフィアの婿に向かえてフェーヴェル家を発展させたいと考えています。
フローゼはロキにも興味を持っていました。
テスフィアとアリスに紹介してくれるように頼んできました。
テスフィアはロキとフローゼが会うと激突必至と警戒しています。
誤魔化そうとしましたが視線の先にロキを見つけてしまいました。
ロキは何故ここに居るのだろう?と自問していました。
アルスの傍を離れて祝賀会に出席している事に違和感を抱いているようです。
アルスから離れてしまい機嫌が悪いロキに声を掛けてくる貴族が現れました。
彼は自分の息子の嫁にしてやる、キミにとっても悪い話ではないぞ、と偉そうに勧誘してきました。
尊大な態度でロキが断る可能性を全く考えていませんでした。
ロキはアルスの名前を出さないで、ある人のパートナーだから無理です、と断りました。
しかし馬鹿な貴族は「くだらぬ縛り」と言ってしまいました。
アルスとの関係をくだらないと言われたロキが激怒して殺気を放ちました。
彼女の殺気に当てられて馬鹿貴族は悲鳴を上げる事になりました。
ロキが自分を惰眠を貪る豚のつがいにするつもりなら命を懸ける覚悟があるのか?と問い質しています。
馬鹿貴族はロキの暴言に激怒して彼女の事を適当な罪状をでっち上げて捕まえようと計画しています。
そこにフローゼがやって来て馬鹿貴族の行いを咎めてくれました。
馬鹿貴族は元はアルファの貴族だったらしいのですがフローゼにより追い落とされてハルカプディアに都落ちしたそうです。
フローゼがロキの味方をすると告げると逃げ帰る事になりました。
フローゼはロキの容姿と能力を知り、テスフィアがアルスを攻略する段階でライバルになる、と考えています。
しかしロキの実直さを見て彼女に好感を抱いたようです。
アルスの命令に従わねばと云う理性とアルスの傍に行きたいとの感情の間で悩んでいるロキを助ける事にしました。
フローゼは悩めるロキに若いなら行動あるのみとのアドバイスを贈りました。
フローゼから後悔の無い生き方をする様に助言されたロキはアルスの元に向かう事になりました。
しかし感情的になりきる事は出来ず、アルスと交わした第2魔法学院を優勝させるという約束は果たした、これで彼の傍に居る権利を獲得したんだ、と自分の行動を正当化しています。
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第39章 奥深くに蠢くもの
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アルスは警戒しながらダンカルに近づきました。
呼び掛けてもダンカルは応答を返しませんでした。
怪しさが増してきましたよ。
ある程度罠の可能性を考慮していたのですが予想が当たりました。
ダンカルの体から魔物が出てきました。
この魔物が通常の魔物とは違い攻撃しても瞬時にダメージを回復してしまいました。
最初はレティの部隊員のサジークとムジェルも交えて4人で攻撃しました。
しかしサジークとムジェルが攻撃を貰い負傷してしまったのでアルスとレティで対処する事になります。
アルスが魔物の行動を抑え込んでいる間にレティが極致魔法に匹敵する威力の魔法の詠唱を始めます。
レティが《カグツチ》と云う蒼い6本の鬼火で対象を焼く魔法を放ちました。
対象に刻印を施してそれを起点に発動する魔法で掛けられた相手は逃げられないようです。
6本全ての鬼火が破裂すると魔法発動が終わるみたいです。
レティとアルスはこれで魔物を倒せたと思ったのですが違いました。
焼け残った魔物の体から魔法が発動されました。
使われたのが魔物に捕食されたと思われるジリーダの得意とする魔法でした。
魔物は捕食した魔法師の知識を読み取りその人物が使えた魔法を使えるようになるそうです。
アルスは魔物から出てきたのが悪食と呼ばれる魔物だと確信しました。
レティたちでは対処できないと判断したアルスは単独での討伐を行う事に決めました。
レティたちに魔物との戦闘の余波が届かない場所まで退避して貰う事にします。
アルスは強敵と戦える事にワクワクしていました。
レティはアルスの犠牲者を出したくないから1人で戦うとの子供らしい理想論に危機感を抱いています。
1人で戦っていればそのうち失敗すると心配しています。
それを防ぐ為にはアルスに仲間を持つ事の大切さを知って欲しいと考えています。
レティはロキ、テスフィア、アリスがアルスの仲間になる事を期待しているようです。
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第40章 背反の忌み子/デミ・アズール
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アルスは【砂国の世界《ヘルヘイム》】と云う周辺を砂地に変える魔法を発動しました。
それによって足場を悪くして悪食が高速移動できないようにしたようです。
アルスと悪食の激しい戦闘が始まりました。
アルスの攻撃を受けた悪食は瞬時に再生してしまい中々倒せませんでした。
徐々に魔法師を捕食してため込んだ魔力は減っているようですが底が見えてきません。
アルスは悪食にデミ・アズールと云う名前を付けました。
新種の魔物は発見者が命名しても良いようです。
アルスは砂地に大穴を作りだし、そこにデミ・アズールを落として《クロイカズチ》と云う極致級魔法を撃ち込みました。
デミ・アズールの魔核を破壊して倒せたと思われたのですが予想外の出来事が発生しました。
魔核を失いバランスを崩したデミ・アズールの魔力が大爆発を起こしそうになってしまいます。
それを「超反性魔力爆発」と呼ぶようです。
大爆発が起こると退避して貰ったレティ達も巻き込まれてしまいます。
アルスは奥の手を使い爆発を抑え込む事にしました。
アルスは彼の異能【暴食なる捕食者《グラ・イーター》】を使い余剰魔力の吸収を試みました。
しかし残されていたデミ・アズールの蓄積魔力は予想外に巨大でした。
アルスは《グラ・イーター》の制御を失ってしまいます。
異能はそれを発動した人間が死ねば解除されると考えられています。
アルスは最終手段として自決する覚悟を決めています。
突如現れたグラ・イーターを見たレティが混乱しています。
異能についての知識を持たない彼女にリンネがアルスの持つ異能が暴走状態になっていると教えます。
グラ・イーターのヤバさが分かっているリンネが即時撤退を推奨しました。
しかしレティはアルスを助けると言い出しました。
レティはアルスの事を人類の希望と考えています。
彼を失えば魔物に対抗できなくなると考えていました。
彼女の部下達もレティの意見に賛成していました。
レティは色々と助ける理由を言ってましたが究極的にはアルスを見捨てられないと言っています。
リンネはレティの想いに感化されたようです。
彼女も救出に同行する事を決めました。
一行はアルスの元に向かい一直線に駆けだしました。
その途中でリンネがアルスの元に駆け寄るレキの存在を感知しました。
リネンはレキならばアルスを助ける事ができるのではないか?と期待しています。
やって来てしまったレキを見たアルスはどうして来たんだと彼女を非難しました。
レキはアルスと交わした第2魔法学院を優勝させるという約束を果たした。
アルスの傍に居る権利を得たのでやって来たと主張しました。
アルスはもうできる事は無い、逃げろとロキに告げました。
一度俺に助けられたからと言って恩義を感じる必要は無いんだ、と告げます。
ロキはアルスがロキを助けた事を覚えていた事に感激しています。
アルスは何とかロキに逃げて貰えるように説得するのですが拒否されてしまいます。
ロキは自分が自分でいる為にアルスが必要だと言っています。
ふざけるな!と激情に駆られたアルスの集中が乱れてグラ・イーターに自由を与えてしまいました。
グラ・イーターはロキを捕食しようと襲い掛かって来ました。
ロキは【フォース】を使い身体能力を向上させてグラ・イーターの攻撃を避けました。
アルスはロキが【フォース】を使えるようになっている事に驚いています。
ロキはアルスと一緒に死ねるなら満足だそうです。
彼女の充足した微笑を見てアルスは全てを諦めかけていた自分を腹立たしく感じました。
アルスは生き延びる為に悪あがきを始める事にしました。
アルスはグラ・イーターに芽生えた自我を脅す事で大人しくさせました。
「従え」と命じたアルスにグラ・イーターは本能的に恐怖を感じたようです。
グラ・イーターは大人しくなりアルスの身体のに吸収される事になりました。
グラ・イーターの魔力が大きすぎたのでアルスは意識を失う事になりました。
アルスが死んだと思い込んだロキは泣き崩れています。
全身ボロボロの状態のロキは辛うじて動く腕を使い砂地を這ってアルスの元まで移動しました。
力尽きたロキはアルスの傍で意識を失いました。
リンネは最後の手段としてアルスを殺す覚悟を固めていました。
彼女なりに出来る事をしようと考えた結果です。
異能の力が消えた現場に到着したレティたちがアルスとロキを回収しました。
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第41章 黄昏に潜む傍観者
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アルスとデミ・アズールが戦った現場にメクフィスと云う男がやって来ました。
彼はイリイスの仲間のようですね。
イリイスがアルスを倒してくれればよかったんだが、と独り言を言っています。
そこにイリイスとハンザはルサールカの貴公子とやり合っていたわよ、と言ってダキアが現れました。
ダキアはメクフィスと知り合いのようです。
メクフィスはダキアが且つてアルスに殺されていると言っています。
ジャンを仕留められなかったイリイスは四尾を使わなかったのでしょうと推測しています。
なんだ?イリイスには何らかの秘密が有りそうです。
ダキアとの会話を続けながらメクフィスは戦場に残っていたアルスの血を採取していました。
メクフィスは血液を取り込む事で取り込んだ魔法師の姿に変身できるそうです。
そして自分が使える範囲ならば取り込んだ魔法師が習得していた魔法を使えるようになるそうです。
メクフィスの発言を聞く限り問題の悪食を用意したのはダキアのようです。
メクフィスがダキアにどちらに付くのか質問してきました。
ダキアは都合の良い方に付くと答えました。
この事からダキアはクラマから離れているように思われます。
お暇させていただくわ、と言ってダキアは自分の身体を爆発させました。
その時に「フェゲル四書、第四章【オーデオゲヒト】」と唱えました。
ダキアはフェゲル四書を持っているようですね。
ダキアは死体を傀儡として操れるそうです。
今回も本体は安全な場所に居て借りの身体を遠隔操作していたそうです。
バルメスの本部に帰還したレティはべリックにアルスの力の説明を求めました。
そこにジャンまでやって来て一緒に説明を聞きたいと言ってきました。
他国の魔法師である彼に話すのは憚られる話題です。
困っているべリックを助けたのはイベリス元首ハオルグ・メゾン・ジェコフェレスでした。
バルメスの魔法師が壊滅状態にある緊急事態です。
防備を固める方が先決だと言ってジャンを諭してくれました。
レティはべリックからアルスの持つ特殊な能力について説明されました。
魔力のみを喰らう魔力であるグラ・イーターの行動原理は魔物の様だと心配になっています。
彼女はアルスのお姉さん的なポジションに居るので心配事が増えてしまいました。
レティの愛が試される場面がやってくるのでしょうか?
今のところアルスのお姉さん的なポジションに留まるつもりのようですが、自分がアルス攻略に乗り出すのでしょうか?
アルスとロキは緊急治療室に運び込まれて世界最高の治癒魔法師の治療を受けています。
ロキの治療は終わりましたがアルスは目覚めませんでした。
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第42章 静寂の密度
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アルスが治療室に入り2週間が経過しました。
ロキはバルメスに残りアルスの看病をしていました。
ロキは毎日アルスの眠る部屋に通い彼の傍らで過ごしていました。
ロキの独白が始まりました。
ロキは抱えていたアルスへの想いを語っています。
ロキはアルスの為に自分の命の全てを使うと吐露しています。
アルスの為に死にたかったと呟いたところでアルスが目覚めました。
「・・・そんなこと、させんさ」とアルスが返事を返しました。
目覚めたアルスにロキは、もっと、もっと頑張るので傍に居させて欲しい、とお願いしています。
アルスは今回はロキに助けられた、ありがとう、これからも・・・よろしく頼む、と答えました。
ロキがアルスに一つの約束をして欲しいと言ってきました。
アルスは、俺にできる事なら約束すると言って、続きを促しました。
ロキは「私より先に、死なないでください」とお願いしてきました。
「アルス様がこの世界からいなくなってしまうことに、私は耐えられませんから」
ロキが熱烈なアピールをしてきましたよ・・・強烈ですねー。
アルスが真っ当な感情を持っていたら落とされていたね。
アルスのロキに対する態度に変化があるのか注目ですね。
ロキは自分の感情を多少は素直に表現できるようになったようです。
ロキがぐいぐいアルスに好き好きアピールをするようになるのかも注目です。
ロキはテスフィアの強力なライバルに成長してしまったように思われます。
フローゼさんは自分の計画の障害となる強敵を目覚めさせてしまったようです。
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成分 | 美少女 | 戦闘 | 訓練 | 恋愛 | ハーレム |
評価 | AA | AAA | C | BB | B |
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