ラノベの感想) トラブルシューター シェリフスターズMS mission03 (角川スニーカー文庫)


レーベル:角川スニーカー文庫
発行日:2002/1/1
著者:神坂 一
イラスト:光沢賢司
ISBN:4-04-414613-6

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其は人に造られし虚空の大地
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銀河に進出した人類に三大企業はどこかと聞いた場合、一位クロフト、二位エルパ、三位地元の大企業との答えが返ってくるそうです。
その二位のエルパのお膝元、惑星エシードラの衛星軌道に浮かんだ衛星港、通称ラビィで一人の少女が殺されました。
その少女、マーシャ・カルノフちゃんのお姉さん、サーシャさんが妹の死の真相を調べ始めました。
それを見かねたサーシャの恋人であるクリフさんがシェリフスターに調査を依頼したことが始まりでした。
クリフさんは良い人そうに見えて、人の心を逆撫でする発言を平然と行う空気が読めない困った人でした。
サーシャがいらいらしています、二人の関係も奇妙ですよ、サーシャの方が上位のようで喧嘩腰で会話しています。
サーシャが苦労して探し当てたマーシャが生前つるんでいた不良たちに事情を聞きに行きました。
サーシャと不良たちが険悪になっているところへサミィとイーザーが登場しました。
不良たちのリーダージャックからファミレスで情報を売ってもらうことになりました。
どうもジャックはサーシャさんが嫌いなようですね、マーシャちゃんは家族と喧嘩して家出していたそうですよ。
ジャックはサーシャさんが同席している事を咎めて情報を売らないとか言い出しました。
サミィが上手く言いくるめるのかと思いましたが、イーザーが上手い交渉をしてみせました。
好きなものを頼んで良いと言っておいて、交渉は決裂したので自分達の食事代は自分で払えと言い始めました。
ジャックと仲間達は食事代を持っていないようで慌てていました。
イーザーの脅しは効果覿面でジャックはマーシャの事を色々話してくれました。
イーザーはレティシアやクイーンならどうするかを考えて脅しをかけたと言っています。
イーザーの中でのレティシアの評価は必要ならば脅しも辞さないってことになっているようだね、これはレティシアには教えられないな。
サミィが噴出すくらい受けていました。
話の内容はマーシャの生前の暮らしぶりとかで事件に繋がる情報は皆無でした。
手がかりを求めてマーシャが殺された廃ビルに赴きました。
ここでサーシャさんからマーシャの死体の状況が語られますね、首を引き千切られて殺されたようだよ。
廃ビルでサミィとイーザーはバイオウェポンに襲われました。
戦闘力は高そうですが雑な動きなのかイーザーとサミィの連携で簡単に倒されてしまいます。
この後、廃ビルを出たところで警察に捕まり連行されて取り調べを受けました。
取調べはあっさりしたもので直ぐに解放されています。
サミィ達はバイオウェポンに襲われたことと、ここがエルパの衛星港である事実からクロフト対エルパの代理戦争だと気づきます。
エルパの研究施設では「教授」と呼ばれている人物が怒りを露にしていました。
先のサミィ、イーザーとバイオウェポンとの闘いは録画されていました。
その映像を見ながらバイオウェポンに駄目出しして弱いから負けたと結論付けています。
そして別のバイオウェポンを投入した実験を行う事にしました。
警察から解放された翌日、サミィとイーザーを探すサーシャが誘拐されてしまいました。
これはクリフのせいじゃないのか?
クリフはサミィとイーザーの依頼人なので彼らの行き先を知っているのに捜査に同行しようとするサーシャに二人の行き先を教えなかったよ。
心配しているのは分かるけど、サーシャが直情型で頭に血が上ると人の意見を聞かないのは分かっているじゃん。
サミィとイーザーは役所を訪れていました。
衛星港のマップデータを得ようとしましたが、下水道とかの通路まで載っているマップは入手できませんでした。
そこへジャックが現れて自分達、不良グループが代々調べて作り上げた衛星港の裏道マップを提供するから調査に同行させろと言って来ました。
どうしようかサミィが悩んでいるところへ、イーザーの携帯端末に電話が入りました、サーシャを誘拐したから指定の場所に迎えに来いと。
サミィはエルパのバイオウェポンとの第二ラウンドが行われると分かっていたのでイーザーにサーシャをほっといて敵の本部を攻撃しようと相談するか悩んでいますね。
結局イーザーにサーシャを見殺しにしたと嫌われたくないので言い出せなかったね。
サミィにとってのイーザーの存在は相当大きいね。
ジャックのマップを使い天井から指定されたゴミ集積所に侵入しました。
そこでサミィが下手な言い訳でジャックを帰らせました、サミィはあの言い訳で通用したと思っています。
ジャックは何食わぬ顔でゴミ集積所に入って来ました。
サミィ呆然です、かわいいですね。
サミィ達が予想外の場所からゴミ集積所に現れたのでエルパの研究室は混乱していました。
さらに民間人の少年であるジャックが居る事に一人の研究者が実験の中止を進言しましたが教授は聞き入れてくれません。
実験が始まるようです、ジャックはバイオウェポンの只中に居るんだけど大丈夫かな?
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其は己が意味を求めし者達
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心配だったゴミ集積所での戦闘はあっけなかったぞ。
サミィとイーザーはゴミ集積所に舞っている紙くずに火をつけて火災を起こしました。
室内施設なので当然火災報知機が付いていて、水を撒き散らして消火活動をしてくれます。
その水がエルパの研究チームが用意した観測システムをダウンさせてしまいます。
突貫作業でシステムを設置したからと言って防水を怠るのは問題だよね。
それとも火災報知機を切っとけよと言いたいぞ。
エルパの研究チームはひょっとして間抜けの集まりかもなと疑ってしまうね。
観測データが取れないのでバイオウェポンに対して攻撃命令を中々出せない研究チームでした。
ここでも、こいつらはまだサミィとイーザーを過小評価しているぞ。
攻撃命令を出してしまうと数で圧倒しているのでサミィとイーザーを殺してしまい戦闘データが取れなくなってしまうと危惧しているよ、能天気すぎる。
研究チームがのろのろしている間にサミィとイーザーは着々とバイオウェポンを仕留めていきました。
実験は大失敗です、かなり大掛かりな準備をしたのに詰めが甘かったね。
無事に脱出したサミィたちはサーシャに遭遇しました。
彼女は誘拐されていませんでした、サミィとイーザーを探して街をうろついていたようです。
サーシャの携帯を盗んでそれを使ってクリフの携帯に脅迫メールを寄こしたようですね。
これもエルパの研究チームの仕込みだね。
マーシャの殺害現場で会った警官はエルパ本社のスパイでした。
彼が本社のバイオウェポン開発を承認した重役に実験の失敗を報告していました。
次の実験は五日後に行われました。
サミィとイーザーの泊まっているホテルの部屋に複数のバイオウェポンが襲撃してきました。
しかし対策期間が十分にあったのでサミィとイーザーは部屋に爆弾を仕掛けていました。
部屋を監視している生体センサーにも細工していて二人が部屋に居ると偽装までしています。
当然この実験も大失敗でした、バイオウェポンが部屋に侵入すると仕掛けた爆弾が大爆発しました。
哀れな研究チームは部屋のドアを開けたところまでの映像データしか手に入らなかったよ。
流石にここまで失敗を繰り返すと本社の重役も黙っていません。
研究チームの責任者である教授に研究の一時中止を言い渡します。
これまでの研究データの提出を言い渡しデータを検証したうえで研究の中止か続行を決めると言い渡しました。
ころれはキツイですね、データは殆ど取れてないからね。
このままでは研究は中止になると考えた教授が暴走しました。
部下の研究員を退室させて一人で最後の実験の準備を始めました。
そこへ、サミィとイーザーがやって来ました。
吃驚したね、研究チームの責任者、教授はクリフだったよ。
なるほどな、サミィとイーザーの戦闘時以外の行動も観察するつもりだったのね。
サミィに指摘されていますがクリフは怪しい行動が目立っていたよね。
しかし彼は自分が疑われていると思っていませんでした、やっぱり彼は間抜けだね。
追い詰められたクリフは中途半端な命令を施したバイオウェポンを解放してしまいます。
逆切れしていますね、バイオウェポンが街に出たら大惨事だぞ、止めないのか?とサミィを脅してくるね。
サミィとイーザーはクリフを昏倒させてから拘束してバイオウェポンを倒しに掛かりました。
バイオウェポンは攻撃命令が徹底されていなかったのではっきり言って弱かったね。
統制が取れていないので一体ずつ確実に倒していきました。
しかし数が多いので街に出るのを食い止めることは難しそうでした。
研究所内でクロフトが密かに送り込んでいたイージス部隊と遭遇します。
彼らはエルパのバイオウェポンの殲滅と研究データの奪取を命令されていました。
最初はヘルメットを被っていて分かりませんでしたが、ヘルメットを取ったイージスにサミィが驚いていたね。
彼らの外見はイーザーと同じだったね、髪が短髪なところが違いかな。
サミィが恐れていた自分達が道具であると言う事実を突きつけられるね。
自分達の量産型の存在を知ってしまったからね。
サミィは暫し混乱しますが、イーザーとイージスは違う事をイーザーの態度から感じとり落ち着きますね。
バイオウェポンの始末をイージスたちに任せてサミィとイーザーは逃げたクリフを追いかけました。
行き先は衛星港です、クリフの行動は分かり易いな。
自分のバイオウェポンが負けた事やエルパでの立場を失うことなどで混乱していたクリフは半ば拉致気味にサーシャを連れ出して衛星港から逃げようとしました。
彼がサーシャを連れ出そうとした動機がまた小物臭が漂うスケベ根性丸出しの最低なものでしたね。
バイオウェポンに蹂躙された衛星からサーシャを助け出した英雄になれば自分に惚れてくれてサーシャが自分に従う貞淑な妻になると思ったみたい。
勘違い野郎だよね本当に。
サーシャはそんな玉じゃないよな、いくら助けられたとはいえ自分の意見を全く言わなくなる大人しい女じゃないよね。
衛星港に向かう途中でジャックに遭遇してしまう不運もあったけど、やはりクリフは抜けていたよ。
サーシャを銃で脅して衛星港から逃げようとしている所でジャック、サミィ、イーザーに見つかってしまうよ。
追い詰められて数々の暴言を吐きまくりました、最後は見下していたジャックに「下衆」呼ばわりされてしまうね。
銃も取られてしまい、最後は隠しもっていたナイフで襲い掛かるが撃たれてしまい死んでしまいました。
最後にクリフを撃ったのは誰だったのかな?
事件が解決してラビィから帰還しようとしているサミィとイーザーの元にサーシャとジャックがお別れを言いに来てくれました。
この二人は暴走したクリフからサミィとイーザーがクロフト製のバイオウェポンだと聞いてしまっていました。
サミィが二人に黙って帰ろうとしたのは、二人から化け物扱いされるかもしれないと恐れてのことです。
まあ杞憂でしたけどね、この二人はまっとうな人間ですね、サミィとイーザーの行動から彼らが人間だと判断してくれたね。
良い別れだったと思います。
サミィ良かったね、分かってくれる人間もいるって事だよ。
イーザーはこの辺の事をどう思っているか分からないんだよね、案外何も考えていないかもな。
イージスの性能は戦闘能力や作戦遂行時の思考能力はサミィやイーザーと変わらない高いものだね。
しかし柔軟性や命令に無い行動を取るかの判断力には乏しいみたいだね。
彼らには感情は無いように見えるね。
やはり感情機能が乏しいと人間のような柔軟な作戦行動は難しいのかもね。
しかしイージスに感情機能があるとサミィ以上に悩む事になるかもしれないので、感情機能を付けていないのはクロフト社の優しさかもしれないね。
そうだといいなと思いますが、やはりエルパの研究チームのメンバーのようなデータ重視の下衆どもかもしれないね。
こちらの可能性の方が高そうだけどね。
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成分美少女戦闘兵器作戦変態シリアス
評価AAAAABBAAA
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