ラノベの感想) 百錬の覇王と聖約の戦乙女 第3巻 (HJ文庫)

概略:
ユグドラシルに召喚された直後の勇斗は役立たずでした。元の世界に戻る方法が無く不貞腐れている勇斗は宗主に諭される事になります。諦めなければ道は開けると諭され少し前向きになりました。鉄が存在しないと知った勇斗はスマホを使い製鉄法を調べ鉄の開発に成功しました。そこから勇斗の躍進が始まりますが最後に悲劇が待っていました。

レーベル:HJ文庫
発行日:2014/2/1
著者:鷹山誠一
イラスト:ゆきさん
ISBN:978-4-7986-0747-4
雰囲気:困惑、献身、発見、試行錯誤、英雄、決戦、破綻
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フェリシアによって召喚された直後の勇斗は楽観的でした。
ユグドラシルの世界をファンタジー世界の様だと思い楽しんでいました。
元の世界でやった事と同じことをすれば帰還できると考えていました。
ユグドラシル世界は21世紀の人である勇斗にとっては過酷な世界でした。
水や食料が日本で手に入る物と比べて粗雑なので腹を下す事に成っていました。
フェリシアとジークルーネは友人関係なので彼女は良くフェリシアの家に遊びに来ます。
その度に腹を下して寝込んでいる勇斗の事を寝坊助と言って罵倒してきました。
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ジークルーネとの初対面は最悪なモノでした。
フェリシアは勇斗の事を『勝利の御子(グレイプジーク)』と疑っていませんでしたがルーネは懐疑的でした。
勇斗はルーネと手合わせする事になります。
勇斗の実父は刀鍛冶だったので勇斗は刀を振る心得がありました。
女の子相手に本気は出せないと舐めてかかり痛い目に遭います。
負けられないと思った勇斗はルーネを油断させて彼女の隙を突く事にしました。
勇斗の木刀を跳ね飛ばしたルーネは油断しました。
勇斗はルーネに飛び掛かり双手刈を仕掛けました。
しかし素人なのでルーネの股間に頭を突っ込む事になってしまいルーネに気絶させられました。
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戦地からフェリシアの実兄であるロプトが帰ってきました。
ロプトはシスコンの気があり勇斗の事を警戒しています。
フェリシアから勇斗がルーネに勝ったと聞いて勇斗の事を認めたようです。
ロプトは勇斗がルーネの隙を突く作戦をとった事を聞き彼の事を気に入ったようです。
ロプトはどうやってルーネの甘さを抜こうか考えていたそうです。
勇斗に負けた事で彼女が成長すると期待しています。
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ロプトは勇斗と親睦を深める為にフェリシア、ルーネ、ロプトの愛人3人を連れて水遊びに出かけました。
勇斗が何で女の子ばかり連れてきたのか質問すると、目の保養にあるだろ、と答えました。
ロプトは勇斗にフェリシアを娶ってくれとお願いしてきましたよ。
勇斗は自分には元の世界に愛する人が居るので無理と断っています。
ロプトは妹を泣かせたら殺すよ、浮気は許さないからね、と脅してきました。
愛人が3人も居るのに結婚していない理由を聞いたら自分が宗主になった時に正妻の座が開いていれば政略結婚に使えるじゃないかと教えられました。
ロプトは次の宗主になろうとしている事が分かったね。
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勇斗は満月の夜にフェリシアを伴い彼がこの世界にやって来た場所である神殿に向かいました。
元の世界に戻れると期待してたのですが裏切られる事になりました。
帰れないと判明した勇斗はフェリシアに当たり始めました。
負い目のあるフェリシアは罵倒されても申し訳なさそうにしているだけでした。
フェリシアに対して酷い暴言を吐く勇斗を窘める人物が現れました。
それは眼光の鋭い老人でした・・・フェリシアは父上と呼んでいます!
勇斗に説教を始めたのは狼の宗主であるファールバウティでした。
彼は自暴自棄になっている勇斗に諦めなければ道は開けると諭します。
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勇斗の手に持っているスマホから着信音が響きました。
出てみると日本に居る美月の声が聞こえてきました。
彼女は勇斗の後を追いかける事を決め、勇斗と同じ様に合わせ鏡を試したと言っています。
結果は失敗に終わりましたが諦め切れずダメもとで電話を掛けてきたと言っていました。
勇斗は美月と話せて少し前向きになる事ができました。
元の世界に帰る事は出来ませんでしたが通信が可能な事が分かり希望を持つ事ができました。
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ユゴドラシルでは鉄が金の5倍の価値があると聞いた勇斗は鉄を作り出す事にしました。
通話が可能なので通信によってネットが使えないか試します。
可能だったのはこの段階ではまだ幸いでした。
勇斗はスマホで鉄の製造方法を調べます。
勇斗はフェリシアとロプトに鉄の制法を知っていると告げました。
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狼は自分たちから分派した爪に攻め込まれて滅亡の危機に瀕していました。
狼の若頭を務めているロプトは勇斗の知識に頼る事にしました。
彼が製鉄に必要な資金と人材を用意してくれました。
フェリシアが勇斗と盃を交わしたいと言い出します。
ロプトもそれに加わり上からロプト、勇斗、フェリシアの義兄弟妹となりました。
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ロプトは勇斗を手助けする人材としてユグドラシルでも有数の鍛冶師であるイングリットを紹介してくれました。
勇斗は初対面だと思っていましたが、彼女には既に迷惑を掛けていました。
不貞腐れていた勇斗が地面を蹴っている時に彼女の足を蹴飛ばした事がありました。
勇斗が鉄を作る知識を持っていると知ったイングリットは勇斗に魅かれていく事になります。
半年程の期間を費やし二人は鉄を作り出す事に成功しました。
勇斗は鉄を作ろうとしたのですが日本刀を作るの使用する玉鋼を作り出してしまいました。
製鉄法が完成したので狼は希望を見出す事になります。
疲れていた勇斗はイングリットの膝枕で眠る事になりました。
起きた時に寝ぼけて彼女のおっぱいを揉んじゃったようですよ。
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冬が明けたら爪の領地に攻め込む事になっていました。
絶対に負けられない戦いを挑む事になるのでロプトはフェリシアも戦場に連れて行くと言っています。
その前に女の幸せを味あわせてあげたいと思ったロプトは再び勇斗にフェリシアを娶って欲しいとお願いしてきました。
元の世界に美月を待たせている勇斗は申し出を断る事になります。
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勇斗は製鉄法の他にも紙や砂無しパンを作り出しました。
その功績が認められてファールバウティから盃を受けて彼の子となる事になります。
この事を事前にロプトに相談しなかった事が悲劇の切っ掛けとなってしまいます。
勇斗は狼のなかで10位の権力を得る事になりました。
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勇斗とイングリットの作った玉鋼で作られた武器を携えてロプトが1000余名を率いて出陣しました。
途中の砦で500程の兵と合流して1500の兵で爪に攻め込む事になりました。
開戦直後は鉄の武器を使う狼が優勢でした。
あと少しで爪に勝てる段階まで追い込みます。
そこに思わぬ伏兵が登場しました。
爪とは敵対関係にあると思われていた牙と灰が爪に加勢していました。
側面を突かれた狼は瓦解する事になってしまいました。
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狼の都に残っている勇斗は自分にできる事をしようと頑張っていました。
勇斗は農業改革を行い収穫量を増やそうと考えました。
ノーフォーク農法を採り入れようとしましたが宗主の弟分であるブルーノに反対されました。
勇斗はスマホで理論を学習して丁寧な解説をしたのですが、神が許さないと言われて拒否されました。
ブルーノに反対されてヤサグレている勇斗をファールバウティが諭します。
彼は事前の根回しをしないで話がまとまる筈はないんだよと言っています。
更に今回の件は根回ししても説得は無理だと言っていました。
ファールバウティはブルーノが納得しない理由を教えてくれました。
彼は勇斗がこれ以上出世する事を防ぐ為に勇斗に功績を上げさせないようにしているんだと教えられます。
狼の窮状を知りながら我欲を捨てられない人々を勇斗は軽蔑しています。
勇斗はファールバウティから人間の裏の側面を教えられたのですが活かせないで終わる事になります。
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馬に乗れるルーネが先に急報を持って戻ってきました。
彼女の口から爪を追い込んだが伏兵として隠れていた牙と灰の軍に側面を突かれて大敗した事が知らされました。
大敗した狼の生き残りが戻ってきました。
スカーヴィズが勇戦する事で生き残りが増えたそうです。
スカーヴィズは負傷して療養する事になりました。
勇斗はフェリシアとロプトが無事だった事に安堵していました。
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狼は今後の対策を練る事になりました。
牙と灰が爪に味方している事が分かったので狼が生き残るには宗主の首を差し出すしかないとの結論に達します。
勇斗は一人爪に勝つための方法を模索していました。
ファールバウティは若頭のロプトに一緒に生け贄になってくれとお願いしていました。
フェリシアとルーネにも何とか生き残って欲しい、生きていれば希望も見えてくると言って励まします。
勇斗は負けた氏族は略奪される事を知り戦慄する事になりました。
このままではフェリシアやルーネは爪の兵士に犯されてしまいます。
何よりファールバウティの首を差し出して生き延びようとする人々が許せませんでした。
勇斗が怒りを露にして叫びます。
「勝つ気がねえ奴は引っ込んでろ!」
勇斗が獅子として目覚めた瞬間でした。
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勇斗は反対意見を出し続けるブルーノを睨みつけますよ。
勇斗の覇気に気圧されたブルーノは失禁してしまいました。
ロプトも勇斗に畏怖の念を抱いたようです愕然とした表情で勇斗の事を見つめていました。
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勇斗に従う者が現れます。
フェリシアは勇斗の事を勝利の御子と感じた自分に間違いはなかったと言って勇斗に従う事を宣言します。
続いてイングリットも勇斗に従う意思を示しました。
勝利の御子と呼び勇斗に従う人々が続々と出てきました。
会議場の雰囲気を一言で一変させてしまった勇斗の覇気を見てルーネは自分が間違っていた事を認めます。
ルーネはこれまでの非礼の数々を詫びてきます、そして勇斗に忠誠を捧げる事にしました。
エインヘリアルである三人が勇斗に忠誠を誓っている姿を見たファールバウティは生涯最大級の感動に震えています。
この段階で彼は勇斗を後継者にしようと決めてたようです。
しかし彼も人の心を読み切れませんでした。
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勇斗は族都に籠城して日食を待つ事にしました。
軍事面の指揮をロプトに任せて自分は準備に取り掛かりました。
勇斗はスマホをイングリットに貸して彼女に投石機の作り方を解説した動画を見せました。
イングリットは見様見真似で投石機を作り出す事に成功しました。
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勇斗に心酔してしまったルーネは態度が豹変して勇斗を崇めています。
理由を聞くと勇斗が皆の心を覆っていた絶望をあっさりと吹き飛ばしたからだと言っています。
勇斗は過大評価されていると思っています。
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爪、牙、灰の連合軍が現れました。
勇斗は族都の外壁の上に現れて口上を垂れる事にします。
自分はアンダルボダに遣わされた勝利の御子、狼に弓を引く事は神に背く事になるぞ、と宣言しました。
その後も城壁の上で謎の踊りを踊ったりして日食の発生を待つ事になりました。
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一週間ほどで日食が始まる事が分かっていたので狼は城壁を破られない様に抵抗活動を続けていました。
三氏族連合軍も無理な突撃はせず、狼が疲弊するのを待っていました。
爪の宗主はヤリ手でした。
彼の双子の娘を狼の城塞内に潜入させて城門を解放させました。
姉のアルべルティーナと妹のクリスティーナは共に風を操るエインヘリアルを持っていました。
気流を操作して気配を消して城門を開けました。
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城門を開けられてしまったので勇斗はフェリシアとルーネを迎撃に向かわせる事にしました。
この時、勇斗はルーネに一本の日本刀を貸しました。
勇斗から日本刀を貸して貰いルーネは得意になっています。
フェリシアも自分にも何か貸して欲しいとおねだりしてきましたが勇斗は貸せる物を持っていませんでした。
悔しがるフェリシアを引き摺ってルーネは城門に向かいました。
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城門を守っているロプトの元に爪で最強の勇者であるムンディルファリが現れます。
彼もエインヘリアルで先の戦闘ではロプトに左目を潰されています。
疲労の色が濃いロプトは防戦一方になりました。
ロプトが真っ二つにされそうなところにフェリシアとルーネが駆け付けました。
ルーネがムンディルファリと一騎打ちをする事になります。
勇斗から借りた日本刀を使いルーネはムンディルファリの武器を破壊して彼を斬り伏せました。
ルーネがムンディルファリを討ち取ったと知れ渡り狼の軍は勢いを取り戻しました。
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待っていた日食が発生しました。
勇斗は城壁の上でのパフォーマンスを続けていました。
日食の事を知らない三氏族連合軍は浮足立っていました。
勇斗は城壁の上から投石機を使い大きな石を撃ち込みました。
暗くなっているので三氏族連合軍には空から石が振ってきた様に見えたようです。
城壁の上で勇斗が石を空から落としているようなパフォーマンスを演じたのも効果的でした。
三氏族連合軍は神の怒りを買ったと恐れて瓦解しました。
逃げ出す彼らをルーネを先頭に追撃する事になりました。
爪の宗主ボドヴィッドは日食の事を知っていたので兵たちに引くなと叫びますが恐慌状態に陥った兵を留める事はできませんでした。
狼が大勝利を収めて滅亡の危機を回避する事に成功しました。
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戦勝祝賀会が行われる事になりました。
集まった人々は勇斗の事を「勝利の御子」と称賛していました。
勇斗は勝てたのはロプトが奮戦したからだと思っているので心苦しく思っています。
ムンディルファリを討ち取ったルーネも称賛されていました。
彼女は勇斗に貸して貰った「勝利の剣」のお陰で勝てたと勇斗の功績を讃えます。
勇斗は狼を勝利に導いたので自分の世界に帰れると確信していました。
貸していた日本刀をルーネから返して貰い、餞別としてロプトに上げる事にします。
この段階でロプトは既に勇斗に対して大きな嫉妬心を持っていました。
勇斗に聞こえない小声で「自分の力を見せつけるつもりか」と言っていました。
後になって考えるとこれも不味い行動だったよね。
勇斗は「これからもがんばってくれよ、若頭」とロプトに声を掛けます。
この発言も不味かったね。
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ファールバウティが登場して祝賀会が始まりました。
この席でファールバウティが勇斗を次の宗主として指名してしまいます。
勇斗が異世界から召喚された人間で元の世界に帰りたいと考えている事を彼は知っています。
勇斗は「は?はあああああああああ?」と言って驚いています。
勇斗はロプトが次の宗主に相応しいと説得を試みますがファールバウティが否定しました。
ファールバウティは狼を守り導くにはロプトでは力が足りないと言ってしまいました。
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ロプトの中にあった狂気が具現化する事になります。
ロプトは勇斗が宗主の座を狙っていた、それに気付かなかった自分は間抜けだと言い出します。
ロプトは子供の頃から宗主になる事を目指して努力を重ねてきました。
もう手がかかっていたのに、それをお前が奪うのか、と叫んで勇斗に斬りかかってきました。
ファールバウティが勇斗を庇いロプトの凶刃に斬られてしまいます。
ファールバウティを斬ってしまったと分かったロプトは恐怖に凍り付き錯乱しました。
出鱈目に日本刀を振るい謁見の間から逃げ出しました。
勇斗たちは呆気に取られていて動けませんでした。
スカーヴィズが、親殺しだ追え、と叫んだ事でロプトの追撃が始まりました。
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勇斗はファールバウティから遺言を託される事になります。
ファールバウティは勇斗に狼を率いて欲しい。
狼の危機を救いこの世界を去る日が来たらロプトを宗主にして欲しいと言い残して亡くなりました。
この事件で勇斗は客観性を身につける事になりました。
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その後勇斗は満月の日に元の世界に帰還できるか試しましたが無理な事が判明しました。
狼が何度も勝利を重ねてもそれは叶いませんでした。
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寝ぼけた勇斗が目覚めた時にフェリシアの金髪を見てロプトと言ってしまいました。
フェリシアの表情に影が差しました。
事件以来、勇斗とフェリシアの間でロプトの名を出すのは禁忌になっています。
フェリシアが未だに勇斗の妹分に留まっているのはロプトの起こした事件への贖罪のようです。
フェリシアはロプトの事を考えると、妙な胸騒ぎがする、嫌な予感がする、と言っています。
彼女の勘は良く当たるので勇斗も憂慮しているようですね。
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落ち伸びたロプトは豹の宗主に収まっていました。
彼は鉄と鐙の製法を持ち込み豹の中での地位を築いたようです。
元々フェリシアを上回るエインヘリアルなので強いんだよね。
彼の双眸には狂気と憎悪が燃え盛っています。
顔を負傷していたロプトは仮面を付けてフヴェズルングと名乗っています。
フヴェズルングは勇斗に復讐しようと企んでいるようです。
狼に負けて弱体化している蹄の族都を陥落させています。
性格が非情なモノに変化したようですね。
「奪い尽くせ!犯し尽くせ!焼き尽くせ!我ら《豹》に逆らった愚か者どもにその報いを思い知らせてやるがいい!」と叫んでいます。
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