漫画の感想) ちはやふる 第17巻 (BE LOVE KC)
概略:
新と詩暢のA級決勝戦が始まりました。観客は詩暢が勝つだろうと予想していますが運営委員の期待は新に向いていました。素行が良くない周防名人に勝ってくれる選手として新に期待しています。太一と理音のB級決勝戦は互いにお手つきを繰り返す展開で始まりました。太一は勝負を早く終わらせようと焦っています。理音は読手の読みが下手過ぎて集中できていませんでした。
レーベル:講談社コミックビーラブ
発行日:2012/6/13
著者:末次由紀
ISBN:978-4-06-380349-5
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新と詩暢のA級決勝戦は詩暢ちゃん優勢で始まりました。
詩暢ちゃんは結局一番強いのはかるたに個人で向かい合ってきた者だ。
自分と新のどちらが強いかハッキリさせようと挑発してきました。
新は「そうかぁ?」と言って詩暢ちゃんの挑発を受け流しています。
詩暢ちゃんはちょっとムッとしているようですね。
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新は詩暢ちゃんの全方位の速さに対抗する為に詩暢ちゃんの長所を崩す事を始めます。
これは祖父の教えに従っての行動です。
新の祖父と対戦経験のある運営委員の先生は綿谷先生のイヤーなかるただ、と昔を思い出しています。
新は渡り手を使い詩暢ちゃんから札を取り始めます。
詩乃ちゃんは新相手に全ての札を平等に狙う事は困難だと判断しました。
捨てる札と狙う札を分ける事にしました。
新の狙い通りに詩暢ちゃんがペースを乱し始めました。
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太一と理音のB級決勝戦は互いにお手つきを連発する展開で始まりました。
太一は自分の対戦を早く終わらせて千早にA級決勝戦を見せようと考え焦っています。
理音は読手が下手で集中力を欠いていました。
B級決勝戦が読手の昇格試験を兼ねているらしく読手は緊張しているようです。
二人の対戦で最初にペースを取り戻したのは理音でした。
彼女は自分を応援してくれている富士崎の仲間の姿を見て集中力を取り戻します。
速い取りが出るようになりました。
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速い取りを始めた理音を見て太一は己の迂闊さに気が付きます。
千早が言っていた「山ちゃんの感じ」の凄さを痛感しています。
反省した太一は一枚差でも良いから拾える札を拾って勝つ方法を模索し始めます。
札を分けて自分が取りやすく相手が取りにくい配置を行う事を始めます。
徐々に太一が盛り返し始めました。
理音の勢いが止まり太一がリードを奪い始めました。
観戦していた桜沢先生は太一が身体を鍛え上げている事に気が付き彼の事を誉めています。
鍛えてある、才能と戦う覚悟がある、と高評価しています。
二人の対戦は9枚差で太一が勝利する事になりました。
負けた理音は自分に足りないモノが色々とある事を痛感しています。
桜沢先生はランニングをサボるから体力が足りてないと分析していますね。
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勝利した太一は千早の事を連れ出しA級の決勝戦を見に行こうとします。
ボヤっとしてんなよ、行くぞ2階、A級の決勝まだやってるから。
千早は泣き出してしまいます・・・太一がA級に昇格して嬉しいようですね。
途中までは純粋に喜んでいたのですがA級になったって事はライバル、と認識を改め威嚇していますね。
かなちゃんが机君の応援は自分たちがするのでA級の決勝を見に行ってください、と言ってくれます。
千早はキャプテンとして残ろうとしましたが太一が腕を掴んで引き摺って行きました。
これを見て菫ちゃんは太一の本気度を察したようです。
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かなちゃんは「かくとだに」はいい歌ですよね、と言って菫ちゃんを励ましていました。
会場に戻った二人は筑波君がD級の決勝戦に残っていた事に気が付きました。
筑波君の扱いが結構酷いよね。
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A級の会場に到着すると栗山先生からもう席が無いんだ、と言われてしまいます。
諦めかけている二人の前に桜沢先生が現れ栗山先生にお願いしていますよ。
栗山先生は桜沢先生の頼みなら何とかしようと言って、横から会場に入れてくれる事になりました。
千早は新と詩暢の試合を見るのが怖くなります。
桜沢先生は千早の心理を理解してくれたようですね。
「これ」と決めた道で、知らないほうがいいことなんて一つもないわよ、と言って千早の背中を押してくれました。
千早は桜沢先生に気に入られたようですね。
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会場に入った千早は新の試合は水の中で行われている様な錯覚に陥ります。
息苦しさを感じている千早は詩暢ちゃんが負けている事を知り驚きます。
試合を最初から見ていた肉まん君は新が札を呼び込んでいると感じています。
なんで自分に都合のいい札ばかりが読まれるんだ、と困惑しているようです。
詩暢ちゃんは自分の思い通りの札が読まれないのは、自分が札を差別したからだ、と考えます。
札にそっぽ向かれた、と思っています。
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詩暢ちゃんはいつもの音のしないかるたをやめました。
バンバン音を立てて読まれた札の周囲の札を巻き込んで取り始めました。
千早は詩暢ちゃんがスタイルを変えた事に驚いていました。
新の取りを見た千早たちは驚いています。
音を聞いて飛び出すのは詩暢ちゃんの方が速いのですが後から出した新の手が加速して詩暢ちゃんの手を追い越して行きます。
肉まん君は新の落ち着きが一番怖いと評しています。
千早は新のかるたを、何が触れても弾き返される安定した世界、千速振る、の様だと感じていました。
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詩暢ちゃんは、おろしたてのスノーふかふか丸タオルで汗を拭いています。
観客は詩暢ちゃんが汗をぬぐている姿を見て驚いています。
詩暢ちゃんは楽な試合ばかりじゃなかったと、恵夢と千早の顔を思い浮かべています。
手加減の必要のない一日だった、と喜んでいるようです。
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札を取った詩暢ちゃんは、かるたと一番強く繋がっているのは自分だ、と新の事を威嚇しています。
睨まれた新はにっこり笑っています。
これに対して詩暢ちゃんはイライラしています。
「ホンマ調子狂うわ、このニコニコメガネ」油断ならない、集中や集中、と思っています。
うーん、詩暢ちゃんは新の事をライバルと認識しているようですね。
詩暢ちゃんは差を縮めましたが新が逃げ切りA級で優勝する事になりました。
クイーンが負けてしまったので新の両親は愕然としています。
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決着後、新が詩暢ちゃんの額に手を当てて、熱があるんやろ、と言っています。
詩暢ちゃんは昨日、雨に濡れたずぶ濡れの姿で会場にやって来ました。
それで風邪を引いたようですよ。
よくやり切ったな、凄いな、と称賛する新に、当然や、うちはクイーンやから、と答えました。
詩暢ちゃんは自分に本気で挑んでくる挑戦者と戦ってみたかったので無理して出場したようですね。
ちょっと嬉しそうにしているような?
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太一はクイーンに勝った新の事を凄い、と思って見ています。
そこに新がやって来て、手を上げていますね?
太一が反応を示さないのを疑問に思ったようです。
あれ、こういつときはハイタッチやないんか?お前も優勝したんやろ太一、おめでとう!と言っています。
新は小学生時代と同じ関係が継続していると思っているようですね。
太一の方が色々と考え過ぎていて対応しきれていない様です。
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千早が新の背中を掴み引き倒してます。
新は驚いていますね。
千早は小声で称賛を送り、新に質問をしています。
どうして笑えるの?詩暢ちゃんみたいな強い人相手に、と聞いていますね。
新は答えようとしましたが、時間が押しているので表彰式を始めます、との声が掛かり新の返答を得られませんでした。
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自分は頑張ってきた、それなのに新のかるたと違う、何が違うんだ、と悩んでいる千早の元に机君と筑波君がやって来ます。
二人はブイサインを作っていますよ。
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表彰式が始まりました。
A級優勝、綿谷新。
B級優勝、真島太一。
C級優勝、駒野勉、他1名。
D級優勝、筑波秋博、他3名。
瑞沢高校はB,C,D級を制覇しました。
千早は、本当は自分がA級で優勝して全階級制覇する筈だった、駄目だなー、と悔いています。
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帰ろうとしている千早に桜沢先生が声を掛けてきました。
彼女はA級決勝戦のビデオをくれると言っています。
桜沢先生は自分のメールアドレスを教えてくれます、連絡先をメールしてと言ってくれました。
エロムは千早が桜沢先生のアドレスをゲットした事を羨んでいます。
ちくしょう、俺でさえメアド知らんのにー、と悔しがっています。
今回の高校選手権で一度も負けなかったのは、新と太一だけだそうです。
桜沢先生は新と太一にも注目しているようです。
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東京に戻った千早は右手人差し指の検査を受けました。
MRIを取ってもらい、内軟骨腫、という症状だと判明しました。
右手人差し指の3番目の骨の中身だけが軟骨化しているそうです。
千早はこれからも思いっきりかるたが取りたいので手術を受けて骨の中身に固い素材を入れて貰う事にした事を泣きながら部員に伝えました。
手術は全身麻酔をして1週間入院する必要があります。
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部員たちは千早のお見舞いに行く事にします。
何をお見舞いの品にするか迷っていますね。
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千早は新と詩暢ちゃんの決勝戦のビデオを見て時間を潰していました。
新に電話を掛けてみる事にします。
その時、新は本屋でバイト中で綾瀬千歳の写真集を見ていました。
写真集のタイトルがミレニアムとなっています。
千歳だからミレニアムなのか!と気がついたようです。
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千早は電話に出てくれた新に驚いています。
お姉ちゃんは電話にでてくれないんだ、と教えると、新は、へ、へー、と写真集を見ながら返事しているぞ。
千歳の本性を聞いてしまい若干ガッカリしたような感じですね。
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千早は新に、全国大会で聞けなかった事を聞いてみることにしました。
分かり易く言うと、かるた強くなりたいんだけど、と質問しています。
新は、試合をする時は千早とかるたを取った、ボロアパートの部屋に戻る事にしている、と教えました。
誰が来ても何も怖くない、うれしくて、楽しくて、終わって欲しくない、と思いながら取っていると教えたようですね。
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これを聞いた千早は、良く分からない気持ち、でも私は一生、かるたが好きで、新が好きなんだ、と思っています。
うーん、これはかるた仲間として好きって事なのか?謎だ。
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電話中の千早の顔を見た太一は何かに気づいたような感じですね。
電話の相手が新だな、と気づいたようです。
落ち込んでいる千早の為に折角綺麗なお花を選んでもらって持ってきたのにね。
ちょっと不憫じゃないか?
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千早の手術は成功しました、1週間の入院を経て退院する予定となります。
千歳は千早の事が心配なようですね、大きなダディベアのぬいぐるみをくれます。
時間を持て余している千早は宿題をしています。
そこに太一とかなちゃんがお見舞いにやって来ました。
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深作先生に出された短歌20首、千早の作った短歌を詠んだ太一が駄目だししています。
出せば出すほど点が下がるぞ、と言っています。
かなちゃんは千早の作った短歌を詠んで千早の変化に気が付きました。
千早が新の事を想っていると気が付いたようですよ。
太一に向かって、千早ちゃんはいつまでも、あんぽんたんじゃないですよ、と言っています。
太一の背中をバンバン叩いて応援しているようです。
お見舞いだって自分を誘って行かなくてもいいんですよ、と言っています。
太一はわかっている、と答えています。
かなちゃんは太一が千早の変化に気付いていて態度を変えない事に驚いたようですね。
彼の強さに感動したように思えます。
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千早は桜沢先生にビデオのお礼の電話を入れます。
桜沢先生に新と詩暢ちゃんの試合の感想を聞いています。
桜沢先生は新は感じがいいわけではないけど、バランスの良いかるたをすると評しています。
詩暢ちゃんは独特のルールで札と結びついている、セオリーを知りたい、と言っています。
桜沢先生は千早とかるたの話が出来て嬉しいようですね、ペラペラと長台詞を喋っています。
長くなっちゃうわね、ごめんなさい、と言っています。
千早が、勉強になります、と答えると、桜沢先生は千早たちを富士崎のかるた部の合宿に誘ってきました。
行きます、私、右手を手術したけど、行きます、と千早が即答しています。
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かなちゃんが気を遣ってくれて、千早と太一の二人だけで、富士崎の合宿に行く事になりました。
静岡にはぜひ二人きりで!!と言ってくれました。
かなちゃんは太一の恋路を応援する事にしたようですね。
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富士崎のかるた部が予想以上に体育会系だった事に千早と太一は驚いています。
桜沢先生は北央学園の生徒も合宿に招待したようです、ヒョロ君が来ていました。
桜沢先生の課す練習メニューのハードさに千早は驚いています。
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練習終了後、千早が、富士崎の子はよく付いて行くね、と感嘆していました。
ヒョロ君がその理由を教えてくれます。
桜沢先生はクイーンになった事は無いけど、準クイーンの座には5回もついている、最強の挑戦者って言われてた人だそうです。
それを聞いた千早は桜沢先生に憧れを抱いたようですね。
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理音の事が気になる真琴は合宿を見に来ていました。
素直になれない真琴君は副キャプテンがどうやっているのか様子を見に来ただけだから、と言っています。
はあ、と理音は不思議そうにしていますね。
真琴君は、海とか行かない?と誘ってきます、彼なりに頑張ったと思います。
まさか真琴先輩が自分に好意を抱いているとは思っていない理音は「は?」と聞き返してしまいます。
恥ずかしくなった真琴君は、他の子も一緒に、そう、部の繋がりを親睦をより深く、と言い訳しています。
部の親睦を深める為ってセリフが理音の心を捉えました。
理音は、行きます、と元気よく答えています。
真琴君は後輩の女子部員の憧れのようです、二人の会話を盗み聞きしていた女子部員は歓声を上げています。
真琴先輩可哀想です、本当は理音と二人で行きたいんだけど、断れない状況になったぞ。
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夜は女子部員が集まり恋バナをしています。
理音は部の繋がり、親睦を深めるチャンスと海に行く事を楽しみにしています。
女子部員の会話には加わらないで一人でワクワクしていました。
千早は富士崎の女子部員から恋バナを振られて、ドキドキしています。
富士崎の女子部員は千早と太一が付き合っている、と思っているようですね、二人の関係に期待しています。
千早は、彼氏とかはいないんだけど、かるた強くならないと、目の前にさえ座れないから、頑張らないといけないんだあ、と語ります。
そう語った千早は一人で恥ずかしくなり、枕を抱えていますね。
富士崎の女子部員たちは、千早の返答を聞いて、かるたバカって、色々バカなんだ、とガッカリしたようです。
千早が思い浮かべたのは詩暢ちゃんの事なのかな?
強くならないと目の前にさえ座れない、つまりクイーンへの挑戦者にならなければならない、って事なのか?
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富士崎の女子部員は自分が好きな相手の事を語っています。
エロムの事を好きだと言っている子もいるね。
高校選手権で瑞沢に負けた時に告ればよかった、と言ってる子もいます。
千早は、そのような気持ちで応援席に居たんだ、と驚いています。
好きな人が居て、同じ気持ちに成れている彼女たちが羨ましいのかも知れないね。
新は、どんな気持ちなんだろう、全然わからない、でも分かりたい、と感じてますね。
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太一は富士崎の新部長の日向良彦君と親睦を深めています。
日向君は自分がかるたをしているのは女子にモテる為だ、と語ります。
太一は呆れているようですね。
二人は武道場に行き、太一が富士崎のストレッチを教えて貰う事に成っています。
銭湯から戻ってきた千早とヒョロ君がそれを目撃する事になりました。
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ヒョロ君は太一が富士崎伝統のフィジカルトレーニングを貪欲に学ぼうとしている姿を見て呪いの言葉を吐いています。
ヒョロ君が太一が今日の7試合に全勝した事を教えてくれます。
千早が太一凄いと素直な称賛を送るとヒョロ君が意外な事を言いました。
余裕こいてんなよ、お前だって、あぶねーぞ!
千早は太一に大抵勝てると教えると、それは練習でだろ。
公式戦で当たったことねーだろ、真島はお前が側に居ない方が強いと思う、と告げられました。
貪欲に強さを求める太一の姿を見て千早は、自分が何も分かっていな、太一の事さえも、と悟ります。
千早にとって太一は隣に居るのが当たり前の存在になっているようですね。
ライバルではなく仲間って認識だったのかも知れないね。
更に自分よりも弱い、格下だと思っていた可能性もあるね。
太一がA級に上がったので、これからは公式戦でも対戦する機会が出てきそうです。
千早と太一がギスギスしたライバル関係になるとは思えないんですが・・・二人の関係に変化が訪れるのでしょうか?
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成分 | 美少女 | 友情 | ライバル | かるた愛 | 恋愛 |
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