ラノベの感想) 百錬の覇王と聖約の戦乙女 第10巻 (HJ文庫)

概略:
鋼は平和な時を過ごしています。勇斗は貯まっていた政務をこなしています。美月は着々と鋼内での立場を固めています。フェリシアのため込んでいた美月への嫉妬心が爆発する事になりました。美月はフェリシアの事を最大の脅威と捉えているので味方に引き入れる事に決めます。美月の手引きでフェリシアの想いが叶う事になりました。勇斗の奴初めてを貰い過ぎだぞ。

レーベル:HJ文庫
発行日:2016/3/1
著者:鷹山誠一
イラスト:ゆきさん
ISBN:978-4-7986-1187-7
雰囲気:美月懐妊、炎vs雷、財政難、お漏らし娘、フェリシア爆発、勇斗結婚、朝敵認定、ステインソールの死
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勇斗は沙耶からユグドラシルがアトランティスだったと聞かされます。
アトランティスが沈むまでの時間的猶予が残されていないと予想されました。
これが勇斗を焦らせている原因のようです。
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炎は勇斗との盟約を守り雷に出撃しました。
雷の倍以上の兵力を動員したので牽制で済むと思っていたようです。
ステインソールの化物染みた実力を見て炎の宗主は歓喜しています。
投入した部隊が壊滅させられ指揮官を失う事になりました。
炎の宗主はステインソールを配下に加えたいと考え再出撃を決めました。
鋼の元にも出兵要請が届きますが返事を返す前に戦闘を始めてしまいます。
炎の宗主はせっかちなようです。
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豹との戦いから帰還した勇斗は出迎えてくれた美月にプロポーズしました。
突然吐き気を催した彼女は勇斗のプロポーズに答える事が出来ませんでした。
口を押えて走り去ってしまいます。
美月は勇斗の大宗主としての面子を潰してしまったと落ち込んでいます。
フェリシアに病状の確認をして貰うと妊娠している事が判明しました。
日本から持ってきた妊娠検査薬でも妊娠していると判定されました。
美月は勇斗が喜んでくれるのか不安になっています。
勇斗は自分が父親になれるのか?と不安になっています。
美月は子供を愛せるかどうかが重要なんだよ、と勇斗に告げます。
美月の発言で勇斗は覚悟ができたようです。
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つわりが始まった美月は食事が取れなくなります。
主食の焼きたてパンが食べられなくなり困る事になりました。
フェリシアが王都を駆け回り妊婦に好評な食べものを探してきてくれました。
フェリシアは美月の妊娠を知り二人を祝福していますが心の中では美月に嫉妬していました。
本心を貯め込むタイプの彼女は暗い感情を堆積させる事に成って行きます。
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豹に勝利し広大な領土を奪ったのですがフヴェズルングが焦土戦術を使ったので食料危機に陥ります。
鋼の若頭に就任して舵取りを任されたリネーアは難しい行政判断を下す事になります。
これまでは食糧に余裕のある角と狼が支援物資を提供していたのですがそれも足りなくなってしまいます。
リネーアは他の幹部の元に向かい豹への食糧支援を頼む事になります。
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最初に向かったのはヨルゲンの所です。
ヨルゲンは勇斗の結婚式と収穫祭を取り仕切る事になっています。
彼は二つの催事を行うのは財政的に厳しいと言っています。
リネーアは頭を捻り良い方法がある事に気が付きました。
妊娠中の美月を豊穣の女神に見立てて勇斗の元に嫁がせる流れにしよう。
収穫祭と結婚式を個別にやるよりも同時開催にした方が相乗効果で最高に盛り上がると考えました。
ヨルゲンはリネーアの手腕に感心していました。
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リネーアはボドヴィッドの元に向かい豹への食糧支援をお願いします。
ボドヴィッドはリネーアの事を小娘扱いして勇斗と直接話すと言っています。
舐められたリネーアはボドヴィッドに反撃しました。
リネーアはニッコリ笑って、今後も何かを頼む事は無いから安心して、と告げて立ち去ろうとしました。
政治の中枢から弾かれては不味いと判断したボドヴィッドはリネーアに協力する事にします。
ボドヴィッドに食料を提供させるだけでは不満が残るのでリネーアは角には不要になった『荷車城塞』を提供する事にします。
豹の脅威が無くなった角に置いといても維持費が掛かるの引き取って貰えると角の財政が楽になります。
鋼が大陸中央に進出するには東に攻め込む事になります。
鋼の東にある爪に『荷車城塞』を配備するのは軍事的にも有用でした。
ボドヴィッドに使ったのと似たような方法で他の宗主からも支援を引き出しました。
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リネーアの元に豹の宗主となったスカーヴィズがやって来ました。
彼は食料が足りない事と、農耕民と遊牧民が混在しているので統治が難しいと零します。
リネーアは領土の広い豹の中で農耕民と遊牧民の住み分けをすれば良いのではないか?と提案しました。
スカーヴィズはリネーアの発想力の高さに感嘆しています。
スカーヴィズは、勇斗がリネーアの事を平時であれば希代の名君だっただろうと絶賛してたと伝えます。
リネーアは感激していますね、他にも何か言っていなかったか?と食い気味に聞いてきます。
スカーヴィズは、リネーアの事を妹のように可愛く思っている、と聞いた事があると伝えます。
妹のように思われていると知りリネーアは嬉しくも悩ましいと感じています。
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豹の食糧難を解決する為の妙案を思い付きました。
リネーアは遊牧民を食べさせるのを止めようと言い出します。
彼らの事を見捨てるように聞こえたスカーヴィズは驚きます。
リネーアは狩が得意な遊牧民を街に留めて復興作業に従事させるのは間違っている。
彼らを野に放ち狩をさせれば彼らの食糧は確保できるだろ、と伝えました。
後日、食糧事情を心配してきた勇斗に、リネーアは全く問題無い、と答えました。
リネーア流石ですね。
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新にエインヘリアルになったヒルデガルドは出世欲を満たす為にジークルーネ組に入ろうとします。
練習を重ねて暗記した仁義を朗々と切っています。
相手をしてくれたのはジークルーネ組の若頭ベムブルでした。
ヒルデガルドは出世街道が始まったと確信しました。
エインヘリアルなので腕には自信を持っています、直ぐに重要な職に就けると思ったようですが期待外れでした。
ジークルーネは上下関係をキッチリ教え込むようです。
新入りのヒルデガルドに与えられたのは馬の世話でした。
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ヒルデガルドは一緒に馬の世話をしている同僚をぶっ飛ばして彼に自分の分の仕事を押し付けました。
そこにベムブルがやって来ました。
言い訳は不可能だと判断したヒルデガルドは組のやり方に文句を言ってしまいます。
強い者が上に立つべきだと主張するヒルデガルドは高評価されています。
しかしジークルーネのやり方に文句を付けたのでジークルーネと対決する事になりました。
志の高いヒルデガルドはいずれは自分が『最も強き銀狼』になろうと考えています。
ジークルーネとの対戦は都合が良いと考えていました。
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二人は模擬戦をする事になります。
ジークルーネが圧倒していました。
ヒルデガルドは本気で攻撃を繰り出すのですがジークルーネは簡単に受けてしまいます。
劣勢なヒルデガルドがルーン《狼をまとうもの》を解放します。
これは自分の事を獣と認識する事で戦闘力を高めるルーンのようです。
ジークルーネの木剣がヒルデガルドの背中を捉えました。
通常ならばここで勝負は終了なのですが理性を失い獣の様に攻めてくるヒルデガルドは止まりません。
ジークルーネが本気を出し殺気を放ちます。
獣になっているヒルデガルドはジークルーネを上位者だと認めました。
ジークルーネから逃げる為に彼女の隙を探っています。
そこに勇斗がやって来てルーネに声を掛けました。
一瞬ルーネの殺気が緩んだのでヒルデガルドは大きく飛びのきます。
飛んだ方向が不味かったですね・・・勇斗の方向に飛んでしまいました。
ジークルーネの事を刺客と判断したフェリシアが立ち塞がりますが蹴り倒されます。
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フェリシアを蹴り倒された勇斗がヒルデガルドに怒気を向けます、凄まじい迫力だったようです。
勇斗の怒気にビビったヒルデガルドはその場に転がり手足を曲げつつ腹を見せました。
これは犬が主人に対してやる服従の姿勢です。
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理性を取り戻したヒルデガルドは自分が大宗主周防勇斗に粗相をしてしまったと気が付き謝罪します。
勇斗は彼女の事を刺客だと思っているようですね、怖い顔で誰の差し金だ?と聞いてきました。
ヒルデガルドは恐怖に震えながらジークルーネ組の新入りですと挨拶します。
ジークルーネが自分の監督不行き届きだったと一緒に謝ってくれました。
ルーネはヒルデガルドと訓練していたと告げます。
ヒルデガルドの身体能力には目を瞠るものがある、制御できれば自分に匹敵、あるいは凌駕するかも、と言っています。
それを聞いた勇斗はヒルデガルドの事を誉めてくれます。
ヒルデガルドの頭を撫でながら、失敗は誰にでもある気にするな、と言ってくれました。
勇斗に頭を撫でられてヒルデガルドは心地よさを感じています。
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何かに気が付いた勇斗が気まずそうに、もう行って良いぞ、と言ってきます。
ヒルデガルドが不思議に思ていると、濡れた服は気持ち悪いだろう?と言われてしまいます。
ヒルデガルドは自分がお漏らししていた事に気が付きました。
真っ赤になってヒルデガルドは遁走しました。
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聖搭(フリズスキャルブ)の頂上でヒルデガルドは黄昏ています。
恥ずかしい姿を晒してしまったので旅に出て誰も知らない土地で再起を図ろうと呟きます。
ジークルーネが現れて、それは困ると言ってきました。
ジークルーネはヒルデガルドの事を期待の新人と言っています。
ジークルーネは籠手を取り去りヒルデガルドに蹴られた箇所に青痣が出来ている事を伝えます。
自分に手傷を負わせたのはお前が初めてだ誇るがいい、と言って励ましてくれます。
ジークルーネは勇斗の真似をしてヒルデガルドの頭を撫でています。
ヒルデガルドはやめてくださいと抵抗します。
勇斗に撫でられると心地よかったけどルーネに撫でられると子供扱いされているようで不快だと教えます。
ルーネは難しいな、撫で方一つとっても、やはり父上は偉大であったのだな、と変な納得をしていました。
ジークルーネからいずれは勇斗から直盃をいただけるように取り計らってやると言われてヒルデガルドは喜んでいます。
ヒルデガルドは「お漏らし娘」と呼ばれるようになりました。
バラ色の明日を夢見る下っ端生活が始まりました。
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リーファに謁見した《剣》の宗主でリーファの乳兄弟ファグラヴェールは違和感を覚えます。
リーファがハールバルスとの結婚が延期になった事を嘆いています。
躍進著しい鋼の存在を鬱陶しいと言っています。
勇斗と仲よくなった事を知っているファグラヴェールは更に強く違和感を感じています。
リーファは帝国の大いなる脅威となる、一刻の猶予もない、手を打たねば、と言っています。
とてもリーファの発言だとは思えないね?誰かに操られているのだろうか?
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フェリシアが美月への嫉妬を募らせています。
早朝に勇斗に呼び出されました、美月が熱があるみたいだ、と言って心配そうにしています。
フェリシアは急いで隣室の美月の元に向かいました。
美月は風邪を引いているようでした。
フェリシアは薬を用意しようとするのですが美月に断られています。
お腹の赤ん坊への影響を気にしているので祈祷のみを行う事にしました。
ユグドラシルに来たばかりの美月は祈祷の効果を疑っています。
腹を壊した時に祈祷して貰い効果を体験している勇斗に効き目があると言われて信じる気になったようです。
祈祷を始めたフェリシアは美月の神力(アースメギン)に同調しようとしました。
しかし美月のアースメギンが強すぎて呑み込まれそうになってしまいます。
フェリシアは双紋のエインヘリアルを持つ美月の能力に瞠目しています。
何も出来なかった自分の力不足を痛感して落ち込んでいます。
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執務を始めた二人は炎から届いた書簡を読んでいます。
そこには雷と戦を起こすので牽制の為に鋼にも出陣して欲しいと書かれていました。
炎の宗主は独特な書簡を書かせていました、ユグドラシルの作法を無視しています。
フェリシアは炎の宗主を失礼な人だと感じて怒りを覚えています。
勇斗は幹部を集めて炎の要請に答えるか協議する事にします。
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ジークルーネはステインソールと再戦できると嬉しそうにしています、彼女は出陣に賛成のようです。
リネーアは現在の鋼の財政状況では出陣は難しいと反対の意思を示します。
勇斗はステインソールを攻略するには大兵力で多方面から攻めるのが効果的だと理解しています。
炎の申し出を受ける事は鋼にとっても都合が良いので迷っています。
炎に滞在中のギンナルから新たな書簡が届きました。
彼は炎が再び雷に対して兵を起こした、と報告してきました。
勇斗はそれはせっかちだな、と言って笑っています。
他の幹部は鋼に援軍を要請していながら返事を返す前に戦を始めた炎を失礼だと憤りを示します。
勇斗はステインソールと戦い彼の力を知っているのに炎は鋼の力を必要としていないんだ。
牽制だけで良いと言っているので出陣するだけで炎への借りを返せるのは好機だと判断しました。
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リネーアは3000の兵までならば動かせると答えます。
勇斗はルーネに、3000の兵を率いて雷に攻め入れ、ただし牽制だ、深入りはするな、ステインソールが出てきたら逃げろ、と命じました。
ルーネはステインソールに勝てないと言われて落ち込んでいます。
勇斗はルーネに近づき彼女の頭を撫でています。
信頼していないわけじゃないんだ、頼みにしているから、こんな小競り合いでお前を失いたくない、と告げました。
ルーネの機嫌が直ってしまいます・・・勇斗に信頼されていると確認できた彼女は上機嫌になっています。
ルーネの事を羨んだリネーアが3000の兵を準備するのはけっこう大変です、とアピールを始めます。
勇斗は兵の数を減らそうか?と答えますが、リネーアはボク頑張りますと再アピールしてきます。
フェリシアはリネーアがルーネの様に頭を撫でて欲しいと思っているんだと伝えます。
心境を指摘されて真っ赤になっているリネーアが、是非お願いします、と言ってきました。
勇斗はリネーアの頭を撫でてあげます。
勇斗は自分の行為が彼女たちにとってどれほど価値があるか理解できていません。
フェリシアはこれもお兄様の王者としての資質なのでしょうね、と呟きます。
鋼の文武の頂点に立つ二人は勇斗に頭を撫でられるだけで満足なようです。
褒美に金銀財宝や領地を必要としない鋼は安上がりですね。
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会議を終えた勇斗とフェリシアは美月のお見舞いに行きます。
勇斗が愛おしそうに美月の頭を撫でる姿を見たフェリシアは彼が美月を深く愛している事を実感します。
嫉妬心が限界まで高まっている彼女は勇斗が愛を向ける対象が何で自分じゃないんだ、と言ってしまいそうになります。
慌てて自分の力が足りなくて申し訳ないと取り繕います。
しかし勇斗に、あまり気にするなと労わられてしまい、心苦しくなっています。
フェリシアは日課のフヴェズルングへの面会に向かいました。
今のフヴェズルングは身分の高い人間専用の牢獄に幽閉されています。
フヴェズルングは憑き物が落ちたようにニコニコ笑顔でフェリシアを迎えています。
彼の裏切り行為のお陰で肩身の狭い思いをしているフェリシアは彼の態度が癇に障りました。
口汚く彼を罵ってしまいますが、フヴェズルングはニコニコしているだけですね。
彼は暇を持て余しているのでフェリシアが面会に来るのを楽しみにしています。
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フェリシアがいつにも増して不機嫌様子を見てフヴェズルングが彼女の心境を推察します。
フヴェズルングは勇斗との間に何かあったんだろ?と図星を突いてきました。
フヴェズルングは勇斗は朴念仁だからな、と言っています。
フェリシアが勇斗は関係ない、自分自身の問題だと答えます。
フヴェズルングは、フェリシアが美月に嫉妬心を抱いている事、そんな自分の狭量さと醜さに悩んでいる事を見抜きました。

フヴェズルングは自分の感情に蓋をするのは碌な結果にならないよ、とアドバイスしています。
フヴェズルングは美月に嫉妬しているフェリシアは自分に似ていると言っています。
問題を解決する為には話してみるしかないと言っています。
フェリシアは彼の意見が効果的だと判断しますが全面的に肯定する事はできませんでした。
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悶々としているフェリシアは無意識のうちに自室に戻って来ました。
そこに美月から声が掛かります。
風邪が治り能天気に微笑む美月を見てフェリシアは少しムカッと来ています。
彼女は勇斗を起こすのを手伝って欲しいと言っています。
美月を看病していた勇斗は椅子で寝ていました。
そのままでは身体を痛めそうだから動かしたいと美月は言っています。
エインヘリアルのフェリシアは軽々と勇斗を抱き上げます。
それを見た美月は、逆お姫様抱っこだ、と言って爆笑しています。
スマホを取り出してフェリシアにお姫様抱っこされている勇斗を撮影していました。
フェリシアは恋人が他の女性と触れあっている姿を絵として残そうとする美月の事がよく分からなくなります。
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フェリシアが最近の勇斗は鬼気迫るものがあると告げるとフェリシアさんから見てもそう見えますかと確認されます。
美月が理由が分からないと告げるとフェリシアは意外感を憶えます。
美月が勇斗の頬をプニプニ突いている姿を見たフェリシアは妙にカチンと来ました。
悩みも分かち合えなくて夫婦と言えるんですか!?と叫んでしまいます。
しまったと思たのですが止められませんでした。
フェリシアは自分の想いを美月にぶつける事になります。
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勇斗の事を支えて欲しい、それが出来ないならばお兄様を任せられない、と言ってしまいます。
美月はフェリシアの発言を忠告と受け取り感謝してきました。
美月に感謝されるほどフェリシアは苦しく成って行きます。
美月が自分にできる事があれば何でも言ってくださいと言ってきました。
感情制御が出来なくなっているフェリシアはお兄様を下さい。
お兄様さえいれば他に何もいりません。
なのに、お兄様の心はずっとお姉さまだけを見ている。
ズルいじゃないですか、自分だってこんなにお兄様の事を愛しているのに。
想いの強さなら決してお姉さまにだって負けないのに!と叫びました。
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フェリシアの下から「ごめん、な」と呟く勇斗の声が聞こえてきました。
フェリシアが騒いでいた事で勇斗は起きてしまいました。
勇斗がフェリシアの気持ちに気付いていた事、気持ちに応えられないくせに、傍にいて欲しくて甘えていた事を謝ります。
ここで美月が予想外の行動に出る事になりました。
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フェリシアの気持ちを利用していた勇斗の事を男の風上に置けないくらいズルい。
こんな綺麗な人にここまで想われて何が不満だ、ちゃんと応えてあげなよ、と言ってきます。
美月は正妻のお墨付きだよ、とまで言っています。
もう勇斗は訳が分からなくなっています・・・ずっと幼馴染やってきたが最近、お前がわからない、と呟いています。
フェリシアは、本当に、それでいいんですか、お姉様?と確認してきました。
美月が一つだけ条件を提示してきました。
美月はフェリシアに姉妹盃を交わそうと言ってきます。
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美月も本心を語り始めます。
美月はフェリシアの事が一番怖かった事を告げます。
いつも勇斗を取られるのではないかとヒヤヒヤしていたそうです。
美月はフェリシアに勝てる気がしないと告げます。
それを聞いたフェリシアは何を言っているんです?と目を丸くしています。
フェリシアは自分では美月に勝てる筈は無いと思っています。
美月はフェリシアの自己評価が低い事に驚いています。
フェリシアが如何に素晴らしい女か力説しています。
そして勇斗がフェリシアの事を想い揺れている事を告げます。
フェリシアは驚いていますね。
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美月が勇斗をフェリシアに取られると思っていた事を知り驚いています。
フェリシアも美月に勇斗を取られると思っていました。
美月が居なくなれば良いのにと思ったけど、嫌いになれなかった、と告げます。
美月もフェリシアの事を嫌いじゃないと言っています。
勇斗の幸せが自分の一番の望み、その一点に関して、あたしたちにズレはない、あなたとなら共に戦えると告げます。
フェリシアも美月が一番の脅威だから敵に回したくない、手を取り合う価値があると認めます。
美月が自分たちが組めば無敵だと思うんです、と告げるとフェリシアが笑い出しています。
二人は姉妹盃を交わす事を決めました。
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自分の事を話題にしているのに勇斗は蚊帳の外に置かれています。
美月が勇斗に盃の取り持ち役を頼んできました。
フェリシアも同意したので勇斗が担当する事になります。
しかし妊娠中の美月に酒はご法度です、ここで美月が悪戯心を出してしまいます。
勇斗に目を閉じさせました・・・フェリシアが勇斗にキスしてきました!!
驚き勇斗は目を開きますが30秒ほどもフェリシアにキスされ続けます。
フェリシアが、お姉様と同じように、お情けを頂きとうございます、と言って勇斗のズボンをずり下げます。
抵抗しようとする勇斗を美月が押さえつけました、ここまできたら観念しようね、と言っています。
美月が勇斗にキスしてきました、唇をこじ開けて舌を絡ませてきます。
キスを終えた美月が、これで姉妹盃完了だね、と言っています。
唾液の糸を連ならせて美月が妖艶に笑っています。
勇斗のソレがフェリシアの眼前で跳ね上がりました。
勇斗が我慢の限界に達してフェリシアを抱く事になりました。
フェリシアの嬌声が幾度となく響き渡りました。
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翌朝目覚めたフェリシアは下腹部に痛みが走り、昨夜の事は夢じゃなかった、と安堵しています。
寝ている勇斗の頬にキスして、お兄様、愛しております、と呟きます。
その行為を起きだした美月に見られていました。
フェリシアは慌てています。
美月の心情を聞くと、ちょっともやっとするけど、フェリシアの事が大好きだし、幸せになって欲しい。
それができるのが勇斗だけなので仕方ないと言ってくれます。
フェリシアは美月の器の大きさに感服して、彼女にも誠心誠意仕える事を決意しました。
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雷の元に炎から降伏勧告が届きました。
シャールヴィは弟盃を飲む事は仕方ないと考えていました。
彼の予想に反して炎の宗主は子分に迎えたいと言ってきました。
ユグドラシルでは盃は絶対です。
子分盃を受けるって事は雷が炎の奴隷になる事を意味します。
これを聞いたステインソールが激怒しています。
ここまで舐められたのは生まれて初めてだな。
帰って炎の宗主に伝えろ、犬猫ならいざしらず、虎を飼いならせると思わない事だ!!
交渉は決裂する事に成りました。
使者から交渉の決裂を伝え聞いた炎の宗主は「で、あるか。是非もなし」と呟きました。
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勇斗は浮気をしてしまったのだろうか?と悩んでいます。
相手をしたフェリシアは昨夜の事、後悔しておいでですか、と不安そうにしています。
勇斗はお前の所為じゃない、と叫びます。
勇斗は元凶は美月だと考えていました。
勇斗はこのまま結婚していいのか?と不安になっています。
美月にフェリシアの部屋で寝るから、男子禁制のパジャマパーティだから盗み聞きしちゃだめだと言われてしまいます。
勇斗は混乱状態に陥ります。
超絶美女のフェリシアまで抱いたんだ、ザマーミロだよ。
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翌朝、フェリシアさんと呼んでいたのがフェリシアに変化していました。
二人は何を話したのか教えてくれませんでした。
美月はフェリシアは表で笑って裏で泣く子なんだからちゃんと気に掛けてあげるんだよ、と言っています。
婚約者に他の女を気に掛けろと言われて勇斗は訳が分からなくなっています。
困った勇斗は経験豊富なヨルゲンに相談に行きました。
ヨルゲンは複数の妻を持っているので女たちの仲が良いのは結構な事だと言って笑っています。
ヨルゲンは二人で良く話し合うのが得策ですと教えてくれます。
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勇斗は美月に真意を問う事にします。
美月は自分でもフェリシアを認める理由が分からないと言ってます。
勇斗を独占したいって気持ちもあるがフェリシアの事を昔から知っている様な気がすると言ってます。
ジークルーネ、イングリット、リネーアにも妙な懐かしさを感じると言ってるね。
だから彼女たちには嫉妬を感じないそうです。
勇斗はリーファが彼女たちと仲良く鍋を囲んだ事を思い出します。
美月がリーファの生まれ変わりじゃないのか?と思うようになります。
美月もそんな気がするそうです。
潜り込ませた風の妖精団から拝謁して声を聞いた人が居るとの報告が届いています。
二人はリーファが戻ってくると楽観していました。
フェリシアも美月がリーファの生まれ変わりかも知れないと言っています。
時空を超えて勇斗と結ばれた素敵ですね、と言っています。
フェリシアは美月の勇斗への想いはそれ位に深いと教えてくれます。
確かに美月の勇斗への献身は普通ではないよね、自分の意思を引っ込めて勇斗の幸せを優先している節があります。
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勇斗と美月の結婚式が始まりました。
着飾った美月の姿に勇斗は見惚れています。
フェリシアは祭祀を務める事になっています。
ユグドラシルでは指輪を贈る習慣はないのですが勇斗はイングリットに作って貰った結婚指輪を美月に上げました。
指輪の作製をイングリットに頼んじゃう勇斗の厚かましさが凄いね。
それに応えるイングリットが意地らしいです。
美月はポロポロと涙を零して嬉しそうにしていました。
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そこに急報を知らせる使者がやって来ました。
彼は神帝陛下(リーファ)が鋼を朝敵として討伐令を発したと言っています。
会場に衝撃が走りました。
リーファは勇斗に好意を抱いていたんですが、どうしたんでしょうね?
ハールバルスが裏で糸を引いている感じがしますね。
鋼はどう対処するのでしょうね?
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ステインソールは数的不利な状況でも炎の部隊目掛けて突撃してきました。
彼の行動に炎の宗主は好感を抱いています。
彼はステインソールを討ち取る為の秘策を用意していました。
持ち出したのは種子島と呼んでいる鉄砲です。
鉄砲隊の砲撃を受けてステインソールは倒れてしまいました。
ステインソールが死んだと理解した雷兵は逃げ出してしまいます。
一人だけステインソールを助け出そうと駆けだす兵士が居ました。
恐らくシャールヴィだと思われます。
主を思う彼の行動に感激した炎の宗主は自ら鉄砲を使い撃ち殺しました。
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炎の宗主がステインソールを弔おうとして近付きます。
ステインソールはまだ生きていました。
炎の宗主の足を掴んで道連れにしてやると叫んでいます。
炎の宗主が名乗りを上げました。
彼は自分の事を、第六天魔王、織田弾正忠平朝臣信長、と名乗りました。
他の者に殺させるのは惜しいと言ってステインソールの心臓に勇斗から贈られた日本刀を刺しました。
ステインソールは死ぬ直前に勇斗と戦えなかった事を悔やんでいます。
信長はステインソール程の男が死に際に執着した勇斗に興味深々の様子です。
彼は勇斗と同じように日本から召喚されたようです。
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役職名前就任時からの変遷
宗主周防勇斗
女将志百家美月
舎弟頭フェリシア側室
序列一位若頭《角》宗主リネーア
序列二位若頭補佐《狼》宗主ヨルゲン
序列三位幹部《爪》宗主ボドヴィッド
序列四位幹部《灰》宗主ドーグラス
序列五位幹部《犲》宗主フンディン
序列六位幹部《麦》宗主ラーガスタヴ
序列七位若衆筆頭スカーヴィズ《豹》宗主
序列八位若衆イングリット
序列九位若衆ジークルーネ
序列十位若衆アルべルティーナ
序列十位若衆クリスティーナ
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成分美少女チート恋愛ラッキースケベハーレム
評価AAAAAAAAAAAA
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